中央公論新社作品一覧
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4.0参勤交代の実像はこんなにも更新されていた! 幕府が大名の力を削ぐための施策であったという理解は今は昔。最新の研究や詳細な史料をもとに、参勤交代の多面的な姿を明らかにする。『三河吉田藩・お国入り道中記』で、三河吉田藩という一つの藩をマニアックなまでに掘り下げた著者が、経済や文化に多大な影響をおよぼした参勤交代の、巨大で豊かな全体像に迫る。 第一章 「いい塩梅」なシステム 第二章 参勤交代とカネ 第三章 サラリーマン武士は移動する 第四章 「ハケン」が支えるお大名 第五章 公共事業としての参勤交代 第六章 参勤交代の終着点
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3.9電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 宮部みゆきをワクワクさせた本、154冊を一挙公開! 情報量はたっぷりありながら、1冊あたり新書判の見開きで読ませるコンパクトさが魅力の1冊。 国内外の話題のミステリから、海外ノンフィクション・社会時評など時代を映す作品、猫や俳句など趣味の本、絵本・イラストのビジュアル本まで――。作家のアンテナで選ばれたラインナップは幅広く、内容を紹介しながら書き手の体温を感じさせる書評は、作品の魅力が伝わると評価が高い。「今年の3冊」10年分の記録(2015年~2024年)、巻末の書き下ろしエッセイを収録。
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3.0第二次大戦の癒えぬ傷を抱く学生たちの一夏を描く初期作品から、晩年の知的企みに満ちた意欲作まで。ひたすらに真実を求める人生の陰翳を描き出す精選六篇。生誕一〇〇年記念出版。全二巻。 今回、生誕一〇〇年を記念して、この膨大な作品群から四六判二巻本のアンソロジーを編む役割を仰せつかった者としてみずからに課したのは、できるだけ幅広い時期から選出すること、執筆時期や舞台が異なっても相通じる要素のある作品を二作ずつ組んで流れをつくり、その色合いと感触で陰と陽にふりわけることだった。最初にお届けする本書『鳥たちの横切る空』に翳り「Ombre」、次巻の『竪琴を忘れた場所』に明るみ「Lumière」と副題を付けたのはその結果である。 (堀江敏幸「空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて」より) (目次から) 洪水の終り 聖堂まで 献身 探索者 叢林の果て 鳥たちの横切る空 空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて(堀江敏幸)
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3.0
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3.6
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-ベルリオーズ、マーラーが指揮棒を振り、ドビュッシーからガムランから着想を得る。音楽の普及や楽器の発展に寄与した近代万博の歴史を読み解く 第一章 水晶宮の国際博 一八五一年ロンドン 第二章 ナポレオン三世の見果てぬ夢 一八五五年パリ 第三章 初の「音楽展示」 一八六七年パリ 第四章 音楽の殿堂トロカデロ宮 一八七八年パリ 第五章 エッフェル塔とガムラン 一八八九年パリ 第六章 ホワイト・シティと巨大観覧車 一八九三年シカゴ 第七章 一世紀の総決算 一九〇〇年パリ 第八章 近代テクノロジーの祭典 一九三七年パリ 第九章 戦後の転換点 一九五八年ブリュッセル 第一〇章 太陽の塔と前衛音楽 一九七〇年大阪
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4.1書評家 藤田香織氏おすすめ! 「〈子どもは、自分のいる場所を選べない〉という容赦のない事実に、木地雅映子が魔法をかけた――。心の中にローズ先生がいる頼もしさ。さあ行こう。私たちの秘密のはらっぱへ」 秘密の〈魔法使い〉だった先生との 思い出が、今、わたしを支えてる。 長谷川はんなが通う寒々しい保育園に、突如やってきた黒原ローズ先生。彼女は先生、ときどき魔法使い!? その後9年間、はんなを力づけ続けた〈魔法〉とは? 〈本好き〉にこそ読んでほしい、じんわり心ふるえる物語。 名作『氷の海のガレオン』、話題作『ぼくらは、まだ少し期待している』の著者による、待望の書き下ろし長編。 【目次】 ローズ先生 トム・ティット・トット こどものとも サミール パンチング・ギル 穴 光る本 旅 客 魔法の夜 Hannah 蝶々の渡り
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4.2
