検索結果

  • 怪しい店
    3.8
    推理作家・有栖川有栖は、盟友の犯罪学者・火村英生を、敬意を持ってこう呼ぶ。 「臨床犯罪学者」と。 骨董品店〈骨董 あわしま〉で、店主の左衛門が殺された。 生前の左衛門を惑わせた「変な物」とは……。(「古物の魔」)ほか、 美しい海を臨む理髪店で火村が見かけた、 列車に向かいハンカチを振る美女など、 美しくも恐ろしい「お店」を巡る謎を、 火村と有栖の名コンビが解き明かす。 火村英生シリーズ、珠玉の作品集が登場。
  • 世は人情 殺人の故郷
    -
    幕末の侠客・吉良の仁吉を生んだ三河で薬屋を営む太田のところに、大学時代の元恋人のうららから一本の電話が。聞けば彼女の夫が失踪したのだという。東京からやってきたうららと合流し、夫の行方を捜すうちに、二人は彼の死体を発見、あわてて警察に知らせにいくが、その間に夫の死体は消えていた。そしてさらに第2の死体が現れる。事件の真相を追究するため、吉良の仁吉の血を引く太田は、吉良一家の再興を宣言、かつての同級生などを集めるが、事態は思わぬ方向へと転がっていく……。全編三河弁が飛び交い、ユーモラスな味わいに満ちた奇想天外ミステリー。 ※本書は、 1984年11月徳間書店からトクマノベルスとして刊行された『三河湾殺人望郷歌』を改題した文庫が底本です。
  • ペテン師ファミリー
    3.0
    この恨み、きっと晴らしてやる……。かつて天才詐欺師と謳われた喜多三平は、旧知の秋山にはめられて刑務所に入ってしまった。3年後。復讐を誓って仮出所した三平は、秋山が自分をだまして巻き上げた金を元手に大手サラ金会社を経営していることを知る。どうやって奴に借りを返すことができるか。かつて関係のあった鈴子とその家族の力を借り、リターンゲームにのぞむ三平だったが……。誰が本当で、どれが真実か、最後の最後まで展開がわからない、痛快で爽快なコンゲーム!
  • 殺人コンテスト
    3.5
    老人ホームに入っている70歳のはるばあちゃんから、突然3人の子供たちに集合するよう連絡が来た。どうやらはるは、進行性のがんで余命半年らしい。そこではるがみんなに申し渡したのは、自分を上手に殺す方法を考えた人に5000万円の宝くじの当たり券を贈るということ。これも世のためばあちゃんのためと、3人の子供と孫たちは必死でない知恵を搾り出す。しかしはるは名うての意地悪ばあさん。このまま簡単に5000万円を贈る気はなく……。金に目がくらんだ人々が織り成す狂想曲!
  • 七人の手練 たそがれ横丁騒動記(一)
    3.5
    年配者が多く〈たそがれ横丁〉とも呼ばれる浅草田原町の紅屋横丁では、難事があると福山泉八郎ら七人が協力して解決し、平和を保っている。ある日、横丁の店主に次々と 強引な買収話を持ちかける輩が現れ、それを断った瀬戸物屋の権造が、何者かに殺された。買収話の裏に何かあると感じた泉八郎らは、探索を開始するが……。
  • 口入れ屋おふく 昨日みた夢
    4.3
    亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。色気より食い気、働きもので気立てのよいおふくは助っ人女中として奉公先に出向き、揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、自分も前を見て歩いていこうと心を決める――。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。単行本未収録の短篇「秋の朝顔」併録。
  • 天衣無縫 アニメカバー版
    3.3
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!≫ 太宰治、坂口安吾とともに無頼派として活躍し、大阪という土地の空気とそこで生きる人々の姿を巧みに描き出した短編の名手。その表題作を始め「夫婦善哉」「俗臭」「世相」など代表的作品を集めた傑作選。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――!
  • 海外旅行熱、急上昇して急降下 つれづれノート(30)
    4.0
    今年から「旅行元年」と決めた銀色さん。自分はどういう旅行が向いているのか、一人旅からツアー参加まで体験して世界各地を飛び回ってみるが……自由の体現者、銀色さんの壮大なる人生記録、30弾。
  • 標的はひとり 新装版
    3.3
    かつて極秘機関に属し、国家の指令で人間を“消して”いた加瀬。 ある任務が原因で組織を離脱し、監視を受けながら暮らしている。 そこに、強大な権力をもつ大富豪、出雲グループ総帥から個人的な依頼が来た。 標的は総帥の孫を殺した冷酷非情なテロリスト、成毛泰男。報酬は金と国家からの「解放」。 加瀬は過去、そして自分と向き合いながら、最後の闘いに身を投じる。 緊張感に目が離せない、ハードボイルド・サスペンス!
  • バースデーカード
    3.8
    紀子は引っ込み思案の小学生。優しい両親と元気な弟と幸せに暮らしていた。ところが母・芳江が病気で他界。落ち込む紀子11歳の誕生日、生前の約束通り、なんと芳江から紀子にバースデーカードが届く……。
  • GOSICK RED
    4.1
    舞台はニューヨーク! 超頭脳“知恵の泉”を持つヴィクトリカは探偵事務所を開くが、そこに闇社会のボスから危険な依頼が舞い込み――。新展開を迎えた、ダークでキュートな大人気ミステリシリーズ、待望の文庫化!
  • やぶ医薄斎
    4.0
    破天荒な名医(?)が江戸で活躍する痛快時代劇! 文芸評論家 菊池 仁氏、絶賛! 「まさに脂が乗っている。楽しみなシリーズものがひとつ増えた」 名医を目指してはいるが、何をやっても続かない与之助は、枯田薄斎のもとに弟子入りして一年が過ぎた。患者に養生を勧めるだけで薬も出さず貧乏医を続ける薄斎に、与之助は溜息しか出ない。だが、薄斎はなぜか遠江の黒岩山藩からは御殿医として招聘され、藩主の病を治してしまった。直後、このことが発端で、二人は尾張と紀州の暗闘に巻き込まれ、公儀隠密に狙われてしまう。果たして薄斎は本当にやぶ医か、それとも……?  書き下ろし時代小説、新シリーズ第一弾!
