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吉野葛・蘆刈
吉野の紀行文と思わせる出だしから、同級生の男の早くに失った母親の生家探しが語られ、母の面影を思うあまり、生家の姪を許婚(いいなずけ)にするという展開が一気に語られる「吉野葛」。『蘆刈』も、紀行文から夢ともうつつともつかない物語に変容し、出会った男から語られる父のせつない恋愛話がテーマである。未亡人に恋し、その妹をめとり、姉思いの妹との関係が語られてゆく。その息子であるこの男はいったいだれの子供なのか、未亡人はもうすでに高齢になっているのではないかという疑問をのこしながら、男は消えてゆく。大阪移住以来、谷崎潤一郎の作風がだんだん純日本的なものに移行していった時期の代表作。 -
ヨシモトオノ
吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」! 日常にふと口をあける世界の裂け目。 生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。 天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。 木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より) 民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。 これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」! -
吉本隆明 忘れられた「詩的大陸」へ 『日時計篇』の解読
没後10年に画期的な読解 吉本隆明の初期詩作品『日時計篇』には、新しく発見されなければならない世界や思考を解く鍵がひそんでいる! だれも手をつけなかった未踏の「大陸」に、精緻な解読で挑む。 テキストの対比、変転の追究により発見の喜びをもたらし、新時代を拓く概念を提示する。 「日時計」を物理的な時間の計量物としてではなく、「関数」のサンプルとして理解し、さらにそこから生き物の身体そのものが「日時計」であり、「季節体」としてあるのだという、ごくごく当たり前のことに考察が及んだときには、身体が震えるような感動をおぼえたものである。(「あとがき」より) -
吉原水上遊郭
明治44年に起きた吉原大火ののち、東亰・隅田川に花艇を浮かべて返り咲いた、優雅で艶やかな水上遊郭。大火で両親を亡くし、客を送迎する番人見習いの船頭になった利壱は、ある日、長春楼楼主に頼まれ、娼妓見習いのツバキを切見世へと連れていく。利壱が見つめるのは、欲望渦巻くまやかしの世界だった――。水上吉原を牛耳る老獪な廣川が仕掛ける謀略と、待ち受ける驚きのラストに心揺さぶられる、新感覚エンタメ時代小説。 -
吉原百菓ひとくちの夢
『生きるための食事でなく、ひと時の幸福のための菓子を作る』 江戸の吉原一、料理が美味いと評判の中見世・美角屋。そこで働く“菓子専門の料理番”太佑は、日々訪れる客や遊女達のために菓子を作っていた。しかしある日、幼馴染で見世一番の花魁・朝露が全く太佑の菓子を食べていないことを知り……。 切ない想いを秘め、懸命に生きる人々にひとくちの“夢”を届ける――とある料理番の、心温まる人情物語。 -
吉原妖鬼談
花の吉原は化け物だらけ!? 怖がりでちょっと頼りない手習い所の師匠・六助にはある特殊な力が… 妙なる邂逅から生まれるあやかし人情物語 生者も亡者もすべて見える「トワズ」の血を濃く受け継いだ手習い所の師匠・六助。生真面目だけが取り柄の童顔晩生で妖怪変化の類は大の苦手、そんな六助が吉原で花魁の足抜けを助けている遼天に見込まれ、彼らの仲間に加わることに。大見世の花魁・銀華に心ときめいたり、小見世の女郎・茜に揶揄われたりしながらも、次第に自分の異能を受け入れていく六助。だが銀華の部屋替え先が化け物の巣喰う廓とわかり…。 禅之助・装画 -
寄席行燈
芝居ばなしで一世を風靡した落語家・三遊亭円朝が、人気を捨てて敢然と新しい素話を目指して苦闘する。『法善寺横町』『桂春団治』の著者、十八番の芸道物。<上下巻> -
予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる
黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。 -
夜空の君はページをめくる
本書は50篇の140字小説をまとめたものです。なぜ140字なのかといえば、それは本書の内容が、作者が自身のTwitterアカウントで呟いた文章を元にしているためです。 わずか140字で描写できることというのは、ほんの一瞬に過ぎません。ですから、いうなれば、本書に収められた1篇1篇は写真のようなものです。収録されている50篇は、それぞれ140字小説という独立した写真小説のようなものだといえます。 しかし、本書はそうした写真小説を50篇まとめることにより、全篇を通して読むことできるようにしています。そのため、本書を読んだ方は本書全体の印象をモンタージュのような、あるいは大雑把なアニメーションのようなものだと感じるでしょう。 本書はそういう作品です。読み終えた後に浮かび上がってくるのがどのようなストーリーなのか、それは読んでみてのお楽しみです。 -
夜空は見上げる君に優しく
渋谷の夜を照らすアドバルーン。気球から下がる布には、夜の街を楽しむ人達のメッセージがつぎつぎと流れていく。そんなメッセージの中に、「夜が怖い人もいるんです」という悲壮な呟きを見つけた、気球の管理人、横森佑。夜のにぎわいを守るため、呟きの主と待ち合わせると、やってきたのは一人の少女。それが、言葉を発せず、今にも消えてしまいそうな女子高生、咲良との出会いだった。夜の屋上に居場所を見つけた青年と、夜に脅える少女が、二つの月の下で出会う、儚い恋愛物語。 -
よたんぼう
