作品一覧

  • 特攻基地 知覧
    5.0
    あの青年たちを見送ってから、二十年たって、この本ができた―― 大戦末期に陸軍報道班員として知覧の出撃の現場を目撃した高木俊朗は、戦後、元隊員、親と子、同胞たちを取材し続けた。南洋に面したこの基地で、彼らは何を想い飛び立ったのか?俗説が氾濫する「特攻」の、知られざる証言を掬いあげる戦争ノンフィクションの白眉、当時の取材写真と新規解説を増補した決定版。 文庫版解説(本書に再録)・入江徳郎 新書版解説・大木 毅 ※本書は、1965年9月に『知覧』として発表され、73年7月に角川文庫化された作品を新書化したものです。 ◆食糧難の中、隊員たちに無償で食事をふるまった富屋食堂と鳥浜とめの素顔 ◆八月十五日、司令部で隊員は出撃を申し出、高級参謀は軍司令官に特攻を求めた ◆老朽機が過半で故障と事故が頻発していた 【目次】 悲愁の桜 女学生の日記 孤独のいのち 十六年目の手紙 暴力制裁 不慮死 ひとすじの愛 花流し 神州亡滅の日 この母と子 空に消えた顔 残された者 花束 史実と事実 春はめぐれど あとがき 角川文庫版あとがき 文庫版解説 入江徳郎 新書版解説 大木 毅
  • インパール
    4.3
    1~3巻815~1,400円 (税込)
    太平洋戦争で最も無謀だったといわれるインパール作戦。昭和19年3月、ビルマから英軍の拠点があったインド北東部・インパールの攻略を目指した日本軍は、この作戦で歴史的敗北を喫した。「インパールの悲劇」は“日本の東条”とビルマの“小東条”牟田口廉也の握手から始まった――史実に基づいた考証と冷静な筆致と気迫で、涙と憤りなしでは読めない、第一級の戦記文学を復刊!「何しろわしは、支那事変の導火線になったあの盧溝橋の一発当時、連隊長をしていたんでね。支那事変最初の指揮官だったわしには、大東亜戦争の最後の指揮官でなければならん責任がある。やるよ、今度のインパールは五十日で陥してみせる」功名心に気負いたつ軍司令官・牟田口中将の下、いたずらに死んでいった人間の無念。敗戦後は部下に責任転嫁し、事実の歪曲を押し通した軍人を許すまじ!本書はその実相を書き、牟田口廉也批判の口火を切った『イムパール』に、著者自ら大幅な改訂を加えた文庫決定版。 【目次】 戦いの日の回想―序にかえて― インド征服の夢 先手後手 インパール見ゆ 狂奔 雨季 ビシェンプール攻撃 壊滅 死の道 肉体の限界 時期作戦準備中 戦記の中の真実―あとがきにかえて― 〈インパール作戦〉地図・部隊編成表
  • 陸軍特別攻撃隊(一)
    5.0
    特攻作戦の全貌を綿密な取材と膨大な資料を駆使して明らかにした入魂の大作。 ベストセラー『不死身の特攻兵』の鴻上尚史氏もリスペクトする戦史小説の金字塔! 菊池寛賞受賞。 レイテ決戦に執着する大本営が縋った特攻作戦。 9回出撃しても生還した“不死身の特攻隊員”佐々木友次伍長。 特攻隊を置き去りにして敵前逃亡した冨永軍司令官。 特攻隊は“志願”と一般に思われているが、これは全くの間違いで、本人の意思を無視した強制であった。 「体当り機」は機首に“死の触覚”の起爆剤がついており、爆弾は機体に固着させ、投下装置がなく、体当りをせざるをえないように造られていた。 この非人道的な“棺桶飛行機”の体当り効果のウソをあばく。 (*荒垣秀雄氏の解説は収録していません。)
  • 戦死 インパール牽制作戦
    5.0
    昭和21年2月9日、元陸軍大佐棚橋真作はGHQからの出頭命令に接して、古式通りの割腹自殺をとげた――著者は、その死に疑問をいだき、間近に迫っていたインパール作戦の陽動作戦として実施された「ハ号作戦」に参加した第55師団の生き残りの人々の証言や日録を克明に調べていくうちに花谷正師団長の部下への自決強要の問題が浮かび上がってくる。軍隊という巨大な組織の冷酷無残な非人間性を描いた戦記文学の傑作。著者のインパール五部作の一冊。