  • SNOOPY COMIC  ALL COLOR 90’s
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「SNOOPY COMIC」のSUNDAY版1990~2000年感動の最終回の中から90本を選り抜き、オールカラーで掲載。デイリー版にないストーリーも満載でコミックの魅力が満喫できます。
  • 山の霊異記 幻惑の尾根
    3.9
    閉ざされた無人の山小屋で起きる怪異、使われていないリフトに乗っていたモノ、山道に落ちていた小さな赤い靴の不思議。登山者や山に関わる人々から訊き集めた、美しき自然とその影にある怪異を活写した恐怖譚。 ※本書は、二〇一三年五月に小社より刊行された単行本『山の霊異記 ヒュッテは夜嗤う』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • はなとゆめ
    3.9
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
  • Another エピソードS(角川文庫版)
    3.7
    聞かせてあげようか。あなたの知らなかった、この夏のお話。 異能の美少女・見崎鳴は語りはじめる。1998年、夏休み。かつて夜見山北中学の三年三組で〈現象〉を経験した青年に会うため、〈湖畔の屋敷〉を訪れた時のことを。鳴が遭遇したのは、三ヵ月前に謎の死を遂げた青年の幽霊、だった。行方の分からない自分の死体を探す幽霊と鳴の、謎めいた冒険の結末は――!? 解説・朝霧カフカ
  • 眠りの庭
    3.6
    1巻704円 (税込)
    女子校の臨時教員・萩原は美術準備室で見つけた少女の絵に惹かれる。それは彼の恩師の娘・小波がモデルだった。やがて萩原は、小波と父親の秘密を知ってしまう……。(「アカイツタ」) 大手家電メーカーに勤める耀は、年上の澪と同棲していた。その言動に不安を抱いた耀が彼女を尾行すると、そこには意外な人物がいた……。(「イヌガン」) 過去を背負った女と、囚われる男たち。2つの物語が繋がるとき隠された真実が浮かび上がる。
  • ふたつぼし 壱
    -
    18歳の兵ノ介は、ある男を追いかけて諸国を放浪していた。その男を倒せば、父の死の真相が明らかになる……しかし、その口から出た言葉は……お互いの立場や関係に、悩み苦しんだりしていく青年の成長記。
  • ファミレス 上
    3.5
    1~2巻704円 (税込)
    中学校教師の宮本陽平は、子どもたちが家を出て、妻・美代子との初めての二人暮らしに困惑中。 ある日陽平は、美代子の署名入りの離婚届を見つけてしまう。彼女は離婚を考えているのか? 唯一の趣味である料理を通じた友人の一博と康文は、様子のおかしい陽平を心配するが、彼らの家庭も順風満帆ではなく……。 「人生とは、腹が減ることと、メシを食うことの繰り返し」。50歳前後の料理好きオヤジ3人を待っていた運命とは? ●2017年1月公開映画「恋妻家宮本」原作
  • ビアンカ・オーバースタディ
    3.4
    ウニの生殖の研究をする超絶美少女・ビアンカ北町。彼女の放課後(オーバースタディ)は、ちょっと危険な生物学の実験研究にのめりこむ、生物研究部員。そんな彼女の前に突然、「未来人」が現れて--!
  • 京都 恋地獄
    3.0
    野心的な女性作家が愛したのは、女癖が悪く、夢を追い続ける映画人だった。彼との思い出が色濃く残る古都で、作家は幽霊が見えるという墓守娘の話に耳を傾ける。それは情念と欲望が絡み合う壮絶な愛の物語だった。 ※本書は二〇一三年十月に小社より刊行された単行本『恋地獄』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
    4.3
    お金がないならアイデアを振り絞れ! 後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション・・・斬新な戦略でV字回復したUSJの軌跡をキーマンが綴る。
  • 座敷わらしとシェアハウス ―冬来たりなば―
    3.3
    高校生の佳乃は、外見は大人だけど中味はコドモの座敷わらし、暁星と同居中。大学受験が近づくなか、学校で新型インフルエンザが流行。それには悪いものに憑かれた同級生が関わっていると分かり……。
  • 潰し屋
    -
    1巻704円 (税込)
    東京地検特捜部の検事だった千本木創は、二年前、大物財界人が絡む大がかりな贈収賄事件の捜査に当たり複数の刺客に襲われ、逆に相手の男たちに大怪我を負わせてしまう。実刑こそ免れたものの、傷害罪で起訴され、退官に追い込まれてしまった。千本木は、それ以来、法律コンサルタントとして細々と暮らしているが、しかし、それは表の顔にすぎない――。その素顔は、悪人どもから巨額の金を脅し取り、私的に裁く、凄腕の「潰し屋」なのだ……! ピカレスク・ハードボイルドの傑作!
  • 金田一耕助、パノラマ島へ行く
    3.5
    三重県志摩郡、伊勢湾の南端に浮かぶ「パノ ラマ島」に、同級生に誘われて金田一耕助が乗り込んだ。風光明媚な土地に廃墟とも 呼ぶべき威容の建物が建ち並ぶ島で起きた殺人事件を金田一耕助は解決できるのか?
