国内小説作品一覧

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  • 熱愛者
    -
    音楽評論家で大学の講師でもある「私」が、主我的で嫉妬深い歌劇団のプリマドンナ・千坂牧子との生活に疲れ、小悪魔的な室内装飾家・津島頼子に心をひかれ、結婚して家庭生活に耽溺する。しかし、やがてその生活に破綻をきたし、頼子は別の男の許に走り去る。……心憎い程に女性心理を透視する著者が、男の異常なまでに純粋な熱愛がかえって女の愛を動揺させていくという物語を、物やわらかいムードの中に描いた力作。
  • 熱愛者
    -
    妻に去られて一人暮らしの翻訳家の悠治は、相前後して二人の美女と知り合った。女神のような典子と、妖精のような悦子である。悠治は交互に二人と体を重ね、旅先で、アパートで体が軋むほどに愛し合った。性の瞬間だけが生きていく上で確かなものに思えた、つかのまの日々。やがて熱い愛情は三人を固く結びつけてゆくが…。愛することで人は本当に孤独から逃れられるのだろうか?直木賞作家がその問いに答えて書いた、恋愛小説の白眉!性の根源を描き切った、と絶賛された一冊です。

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  • 熱愛者ふたたび
    -
    恋人に去られた秋の午後、翻訳家の悠治は小料理店で、着物の似合う信乃に出逢った。若い娘の奔放な行動に、悠治はふりまわされ、自分を見失った。が、やがて、結婚を誓い合った典子との再会を果たし、アメリカに旅立った悦子ともよりを戻す。恋人との空白を埋める性愛の日々が、また始まった。無限に続くかと思われた魂と躰の歓喜。その末に訪れたものは…。直木賞作家が、大胆に性と愛の深層を描き出した衝撃のベストセラー『熱愛者』の完結続編!

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  • 熱源
    4.1
    樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。 一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。 日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。 文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。 樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、 国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。 金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、 読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。 ※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 熱夜
    -
    1巻935円 (税込)
    南国沖縄でアヴァンチュール 深みに嵌まった7人の女 抜き差しならない夜もある  沖縄に移り住んだ官能作家の「私」が、十年の間に深い関係を結んだ七人の女との性愛の日々を綴る。十八歳年下の奔放な愛人ユキノとのめくるめく火遊び、今はなき花街真栄原新町の娼婦ハルカとの限りなく危険な逃避行、歓楽街松山の秘密クラブで出会った淑女レイコとの行きずりSMプレイ……南国の島の熱い夜を舞台にした名手による読み切り連作官能ロマン。私小説的情炎小説集。 目次 第一話 雨のリゾート──ユキノ・二十二歳  第二話 病める薔薇──ハルカ・二十四歳  第三話 目隠しの夜──レイコ・三十四歳  第四話 夜の海に溶ける──マリコ・三十二歳  第五話 声の限りに──カンナ・二十八歳  第六話 第六話 ロリ顔──ミオ・三十歳  第七話 第七話 無人島へ行こう──トモミ・二十三歳
  • 根津権現裏
    3.5
    明治の末期に、病さえ治せぬ貧困の中に暮らす訪問記者の私。友人の急死によって浮かび上がる社会への怨嗟とは…。初刊から100年、不朽の名作私小説が堂々復刊! 歿後弟子・西村賢太の校訂による決定版。
  • 寝ても覚めても 増補新版
    3.8
    話題の映画原作、待望の増補新版! 濱口竜介監督 東出昌大主演 第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品 2018年9月1日全国公開 運命の人は二人いた…… 芥川賞作家の代表長篇に加え、 森泉岳土のマンガとコラボした魅惑の書き下ろし小説を収録。 謎の男・麦に出会いたちまち恋に落ちた朝子。だが彼はほどなく姿を消す。三年後、東京に引っ越した朝子は、麦に生き写しの男と出会う……そっくりだから好きになったのか?好きになったから、そっくりに見えるのか?運命の恋を描く野間文芸新人賞受賞作。
  • 寝盗(ねと)られ宗介
    -
    「レイ子、オレはおまえがいなきゃ、生きてゆけねえんだよ! 出て来やがれ!」みずからの心を燃え上がらせ、愛を高揚させようとして、座長は何度も女房をそそのかし、しゃにむに男をつくらせ、いっしょに旅に追い出してきた。だが、ついに今度は、女房は帰ってこない……。すべての<愛する者たち>のために――、つかこうへいの描く正しい恋人、夫婦のあり方!

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  • ねなしぐさ 平賀源内の殺人
    3.8
    天下の奇人か、稀代の天才か―― 日本中を漂流した男・平賀源内の死の謎に迫る! 「平賀源内は晩年に殺人事件を起こし、その罪を問われて伝馬町の牢屋敷で獄死した。ショッキングだけど、歴史上は確かにそういうことになっている。 しかし本書は、その史実を鵜呑みにしていいのか、磊落な天才の人生の行き着く先に、他の希望の道はなかったのだろうかと問いかける物語だ。ラストの二行が胸にしみる」 ――宮部みゆき 「読売新聞」2020年4月19日付 身分は侍、本業は本草学者。医学や蘭学、鉱物の知識にも明るく、戯作者、発明家といったよろずの才を持つ平賀源内。ある朝、彼が自宅で目を覚ますと、部屋には男の亡骸が転がっていた。知らせを受けて駆けつけた杉田玄白の前には、脇差を手に持ち、茫然自失とする源内の姿があり、記憶がないとただ首を振るばかり……。稀代の天才の身にいったい何があったのか。 (著者プロフィール) 乾緑郎 1971年、東京都生まれ。2010年に『完全なる首長竜の日』で第9回『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』で第2回朝日時代小説大賞を受賞。他の著書に「鷹野鍼灸院の事件簿」シリーズ、「機巧のイヴ」シリーズ、『愚か者の島』など。
  • 根の島
    4.0
    生物学的な男(メイル)が生まれなくなった近未来。 メイルは貴重な資源とされ、無生殖能力者(スュード)である鶫(ツグミ)は、 メイルの略奪者として働いていた―― 「スュードに生まれるのは悪いことなの? なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう」 任務に背いてメイルを解放した鶫。 そのメイルを連れ、唯一メイルが生まれる太母市に潜入する。 そこで鶫が見たものとは―― === 決断したという自覚さえないままに、鶫は戦士になっていた。 なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう。 およそ、この世に略奪者ほど卑しく汚い仕事はないのに。 あるいは、それだからこそだったのか。 スュードは何も生み出さない。 無意味で不毛な人生を送って虚しく死んでいくだけだ。 やりたいこともなりたいものも特に見つからなかった。 それとも、考えようともしなかったのか。 母親にさえ見捨てられる無価値な存在が 人生について真剣に思い悩んだところで何になる。 自分には人に蔑まれる仕事こそがふさわしいのだ。 ===
  • ネバー×エンド×ロール ~巡る未来の記憶~
    3.6
    この街は壁に囲まれている。 札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は高い壁の中にすっぽり収まっていた。 風変わりなその街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抑えきれずにいた。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀すぎる脱出作戦を立てるのだが……。 そんな夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて―― !? 悩める彼らの運命が動き始める! 一人の少女が巡る三つの暦。 高い壁に秘められた小さな星のナゾを紐解く、青春ロスタイムストーリー。
  • ネバーランド(新潮文庫)
    3.0
    堅苦しいのは嫌い、ふざけているのが好き。30歳になってもそんな子供っぽさの残るミサが好きになったのは、同棲中の恋人がいる隆文だった。夏の終わりの夜、ファミレスで恋人の愚痴を聞いたことをきっかけに隆文はミサの家に居候。なのに恋人との関係を終わらせようとしないのだ。しびれを切らしたミサはついに出禁を言い渡すが……。普通の二人の歪な関係。芥川賞作家による絶品恋愛小説。(解説・角田光代)
  • ネバーランドの向こう側
    3.7
    1巻1,500円 (税込)
    文化センターで働く30歳の実日子。実家で何不自由ない生活を送っていたが、両親が交通事故で亡くなり、母方の叔母と同居することに。箱入り娘で、家事ができず、世間知らずな実日子と合理主義の叔母は全く波長が合わず、実日子は人生初めての一人暮らしを決意するが……。新居であるメゾン・ド・ミドリで出会った大学生サイトーくんや声優の新田さん、お見合い相手の椎名さんとの交流の中で、実日子は少しずつ強くなっていく。大人になり切れない大人の葛藤と進歩を描く、ハートフルストーリー。
  • 寝ぼけ署長
    4.0
    五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。ところが、いよいよ他県へ転任が決ると、別れを悲しんで留任を求める声が市民たちからわき起った……。罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法でつぎつぎと解決する。山本周五郎唯一の探偵小説である。