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-戦前の『尋常小学国語読本』に採録されていた「松坂の一夜」は、真淵と宣長、二人の国学の巨人の劇的な出会いを描き、国民誰もが知る物語だった。 真淵に私淑していた宣長は、真淵が関西方面に旅をしていることを知って、松坂で宿願の対面を遂げた。 以後、江戸の真淵と松坂の宣長は頻繁に書簡の遣り取りを続け、真淵の薫陶を受けた宣長は、やがて『古事記伝』を著し、国学の大成者として敬仰される存在となる……。 この「松坂の一夜」は、理想的な師弟関係を物語る「史実」として流布したが、果たしてどこまで「真実」を伝えるものだったのか。 本書前半では佐佐木信綱らによって「美しい物語」が作り上げられる過程を明らかにする。 実際、真淵と宣長の交流は、つねに決裂一歩手前の危うさを孕んでいたのである。 後半では、二人の周囲にいた人物の経歴をたどり、二人の出会いに関する様々な「解釈」を取り上げる。 そこでは平田篤胤の宣長への「夢中入門」の逸話は、「松坂の一夜」を焼き直したものであったことも明らかにされる。 近世国学の白熱の一局面をあますところなく描き出した力作である。
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4.0日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。 十二支の時空システムは数字の反復や積算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と、生きものや人の関係として展開してきた。 列島に伝承された神話、物語、民俗、宗教などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす時空へと分け入れば、その旅の先に豊かな文化の姿が装いを新たに立ち現れるだろう。 広く関連諸学の成果を摂取して、現代文明がはらむ課題を乗り越えようと企図した画期的な日本文化論。 (目次より) 子 小さな宇宙 丑 大きな力 寅 強靱な真実 卯 弱さの希望 辰 想う、自然の精霊 巳 実をはかる生きた尺度 午 近しい神の乗り物 未 遠いあこがれ 申 群れの誇り高い自由 酉 個の、恋するプライド 戌 伴侶力 亥 独りで出会う野生
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5.0陸軍士官学校事件はクーデター企図事件で、1934年11月に発覚し、関係者逮捕でひとまず終結した。 二・二六事件の前史として扱われており、この後、真崎更迭事件、相沢事件へと続く一連の流れの劈頭をなすものだ。 昭和史の動きを捉えるために重要な事件であるにもかかわらず、非常時日本に頻発したテロ、クーデターのなかでは、従来、ごくマイナーな位置づけであった。 この事件は陸軍士官学校の中隊長であった辻政信大尉(統制派)が、参謀本部の片倉衷少佐らとともに画策したとされる。 対立していた皇道派の村中孝次(陸軍大学校学生)、磯部浅一(一等主計)に陸士候補生(陸軍士官学校生徒のこと)をスパイとして送り込み、クーデター計画が存在するとして、深夜、陸軍次官のもと駆け込み逮捕させた。 村中と磯部は結局、免官となる。 この事件は実に奇妙なものであり、陰謀的な面がきわめて強い。 デッチ上げといわれる場合もあるが、それなら何故、陸軍次官まで動いたのかなど謎に満ちている。 それゆえ、実証的検討作業が遅れたことは、事件の解明を妨げてきた理由としてある。 実際、関係者の軍事裁判の過程では怪文書も多く飛び交い、皇道派・統制派の暗闘のなかで、事件そのものと事態収拾が進んでいった。 いずれにせよ、「陸士事件なくして二・二六事件はなかった」といわれるほど、昭和維新史上で重要な事件であるにもかかわらず、今日まで陸軍士官学校事件を扱った単著はおろか、専門的研究論文も存在していなかった。 本書は昭和史の第一人者が、この事件の実像に迫った本である。 事件関係者への聴取記録など基礎史料を渉猟したうえで、昭和史叙述で欠落していた部分を埋めた第一級の労作といえよう。 時々刻々で事件の流れと人の動きを捉え、ときにドキュメンタリータッチも交えて描かれる一方で、本書は、事実と推測を画然と分けて記す姿勢を通して実証史学の骨法を明らかにしている。 本書のもう一つの特徴は、事件そのものを扱うとともに、事件の背景についても筆を費やしているところだ。 陸軍士官学校事件は陸軍内の派閥闘争が深くからんで起きている。 いうまでもなくそれは皇道派・統制派の対立のことだが、著者は本書で、この対立の前史から説き起こしており、前身となる長州閥と薩摩閥について触れることも忘れない。 また、永田鉄山や東条英機らが関わった「バーデンバーデン盟約」にも筆は及んでいる。 昭和陸軍の主要人物が次々と登場して、事件の叙述に広がりを与えているのも、本書の魅力の一つだといってよい。 戦後も80年を数えたが、現在、憲法改正や安全保障問題などを論議するさい、わが国の過去を振り返る必要は絶えず生じている。 そのなかで、昭和陸軍暗闘史における異色の物語として、本書は、幅広い昭和史ファンの注目を集める本となるだろう。 そして、隠された昭和史の一面に始めて光を当てたという意味で、独自の価値を発信する本となるであろう。