  • エネミイ
    -
    社員に裏切られ自殺した社長の娘、婚約者を理由なく殺害された青年、愛娘が暴走族に撥ねられた男、幼い娘を流れ弾で失った父――。四人の犯罪被害者が喫茶店で運命的に出会い、犯人への怨恨の念を確認し合った。一方、かつての加害者が次々と殺害される事件が発生。棟居・牛尾刑事は、一連の事件の背景に被害者の復讐があると突き止める。私情と法の間で正義とは何かを問いかける、圧倒的スケールの社会派サスペンスロマン。
  • ウィザードリィ日記
    2.5
    還暦もとうに過ぎたある日、それは突然やってきた。「それ」とは泣く子も黙るパソコンである。以来、パソコン用ゲーム「ウィザードリィ」にのめりこみ、ディスプレイの前に毎日10時間座って3カ月。ついに大魔法使いワードナーをやっつけた! だが、本当の冒険はその時から始まったのだ――! ゲームはもちろん、ワープロ・ソフト、様々なハードウェア、さらにはコンピュータ業界の内幕まで、「秒進分歩」のパソコン世界を自由自在に飛びまわる。パソコン嫌いもたちどころに治り、パソコン好きは胸がすく、痛快エッセイ。1987年、NECの88の購入からはじまるパソコン生活がユーモラスに綴られ、当時の息吹がリアルに感じられる、今、改めて読みたいパソコン・アドベンチャー!
  • 無花果とムーン
    3.9
    18歳の少女・月夜の大好きなお兄ちゃんは、ある日目の前で突然死んでしまった。月夜はその後も兄の気配を感じるが、周りは誰も信じない。そんな中、街を訪れた流れ者の少年・密は兄と同じ顔をしていて……!?
  • 幻坂
    3.4
    坂の側に咲き乱れる山茶花の花に、幼い頃死んだ友達を偲ぶ「清水坂」。自らの嫉妬のために、恋人を死に追いやってしまった男の苦悩が哀しい「愛染坂」。大阪で頓死した芭蕉の最期を描く「枯野」など粒ぞろいの9編。
  • ライオンの冬
    4.1
    伊沢吾郎、82歳。旧日本陸軍狙撃手。現在は軍人恩給で暮らしながら、狩猟解禁期間には猟をし、静かに暮らしていたが、ある少年の失踪事件をきっかけに再び立ち上がることを決心する……。
  • 今昔まんだら
    -
    王朝末期、妻の不義を知った刑部丞が、くやしさ、苦しみを経ていきついたある妙案とは――?(「王朝の不倫」)。死んでしまった最愛の子に会いたくて、父はえんま大王に願いをかける――(「死児に逢いに」)。戦乱の世に咲いた、はかない恋。姫は白菊の精と契ったように身ごもるが……(「白菊の契り」)。今昔物語をはじめ、様々な古典の中から、愛とユーモアと知恵にみちた十八話を選び、田辺語訳した、軽妙で奥が深い物語の花束。岡田嘉夫によるオールカラーの華麗な画と共に愉しめる、贅沢な今昔絵草紙。
  • ジェームズ・ボンドは来ない
    3.8
    瀬戸内海の小さな島が挑む、映画『007』ロケ誘致活動に女子高生の遥香も加わった。島が少しでも発展すればとの思いからだった。署名運動や“ボンドガール・コンテスト”、記念館設立など、プレハブ小屋の直島町観光協会が主導する活動はすべて手作り。だが、やがて署名数は8万を越え香川県庁も本格的に動き出す。ついには映画会社から前向きな返事が届き島は熱狂するが……。2003年以降、直島を揺るがした知られざる感動の実話。単行本にはなかったロケ誘致運動当時の報道など数多くの画像に加え、著者による序文「まえがきにかえて」も初掲載!追加取材によって明らかになった事実も組み込んだ改訂版!! 【※本作品は紙版の書籍から写真の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。】
  • 小説 の・ようなもの のようなもの
    -
    昭和の懐かしい町並みが残る下町・谷中を舞台に、新人落語家と師匠の娘が行方不明になった先輩を捜し出すため奔走する。何者にもなりきれない現代人へのんびり生きる楽しさを教えてくれる下町人情エンタテイメント!
  • くじにてさうらふ 公事宿初音代語り
    -
    元川越藩士の叶柳一郎は旅の途中で喜兵衛という老人の危難を救った。江戸に出た柳一郎は、剣術道場の開業資金二十両を預けた紙問屋の手代・平吉を訪ねるが、行方が知れない。困った柳一郎は、喜兵衛の営む公事宿を訪れる。喜兵衛は柳一郎の捜索を手伝い、平吉を見つけ出した。ところが平吉は、柳一郎から預かった金を、病気の母の薬代に使い込んでしまっており……。剣でなく弁論で、弱きを助け、悪を懲らしめる。江戸の弁護士・公事師物語。
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に
    3.5
    人気シリーズ「心霊探偵八雲」の中学時代のエピソード『真夜中の図書館』、物語が禁止された国に生まれた子どもたちの冒険『青と赤の物語』など、小説が愛おしくなる8編を収録。旬の作家による本のアンソロジー。
  • 夏の嵐 手習処神田ごよみ
    3.0
    神田にある「上谷塾」に新たな手習子がやってきた。剣術道場の主・比賀兵衛の遠縁の今井竹之助と紹介された男の子は、幼い顔立ちながらも、抜き出た才で周りを驚かせた。そんなある日、比賀が何者かに襲われて……。
  • 転生
    3.8
    猛暑が続く京都市内で、女性の絞殺体が発見された。被害者は藍染作家・由良美津子、39歳。彼女の首には藍の染料が付いていた。同じ頃、別の殺人事件で指名手配されていた男が北九州市で逮捕される。犯人の佐伯は20年前に婦女暴行を重ね、美津子はその被害者のひとりだった。果たして2つの事件に関連はあるのか。京都府警捜査一課の女性準キャリア刑事・大橋砂生は、美津子の周辺で目撃されていた怪しい男を追跡するが……。 ※本書は二〇一四年十月に小社より刊行された単行本『殺意の産声』を改題の上、文庫化したものが底本です。
  • 採薬使佐平次
    4.0
    大川で惨死体が上がった。吉宗配下の御庭番にして、採薬使の佐平次は探索を命じられる。その死体が握りしめていたのは、昇降図。一方、西の方でも蝗害の被害が報告されており……亨保の大飢饉の謎に迫る!!