孤独な青春時代、唯一の気晴らしは落語だった。中学卒業を機に、風月亭鏡生に師事することを決め、和歌山の漁港の町から単身、上京した瞬。 鏡介という芸名を得、鏡生の内弟子として住み込みで前座修業に励み、青春をただひたすら、落語に捧げる。 修業のきびしさに堪えられず去って行く兄弟子、師匠のお嬢さんへのほのかな恋心、きびしい規律をもとめられる保守的な芸の世界への反発や、自身の才能の壁との葛藤……。 やがてテレビ業界から声がかかって浮わついた鏡介に、師匠は非情にも破門を言い渡す。 すさんだ心のまま、海外を彷徨うものの最後に辿りつく心のよりどころは、やはりいつでも落語だった――。 芸事の厳しさと、いつの世も変わらぬ人間の情。さすらいの噺家の“業”を描ききった型破りな青春落語小説! -
ヨダカの夜明け
~あらすじ~ かつて人気歌手であったが今は没落し活動休止に追い込まれた“ヨダカ”は日銭稼ぎの路上ライブで売れないアイドル・“ヒカリ”に出会う。類稀なルックスに愛嬌、そして歌唱力を備えるがなぜか売れる兆しの無いヒカリ。そんなヒカリはヨダカに曲作りを依頼して…… さらにヨダカに近づく大人気アイドル・キラが現れ、さらなる波乱を巻き起こすことに!? 芸能界を舞台に【没落ネガティブ人気歌手】×【売れない光系キラキラアイドル】×【大人気闇系沼アイドル】のグチャどろ青春三角関係が始まる! ※本作はみやじの個人誌作品の電子書籍版となります。 -
四谷怪談
幽霊話で江戸庶民をふるえあがらせ、同時に熱狂的にむかえられたのが、四世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』であった。悪のヒーロー民谷伊右衛門、お岩の顔の変貌、意表をつくさまざまな趣向など、『四谷怪談』は興味のつきない作品である。まさに怪談話の最高傑作とよぶにふさわしい。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。 -
四ツ谷白黒商会~悩みに効く塩の使い方教えます~
「お悩み相談と塩は、相性がいい」って知ってました? 料理に美容に厄除けだけじゃない!? 「白黒商会」をちょっと覗いてみませんか 東京四ツ谷右門町。聖が訪れたのは一つ上の高校時代の先輩・潮が経営する塩専門店「白黒商会」。亡き妻・宮子の言葉に従い、息子の温人とやってきたものの、昔からソリの合わない相手に及び腰は否めない。しかし――円はね、「縁」なのよ――宮子の言葉を裏づけるように、白黒商会を取り巻く人々と猫のグリが潮をも巻き込み、波紋のような広がりをもたらす。シングルファーザー聖の、塩とちょっと不思議な温かい日々。 熊猫・装画 -
四ツ山鬼談
「これを、漆喰に混ぜて塗れ」 依頼主から左官に渡されたのは小さな白磁の壺。 仕事は「ある家」の外壁の塗り直し。 「家の中には入ってはならん」 何が見えても聞こえても。 熊本県荒尾市。かつての炭鉱と競馬場と干潟の町。 雨が降れば、土地に染み付いた念が湿った煤の匂いとともに立ち昇る。 町のそこかしこに潜み、たたずみ、彷徨う黒い人。 「夜行堂奇譚」の著者が故郷を舞台に描く、奇怪な幻燈のごとき怪異譚。 これは、鬼の話である――。 ・「囁く家」 漆喰の塗り直しを頼まれた左官。そこは入った者の命をとる死霊憑きの家 ・「ひそむ鬼」 離れの床下には鬼がいる…鬼の写真を撮ることにとり憑かれた伯父の家の秘密 ・「箪笥の煤」 抽斗を開けた者は肺を病んで死ぬ。祖母が弔う祟りの桐箪笥の由来 ・「ヤマから響く声」 亡き叔母の日記。そこに綴られたのは庭の井戸と黒い人に纏わる恐怖の記録 ――ほか11の忌み話 -
夜なかのかぜがあそんでる
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 きみをみているぼくがぼくをみているきみじゃないか。いやぼくをみているきみがきみをみているぼくじゃないか。「ことば遊びの授業」の第一人者による詩集。ことばの繰り返しで綴られた、心地よい作品が満載。 (本書は2006/5/1にてらいんくより刊行された書籍を電子化したものです) -
よなかのしまうまバス
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「よなかの しまうまバス」 よなかのまちの バス通り/くるまも ひとも ねむるころ/しまうまバスが はしりだす おうだんほどうが たちあがり/しまうまバスに 大へんしん/しましまもようの ゆめのバス つきあかりのなか かけながら/こどもは ただで のれますよ/声をかけてはくれたけど よなかのまちの バス通り/こどもはみんな ねむってて/のっていたのは かぜばかり -
夜長姫と耳男
長者の一粒種として慈しまれる夜長姫.黄金をしぼらせ,したたる露で産湯をつかわせたので,姫の身体は光りかがやき,黄金の香りがすると言われていた.飛騨随一の匠の弟子で,大きな耳を持つ耳男は,姫が13歳の時,姫のために弥勒菩薩像を造るよう長者から命じられる.美しく,無邪気な姫の笑顔に魅入られた耳男は,次第に残酷な運命に巻き込まれていく.[カラー6頁]※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
夜長姫と耳男(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第12弾は坂口安吾×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。 師匠の推薦で、夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは、残酷で妖しい日々だった。 ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼んでいるイラストレーター・夜汽車が坂口安吾を描く、珠玉のコラボレーション・シリーズです。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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