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  • ねむい幸福
    3.0
    橋場淳夫は妻・君香と理想的な家庭生活を送っている……と思い込んでいた。だが、些細な口論をきっかけに、妻が突然、家を出て行ってしまった。男性と暮らし始める一方で、淳夫に毎日のように電話をかけてくる。そんな妻の行動がさっぱり理解できない淳夫は、ある日、スポーツクラブで、インストラクターの祥子と出会う――。男女の心の深奥を描き出した傑作長編小説。
  • 眠い町
    -
    1巻110円 (税込)
    日本のアンデルセンと言われる小川未明の童話。「灰色の姉と桃色の妹」「負傷した線路と月」「眠い町」の三本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。

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  • 眠たい入江
    -
    人生の、まどろむような昼下がり。胸底に押し込めたわだかまりが、哀しみがふとしたことで噴き上げ、平凡な日常が一瞬、色を変え、ゆがむ。にがい日曜日・オンブバッタ・ためいきの罪・もうひとりのシンデレラ・聖者のコンパクト……。シュールな感覚の34のショートショートと、12の愛のショートストーリー。
  • 眠っているあいだの無防備
    完結
    4.0
    全1巻275円 (税込)
    男たちが「しなかった」話 登場人物は5人だ。女が2人と男が3人。仕事が終わり、誘い合って食事をし、次の店に移る。3人の男たちはそれぞれ、過去の「しなかった」話をする。つまり、明らかに女性の側からモーションをかけられていながら何もしないままに時を過ごした、いわば「据膳食わぬは……」という経験だ。これが前振り。その他愛も無い経験談を受けて、二人の女性のうちの一人がもう一人の女性の部屋で無防備にも寝てしまい、そこを3人の男たちが囲んでいる、という状況ができる。さて、そこから何がどうなるか、ならないか。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • ネムとジド
    -
    1巻1,408円 (税込)
    心を揺さぶる5つの寓話 この世界はすこし切なくて、不思議で、あたたかい。 子どもから大人まで世代を超えて楽しめる、珠玉の短編小説集。 おしゃべりがうまくできずに学校に行けないネムは、子犬のジドといつも一緒。 村の人たちは、獲物一匹取ってこないジドのことを「役立たず」といった。 「息子に手がかかるのに、あんな犬までかかえたんじゃ、さぞたいへんだろうよ。」 でも、ジドにはひみつがある。耳を羽のように動かして、空をとぶことができるのだ。 ある日、空とぶ犬のうわさを聞きつけた村の旦那が、ネムの元にやってきて―― 表題作「ネムとジド」ほか、優しく沁みこんでいく全5編の物語。

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  • ねむの木の子どもたち
    値引きあり
    -
    就学猶予……障害児へのこの冷たい言葉に怒りを覚えた女優・宮城まり子。悪戦苦闘の連続で育てた「ねむの木学園」園長、そして障害児たちの「おかあさん」宮城まり子。……「なぜ、ねむの木を作ったのか? 理屈をつくっても、どれも本当で、どれも後から考えること。ただ、言えることは、私が彼と彼女を知ってしまったこと。そして就学猶予という悲しい言葉があったことです」……心身に障害をもつ子らと、裸の心とからだを寄せ合って育てた「ねむの木」の、愛と誇りにみちた闘いの軌跡。一人一人の子どもに宛てた愛のメッセージや、子どもたちの美しい詩も、多く収める。障害児たちとのヒューマンな触合いの記録。園児たちの背負うハンディの重さと、彼らとのやさしい心の交流をつづる、感動の書!<正続 全2巻>
  • 眠らない少女 高橋克彦自薦短編集
    4.0
    妻が娘に語っていた「あまのじゃく」の物語を聞いていた「私」は、自分の故郷に伝わっていた凄惨な「あまんじゃく」を思い出し…。前世の記憶と怨念が凄絶な惨事を引き起こす表題作など厳選の10編。
  • 眠らない瞳
    -
    忽然とあらわれた少女「耳子」の強いまなざしに魅かれた私は、耳子と母・清見の住む家についていってしまう。二人の壮絶な母娘関係に圧倒された私は、やがて、恋人・サトシとの結婚すら犠牲にして、耳子を引きとって育てたいと決意するのだった。生命の輝きを真摯に見つめ新しい世界に挑んだ、意欲的長編小説。
  • 眠りなき夜
    4.0
    【第4回吉川英治文学新人賞受賞作】弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。メモを手がかりに、谷は山形県S市に飛んだ。早速、三人組に襲われる。黒幕とみられる大物政治家・室井などの名が浮かぶ。そして戸部の惨殺体発見…。民子との間に何があったのか? 室井との関連は? 友の死を追って、谷は深い闇を解明すべく、熱い怒りを雪の街に爆発させる。第一回日本冒険小説協会大賞受賞作。
  • 眠りの庭
    3.6
    1巻704円 (税込)
    女子校の臨時教員・萩原は美術準備室で見つけた少女の絵に惹かれる。それは彼の恩師の娘・小波がモデルだった。やがて萩原は、小波と父親の秘密を知ってしまう……。(「アカイツタ」) 大手家電メーカーに勤める耀は、年上の澪と同棲していた。その言動に不安を抱いた耀が彼女を尾行すると、そこには意外な人物がいた……。(「イヌガン」) 過去を背負った女と、囚われる男たち。2つの物語が繋がるとき隠された真実が浮かび上がる。
  • 眠りの森クリニックへようこそ ~「おやすみ」と「おはよう」の間~
    4.0
    薫が働くのは、札幌にある眠りの森クリニック。“ねぼすけ”だが腕のいい眠りの専門医・合歓木院長のもとには、毎日ひっきりなしに患者が訪れていた。子どもの夜泣きに悩む母親には「虫切り」のおまじないを、金縛りにうなされる少年には眠りを誘うホットミルクを……。薫は合歓木のもと、眠れない人をさまざまな処方で安らかな夜へと導いていく。
  • ねむり姫
    3.9
    なんの前ぶれもなく、永いねむりについてしまった美しい姫と、腹違いのひとりの童子――中世の京の都を舞台に繰り広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る表題作のほか、実母の生んだ牝狐を愛して命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」、夢が男女の出会いを予告する「ぼろんじ」など、あやかしの物語六篇。