  • 鎌倉ビーチ・ボーズ
    4.0
    住職だった父親に代わり寺をついだ息子の凜太郎は、気ままにサーフィンを楽しむ日々。ある日、傷ついた女子高生が駆け込んで来た。むげにも出来ず、相談事を引き受けることにした凜太郎だったが……。
  • 妖しき瑠璃色の魔術
    4.0
    元参議院議員の折笠修一郎が、新築した自宅で刺し殺された。死体のそばには、全身に返り血を浴び、右手に血まみれの包丁を握ったまま意識不明となった折笠夫人。状況から、妻が夫を殺し、その直後に睡眠薬入りのブランデーを飲み自殺を図ったのは確実とみられた。…だが、じつはそこには大胆奇抜な殺人方法が隠されていた。事件の捜査に烏丸ひろみ刑事が投入されるが、その前に現れたのが前作『哀しき檸檬色の密室』の犯人。烏丸ひろみに恋した殺人犯人は、彼女のために折笠事件の真犯人を追及するが…。『三色の悲劇』シリーズ最終作。
  • 西銀座殺人物語
    -
    西銀座のクラブ『莉花』の美人ママに惚れ込み、遠く熱海から新幹線で通ってくる中小企業のオーナー社長・牛田辰則。その熱意の甲斐あってか、ママから「したいの」と刺激的な一言。ところが、その言葉の裏に秘められていた世にも恐ろしい事情に気づいたときには、時すでに遅く、牛田は泥沼に片足を突っ込みかけていた…。文庫書き下ろしの表題作ほか、ピザとビザを間違えている社長へのご注進騒ぎ、勤続二十年の記念休暇をきっかけに大胆な変身をはかろうとした男の失敗、等々、作者十八番の笑いと恐怖のミステリー短編全六編を収録。
  • ガリバー旅行記
    3.9
    寝ている間に手足と体をしばられ、台車にのせられて小人国の都につれてこられたガリバー。小山のような人間に、都は大さわぎ! 左足を鎖でつながれたガリバーは、小さな皇帝と会うが……。
  • ペットショップ夢幻楼の事件帳 信じたい思い
    2.7
    ペットショップ「夢幻楼」を訪れた老紳士から、病床の妻が失った記憶を引き取りたいと依頼された店主の雅(みやび)。形見にしたいとの願いに雅の決断は……。雅とギン、兄弟の過去も明かされるシリーズ第二弾!
  • サブマージ 県警捜査一課・城取圭輔
    3.0
    長野県警・城取警部補は不正な寄付を受けた疑いの代議士の身辺調査を命じられた。更に彼の秘書2名は相次ぎダイビング中に事故死。やがて事件を結びつけるある人物の存在が明らかとなり、事態は思わぬ方向へ
  • GONIN サーガ
    -
    1巻704円 (税込)
    日本映画界を席巻した傑作「GONIN」の待望の続編。19年前の暴力団大越組襲撃事件の遺児たちの数奇な運命を描く、濃密なバイオレンス・エンタテインメント。鬼才・石井隆監督による原作。
  • 機密文書
    -
    臨時雇いの女性社員に、ふとしたきっかけでのめりこみ、あげくの果てに、会社憎さに機密文書を漏えいする中年ノンキャリアの屈折した心情を描く表題作ほか、薬害問題に悩む製薬会社の弱みにつけこみ、株のカラ売りで一儲けを企む男女の愛憎を描く「悪念の剣」、余命一年の胃癌だと思い込んだ真面目一方の銀行員が、サラリーマンの保身のための習性を崩し、新聞社に情報を流してまで正義をとおそうとするが皮肉な結果を招く「癌の斧」など、企業社会の様々な人間ドラマをリアルにとらえた傑作小説集。
  • 遺跡発掘師は笑わない まだれいなの十字架
    3.4
    天才・西原無量が派遣された島原のキリシタン遺跡で、天正遣欧少年使節ゆかりとみられる黄金の十字架が出土。しかしそれは仕込まれた遺物だった。捏造工作の裏に隠された陰謀とは!? シリーズ第3弾! ※本書は、二〇一三年九月に刊行された小社単行本 『まだれいなの十字架   西原無量のレリック・ファ イル』を改題の上、文庫化したものが底本です。
  • サッカーの神様をさがして
    4.4
    高校ではサッカーをすると心に決めていた春彦。しかし入学した新設高校にはサッカー部自体がなかった。あきらめきれず部の創設に奔走するが、難題が立ちはだかる。そんなとき、右足にハンデを持つ不思議な生徒が現れ、コーチになりたいと春彦に告げる。果たしてサッカー部として認められるのか。やがて彼らは最後の夏を迎える――。かけがえのない出逢いと別れ。輝かしい日々と人生に立ち止まった今を描く傑作青春小説!