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-プロローグ 反攻作戦の地にて 第一章 第二戦線への旅 スティルウェル ウェデマイヤー アイゼンハワー モロトフ マーシャル ブルック モントゴメリー ロンメル 第二章 全米の雄叫びを上げる鷲たち 飛行 降下 集合 戦闘 一 サント・メール = エグリーズの第505パラシュート歩兵連隊第3大隊 二 メルドレ川の第505パラシュート連隊第1大隊 三 コーキニーの第507パラシュート歩兵連隊第2大隊 四 ドゥーヴ橋の第506パラシュート歩兵連隊第3大隊 五 WXYZ地点における第502パラシュート歩兵連隊第1大隊 六 プップヴィルの第501パラシュート歩兵連隊第3大隊 第三章 カナダ:南岸へ ディエップ:恐るべき警鐘 火力支援 ドイツ軍守備隊 射爆撃 海岸までの最終航程 着岸 内陸へ 第四章 スコットランド回廊 ドイツ装甲師団の戦い 戦場への進軍 シェルブール陥落 大嵐 エプソム作戦 勇敢なるスコットランド 敵発見 渡河 第五章 イングランドのヨーマン 敵中突破計画 待機する機甲部隊 前線に移動 砲爆撃 回廊に突入 フォン・ルック戦闘団 反撃 撃退 第六章 栄光のドイツ陸軍 突破 パットン将軍の登場 総統の意志 リュティヒ作戦 第七章 「ポーランド軍の戦場」 「わが人生で最悪の日」 優柔不断な指令 「シコルスキ将軍の観光客」 シャンボワでの接触 「鎚矛」 第八章 自由フランス 反乱 休戦 ドゥ・ゴール ルクレールの師団 解放 エピローグ 「大西洋の壁」から鉄のカーテンへ 謝辞 原注 参考文献 訳者あとがき 索引 部隊名索引
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-「遺書」は個人が時代に記す小さな刻印──。 芥川龍之介、太宰治、山本五十六、円谷幸吉、三島由紀夫、石原裕次郎、美空ひばり、昭和天皇といった著名人から特攻兵、戦没学徒など市井の人まで、人物ノンフィクションの名手が昭和の歴史を遺書でたどる。 平成期の遺書を扱った補章を増補した完全版。〈解説〉保阪正康 〈目次〉 中公文庫版まえがき 第一章 テロと不安と憤怒と〈昭和初年~開戦まで〉 芥川龍之介、磯部浅一、北一輝、西田税、小林多喜二の母・セキほか 第二章 前線に散った人々 〈開戦~昭和20年8月〉 特攻の父・大西瀧治郎、戦没学徒・林尹夫、詩人・竹内浩三、山下奉文、山本五十六、今村均ほか 第三章 敗れた国に殉じて〈敗戦前後〉 阿南惟幾、杉山元、東條英機、近衛文麿、甘粕正彦、川島芳子ほか 第四章 戦後の混乱のなかで 〈昭和20年代〉 広田弘毅、山崎晃嗣、太宰治、秩父宮雍仁ほか 第五章 政治の季節と高度成長〈昭和30~40年代〉 樺美智子、山口二矢、円谷幸吉、三島由紀夫、連合赤軍・森恒夫、小泉信三、沢田教一 ほか 第六章 大いなる終焉へ〈昭和50~60年代〉 井上成美、日商岩井常務、日航機墜落事故被害者、石原裕次郎、美空ひばり、昭和天皇ほか 補論 平成の遺書を読む
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-電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 北アフリカを本拠とした強国カルタゴは、イタリア半島を統一した新興国ローマと争い、敗れて滅亡した。 アフリカは属州とされたが、拡大する帝国の片隅で埋没したわけではない。穀倉地帯として経済的繁栄を遂げ、政治的影響力を強めて元老院議員を輩出した。二世紀末には初のアフリカ出身皇帝セプティミウス・セウェルスが登場する。 「辺境」はローマ本国をどう変えたのか。地中海を挟む対岸から見た、新しいローマ帝国像。 ■本書の目次 はしがき 序章 カルタゴの滅亡と北アフリカの人々 ポエニ戦争とカルタゴの滅亡/カルタゴ滅亡とその伝説化/現在のカルタゴ/北アフリカの人々/歴史は勝者によって書かれる、のか? 第一章 共和政期の属州アフリカ ローマ支配の始まり/共和政期の「ローマ帝国」/ガイウス・グラックスとカルタゴ再建の試み/前一一一年の農地法/「ローマではすべてが金で買える」/ユグルタ戦争とマリウスの軍制改革/サルスティウスの歴史の書き方/ヌミディア王とローマ/ユグルタ戦争後のヌミディアとマウレタニア/ヌミディア王ユバ一世とカエサル/「ウティカのカトー」/カエサルによる戦後処理 第二章 カルタゴ再建とマウレタニア王国の興亡 オクタウィアヌスの登場/元首政の成立と退役兵問題/カルタゴ再建/帝室解放奴隷の活躍/ビュルサの丘の祭壇/カルタゴ植民市の周辺領域/入植者と先住民との土地分割/トゥッガにおける先住民と入植者/タクファリナスの反乱/戦争か、盗賊か?/『年代記』の史料的特色/マウレタニア王国のヘレニズム文化/プトレマイオス朝の末裔として/後継者プトレマイオス王とその死/マウレタニアの属州化 第三章 属州民の見たローマ帝国 ローマ支配の拡大/穀倉としての北アフリカ/大土地所有の拡大とネロの蛮行/転換期としてのフラウィウス朝?/「ローマ化」とは何か/トラヤヌス帝の都市建設/アフリカ属州総督の不正/「人類が最も幸福だった時代」の属州社会/シミットゥスの橋/ハドリアヌス帝のアフリカ巡幸/ハドリアヌス帝の演説にみる兵士たち/皇帝領の運営規定/皇帝領の小作人たち/ウティナのモザイクにみる人々の暮らし/マルクス・アウレリウス帝とローマ市民権 第四章 アフリカ系皇帝の時代 セプティミウス・セウェルス帝の登場/北アフリカのローマ化と元老院の変容/パルティア遠征と凱旋門/カルタゴ都市領域の再編/カルタゴのローマ人たち/レプティス・マグナへの帰郷/支配の南方への拡大/皇帝の死とエチオピア人/「記憶の断罪」/アントニヌス勅法/騎士身分皇帝マクリヌス/二三八年のアフリカ反乱/ローマへの愛/テュスドゥルス・モザイクにみるローマとアフリカ/三世紀は危機だったのか? 