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女子大学生であるうちにこの作品に出会えてよかったと思う。気分の良い方を選んでると言いつつ、社会的に恥じないように心掛けているのが垣間見える由利のような華々しい生活を送っているわけではない。ただ、自身の認識の中で気分の良い方を選んでいるのは私と同じだった。現代ではそのように生きている人が多い
Posted by ブクログ 2017年03月18日
人生で一番読み返している本。
ある時は脚注を丁寧に参照しながら。ある時は脚注は無視して物語だけに集中して。
平成5年生まれの私にとってバブル期の大学生の輝きは「なんとなく」なんかではないと思っていた。しかし、この作品を通してどんな時代でもキラキラだけでなくもやもやしたものがどこかに絶対に存在してい...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月14日
「軽薄な作家が、軽薄な学生のことを書いた小説。何でこんな小説が『芥川賞』の候補になったのか、訳がわからない」それがこの本を読み終えた第一印象だった。一流大学に通う、セレブな階層に所属する女子大生が、誰もがうらやむような生活を送る様子を描く小説。格差社会の現代で、こんな小説を発表する作家がいたら、周囲...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月03日
35年前の小説ですが、いくつかの固有名詞を置き換えれば今のことを書かれているかのようで、びっくりしながら読みました。と同時に、なんだか私たちの時代のその先が恐くなりました。「なんとなく」というのは適当に生きてるわけではないのだけれども、確たる感じもないので…。それをこんなふうに、ある意味見事に開陳さ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月19日
光源からの光を受けて輝く「クリスタル」のように派手な生活を送る学生たちのストーリーと、著者のユーモアと皮肉が盛り込まれた注というストーリーが並行して進み、最後に日本の将来を(まだ甘いながら)悲観的に予測する政府の統計が示される。
注には今では聞かないブランドやショップの名が並ぶ。1980年の大学生は...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月28日
新装版が出たので、再読。今でこそ、日本文学のマッチョな教訓的なものとは違う軟派な欧米化された小説は村上春樹や片岡義男などにより見慣れたものとなったが、当時は賛否あったのだろう。業界用語の連続のように横文字が並び、それぞれに細かい注釈が本文に溶け込んだ補足のように不思議に書いてある。現代人の、都会人の...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月05日
連休を利用して祖母宅に遊びに行った際に、今年で還暦を迎える叔父の本棚から引っ張り出して読んだ。新装版ではなく河出文庫版の第三版(1983年)、やや黄ばんだ裏表紙にはバーコードは無く、刻印された価格は実に320円であった。
『なんとなく、クリスタル』は、1980年当時の「感覚で生きる世代」の生活を独...続きを読む
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