ユーザーレビュー

  • 特攻基地 知覧

    Posted by ブクログ

    特攻の街として知られる知覧。私は未だその地を訪れた事はないが、いつかはこの目で飛行場跡地や開聞岳を見てみたいと思っている。様々な映画や小説、戦争、特に特攻を扱う書籍等で取り上げられた事から、その地の名前を知らないものは少ないだろう。もし、知覧を知らずとも、特攻『特別攻撃隊』を知らないという事はまず無いと思う。因みに本書にある「知覧」の街は特攻の中でも、帝国陸軍が編成した攻撃隊の出発基地にあたる。現在の南九州市の地名である。陸軍は特攻隊に万朶隊、振武隊、富嶽隊などの名称と数字で名前をつけており、世に言う『神風特別攻撃隊』は帝国海軍の特攻の呼び名で、こちらは同じ九州鹿児島県でも鹿屋基地から主に飛び

    0
    2025年07月19日
  • インパール

    Posted by ブクログ

    インパール作戦の開始から撤退までを書いた。司令官のエゴと欲、判断力、作戦能力のなさのために何万という兵隊が犠牲になった。インドという気候、相手(英印軍)を見下した考え、そのことも敗因の原因になった。いつも犠牲になるのは上層の人に逆らうことのできない下層の人達だ。今の日本の状況と考えてみると面白いかも。私は、そもそもなぜインパールだったのか勉強不足です。あと地理関係がよくわからなかったため読むのに時間がかかった。

    0
    2024年02月01日
  • 抗命 インパール2

    Posted by ブクログ

    牟田口の異常性が分かる作品 インパール作戦に参加した高司令部にて取材していた高木俊朗氏のインパール四部作のうちの2作目。

    コヒマを無断撤退したと言われる烈の佐藤師団長は何故に撤退したか、また抗命であったのかなど、丹念な取材と時系列の洗い出し、佐藤師団長を精神異常者にしたてようとした事実から浮き彫りになる第15軍、ビルマ方面軍、大本営の思惑など衝撃的な無責任さと牟田口の異常な名誉心、出世欲の妄執に戦慄します。

    0
    2025年12月15日
  • インパール

    Posted by ブクログ

    インパール作戦における人間ドラマ 映画の報道班員として第5飛行師団に配属されインパール作戦に従軍した筆者が、古馴染みであった第33師団第214連隊長作間喬宜大佐に挨拶にゆきその時に知り合った情報主任長一雄中尉、第33師団長柳田元三中将がインパール作戦にてどのように考え何を語りどう動いたか、後日詳細で丁寧な取材を行い極力主観性を廃して真実をあぶりだそうと試みた限りなく誠実なドキュメンタリー小説。
    なお、コヒマにて補給がないことを理由に独断撤退し、軍紀違反となろうともインパール作戦の無謀を食い止めようと試みた佐藤幸徳師団長の第31師団(烈)の様子は『抗命』に、ビシェンプール総攻撃にうつる作間大佐が

    0
    2025年12月15日
  • インパール

    Posted by ブクログ

    20.03.08~20.07.24
    胸糞悪い、その一言。
    いつの時代も、バカはいるもの。そのバカが先陣を切ってしまうことで、悪夢が繰り広げられる。結果、誰も責任を取らず、適当な言い訳を、もしくはウソをついて、データ改竄をして国民をだます。最低です。
    今回、読んでいる時期と新型コロナの感染拡大が重なってしまったことで、余計に、読むのが辛かった。国を担っている人たちの無責任さ、歴史が繰り返されている。
    最悪の読後感ではあるが、いろいろと考えさせられた1冊。

    0
    2020年07月24日

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