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  • 眠る魚
    3.5
    ガイドや通訳をしながら南太平洋のバヌアツに暮らす彩実は、東日本大震災からしばらくの後、父の訃報を受けて故郷の北関東の町に一時帰国する。放射線被害についての危機感の相違や、保守的な家族たちの思考と言動に噛み合わない思いを抱くうち、「アオイロコ」という奇妙な風土病の噂を耳にする。そんな中、彩実の口中の腫瘍が悪性と診断され、入院することに――。坂東眞砂子、絶筆作品。
  • 眠れない凶四郎(五) 耳袋秘帖
    3.6
    狂人が描いた絵を見る夜半過ぎ 不眠症が続く凶四郎の身辺に幽霊が出没する。 妻殺しの一件が解決した後も、未だ不眠症の癒えない南町の土久呂凶四郎は、 奉行の根岸の計らいで夜専門の見回りを続けることに。 江戸の闇は意外に騒がしく、今宵もまた幽霊が出る屏風だの、 盗みに入ったお店でお化けが出たと騒ぐ間抜けな泥棒だの、凶四郎は振り回される。 事件を解決する凶四郎に安眠できる日は訪れるのか。 大好評、耳袋秘帖・殺人事件シリーズ第5弾!
  • 眠れない凶四郎(三) 耳袋秘帖
    3.6
    私の妻はこんな事で死なねばならなかったのか! 妻を殺されて不眠症になった同心が、妻惨殺事件の真相に迫る! 妻を池の端の出合い茶屋で惨殺された同心・凶四郎は不眠症となり、 夜回り同心として江戸の町を見守っている。 「武家屋敷に化け猫が出た」「神社の石灯籠が動く!?」――江戸の夜は意外と賑やかだ。 一方妻の実家の主が蝦夷地の交易に密かに手を染めているらしいと判明した。 果たして妻が殺された真相に迫ることが出来るのか!
  • 眠れない凶四郎(四) 耳袋秘帖
    3.9
    難事件解決後も、凶四郎はなお江戸の闇を巡り廻る 今度の魔物は一体何か? 妻殺しの一件はなんとか解決。 し かし凶四郎の不眠症は快癒しないまま、今日も暗闇の江戸の街を見回る。 奉行の根岸は闇の世界に引きずり込まれないよう注意深く凶四郎を見守る。 しかし、再び殺しが起きる。 芝居小屋の裏方が張り巡らされた綱に縊り殺された!そして第二第三の殺しが。 走る凶四郎。根岸の名推理が冴え渡る! 土蜘蛛、骸骨、一体次は何だ!! 大好評、耳袋秘帖・殺人事件シリーズ。
  • 眠れないほどおもしろい源氏物語
    値引きあり
    3.9
    マンガと人物ダイジェストで読む、日本一わかりやすい『源氏物語』の本! 千年の時を超えた、究極の“王朝・ラブストーリー”!日本が世界に誇る『源氏物語』は、平安時代の天才・紫式部による54帖もの長編大作。そこで本書では、『源氏物語』のストーリーを、それぞれの魅力にあふれた“登場人物ごと”に紹介。*“永遠の恋人”を生涯追い求めた「光源氏」*きゃしゃで可憐な一夏の恋人「夕顔」*少女の頃から光源氏に愛された「紫の上」*不器量だけど一途な姫君「末摘花」*低い身分ながら誰より気品ある「明石の君」――きっとあなたも、千年の時を超えて共感する姫君や貴公子と出会えるはずです。また、『源氏物語』のハイライトシーンはマンガ化して収録!印象的なシーンが、ますます頭に残ります。

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  • 眠れないほどおもしろい日本書紀
    値引きあり
    3.7
    シリーズ累計50万部! アマテラス、スサノオ、日本武尊、神武天皇、中大兄皇子、天武天皇…知れば知るほど凄いぶっ飛びのエピソードを、あの藤原不比等のナビで実況中継! 伝説と事件の舞台裏でその時、何が起きたのか――?古代日本史オールスターズが登場する最古の歴史書『日本書紀』の魅力に迫る本!◇『古事記』と『日本書紀』の“意外な違い”とは?◇「ヤマタノオロチの尻尾から鉄剣」が意味すること◇「三種の神器」を携えて、天孫ニニギ、降臨!◇オオクニヌシはなぜ「国譲り」を迫られた?◇「蘇我氏≒極悪」に書かれた理由とは◇英雄ヤマトタケルは、なぜかくも悲しいのか?◇「乙巳の変」のラスボス――意外な人物◇実力十分! なぜ中大兄皇子はすぐに即位しなかった?◇アマテラスの姿に自身を投影した女帝とは?漫画も入って、超リアル!

