『四畳半神話体系』の登場人物たちが、今作ではタイムマシンを使ってコミカルに描かれる内容は、前作以上に面白かったです。
せっかくのタイムマシンの使い方がとてもお粗末すぎて、そんなお粗末な使い方でも宇宙崩壊の危機をもたらすタイムパラドックスを引き起こしてしまうかもというドタバタ劇に、久しぶりに小説を読
...続きを読むんでいて声をだして笑いました。
お気楽な登場人物たちも、キャラが立っていてわかりやすく『四畳半神話体系』を読んでいなくても楽しめる内容です。
途中、日にちや行動が前後している関係で、分からなくなりかけても、読み進めていくと徐々に辻褄が合っていき、伏線も回収されて心地よかったです。
舞台が京都ということもあり、独特な語り口調の古めかしい文体が良く合っていましたが、それだけに、最後の一文が際立って思えるのが、なんとも心憎いですね。