第五章 アフリカ教会とラテン語のキリスト教 キリスト教のアフリカ伝来/キリスト教とラテン語/テルトゥリアヌスからキュプリアヌスへ/デキウス帝とウァレリアヌス帝の迫害/アルノビウスとサトゥルヌス信仰/ディオクレティアヌス治世の迫害とラクタンティウス/ドナトゥス派問題/キルクムケリオーネスと四世紀の農村社会/アウグスティヌスの『告白』/アウグスティヌスとアフリカ教会/アフリカ人の誕生とローマ帝国 第六章 古代末期のローマ人たち ヴァンダル人の侵入と古代の終わり?/宮廷の権力争いと北アフリカ/ギルドの反乱と食糧供給/北アフリカにおけるローマ支配の自壊/ヴァンダル王国の成立と「西ローマ帝国」の滅亡/ヴァンダル王国支配下のアフリカ農村/アリウス派とカトリック教会/東から来たローマ人/マウリ人とローマ人/ビザンツ支配下のアフリカ諸都市/カルタゴとコンスタンティノープル/イスラーム支配の拡大 終章 アフリカから見たローマ帝国 あとがき 邦語参考文献 写真出典
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4.0社会主義国の古本屋では、良い本は店頭より奥にしまい込んである。店主と打ち解け、バックヤードに入れるかどうかで勝負が決まる―― 戦後第1回目の交換留学生としてプラハに降り立ったときから10年間、古書を探さない週はなかったという言語学者が、本と出逢う喜び、愛すべき店主たちとの交流をユーモラスに語るエッセイ。 〈解説〉阿部賢一 目 次 Ⅰ 沈黙の通訳 沈黙の通訳 その一語 壁 島 魚 スライムの終焉 津波のロンド 英語夜話 チェルニー博士訪問記 小さなバイリンガリストたち Ⅱ プラハの古本屋 共産圏の古本屋・1 共産圏の古本屋・2 共産圏の古本屋・3 プラハの古本屋 続・プラハの古本屋 ほろ苦い喜び ストラホフ図書館への招待 辞書との縁 チェコの匿名辞典 チャペックのコロンボ風探偵小説 もっと長い長いお医者さんの話 古本のプラハ・'87 三つのミニコレクション Ⅲ カルパチアの月 アドリアの海から ワルシャワの秋 沖縄の熱帯魚 雨のプラハ ウィーンの四日間 カルパチアの月 初出一覧 あとがき 解説 「古本」との新たな出逢い 阿部賢一
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4.3英作文は難しい。学校ではあまり習わず、大学入試や各種試験での出題も多くはない。そのため、訳してみてもそれが正しい答えなのか、よく分からない。しかし、メールでも会話でも、相手の言っていることを理解できても、返事ができなければ困る。和文英訳も必須の能力なのだ。本書は英作文の型を「3世界・24文型」に分類、どれに当てはまるかを見抜いて英訳する方法を伝授する。自在に英語で表現する確実なメソッドとは? □ ■ □ 目次 □ ■ □ はじめに 澤井康佑 オリエンテーション 講義 第1部 名詞と動詞の世界[項の世界] 第1講 1項動詞と2項動詞 第2講 3項動詞 第3講 2つ目の項,3つ目の項の動詞内容への拡がり 講義 第2部 イコールの世界 第4講 be動詞を用いたもの 第5講 一般動詞を用いたもの 講義 第3部 「SV+文内容」の世界 第6講 6つの型 第7講 6つの型の文型,伝達相手の付加,7つ目の型 第8講 その他の型 本書を読んでできるようになった5つのこと 問題演習 あとがき 澤井康佑 あとがき マーク・ピーターセン
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3.0「してヤラれた」と思った「雪国」の冒頭。生きている文章の書き手、志賀直哉。さりげない文体の名人、井伏鱒二。繰り返し読んで飽きない「陰翳礼讃」――。最後の文士とよばれた芥川賞作家が、多種多様なスタイルの名文を小説家ならではの視点で読み解き、すぐれた文章とはいかなるものかを綴る。読書案内にして名文鑑賞の書。〈解説〉蜂飼耳 目次より(一部抜粋) 自然のエロス――川端康成『雪国』 生き物の死――志賀直哉「城の崎にて」 感覚とモンタージュ――横光利一『上海』 光と影――谷崎潤一郎『陰翳礼讃』 ある死生観――尾崎一雄「虫のいろいろ」 詩美的感覚――梶井基次郎「檸檬」 性の描写――山本周五郎『青べか物語』 抑制と恥じらい――伊藤整『若い詩人の肖像』 ユーモアとペーソス――井伏鱒二「山椒魚」 典型的自画像――太宰治『人間失格』 切腹の描写――三島由紀夫「憂国」 戦場の死と生――大岡昇平『俘虜記』 絶体絶命の時――吉田満『戦艦大和の最期』 女であること――林芙美子「晩菊」 砲丸を投げる――小林秀雄「オリムピア」 夢を描く――内田百閒『冥途』 老年のエロス――結城信一「空の細道」 女人礼讃――室生犀星「えもいわれざる人」 着物を描く――芝木好子「京の小袖」 新しい血――三浦哲郎『初夜』 一語の重さ――佐多稲子『夏の栞』 戦場を見る――開高健『輝ける闇』 沈黙と虚無――佐藤春夫「『風流』論」 リング上の闘い――沢木耕太郎『ドランカー〈酔いどれ〉』 吉行淳之介『女のかたち』抄 死への鎮魂――吉村昭『星への旅』 厄介な生き物――阿部昭『言葉ありき』 生命の復活――北條民雄『いのちの初夜』 古都の異人――島村利正『奈良登大路町』 老いの果て――耕治人『天井から降る哀しい音』 完結した人生――司馬遼太郎『歴史と小説』 美しいものとは――岡部伊都子「青磁」 海景の中の人生――水上勉「寺泊」 権威を笑う――井上ひさし「パロディ志願」 物狂おしさの果て――瀬戸内晴美『放浪について』 土への夢――深沢七郎「生態を変える記」 ある狂熱者――棟方志功『板極道』 手でつかむ――柳宗悦「雑器の美」 芸術とは?――吉田秀和「ヨーロッパの夏、日本の夏」 エロスの詩――野口冨士男『なぎの葉考』 官能描写――田久保英夫「蜜の味」