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  • 眠れない町
    3.5
    郊外のマンモス団地に住むフリーライター兼編集者の矢吹徹治。徹夜仕事が日常の多忙な毎日を送っている。矢吹はある朝、近所に住む会社員・城山が駅で急死する場に立ち会ってしまう。城山は、極度の不眠症に悩んでいたらしい。それを発端に矢吹の周囲で不可解な事件が続発する。平凡な町に何が起こっているのか? 〈睡眠〉に仕掛けられた恐るべき陰謀とは!?
  • 眠れない夜、この音が君に届きますように
    4.0
    高校2年生の千紗は、転校2日目から遅刻しそうだったところを、同級生の鮎川に拾われる。学校で人気がある鮎川から強引に軽音部へ誘われる千紗。ある理由から、ピアノを弾くことと人と関わることを拒絶していた千紗だったが、軽音部の人たちと関わっていくうちに、だんだんと心を開いていく。そんな折、留年しているという鮎川の秘密を知ってしまい……。自分から踏み出せば、世界は少しだけ変わるかもしれない、青春恋愛ストーリー。
  • 眠れない夜にみる夢は
    NEW
    4.0
    三人は同じ日に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。せつなかったり、さびしかったり、困ったりしている愛すべき人たちが、右往左往しながら新しい関係を築いてゆく珠玉の六編を収録する。新作を発表するごとに注目度が高まる俊英による、軽やかでメランコリックな作品集。/【目次】なにも傷つけないように、おやすみ/明日世界は終わらない/不自由な大人たち/家族の事情/砂が落ちきる/単行本版あとがき/【文庫版ボーナス・トラック】そしてゆっくりと眠る
  • 眠れない夜のために
    3.9
    1巻1,584円 (税込)
    また今日も、眠れない――。直木賞作家・千早茜が紡ぐ、ひとりの夜にそっと寄りそう10の物語。挿絵は人気イラストレーター・西淑。
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.1
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • 眠れない夜は体を脱いで
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    手が好きなので、あなたの手を見せてください――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた……。静かに心を揺さぶる連作短篇集。
  • 眠れない夜は羊を探して
    3.5
     幸運をくれると人気の占いアプリ〈孤独な羊〉にはある噂が。画面上を行きかうカラフルな羊たちの中に、もしも黒い羊が現れたら、どんな願いも叶うらしい。それが誰かへの殺意だとしても――。  同級生に復讐したい少年。祖母の介護に疲れ果てた女子中学生。浮気した彼氏を殺したい女子大生。周囲に迷惑ばかりかける自分を消したい新入社員。理想の死を追い求める少女。余命宣告を受けたサラリーマン……。真夜中のアプリに集う人々の、いくつもの眠れない夜と殺意を描いた15編の短編集。
  • 眠れる森の美女 完訳ペロー昔話集
    5.0
    不可思議な魅力に満ちた大人の童話――ヨーロッパに広く流していたお噺(はなし)のなかから、表題作をはじめ「青ひげ」「長靴をはいた猫」「サンドリヨン」などを、著者・ペローの文学観で編みなおした「昔話集」は、当時の社会に大きな影響を与え、現在も読みつがれている。本書はドレの画とともに、散文8編だけでなく韻文3編も加えて、そのすべてを紹介。
  • 眠れるラプンツェル
    3.8
    昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで――。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説!
  • 寝業師
    -
    二流商社の平社員・村中陽吉は、会社の将来に対して痛烈なレポートを書いたがために、単身ニューヨークへ飛ぶ破目になった。支店を開設しろ、というのである。英語もろくにできない村中はセントラル・パークで途方にくれた。英語の勉強でも、と思って大衆小説をひろげていると、思いがけず隣りにすわった白人女性が声をかけた。50がらみのその女性は「うちへいらっしゃい、本が沢山あるわ」と誘った。村中はその誘いに応じたのだが、縁は異なもの、そこから彼は大変な見つけものをする。快人物の一代を描く標題作のほか4篇を集めた、さわやかな作品集。
  • 年月のあしおと(上)
    4.0
    1~4巻1,023~1,353円 (税込)
    明治・大正・昭和の文学的追想。ことに大正から昭和の時代風俗、文壇の裏面史をぎっしりと埋め込み、芥川龍之介をはじめ同時代の作家の風貌をいきいきと捉えた、自伝的文壇回想録。正篇を上下二巻に編集、上巻には大正4年終生の友人・宇野浩二との親交を深めた三保松原の旅行、父・柳浪が病気療養のため東京から知多半島師崎に転ずる前後までを収録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。<上下巻>
  • 年に一度、の二人
    3.7
    医師の夫との偽りの結婚生活に疑問を感じながらも、1歩を踏み出せずにいる沙和子。そんな時、出張先の香港で門倉と出会う。強く惹かれあうが、互いを縛りつけることのできない2人が行き着いたのは「年に1度だけ、同じ日に、同じ場所で」という約束。電話番号もメールアドレスも知らない2人の、愛の姿を描く。(講談社文庫)
  • チンネの裁き
    -
    ヒマラヤ遠征隊のリーダーとして有名な蛭川繁夫が、剣岳チンネをめざして池の谷左俣の雪渓で落石死した。剣尾根のドーム壁を登攀していた木塚健は、落石が3方から起こり、その上にそれぞれ人がいたことから遭難に疑惑を抱く。しかも、アイゼンの紐が切れていた! 何者かの作為を感じ真相の究明にのりだした木塚と蛭川の兄・一郎の前に立ちふさがる、山の偉容となまぐさい人間関係……。この「チンネの裁き」は、美貌の女流アルピニストをめぐって山の掟をやぶった山男たちの愛の確執から、登攀ルートに企らまれた完全犯罪が山の裁きをうける顛末を、逞しい筆致で描いた異色作。
  • 野

