無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
狗飼恭子は大学生のころにずいぶんと読んだのだが、おととし本の大整理を行ったときにほとんど手放してしまった。
しかしいまでもたまに読みたいと思うのが、この『南国再見』だ。
恋人が消えた。私を残して、いなくなってしまった。旅にばかり行っていた彼は「俺、天国って南の国のことだと思うんだ」と言い残して死んでしまった。
彼が残していった大きなコートには彼のにおいがしみついている。そのぶかぶかのコートを羽織って、私は彼のいる南の国を探しに行く。
<人は二度死ぬという。
一度目は自己の死。
そして二度目は人に忘れ去られるという死。
忘却という死。
それならば私は、忘れないでいよう。
できるかぎり、できるだけでいい。
私の中で生きればいい。
私は彼を胸に抱いたまま生きよう。
そのままで、他の誰かを愛そう。
ただ、私は。
ほんの短い間ではあったけれど、二人の重なった軌跡を、大切にしよう。
それが私のできるすべて。
あなたは永遠に私の恋人ではないだろうけれど、私は、永遠にあなたの恋人。>
そんなお話。悲しいよ。
Posted by ブクログ
私が初めてこれを読んだのは遠距離恋愛をしていた頃でした。
"逢えなくても、逢いたいと思い続けることができる限り大丈夫だ" という言葉にとても強く励まされたのを覚えています。久しぶりに読んでみると以前よりももっと言葉が染み込んできた気がします。それは、苦しいくらいに。
普通の小説なら、真夏にコートを着ているなんておかしい人じゃないか。と感じていたかもしれないけど、狗飼さんの言葉から感じたのは、ただひたすらに愛する人を想う気持ちでした。狗飼さんは、なんて丁寧に言葉を紡ぐ人なんだろう。
強い人は自分と向き合える。私も彼女のように逃げることなく自分と向き合えたらと思いました。これは私にとってとても大切な本で、これから先もずっと大切なままなんだろうと、読み直してからまた思いました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。