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4.0裾さばきの歴史的変遷から、日本の若者を覆う同調圧力の謎を解く。 古来、Tシャツはずっと日本史の死角にあった。 日本の若者たちは、まわりの友達と同じようにTシャツの裾をさばかないと「みっともない」「ださい」と言われ、笑われてしまう世界に生きてきた。 しかし、未だかつてインとアウトの変遷や構造を説明する者はいなかった。 だから考えたいのだ。この呪いを解く方法を。 Tシャツの日本史を書くこと。 それは日本で発生した同調圧力の遍歴を書き留めることだ――
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4.5アリストテレスは人をバカにしまくる嫌なヤツだった! おもしろ逸話を入口に、気づけばその哲学者を深く学べてしまう、日本初の哲学YouTuberによる画期的入門書。「逸話とはその哲学者の象徴」という考えをもとに、ソクラテス、プラトンをはじめとする31人の古代ギリシア哲学を案内する。 【目次】 第Ⅰ章 哲学は逸話から始まった タレス――「万物の根源は水」がなぜ知を愛する生き方なのか アナクシマンドロス――無限な自然と子どもたち アナクシメネス――小馬鹿にされた「空気」の原理 第Ⅱ章 哲学とは博識になることなのか ピュタゴラス――なぜ数の探究が生き方を変えるのか クセノパネス――逆張り放浪冷笑詩人 ヘラクレイトス――博識は「まやかし」、知は「ただ一つ」 第Ⅲ章 哲学が真理となった時代 パルメニデス――「ある」と「ない」の区別で生まれる倫理 ゼノン――パラドックスと政治闘争の深い関係 メリッソス――敗軍の将が語る永遠不変の「ある」 第Ⅳ章 自然探究から生まれた高貴な生き方 エンペドクレス――神を自認する史上唯一の哲学者 アナクサゴラス――忘れ去られた生き方の理想 レウキッポスとデモクリトス――「ないもある」の原子論 第Ⅴ章 ソフィストたちの跳梁跋扈 プロタゴラス――人間尺度説の真の恐ろしさ ゴルギアス――弁論術は最高の人間支配術である ヒッピアス――自慢話の裏に潜む、誠実な知的生き方 第Ⅵ章 哲学とは何か、ついに答えが出る! ソクラテス――お金を受け取らないことが哲学者の生き方か プラトン――哲人王だけが人類の不幸を止められる アリストテレス――隙あらば他人を貶す万学の祖 第Ⅶ章 真正面から生き方を語った哲学 ストア派(ゼノン・クレアンテス・クリュシッポス)――「不動心」の真の意味を教えよう ピュロンとティモン――懐疑主義はもっとも高潔な生き方である エピクロス――いかにして苦痛と死を受け入れるか コラム ピュタゴラス派とヘラクレイトス派 コラム キュニコス派 犬の生活と呼ばれた哲学者たち おわりに 哲学との付き合い方
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4.4観客が来なくて体調不良になったマンボウがいる? 餌代を自分で稼ぐクラゲがいる? 飼育員は繁殖に全力投球している? 舞台裏には、得体のしれない生物がたくさんいる? 飼育員と漁師は仲良し? 水族館は、発見の宝庫だ。 日本全国の水族館の「表」も「裏」も、「酸い」も「甘い」も知り尽くした海洋生物学者が、水族館の真の魅力を解説する。 水族館が100倍楽しくなること請け合いだ。 【全国おすすめ水族館コラム付き】
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4.5いまだに旧帝国海軍の旧弊を引きずり、現実離れした島嶼防衛に力を入れる海上自衛隊隊。 いびつな人事を温存する陸上自衛隊。 スクランブル偏重の航空自衛隊……。 命令一下で動くよう訓練された戦闘組織であるがゆえに、自己批判の力が弱く、陸海空相互に評価することも差し控える自衛官。 戦後80年間の平和に浴し、自衛隊は有事に闘えない組織になってはいないか。 「これは、誰かが言わなければならないことだ」。 元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)が危機感と使命感で立ち上がった。 自浄作用なき古巣(自衛隊)の劣化を指弾する前代未聞の警告の書。
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-陸軍大将・今村均は なぜ一度も負けなかったか―― 「失敗の本質」を背負った日本軍において、組織が陥りやすい「不条理」を回避し、終戦まで不敗を誇った陸軍大将・今村均。 その組織運営は、「ダイナミック・ケイパビリティ(組織の自己変革力)」にもとづいて展開されていた! 南寧作戦・ジャワ施政・ラバウル籠城作戦という三つの戦場における今村の組織運営・戦略を最新経営学で分析。そこで展開されたダイナミック・ケイパビリティを、VUCA時代の企業に必須の能力として紹介する。さらに、さまざまな実例とともに、経営戦略・組織運営・人事の観点から日本企業における実践法を提案する。 〈戦後80年記念企画〉 「一般に研究者は、対象を批判的に分析することで新しい知見を見出そうとする。(略)ところが、そのような批判的な観点から見て、どうしても否定できない軍人がいたのである。それが今村均であった」 (はじめに より)