    5.0
    著者の故郷を舞台にそこに住む人々とその暮らしを描く。厳しい自然と対峙する強靱な生命力のしたたかさ。優しく哀しくユーモア滲む短篇の名手・三浦哲郎の瑞々しき豊饒の世界。「金色の朝」「がたくり馬車」「沈丁花」ほか〈故郷〉の匂い染み込む作品群16篇。新境地を拓いた著者ならではの短篇集。
  • ノイズ・キャンセル
    3.0
    高校入学を控えた春休み、鰐川草は不思議な美術館に迷い込む。「外してはいけない」という奇妙なルールとともに手渡されたヘッドホン。だが他人のヘッドホンを奪う闖入者の出現で、悪意のゲームに巻き込まれていく。
  • 野いばらの衣
    -
    小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。偏執的人形師・英三三夫。左手に障害のある超能力者・亜矢……。人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、“「わたし」の視点”で捉えた渾身の長篇力作。
  • 農協月へ行く
    3.7
    ご一行様の旅行代金は一人頭六千万円、月を目指して宇宙船ではどんちゃん騒ぎ、着いた月では異星人とコンタクトしてしまい、国際問題に……!? シニカルな笑いが炸裂する標題作ほか短篇七篇を収録。
  • 脳研ラボ。 准教授と新米秘書のにぎやかな日々
    4.0
    学生時代の知人のツテで、S総合大学脳科学研究所(略して“脳研")で秘書として働くことになった山影陽乃、27歳。担当の准教授・千条誠は端整な顔立ちと明晰な頭脳を持つエリート。だけど汚部屋の住人だった! 出勤初日、8年前のバスツアー旅程表をゴミで捨てると、突如奇声を発し…? 意思の疎通と服のセンスが独特な千条、秘書を警戒するポスドク・辻ナオ、チャラい院生・高柳圭――クセが強めの千条ラボの面々にかこまれて、新米秘書・陽乃の奮闘の日々が始まる!
  • 脳卒中の再発を防ぐ本
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ひと目でわかるイラスト図解《講談社 健康ライブラリーイラスト版》【“二度目”を起こさないためにできること】脳卒中は突然起こり、その後の生活を大きく左右します。また、脳卒中は再発が多い病気です。再発すると初発よりも症状が重くなりやすく、脳の別の部位がダメージを受けて新たな症状が現れることもあります。発症後1年間が最も再発率が高く、この時期は治療を継続中であっても油断は大敵です。本書は、急性期治療以降の脳卒中の再発予防に取り組むための指針を示した書です。なぜ脳卒中になったか、再発を防ぐためにどうしたらよいかをわかりやすく図解にしました。脳卒中の多くは、若いころからの生活習慣の結果として起こってきます。脳卒中の治療は日々進歩し、死亡率は低下していますが、再発予防の治療を中断する人が多いことが問題になっています。自宅でも薬の服用と生活習慣の改善を、一生続ける覚悟が必要です。退院後の「生活」が本当の勝負。二度と脳卒中を起こさず、安心して暮らすために、本書で今すぐできることから取り組みましょう。【主なポイント】*脳卒中[脳梗塞・脳出血・くも膜下出血]のタイプを知って対策をとる*動脈硬化が進んだ血管は脳卒中の治療後も元に戻らない*血圧・血糖値・血中脂質は薬と生活習慣の改善で徹底管理する*脳梗塞は血栓を防ぐ薬[抗血小板薬・抗凝固薬]を生涯服用する*再発可能性の高い未破裂の脳動脈瘤や心房細動は手術を検討*再発をくり返すと脳神経細胞がダメージを受け認知症や寝たきりに*安静にしすぎるのは禁物。積極的に歩いて体を動かすこと*ストレスや疲れは血管の老化を進めるので、ためこまない*初発とは違うことが多い、知っておくべき再発時のサイン「FAST」※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 農村ガール!
    3.7
    敏腕キャリアウーマンを目指して一流企業「月見食品」に就職した華。希 望の部署に配属されたと思いきや、勤務先は秋田の山奥にある営業所で!? 豊かすぎる大自然の中で生きる意味を見つめ直す、お仕事奮闘物語!
  • 能天気が列組んで
    -
    1巻1,683円 (税込)
    「夢が覚めたら夢の島だった、ってなもんだ」「馬鹿は死ななきゃ治らねえっていうじゃねえか」「ラバウルの夜空は満天の星だった」「明日は大井でハイセイコーが走るってよ」「あいつ聖徳太子3枚、サクサクサクッと」……この言葉にピンときたあなた、もしかして60代以上じゃありませんか? そんな時代の空気を知っている人のための、垂涎必至の物語。
  • ノウテンの街
    -
    1~4巻693~792円 (税込)
    この作品は、映画化実現を目指し、著者が1992年から1994年にかけて発表したシナリオを小説にしたものである。街の大規模開発のため、大がかりな地上げに乗り出した中川興産の部長、高倉健一郎とその部下31名が、住人の立ち退き完了のために大奮闘する「街1つ地上げの巻」と、地上げに成功した高倉等が新しい環境で活躍する「会社を取り返すの巻」を収録。
  • 脳人間の告白
    4.3
    想像してみて下さい。ある日、「脳」だけで生かされることになった自分を……何てことをしてくれたんだ!十メートル四方の部屋を舞台に繰り広げられる、前代未聞の衝撃作! 本書は『浮遊』を改題したものです。
  • 濃姫孤愁
    3.0
    信長の正室・濃姫(帰蝶)の、戦国ゆえの波瀾の生涯。父・道三と夫・信長との間で揺れ動く女心。――道三は、嫁ぐ愛娘に「三郎(信長)が、まこと評判通りのうつけであれば、この刀で刺せ」と短刀を贈った。「承知いたしました。ですがこの刀は父上を刺す刃となるやも知れませぬ」……父・道三を気づかいながら、信長の正室として、愛と悲しみの日々を送る濃姫の、波瀾の生涯。ほかに「義元の首級」「冑の的」を収録。
  • 腦病院へまゐります。
    -
    1巻495円 (税込)
    「おまへさま、まうやめませう、私達。私は、南品川のゼエムス坂病院へまゐります。苦しいのは、まう澤山だ。」御免ね、堪忍して頂戴ね。出会った最初が悪いのだから、もう出会いはなかった事にしておこうと決めて何度も堅く決めたのに、どうしてこうして今でも縁が続いているのか、苦しいばかりの縁なのに、なんで切れてしまわなかったのか……。  愛する男から虐げられつづける女にとって、魂の救済とは何だったのか。第86回文學界新人賞を受賞し、第119回芥川龍之介賞最終候補に選ばれた表題作と、第120回芥川龍之介賞最終候補となった「カタカナ三十九字の遺書」の中篇2作品を収録。 *腦病院へまゐります。 *カタカナ三十九字の遺書 ●若合春侑(わかい・すう) 宮城県塩竈市生まれ。東北学院大学経済学部経済学科を卒業。1998年、「腦病院へまゐります。」で第86回文學界新人賞を受賞する。同年、同作が第119回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、「カタカナ三十九字の遺書」が第120回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。1999年、「掌の小石」が第121回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、『腦病院へまゐります。』が第21回野間文芸新人賞の候補作に選ばれる。2002年、『海馬の助走』で第24回野間文芸新人賞を受賞する。2005年、國學院大學文学部神道学科を卒業。
  • 濃蜜LOVE 狙われた黒髪姫 愛のペンダント
    -
    1巻330円 (税込)
    運命の出会い。お互いにひと目ぼれして想いは同じ。でも、二人の間には深い障害が。そしてメリーナに近づく黒い陰。何度も危険な目に逢うのはなぜ?誤解されたまま別れてしまうのか。確執を乗り越えて思いを寄せる二人。メリーナとラインハルトは果して結ばれるのか。
  • 能面検事
    4.0
    大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で〈能面〉と呼ばれている。新米事務官の総領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して――。一気読み必至の検察ミステリー!
  • 能面検事の奮迅
    3.8
    学校法人に対する国有地払い下げに関して近畿財務局職員の収賄疑惑が! 大阪地検特捜部が捜査を始めるが、今度は担当検事による文書改竄疑惑が浮上する。相次ぐ不祥事に最高検から調査チームが派遣され、一級検事の不破俊太郎も特捜部の調べに加わることに――。どんな圧力にも表情を変えぬ〈能面検事〉が、事務官の総領美晴とともに難事件の真相を追う!
  • 上野の仔(ノガミノガキ)
    4.0
    鞍馬民雄(くらまたみお)は東京大空襲で母親、弟と生き別れた。父親も戦争で行方知れずとなっており、奇跡的に残った自宅の防空壕でひとり、家族を待ち続けることを決意。しかし、民雄のもとには、家を奪おうとする孤児、人さらい、狡(ずる)い大人などがいつしか集うようになり……。まだ幼い民雄は、戦争の爪痕が残る東京で生き残ることはできるのか。GHQが日本を占領する過酷な時代を描く戦争孤児文学。
  • 野鴨
    3.0
    はかなく取りとめない日常の中に現代の至福を描き出す長篇小説。家族を愛し人生を慈しむ――丘の上に住む作家一家。息子たちは高校生・大学生になり、嫁いだ娘も赤ん坊を背負ってしばしばやってくる。ある時から作家は机の前に視点を定め、外に向いては木、花、野鳥など身近な自然の日々の移ろいを、内では、家族に生起する悲喜交々の小事件を、揺るぎない観察眼と無限の愛情を以て、時の流れの中に描き留めた。名作『夕べの雲』『絵合せ』に続く充実期の作家が、大いなる実験精神で取り組んだ長篇。 ◎庭に来る鳥や、庭の樹木から書き起こされる章が多いが、人の心が自然現象のなかに融け、照らし出されているように感じられる。八章には、「四十雀が飛び立ったあと、水盤の水に映った空が揺れている。」という小景描写があった。水面が揺れているのではなく空が揺れている。こんなところを読むと、今、見ているような気がする。昭和の小説には、このような豊かさがあった。<小池昌代「解説」より>
  • 逃がれの街
    4.5
    愛する女・牧子のために暴力団員2人を殺した。生々しい感触が今も幸二の掌に残っている。自分の行為に対して言い訳などなかった。終わってしまったことからは何もはじまらない……。警察と暴力団の双方が追ってくる。逃げるだけだ。公園で知り合った幼いヒロシを唯一の友に、幸二は今、“逃がれの街”を求めて雪の軽井沢へ……。
  • 野川
    3.9
    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、自分でつくりだすものなんだ。もし鳥の目で世界を見ることが、かなうなら…伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。
  • 野川
    4.0
    急逝した友人の一周忌近く、故人からの遺贈として届いた一枚の絵地図。友人が好んだ野川の散歩道を描いた絵の片隅で、大人が子供の手を引いていた。それは子を妊った娘の未来像か、東京大空襲の翌朝に母親と歩いた荒川土手の風景か――。はるか時空を往還し、生と死のエロスの根源に迫る、古井文学の到達点。
  • 野菊の墓
    4.0
    政夫と民子は仲の良いいとこ同士だが、政夫が十五、民子が十七の頃には、互いの心に清純な恋が芽生えていた。しかし民子が年上であるために、ふたりの思いは遂げられず、政夫は町の中学へ、民子は強いられ嫁いでいく。数年後、帰省した政夫は、愛しい人が自分の写真と手紙を胸に死んでいったと知る。野菊繁る墓前にくずおれる政夫……。涙なしには読めない「野菊の墓」、ほか三作を収録。