  • 編集長連続殺人 -13日目の惨劇-
    3.0
    『週刊A』の編集長が就任十三日目に崖から車で落ちて事故死した。次の編集長も十三日目でサーカスを見学中、ライオンに喉を噛み切られ死亡。三番目の後任も衝撃から自殺――。いずれの現場にもなぜか道化師の姿が。そして、犯人から届いた怪文書。出版社社長自ら編集長を買って出たが、運命の十三日がまた近づいてきた……。精神分析医・氷室想介がたどり着いた衝撃の事実とは。
  • 天佑なり 上 高橋是清・百年前の日本国債
    4.0
    足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。
  • 末席重役
    -
    生糸業界の名門企業で、取締役企画部長というお情けの重役ポストにある男が、任期切れ直前、色と欲の二股をかけた人生最後の勝負に賭ける。会社の含み資産に目をつけた香港の仕手筋の株買い占めに便乗して、自社株の思惑買いに出た。しかし最後に思わぬ皮肉な結末が待ちうけている――。表題作の株式がらみの企業小説をはじめ、企業に生きる人間が遭遇する重要な岐路をさまざまに描き、現代に生きる我々に示唆をあたえる傑作企業小説集。
  • 遠野物語拾遺retold
    3.8
    『遠野物語』が世に出てから二十余年の後――。柳田國男のもとには多くの説話が届けられた。明治から大正、昭和へ、近代化の波の狭間に集められた二百九十九の物語を京極夏彦がその感性を生かして語り直す。
  • 聖の青春
    4.4
    重い腎臓病を抱えつつ将棋界に入門、名人を目指し最高峰リーグ「A級」で奮闘のさなか生涯を終えた天才棋士、村山聖。名人への夢に手をかけ、果たせず倒れた“怪童”の生涯を描く。第13回新潮学芸賞受賞。
  • 継ぐのは誰か?
    -
    人類は今や絶頂期にある。だが、「完全」ではない。技術文明の発展速度にくらべ、人間の叡智は常にそれに追いつくことができず、ますます制御不可能になっている。このままでは、人類の限界が必ずくる――。「チャーリイを殺す」。世界各地の大学で奇妙な予告があいつぎ、しかも現実のものとなっていた。このヴァージニア大学でも、優秀な学生であるチャーリイが、研究中に高圧電流に感電してしまった。予告通り、彼は殺されたのだ! これは、極度に巨大化・複雑化したコンピュータ社会を密かに狙う新人類の出現なのか? 文明の最先端をよりどころとし、彼らは人類にとってかわるのだろうか? 小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。
  • わが郷愁のマリアンヌ(上)
    3.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    ロンドンに赴任した貿易会社常務・倉内優二は、取引きを始めた陶磁器メーカーの女性オーナー社長マリアンヌと運命的な出会いをした。優二は、青年時代から憧れていた『嵐が丘』のヒロイン、キャサリンを彼女に投影し、会う度ごとに思いを募らせていった。その頃、彼女の会社のマネージャーの死体が立木に囲まれた静かなホテルで発見された……。北イングランドの荒野に展開する華麗な愛のミステリー。
  • 遙かな坂(上)
    4.0
    大手スーパー〈マイウェイ〉の凍結庫で店長が凍死体になって発見された。東京四部長の逢坂常平は、早朝、警察からの電話で事件を報らされる。捜査は、自殺、他殺、事故死のいずれも決め手のないまま難航した。――逢坂の家庭では、妻千鶴を中心に、ひとり息子剛の東大合格だけを目標に生活を組みたてていた。少しでも入試に有利な条件を得るためのコネや情報、有能な家庭教師。だが、常平の九州への単身赴任、膨らむ教育費を補うための千鶴のアルバイト等により、家庭は大きな亀裂を生じていった……。家族全体を巻きこむ受験地獄と苛烈な流通戦争を描き、学歴社会を鋭く告発する社会派推理の力作長編。
  • 砂の殺意
    3.0
    五歳になる一人息子が、遊びに出かけたまま戻ってこない。子供を捜しにいった母親は、心あたりの工事現場で、心臓が止まりそうなショックを覚えた。ダンプカーから落とされた土砂で生き埋めにされ、死んでいた! 過失致死か? それでは一体誰が……。母親の執念の捜査がはじまる。息子を喪くした母親の怒りと憎悪が胸の中で激しく燃えたぎった。だが、その憎悪の果てに彼女を待ちうけていたものは……。平凡な日常生活のなかで誰もが遭遇しうる事件をテーマとし、女性心理を見事に描いた傑作短編集。表題作ほか七篇を収録。
  • 生きて行く私
    4.2
    山口県岩国の生家と父母、小学校代用教員の時の恋と初体験、いとことの結婚、新聞懸賞小説の入選、尾崎士郎との出会いと同棲、東郷青児、北原武夫とつづく愛の遍歴……数えて百歳。感動を呼ぶ大河自伝。
  • ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月 上
    -
    幼なじみのマークと恋に堕ちたブリジット。念願のボーイフレンドの登場に、とびきりハッピーな1年になると思ったのもつかの間、ダイエットは失敗、強烈なライバルが登場し、上司はとびきり嫌なやつで……。 ※本作品は、二〇〇〇年六月にソニー・マガジンより刊行された単行本『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月 上』を改題した角川文庫が底本です。
  • 梟の裂く闇
    4.0
    十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
  • 十三番目の陪審員
    3.3
    1巻704円 (税込)