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-【中公学芸ライブラリー】 戦後日本を代表する国際政治学者であり、外交ブレーンとしても活躍した著者が自ら編んだ1970~90年代の外交評論集。 冷戦、日米経済摩擦、石油危機、湾岸戦争などさまざまな時代の変動を、理論と政策双方に通じた著者はいかに読み解いたか。 歴史の造詣に裏打ちされた国際感覚が捉えた、20世紀後半の日本、そして世界の変化の本質とは。 世紀を越えていっそう価値を増す、思索の軌跡。 稀代の英知が最後に手がけた、現代への示唆に富む一冊。 【中公学芸ライブラリー】
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-【中公学芸ライブラリー】 日米戦争とは一体何のための戦いだったのか。 1920年代に始まる現代史上の画期において、いかなる意味を持ったのか。 そして何故、戦後は日米同盟を結ぶ関係となり得たのか。 精緻な史料分析から、日米関係のみならず、国際関係における両国の在り方および国内状況を浮き彫りにし、必然ではない衝突の経緯を鮮やかに描き出す。 いつ何が決断され、あるいは決断されなかったのか。 後にアメリカ歴史学会会長を務めた著者による大著、待望の復刊。 【中公学芸ライブラリー】
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3.5町田そのこ氏、おすすめ! 「自分を誰かに明け渡さない。それが、誰かを救うことにもなるのだ」 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外のディープな内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。あさひはどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。 単行本刊行時、朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞、京都新聞、「本の雑誌」、「SUMISEI Best book」など各紙誌で絶賛された青春ロードノベルの傑作、待望の文庫化! 【目次】 前口上 起 二○一三年七月中旬、北海道札幌市 承 二〇一三年七月下旬、埼玉県所沢市 転 二○一三年七月下旬~八月上旬、沖縄県那覇市~慶良間諸島 結 二○一三年十二月下旬、北海道札幌市 納め口上 解説 藤田香織
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3.8暑い時には甘酒に生姜、鰻に山椒、そうめんにも山椒 大川で土左衛門が上がった――。「朝日屋」の主人・怜治を、火盗改時代の同僚である秋津が訪ねてくる。亡骸となった武士の懐から、抜け荷に関わり捕縛された唐物屋「広田屋」の屋号が入った手拭いが出てきたという。「広田屋」の主は、抜け荷の詮議中に火盗改・柿崎詩門の兄の名を口にしていた。目付の新倉も出張ってくるなど、一挙に「朝日屋」周辺がきな臭くなる中、女料理人ちはるの行く末にも変化が……。 文庫書き下ろし 【目次】 第一話 この先の道 第二話 追 憶 第三話 踊る阿呆鳥 第四話 出立の朝
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4.5沖縄戦で鉄血勤皇隊として死線を彷徨い、戦後は早稲田大学、米国に留学、琉球大学で沖縄戦・沖縄学の教鞭を執った大田昌秀。米統治下から論壇で活躍し、1990年、知事当選後は米軍基地問題と対峙する。 冷戦終結後の新たな日米関係が求められる中、米兵による少女暴行事件が勃発。高揚する民意と日本政府との間で解決を模索するが、3度目の知事選で敗北する。 100冊以上の自著で沖縄の苦悩を記し、沖縄現代史と共に歩んだ生涯。 はじめに 第1章 沖縄戦という原点 1 久米島の秀才 2 沖縄師範学校への進学 3 鉄血勤皇隊としての戦争体験 第2章 本土、米国への留学――1950~56年 1 収容所から沖縄文教学校へ 2 早稲田大学での「日留」 本土の解放感 3 「米留」の2年間 強烈な民主主義体験 第3章 日本復帰論高揚のなかで――琉球大学時代① 1 沖縄人意識の探究 「事大主義」問題 2 日本国憲法下への復帰支持 3 復帰論の思想的位置 「反復帰論」、進歩派との距離 第4章 復帰後、沖縄学の批判的継承――琉球大学時代② 1 アイデンティティの模索 復帰直後の課題 2 戦後の沖縄学 沖縄戦・占領史の追究 3 「積極的平和」への共鳴 第5章 沖縄県知事の第一期――1990~93年 1 出馬の決断と勝利 少数与党の議会運営 2 軍用地強制使用問題と三次振計 3 平和行政の展開 戦後50周年への拠点づくり 第6章 沖縄からの異議申し立て――1994~96年 1 戦後五〇年目の「転換」を目指して 2 少女暴行事件と代理署名拒否 3 日本政府との攻防 基地返還の具体化構想 4 普天間飛行場の返還合意と苦渋の決断 第7章 大田県政の挫折――1996~98年 1 橋本首相との関係 官邸主導の経済振興へ 2 失速する県政 吉元副知事の再任否決 3 普天間移設問題の迷走 4 橋本首相との断絶、知事選敗北 第8章 晩年と死 1 再び研究活動へ 2 参議院議員時代 問い続けた「沖縄とは何か」 3 沖縄独立論への傾斜 おわりに あとがき/主要参考文献 大田昌秀 略年譜
