インパール作戦を描くシリーズ3作目、弓師団と祭師団の最前線、インパールに肉薄した部隊の最後までを書ききる。
インパール作戦に関しての戦記は、このシリーズを含めて何作か読んできた。
祖父は茨城の鉾田で招集されて水戸連隊に所属したはずなので弓師団の歩兵第213連隊にいたはずで、弓第33師団の右突
...続きを読む進隊としてインパールの東南から攻め込んだはずだ。
戦争のことは多く語らず、最後は復員して敦賀から帰ってきたことは聞いた。
さて、本書では弓師団と祭師団の二部構成、全滅・憤死と銘打っている。
全滅の始まりはインパールから南方32マイル、トルブン隘路口から始まる。
順次到着する瀬古大隊を到着順に随時投入し、大隊としての体を成さないまま北上を続ける。
弓師団でインパールまで22マイルのニントウコンまで進軍した戦車第14連隊とその他諸部隊を合わせた井瀬支隊の最後の日までが描かれる。
憤死は祭師団、山内師団長解任の前日譚。
三師団中で最も弱いとされていた祭師団だが、元々貧弱な装備しかない上に第15軍からの命令は、できないものばかりだった。
山内師団長を補佐する岡田参謀長だったが、師団本部に入ってくる情報は第一線の敗戦ばかりだった。
そして山内師団長自身は肺結核となり、師団本部は次第に退却を余儀なくされる。
組織は頭から腐る。
日本軍の敗戦の本質はよくよく考察されて繰り返さないようすべき。
今でも組織内では不合理な指揮系統で突っ走る体質が見えてならない。
腐ったままなら良いのだが、苛政は虎よりも猛しとならないよう心掛けたい。