    殺人事件を捏造し、警察と報道がいかに冤罪を生み出すか暴こうと考えた男は、思いもよらぬ死体の出現で逮捕されてしまう。民主的司法をめざして復活した陪審制のもと、十二人の市民がこの事件に下す意外な評決とは。
  • 珍らしや蟾蜍、吐息す
    3.0
    暴力団組長・瀬田雄一は風貌が蟾蜍に似ていた。瀬田は、神浴温泉郷に旅館をもっていたが、ホテル王・小野田万作に追い詰められ、手放したのだった。小野田にひと泡ふかせる機会をうかがっていた瀬田は、茶吉尼の外法を使うというオババと手を組んだ。狙いは小野田が北極点に建設しようとしているレジャーホテルだった……。ユーモラスな大冒険活劇決定版。
  • 丸太の鷹
    4.5
    1巻704円 (税込)
    下北沢探偵公司の辰吉さんが、銀次と絵里ちゃんを従え、難解を通り越え不条理の域に達してしまった事件を追っかけて、白昼の団地へ夜の巷へ、はたまたインド、香港へ――。さらには、未収録の傑作短編を三つも加えて、生きててよかった二重丸の1冊です。
  • 不器用な愛
    4.0
    無骨で不器用だが、人生の情を知る愛すべき男たち。仲間を売る『卑しき道』を歩む監察官、悪党から鮮やかに金を奪う詐欺師、雨の酒場で一夜ブルースを奏でる見知らぬ男……故風間一輝の傑作ハードボイルド短篇集。
  • 漂泊者
    4.3
    殺人罪の時効は十五年。もうまもなく時効が成立する男が、いまお前たちの目の前にいる。俺だよ――私立探偵の室井。横浜の養護施設新設を計画したら、周辺の住民から反対運動が起こった。しかも牧師や信者にまで嫌がらせが始まったという。調査を依頼された室井はその背景を洗い出していくが……。池袋のさびれた裏通りにある古アパートの住人たちの人生を中心に据えた“風間ワールド”シリーズ。不器用だけれど、どこかいとおしい男たちを描いた傑作長編ハードボイルド。
  • たたかう天気予報
    4.3
    1巻704円 (税込)
    ついに出た!火浦功の腹を抱えてトコトン笑える小説集「たたかう天気予報」がコレだ。一度読み出した者は、最後の最後まで涙を流して笑い続けるという、恐怖笑説でもりだくさん。
  • 直訴
    3.5
    東邦事務器商事のセールスマン宮本は、一人の女性をめぐり、そして課長の椅子を狙って同期入社の五十嵐と熾烈な売上げ争いを繰り広げていた。ふとしたことから、五十嵐と上司の不正の証拠を掴んだ彼は、悩んだ末、社長に直訴状を書き送るが――。表題作「直訴」ほか傑作企業小説五篇を収録。
  • 去りなんいざ狂人の国を
    3.0
    ……く、苦しい……。突然数百もの人々が、激しいめまいと嘔吐に襲われ、折り重なって倒れた。それはまさに地獄絵の出現であった! ――関門トンネルで起きた青酸ガスによる無差別殺人。犯人は政府に五十億円を要求したが、政府はこれを拒否。そのために犯人は、青酸ガスで地下鉄を襲い、さらに、日本の全刑務所開放を要求してきた……。犯人を必死に追跡する特捜部の鳴海・神谷の両敏腕捜査員と、それを嘲笑うかのごとく大量虐殺を繰り返す残忍無類の犯人。スリリングに展開する、アクション・ハードボイルドの傑作。
  • 黒猫の眸のほめき
    -
    13人の編集者が取材旅行で東北自動車道を北上していた。待ち合わせた地点で先着しているはずの西村寿行の姿はなかった……。神隠しか?3ヶ月後の同時刻、編集者たちは、再びその集合地点に向かった。なんと、そこには失踪した時と同じ服装の2人がいた。作家の不思議な妄想の世界へと案内する、抱腹絶倒冒険譚!
  • 追われる男
    4.0
    プレハブ住宅の中国進出の賭けに出た住宅メーカー社長の挫折から、戦後日本経済の縮図を浮き彫りにした長編小説。
  • 鬼の跫
    4.0
    真昼の情事に溺れる妻を尾行し、その現場に踏み込んだ現職警部・越智数正は、許しを乞う妻を射殺し、相手の男・由布文人の膝頭を射ち抜いた。懲役10年6ケ月―刑は確定し、越智は千葉刑務所に収監された。そして服役中に唯一の心残りであった娘・珠樹が自殺したことを知る。妻が死に、娘が死んだ今、不義を働いた由布は、やはり死をもって償うべきだ。越智は受刑者を束ねる暴力団組長と共謀し脱獄を図り、復讐の鬼と化した。一方、越智逮補に失敗したかつての上司・瓜生も職を辞し、越智を追う旅を始める……。傑作ハード・ロマン。
  • 空蝉の街
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    警察を馘になった平泉と親友の宗村は、金もなく無為の日を送っていたが、ある日、大和化学工業の重役から機密文書をもったまま失踪した社員の捜索を頼まれる。会社の依頼が罠と知った二人は、反撃の牙を剥き敵と闘うが、事件の裏に某外国政府との秘密利権を嗅ぎつける。凌辱と怒りと殺戮の血みどろの追跡行! 痛烈ハードロマン!
  • 梓弓執りて
    -
    手術ミスを犯し、復讐鬼と化した患者に追われる外科医は、逃亡の果てに……。迷妄のハードロマン。
  • 十津川警部捜査行 北陸事件簿
    4.0
    とき403号が終点の新潟駅に到着したとき、車内から刺殺体が発見される。持参していた履歴書は60代の男性だったが、30代のフリーライターだと判明。何のために変装したのか……。他、4篇を収録。
  • 奇策屋見届け人 仕掛の章
    5.0
    旗本の次男坊の仁之助は、とある不祥事のせいで婚家を追い出される。彼は流れ流れて辿り着いた品川宿の「悪人町」で、「奇策屋」の看板を掲げる“おとこ名の美女”宗次郎と出会い、怪しげな仕事を手伝うが……!?
  • 臓器賭博
    -
    負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームは現金の代わりに自分の臓器を賭けることができ、依頼主はすでに4つの臓器をとられていた。自分の臓器をカタに勝負に望む古賀。勝負の行方は?