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5.0柳原さん、開高さんらが描いたアンクルトリスに込められた「人間らしさ」こそが、どんな時代にあっても人間が忘れてはならない、欠かすことのできない本質である (サントリーHD会長 佐治信忠〈特別寄稿〉「人間らしくやりたいナ」より) アンクルトリスのモデルはいない、しかし、強いて探すとすれば、それは私自身のような気がする。私の思っていた事、私のするくせ、私の見たものがアンクルトリスのストーリーの中に、動きの中に、背景の中に出ていたかもしれない。きっとそのうちに私もアンクルトリスみたいにハゲ頭になるだろう、私のモデルはアンクルトリスなのです。 (巻末エッセイ 柳原良平「私はアンクルトリス」より) 「人間」らしくやりたいナ――昭和三三年、柳原良平、開高健、山口瞳、そして酒井睦雄が生み出したアンクルトリス。サントリーの前身・寿屋宣伝部で、数多くの伝説的広告を作り上げた熱く賑やかな日々を描く。多彩な人物のエピソードから広告論、イラストレーション論まで。イラスト37点収録。 〈特別寄稿〉佐治信忠〈巻末エッセイ〉山口瞳
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4.0
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4.0クーデターとは非合法的な政権奪取である。 国際秩序の変動期に「避けられない悪」として頻発するが、昨今またその兆候が著しい。 本書は昭和の動乱期から21世紀のグローバルサウスまで、未遂や失敗例も含め幅広く検証。行動原理や成功要因を解明し、民主主義vs.権威主義vs.イスラム主義、SNSの影響、資源争奪、ワグネルの暗躍など現代の特徴に切り込む。 当事国の民政移管や治安部門改革への支援など、日本の役割も問う。 はじめに 第1章 クーデターとは何か――一撃による非合法の権力奪取 革命との違い/内戦との違い/暴動との違い/テロとの違い/世直しクーデター/第二次世界大戦前――歴史を動かしたクーデター/第二次世界大戦後――クーデター多発の時代/米ソ冷戦後――民主化の遠い道のり/第1章のまとめ 第2章 発生要因と成功条件――成功の見込みと軍の決意 現政権への不満/一般民衆からの支持/権力奪取の見込み/成功条件/軍全体が関与する場合/軍の一派が主導する場合/決起を成功させるための手配/ロシア――鍵を握る諜報機関/北朝鮮――軍の分割統治と二元指揮制度/中国――ポスト習近平をめぐる権力闘争/第2章のまとめ 第3章 21世紀の権力奪取――五つの特徴 民主化運動の軍による横取り/新しいイデオロギー対立の萌芽/携帯電話とSNSの発達/新たな資源争奪戦/民間軍事会社の暗躍/第3章のまとめ 第4章 クーデター抑止策――多角的アプローチの必要性 エリートへ利益を分配する/民衆の不満を抑制する/民主的な政権交代を実現する/政権交代を制度化する/紳士協定を法制化する/軍を分割統治し相互に牽制させる/文民統制を確立する/人事を通じて軍を掌握する/外国軍・平和維持軍の存在を活かす/国際承認と制裁を活用する/新しい抑止策/第4章のまとめ 第5章 決起後の課題――暫定政権の樹立から民政移管へ 秩序回復時の権力の濫用/暫定政権の危うさ/民政移管の失敗例/民政移管の成功例/タイ政治における軍の役割/政軍関係の諸理論/軍に対する文民統制/インドネシアにおける文民統制/フィリピンにおける文民統制/ミャンマーにおける文民統制/民主化における軍の役割/東アジアの事例――韓国と台湾/東南アジアの事例――インドネシアとフィリピン/第5章のまとめ 第6章 治安部門改革――クーデター抑止のメカニズム 治安部門改革の成功例と失敗例/主要な取り組み/クーデター抑止策との関連性/軍の分割統治と相互牽制/法制度整備による文民統制の確立/軍の非政治化/人事権の行使/台湾における文民統制確立の歩み/改革の限界と課題/第6章のまとめ 第7章 2・26事件――歴史から学ぶ教訓 2・26事件とは何か――世界最大規模のクーデター未遂/決起の背景――なぜ事件は起きたのか/決起成功の見込み/敗因①――昭和天皇の決意/敗因②――木戸幸一の輔弼/敗因③――要人拘束の失敗/敗因④――帷幄上奏の失敗/敗因⑤――天皇型政治文化の存在/敗因⑥――政治工作の失敗/敗因⑦――報道・情報操作の失敗/カウンター・クーデターの動き/人事を通じた抑止策/戒厳令の二面性――クーデター抑止か誘発か/現代における戒厳令と緊急事態宣言/21世紀の戒厳令――韓国「12・3」非常戒厳との比較/日本への教訓/第7章のまとめ 第8章 日本外交の支援策――クーデターをなくすために 治安部門改革支援の実績/民主化支援の実績/東アジア人的交流と育成の重要性/東南アジア――軍事交流と民主化支援の強化/アフリカ――技術支援に留まる現状/インド太平洋――クーデター抑止も価値観外交の一つ/グローバルサウス――気がかりなBRICSの動向/第8章のまとめ 終 章 ク ーデターの可能性と限界――民主化への道か混乱か クーデターのパラドックス(二面性)/世直しクーデター/アフリカのジレンマ――断ち切られぬクーデターの連鎖/日本への示唆現代の私たちへの教訓