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  • 残されたつぶやき
    4.1
    「関西弁って深刻さが薄れる。スマホのメモ機能に『悩みメモ』というのをつけていて、そこへ書く悩みを関西弁にすることを思いついた」「2021年の極めつけはNHK『あさイチ』のプレミアムトークに出演したこと。その数日前に自宅の階段から落ちて左足を負傷、服や靴を新調したのにサンダルで出演というガッカリな事態に」昨年、突然この世を旅立った著者が2008年から21年までの13年間にSNSでつぶやいた日記や、多くの新聞や雑誌に寄稿した書籍未収録のものを中心にまとめた珠玉のエッセイ集。著者や家族による自然や花の写真と共に、私たちの愛した山本文緒が、オールカラーの文庫で蘇る。
  • 残された人が編む物語
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    消えてしまったあなたへ―― 突然の失踪。動機は不明。音信は不通。 足取りを追って見えてきた、失踪人たちの秘められた人生。 喪失を抱えて立ちすくむ人々が、あらたな一歩を踏み出す物語。 主婦の上田亜矢子は、疎遠だった弟・和也が消えていたと知り驚愕する。 行方不明者捜索協会に依頼して、担当になった西山静香と、和也の行方を追うことに。 和也と時間を共にした人たちから聞かされる話は、亜矢子が知っていた弟とは違っていて……(「第一話 弟と詩集」)。 捜索のはてに、彼らがみつけたものとは。
  • 残された者たち
    3.4
    尻野浦小学校には、杏奈先生と飛鷹かおるという生徒、そして英語まじりで話をする校長先生がいるばかり。そう、ここは海沿いの限界集落。残りの住人はかおるの父とかおるの兄だけ。そこにある日、山向こうの「ガイコツジン」集落から、エトーくんがやってきて――。それぞれの人生を抱え、集まった人たちの濃密な関係が織りなす、風変わりな家族の物語。
  • 残りの人生で、今日がいちばん若い日
    3.0
    バツイチ子持ちの編集者・柴田直太朗は、再婚を望む両親に娘の世話を頼み、多忙な日々を送っている。 婚活がうまくいかず恋に臆病な独身書店員・山内百恵は、子宮筋腫を患い、子どもを産めなくなる不安に慄いている。 ともに三十九歳。仕事を通じて知り合った二人は、不器用にもおずおずと手を取り合うが……。 じっくりと温めながら育む大人の恋と、家族の再生への第一歩。
  • 残火
    4.5
    議員会館から、闇献金の一億円を強奪した犯人は、かつて“人斬り秀”と言われた元ヤクザの花田。花田のかつての弟分、花田を追い続けてきた元警官、暴力団とつながっている現職警官――花田の行方を捜し、追い続ける彼らと、残りの命が長くない花田。『地の底のヤマ』で炭鉱の町・大牟田を舞台に見事に男の世界を描いた西村健が男を描ききる!講談社100周年書下ろし作品にして、日本冒険小説協会大賞受賞作。(講談社文庫)
  • 残りものには、過去がある(新潮文庫)
    3.9
    「あの子さ、やっぱりお金目当てかな」まだ肌寒い春の日、清掃会社の2代目社長・友之と、同じ会社で契約社員として働く早紀の結婚式が始まった。18歳差のカップルを揶揄する声を耳にしつつ、栄子は披露宴の祝辞に臨む。今日初めて会った新婦の〈友人代表〉として――。列席した新郎の旧友、新婦の従姉、そして主役の二人も、人には言えない秘密を抱えていた。誰かの幸せを祈りたくなる6編!(解説・一木けい)
  • 能代 出船抒情
    -
    1巻1,540円 (税込)
    石川岩七が能代にやってきたのは、明治三十四年。日清戦争の終了から六年、日露戦争の開始まで三年という時期である。北方への開発に一段と拍車がかかるという時代的な背景もあって、空前の繁栄が能代にもたらされている時であった…。
  • ノスタルジア
    -
    1巻990円 (税込)
    淀んだ溜め池を臨む作業場(アトリエ)の窓辺にたたずみ、修作は過ぎ去った日々にとりとめなく思いを馳せる。幼き日の不安定な境遇、高校・美大受験での挫折、実らずに終わった恋愛の数々、職業生活の蹉跌——家庭にも社会にも居場所を見出せず、自己との折り合いもつけられぬまま、ひたすら孤独の裡に生きてきた人生。父の期待を裏切り続けたことへの贖罪の思い、ひととき思いを交わし合った女性たちへの追憶。常に生きづらさを抱え、愛を求め続けてきた半生を振り返り、狂おしく紡ぎ出されるモノローグの中、修作は改めて思い至る。文学、美術の創造行為のみが変わることなく自身の救いであったことに。