  • 五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 晴れた日には鏡をわすれて
    4.1
    淋しい冬の海。隠岐の民宿で働く牟田口アカネは、自分の醜い容貌に絶望し生きていた。彼女が待っていたものは、まさに「なしくずしの死」。そんな彼女を絶世の美女に変えようという、神への反抗ともいうべき試みを企てる男が現れる。草影真人――。彼と摩天崖の絶壁に立ったとき、アカネの命は奇妙な軋みを立て震えた。美醜の対立がもたらした鮮烈な愛と冒険の新ホラー・ロマン。
  • 五木寛之自選文庫〈エッセイシリーズ〉 ゴキブリの歌
    -
    雑文は、日々の生活の報告書にして、作家の内面を映す鏡。メロンパンを愛し、原稿の締切に追われ、トイレの大改造に取り組み、異邦人だった少年時代を想い……。軽妙な文章で描かれた、原寸大の五木寛之と、時代の素顔。達意のユーモアに頬をゆるめ、三枚目的な作家の言動に笑いながら、気がつけば耳の奥で時代の歌が鳴り響いている――。1970年代初頭の世相と自身を活写した、第2エッセイ。
  • 午後の自画像
    -
    五十嵐一、阿部薫、高橋和巳、立原正秋他――追想との「出逢い」。ガルシア・ロルカの死、カルパントラ以後――時代との「出逢い」。歴史の暮方、医と私と親鸞、音楽の風土――書物との「出逢い」。そして十四歳、三十四歳当時の日記との「出逢い」。時代と自己に深い眼をむけて、常に先駆的存在であり続けた三十年間の作家生活の中から、衝撃的「出逢い」の数々を収めた等身大のエッセイ集。
  • 五木寛之自選文庫〈エッセイシリーズ〉 風に吹かれて
    4.2
    「私はやはり基地を失ったジェット機でありたいと思う。港を持たぬヨット、故郷を失った根なし草でありたいと感じる」――時代の風のなかにこそ青春があり、暮らしがあり、夢がある。風に吹かれて漂いつづける日々を、ホロ苦さを隠し味にしたユーモアとペーソスあふれる文章で綴る第一エッセイ。刊行以来四半世紀、世代を越えて読み継がれる永遠のベストセラーが、いま、再び時代を撃つ。
  • 流氷の夜会
    -
    十歳ちがいの会社経営者・神保公司と結婚した智美。しかし平穏な結婚生活は半年も続かなかった。公司の会社が傾くと、柄の悪い一味が我が物顔で社内を出入りはじめ、自宅には不気味な航空写真が届くようになった。写真に怯える公司は失踪。夫の行方を追う智美は、忌まわしい過去の事件へと足を踏み入れていく―――。複雑に絡み合う人間関係が生み出す犯罪を、著者渾身の力で描く、傑作長編推理!
  • 捜査線上のアリア
    3.0
    銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。入選後は会社も辞め、取材の依頼や講演が殺到し「時の人」となった。だが、それも一時期だけで、原稿依頼もとだえ、妻の則子は温泉街の芸者になり生活を支えることに。ある日、津村は泊まっていたホテルで殺人事件に巻き込まれ、“容疑者”として取調べられた。皮肉な事にこれをきっかけに津村の小説は急に売れ出した。一方、捜査線上には、意外にも流行作家のMが浮かんだが、Mには鉄壁のアリバイが―――。文壇の内幕を抉る、社会派ミステリー!!
  • 一身上の都合により、殺人
    3.5
    ◎駅のゴミ箱をあさってエッチな本を拾い上げる上司を見た! ◎モテない部下が可愛い女の子と結婚することになり猛嫉妬! ◎社宅に越してきた部長の若奥さんが生意気でアタマにきた! ◎家族そろってのハワイ旅行が仕事のせいで出発当日中止に! ◎大枚をはたいてグリーン車に乗ったらクソガキがバカ騒ぎ! ◎冷たい会社に腹を立てて辞表にグチを思いきり書き連ねた! 誰もが経験しそうな状況から意外だらけの殺人が勃発する。大人の世界の笑える恐怖──テレビドラマ化もされた、そのとっても歪んだ世界をあなたにお届けするミステリー短編集。
  • 牢獄の花嫁
    3.0
    息子の郁次郎と許嫁の花世とともに、余生を送るのを楽しみにしていた元名与力・塙江漢。増上寺で見つかった女の死骸の犯人に、郁次郎が犯人にされてしまう。息子の無実を暴くため、江漢が黒幕に立ち向かう。
  • シャッター・マウンテン
    3.6
    北アルプス、“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。山小屋の経営者久作らは、山のいつもとは違う不吉な気配に戦いた。蝙蝠や蜻蛉の大量発生、幽霊の目撃談。次々と起こる不可解な出来事、ついに死者が--。
  • 超高層ホテル殺人事件 書き下ろし短編付き
    -
    クリスマスイブの夜、オープンを控えた地上62階の高層ホテルのセレモニー中に、ホテルの総支配人が転落死した。鍵のかかった部屋からの転落死事件の捜査が進むが、最有力の容疑者も殺されてしまい!?
  • 殺意の漂流 異型の曠野
    -
    二流のサラリーマン問題評論家・河合清重は、講演にでかけた先のホテルで、『コルト45口径』という一挺拳銃を見つけた。拳銃に魅せられた河合は、密かに銃を持ち帰るが、その日を境に仕事の依頼が急増していく。人生を狂わす悪魔の銃は、さまざまな人間たちの人生を変えていくが!? 悪魔の銃に魅せられた人間たちを描く、連作傑作集!
  • 夕映えの殺意
    -
    “家出人捜し屋”の片山は、旧知の米国人実業家・ハサウェイから、「かつて戦時中に命を救ってくれた5人の男を捜して欲しい」と依頼される。さっそく人捜しを開始するが、すでに3人が不可解な死を遂げていた。さらに調査を進めていくうちに、片山は満州で全滅した日本人村で起こった、おそろしい虐殺の全貌に近づいていく……。
  • 星のふる里
    4.0
    夫・浩一が失踪した。安定した日常に身を任せつつも「夫に女がいるのではないか」と疑いはじめた矢先の出来事だった。事故か、計画的な蒸発か? 妻・耀子がわずかな痕跡を追うと、愛人・眉村理枝の存在にたどりつく。愛人の存在にショックをうける耀子だったが、女同士の奇妙な連帯感が生まれ、浩一を探して理枝はギリシア、トルコへと飛んだ。女性心理の機微と夫婦関係の脆さを赤裸々に描き、ミステリー・ロマンの新しい方向を示した意欲作。
  • 虹への旅券
    4.0
    失恋の痛手を癒すため、商事会社のOL・穂積裕希子はヨーロッパ周遊ツアーに参加する。イスタンブール、アテネ、ローマへ旅を楽しむが、機中での洋酒びんの落下、トプカピ宮殿での落石事故など、裕希子の回りで不可解な出来事が頻発する。同じころ、東京で起きた殺人事件の容疑者として裕希子の名が浮かび、警察は彼女の行方を追っていて!? 森村誠一が贈る、旅×サスペンスの傑作推理!
  • 凶水系
    -
    これが捜査陣を、翻弄する怪事件の始まりであった――。熊谷の荒川で子供達が悲鳴を上げた。発見された溺死体の男は八高線鉄橋から落とされたのか? 次いで完全な密室状態であった高崎のマンションから男が墜落。身辺から八高線の切符が現れた……。一見何の関連もない二つの事件に隠された、意外な接点とは!?
  • 企業特訓殺人事件
    -
    「一人や二人の新人が死んでも、会社の存続にとって物の数ではない!」業界屈指の発展ぶりで注目される化粧品会社粧美堂の営業課長大津は、研修会の席上で冷然と言い放った。二年前、会社の新人養成特訓中、病弱な兄をしごき抜き、遂に死に至らしめた男が今、速水正吾の目の前にいる。兄の死の真相を探るため、敢えて粧美堂へ入社した正吾は、仇の正体をはっきり認識すると、爆発しそうな怒りを必死に抑え、大津に対する復讐の計画を秘かに練りはじめるのだった……。
  • エスパイ
    -
    人の心を読み、遠くの出来事を察知する遠感(テレパシイ)や透視能力、意志の力で物体を動かす念動力(サイコキネシス)を持つ超能力者たちの諜報集団「エスパイ」。その一員であるタムラに、ソ連首相暗殺計画を未然に防げという緊急指令が下った。しかし、その任務はすでに何者かに嗅ぎつけられ、彼の乗ったジェット機には時限爆弾が仕掛けられていた。いったい「敵」は何者なのか!? 痛快SFスパイ長編!
  • 特攻基地 知覧
    4.3
    太平洋戦争の狂気の舞台となった薩摩半島の知覧飛行場。機体に二五〇キロ爆弾を装着し、死の道へ突進した若き特攻隊員たちの残酷なドラマ! 「語られない真実」を緻密な取材で綴る。賛美と否定の間で、闇に葬られようとする戦争の内実を、丹念に掘り起こしたノンフィクション。
  • 遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠
    3.3
    永倉萌絵が勤める亀石発掘派遣事務所には、絶対的エースがいる。世紀の発見を繰り返し、天才発掘師と名高い西原無量、その人だ。奈良の古墳から出土した宝玉をめぐり、無量たちの周囲に暗い影が迫る! ※本書は、二〇一一年十二月に刊行された小社単行本『ほうらいの海翡翠 西原無量のレリック・ファイル』を加筆修正・改題の上、文庫化したものが底本です。
  • 切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人
    4.0
    東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された。やがてテレビ局に“ジャック”と名乗る犯人から声明文が送りつけられる。その直後、今度は川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害された。被害者2人に接点は見当たらない。怨恨か、無差別殺人か。捜査一課のエース犬養刑事が捜査を進めると、被害者の共通点としてある人物の名前が浮上した――。ジャックと警察の息もつかせぬ熾烈な攻防がはじまる! ※本書は二〇一三年四月に小社より刊行された単行本『切り裂きジャックの告白』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 夜の海に瞑れ
    4.0
    癌に冒された老ヤクザを故郷の淡路島まで運べ。舞いこんだ依頼はたやすいはずだった。だが、謎の追手の襲撃によって、老人と親友が拉致される。しかも、その老人は、五十年以上前にシベリアの捕虜収容所で、凍土に葬られたはずの男だった。組織を裏切った老ヤクザの本当の狙いは何か。殺し屋、ロシアンマフィア、そして日本の闇権力の陰謀と裏切りが交錯しあう中で、探偵碇田が執念の追跡の果てに見たものは……? 過去の傷痕に引きずられ、闇に蠢く男たちの吐息。信義なき世界でぎりぎりの誇りを全うする孤独な闘いを、壮大なスケールで描き切る、冒険小説!
  • 鹿鳴館盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.3
    写真師で元幕臣の志村悠之介は、幼なじみの百合子と再会する。彼女は子爵の未人となり鹿鳴館の華といわれていた。逢瀬を重ねる二人は鹿鳴館と外交にまつわる陰謀に巻き込まれ……。大好評"盗撮"シリーズ!
  • 迷走女刑事
    3.0
    相変わらず度々妄想の世界に旅立ってしまう、警視庁捜査一課所属、宮藤希美。“おやじ好き”のイケメンと甲賀忍者の末裔、新たに加わった個性派な同僚たちと共に、“3”ずくめの奇怪な事件も華麗に解決する(はず)!
  • 蒼穹の射手
    3.5
    1巻704円 (税込)
    日本がカンボジアでのPKO活動に踏み出した頃、航空自衛隊千歳基地に一人の男が着任した。真田二等空尉、戦闘機パイロットである。彼が搭乗を命ぜられたのは、コクピットの装備がこれまでとまったく異なるF15イーグル。一部の政治家、防衛産業、空自OBらによって極秘に開発されたこの機体には、夜間低高度侵攻能力と核装備能力が与えられていた……。大空に憑かれた男たちの過酷な任務と運命を描く航空冒険小説。

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