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  • ノスタルジア 〈新装版〉
    4.0
    平野繭子はかつて、親子ほど年の違う妻子ある作家・仙波雅彦と愛し合っていた。彼の突然の死から15年──。彼女の前に雅彦の息子を名乗る人物が現れる。父親と生き写しの彼に衝撃を受けつつも徐々に惹かれていく繭子。そして物語は思いもよらぬ結末に……。甘美で切ない大人の恋愛と、耽美で幻想的な世界を見事に融合させた極上の長編小説。
  • ノスタルジア物語
    -
    1巻1,584円 (税込)
    初恋の人、響子と過ごした甘美で狂おしい青春の記憶。妻、京子と過ごす消えない愛に満ち溢れた日々……。脚本家ジェームス三木氏大絶賛の壮大な愛の長編小説。読み出すと面白くてやめられない。ありふれた人生の畠をせっせとたがやす話だが、気がつくと作者の催眠術にはまり、バトンを握らされている。そう、人はみな歴史の中継ランナーなのだ。――ジェームス三木

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  • ノストラダムスと王妃 上
    3.4
    フィレンツェの富豪メディチ家のカトリーヌは、フランス王太子アンリ二世に輿入れしたものの、夫は寵妾ディアヌの虜。商家の娘と蔑まれ、子供にも恵まれず、宮廷で影の薄い存在だった。自分を守り、権力を握ろうとするカトリーヌは、預言者として評判になったノストラダムスに手をのばす。権謀術数の宮廷大河ロマン。
  • の、すべて
    3.0
    1巻3,135円 (税込)
    その怪物が日本を変える。「スサノオ」と呼ばれたカリスマ政治家がテロに遭った。その伝記を制作する芸術家(アーティスト)は、一つの「恋愛」の行方を追って、黄泉の世界へ潜っていく――。〈異形の伝記〉が完成するとき、現代日本の運命が変わる!ポピュリズムの時代に新たな神話を降臨させる、怪物的長篇1001枚。 エックスデーからの30年、この国は何を失ったのか?バブル崩壊後に政界入りし、美貌と弁舌で支持を集めた二世政治家・大沢光延は、将来の首相と目されながらテロリストの兇刃にかかる。彼の生涯を伝説化しようとする芸術家・河原真古登が、出発点に見出したのは、一人の巫女との「運命の恋」だった--。 昭和の終焉からコロナ下の令和、幕末日本へ。芸術家からテロリスト、野生の巫女へ。スイングする「語り」が生み出す、予測不能の展開! アニメ版「平家物語」の原作者が、この時代〈の、すべて〉に挑む長篇絵巻。
  • 覗くなかれ
    -
    ●マンションの向かいの部屋の覗きにのめり込んでいた男を待ち受けていた陥穽●部下の女性から誘われた男が体験するただならぬ関係●九年前に別れた女と再会した男が息を飲む女の嗜好の変化●風鈴の音に身も心もざわめく女の密やかな打明け話●下着を着けずに靴屋へ出掛け、試し履きをする女が若い男性店員に持ち込んだ難題――名手がエロスを極める7編の妙技。
  • 望みがかなう 魔法の日記
    3.7
    小学5年の竜也は、自分より運動も勉強も苦手な友達の光平が、25メートルを泳げるようになって、読書感想文も早く終わらせたことに驚いていた。光平は、おばあちゃんからもらった日記を書くようになって、別人のように変わった。そこで竜也は、光平の「未来のことを過去のように書く」というのをまねして日記を始めた。最初は、「お年玉を2万円ゲットした」とか、「書き初めで『一念発起』と書いて提出した」など簡単な願いを書いて、6つの望みをすべてかなえた。そして、「運動会で、色組対抗の応援団長になった」と書いたら、ラッキーなことがあって実現した。ところが、「校内なわとび大会で三位内に入った」は、去年、得意のあやとびでも21位だった竜也には高すぎる目標だった……。努力して望みをかなえるなんてかっこ悪いと思っていた竜也が、友達の影響で少しずつ努力し、成長していく姿を描いた物語。『願いがかなうふしぎな日記』の続編。
  • ノゾミくん、こっちにおいで
    3.0
    「ノゾミくん、こっちにおいで」海のそばで合わせ鏡を作り、そう唱えるとノゾミくんがやってきて願いを叶えてくれる――そんな都市伝説が若者たちの間で流れていた。高校教師の遠山逸子は教え子の古滝克己と恋愛関係にある。ある日、克己の妹の美咲とその友人の由夢がノゾミくんに願いを掛けにいく。だが願いが叶ったはずの由夢が「のぞみくんにころされる」というメッセージを残して屋上から落下し――。戦慄のホラーミステリ―。
  • 望みは何と訊かれたら
    3.6
    パリの美術館で、槙村沙織は三十数年ぶりに秋津吾郎に再会する。彼こそは、学生運動の果ての凄絶な粛清リンチから身ひとつで逃走した二十歳の沙織を、半年間匿ってくれた男性だった。運命の再会は二人に何をもたらすのか──。殺意と愛情がせめぎあう極限状況で人生を共有しあった男と女ゆえの、根源的な結びつきと、身体も魂も貫く究極の悦楽を描き尽くした著者最高の恋愛小説。
  • のち更に咲く
    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
  • ノックの音が
    4.1
    1巻605円 (税込)
    ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。親しげにふるまう彼女の正体は? いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。
  • 乗 取 り
    4.0
    「どうしておれに……」スワン油脂工業社長室主査の緒方孝也は、上司の密命を受け、土曜の夜、トラックを走らせていた。これが巧妙な謀略、ユダヤ資本によるM&A(企業買収)の発端であった。孝也の不倫の相手・佐和子の行動にも謎が? 〈表題作〉――現代資本主義の非情と、男の熱い人生をダイナミックに描いた傑作集。
  • 乗取り
    4.0
    株の買占めによる老舗デパートの乗取り。金と若さだけを武器に、現代における最も劇的なこの戦闘に挑んでいく、闇屋あがりの青年実業家、青井文麿。媚びと虚勢を徹底して使いわけ、金と金、顔と顔でつながった財界の厚い壁に体当たりしていく青井の姿に、高度成長期の日本が象徴される。現実に起った事件に材をとり、経済界の深奥での暗闘をスピーディなタッチで暴いてみせた快心作。

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  • 乗っ取り指令
    -
    「なんとしても乗っ取れ!」スーパー業界の虚々実々の攻防を描く経済小説。生きるか喰われるかのスーパー業界を描く! ――大手スーパー「ドライブ」が狙う次の標的は、中堅の「白梅」。社長の二本柳太郎は、ニヒルな男・平尾剛に密命を下した。手段を選ばず、どんなことをしてでも乗っ取れ! スーパーマーケット戦争が始まった。生きるか喰われるか、攻めるものと守るものの虚々実々の駈け引き、激烈な舞台裏を描いた経済小説。
  • 乗取り屋(上)~赤い欲望の巻~
    -
    1~2巻770円 (税込)
    紅蓮の炎に包まれ、阿鼻叫喚の地獄と化した「ホテル・ニュー赤坂」を背に、社長の榊原文麿は無表情に空を見つめた。――酒乱の父のために、赤貧の少年時代を送った榊原は、東京のメリヤス問屋へ奉公に出た。そして、徹底した倹約によって貪欲に金を儲けた。〃乗取り屋〃と異名をとる男の栄光と挫折――長編企業ピカレスク!
  • のっぴき庵
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    伊豆にある老人ホーム「のっぴき庵」の入居者は、仕事がないベテラン役者のみ。大スターの入居、脇役俳優の失踪、女優の結婚宣言など、一癖も二癖もある面々が起こす騒動はオーナー・今村富夫の悩みの種だ。そんな気苦労の絶えない富夫は考え続ける――「『人生、半ばあきらめて、終着駅を待っている』と口にする"のっぴきならない"彼らに、僕は何ができるのだろうか」と。そして、思わぬトラブルをきっかけに大きな賭けに出た!
  • 能登怪異譚
    4.2
    市助には8人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。そのうちに市助を除く家族全員が夜な夜な箪笥に上がるようになって――。(「箪笥」)。能登を舞台に玄妙な語り口で綴る9つの不思議な物語。恐怖と戦慄の半村フォークロア。
  • 能登路悲恋
    -
    愛を失い恋に傷ついた美しい画学生は、いとこの詩「愛の空 恋の森」に触発されて、能登へ旅立つ。彼女がそこで邂逅したのは、野性的な若者だった。いつしか二人の心は激しく燃え、火の接吻を……。が、その若者には罪深い過去のあることを知る。能登半島を舞台に、人間とは?美とは?を問うた、新鋭の悲恋物語。
  • 能登花嫁列車殺人事件
    3.0
    能登半島七尾市で、白無垢姿の女性が喉を切って死んでいるのが発見された! 15年前の映画で注目されながら、姿を消した女優。悲恋の末に自害する姫君を演じていたが、それをなぞるような死は自殺なのか? それとも――。捜査が進む中、女優の娘を主役に再映画化の話が持ち上がる。背後に見え隠れする大物政治家の影。十津川警部は執念の捜査を続ける!
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。
  • 野の鈴(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    扁平足で脚が短く、あひるのようにペタペタと歩く、少年・庄吉。9歳の彼の姿は、どことなく剽軽でもの哀しい。その孤独な歩みのたびに、背の鈴の音が響く。戦地の中国・満州で父を失い母と生き別れ、戦後ひとり荒廃した日本へひきあげた庄吉。敗戦直後の東京の焼野原で、母を求めて彷徨い、四国の田舎で生きていく。運命の神に翻弄されながら、やがて来るつかの間の再会。だが、それが永遠の別れへの旅立ちとなった……。戦後の混沌とした時代状況の中で、人間の哀しい定めと愛の美しさを謳い、凜とした深い感動を伝える名作。<上下全2巻>
  • ののぺディア 心の記憶
    4.3
    惜しまれつつも2020年末に解散したダンス&ボーカルグループE-girls。パフォーマーとして9年の歳月を全力疾走した山口乃々華が、1年10ヵ月(2019年3月~2020年12月)にわたり綴った初エッセイ。多感な日々から湧きあがった想い、発見、希望を「あ~わ」のキーワードに落とし込み、自身の気持ちと真摯に向き合って文字にした“心の事典"。「自分の心と素直に向き合っていくことが何より大切なのだと、書くことを通して、何度も痛感し、乗り越えることができました(あとがきより)――飾らず真っすぐに気持ちを表現した本著は、読者にステイポジティブなパワーを届けてくれる一冊。GINGER公式WEBサイトでの連載と、E-girlsでの日々を綴った書下ろし、撮り下ろしのビジュアルを収録。
  • 野原できみとピクニック
    4.3
    1巻1,485円 (税込)
    優弥はある日、繁華街で男子高生に絡まれていたところを、通りかかった稀星に助けられる。 裕福な家に生まれ、進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら、家計を助けるためアルバイトにいそしむ稀星はお互いの違いにとまどいながらも、しだいに惹かれあっていく。 育ってきた環境が、まったくちがう2人が恋に落ちたら、見える世界はどう変わるのだろう。 2人の恋が現代日本を映しだす、格差社会のラブストーリー。
  • 野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方
    5.0
    「家族だから幸せなわけじゃない。野原家だから幸せなんだ! 」「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか!?」などなど、ご存じ『クレヨンしんちゃん』の父ちゃん・野原ひろしの名セリフを映画、TVアニメ、原作コミックから集大成。当たり前のことを毎日続けるってすごい! 等身大の父親・野原ひろしによる珠玉の名言集。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 野原ひろし 昼メシの流儀 公式ファンブック
    NEW
    -
    アニメ化で話題沸騰! 『クレヨンしんちゃん』のスピンオフ作品、「父ちゃん」が主人公の『野原ひろし 昼メシの流儀』のファンブックが登場。アニメ作品の全話エピソード紹介、登場する料理の解説、明珍場面やキャスト+スタッフのインタビューも収録。アニメからマンガまで、「昼メシの流儀」を愛するファンに贈る1冊です。  ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 野ばら
    3.4
    宝塚の娘役・千花 名門一族出身のライター・萌 花の盛りのように美しい娘たちに忍び寄る、翳(かげ)りの季節 絢爛と頽廃。林真理子文学の名作! 「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」。 宝塚の娘役・千花は歌舞伎界の御曹子・路之介との恋に浮かれ、 親友でライターの萌は年上の映画評論家・三ツ岡との贅沢な不倫に溺れている。 二人の美しい娘たちの前には、甘やかな未来しか広がっていないかに見えたが…… 上流社会を舞台に、幸福の絶頂とその翳りを描き切った傑作恋愛長編。 解説・酒井順子 ※この電子書籍は2007年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 野ばら
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 銀色と黒蜜糖-。白い野ばら咲く庭に住みついた2匹の美しい猫と同じ名前を持った2人の少年は何者なのか?目覚める度により深い眠りにおちてゆく少年月彦。その不思議な夢の中で繰り広げられた真夏の夜のフェアリー・テール。

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