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4.0「音楽というものは、生活のなかにとり入れるものではなく、生活のなかからひきだすものです。」――やわらかい語り口による、クラシック音楽への誘い。 ・芥川也寸志生誕100年記念企画。 ・ロングセラー『音楽の基礎』と並ぶ、クラシック音楽入門書。 ・本書は、楽譜をいっさい用いず、日本人とクラシック音楽の接し方を、平易かつユーモラスに解く。「談義」というに相応しい筆致。 ・「リズム」「旋律」「ハーモニー」など、音楽入門としてのツボは押さえつつも、時折「脱線」する内容が、もうひとつの読みどころ。 ・軽妙な文体とエピソード、喩えの面白さなど、現代音楽作曲家である著者の人柄が垣間見える。エッセイとしての妙味。 〈解説〉片山杜秀
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4.2泥沼化する日中戦争、太平洋を挟んだ日米戦争、東南アジアでの日英戦争、原爆投下、敗戦前後の日ソ戦争。 米中英ソとの複合戦争はいかに推移し、幾多の和平・収拾策にもかかわらず、なぜ早期に終戦できなかったか。 他方、本土決戦を目前に、なぜ「聖断」で終戦が可能となったか。 最新研究を踏まえ、昭和天皇・近衛文麿・木戸幸一・鈴木貫太郎らの肉声で辿り、第2次世界大戦の結末を巨細に描く。「狂気の時代」の真実に迫る。 【目次】 まえがき 序 章 「複合戦争」の終わらせ方 「明るい戦争」 帝国陸海軍の作戦計画 「対米英蘭蒋作戦計画」と戦争終結構想 本書のねらい 第1章 太平洋戦線 陸海軍の戦略論争 ガダルカナル攻防戦 日独協力の対英戦略西アジア攻勢の政戦略 「絶対国防圏」――対米戦略の重視 サイパン殉国の歌――太平洋戦線の転機 「捷号」計画の破綻――フィリピンの放棄 沖縄から本土へ 長期消耗戦へ 第2章 大陸戦線 中国戦線の行き詰まり――重慶攻略の難題 「帝都空襲」の衝撃 「五号作戦」(四川進攻作戦)の挫折 重光の「和平構想」――「対支新政策」 「大東亜国際機構」構想 大東亜宣言と戦争目的の再定義 理念的アプローチの功罪 対中和平工作 「容共」政策への傾斜 繆斌工作の挫折 大陸戦線の結末――一号作戦の展開 インパール作戦 一号作戦と共産軍の成長 中国戦線の結末 第3章 徹底抗戦と徹底包囲 決号作戦計画――本土「最終決戦」 「天の利、人の和」――「国民総武装」の功罪 特攻と天皇 特攻の戦果 沖縄戦と戦艦大和特攻 大空襲の広がり 海上交通破壊の威力――機雷と艦砲射撃 ダウンフォール――オリンピック・コロネット作戦 南九州の防備 抗戦力の源泉 第4章 和平論のゆらぎ――小磯内閣の退陣 東條体制の崩壊とその後 三つの和平論 「近衛グループ」の和平構想 「真崎グループ」の即時和平論 「皇道派政権」構想の挫折 近衛拝謁の意味 近衛上奏と対米和平 グルー演説と上奏文の国際認識 近衛内閣案の挫折 高木惣吉の終戦研究近衛の米内留任論 木戸の「聖断」構想 小磯と「大本営内閣」案 小磯の辞意 米内の残留 小磯の「現役復帰」提案 小磯退陣と陸軍中堅層 第5章 鈴木内閣と終戦政略 鈴木首相の終戦指導 組閣と陸軍 米内留任と東郷の再入閣 陸軍中堅層の対応――「バドリオ」内閣? 本土決戦論 「決号」作戦計画と対ソ外交 六巨頭会談方式の確立 三つの対ソ交渉方針 「日ソ支」提携構想 広田・マリク会談 ソ連外交の「自立性」 鈴木の対米メッセージ 大東亜大使会議宣言の意味 戦争の争点を超えて 「無条件降伏」の拘束 ダレス工作とグルー声明 無条件降伏と国体問題 「平和の海」演説の波紋 非常時議会の意味 小野寺工作とヤルタ会談 第6章 「国策転換」の国内政治 近衛と米内の連携 六巨頭会談の硬直化と打開工作 高木の「研究対策」 阿南・米内会談の流産 六相懇談会 革新官僚グループの「本土徹底抗戦論」 「非常大権」発動論と議会 最後の「戦争指導大綱」 戦争目的としての「国体護持」と「皇土保全」 革新官僚の論理 木戸のイニシアティヴ 「時局収拾対策試案」 阿南の説得 六月二二日の御前会議 高木の「研究対策」の意味 第7章 近衛特使とポツダム宣言 対ソ交渉と国内危機 近衛特使への期待 スターリン宛親書とソ連の回答 近衛グループの和平交渉案 高木の和平交渉案 外務省の和平交渉案 「瀬戸際外交」――最後の特使派遣交渉 和平の基礎としての大西洋憲章 ポツダム宣言の形成 ポツダム宣言と「有条件講和」 「黙殺」と「敵の謀略」 カイロ宣言の「黙殺」 対ソ交渉の行き詰まり 原爆とポツダム宣言――投下は必要だったか 第8章 二つの「外圧」と「聖断」 原爆と広島の惨状 ソ連参戦の衝撃 「四条件」 論争 総辞職の危機 「聖断」シナリオの浮上 近衛と重光 木戸と鈴木のシナリオ 第一回聖断――八月一〇日 受諾電の修正 情報局総裁談 陸相告示――「全軍将兵に告ぐ」 外地軍の抵抗 「天佑」論の背景 第9章 戦争終結 バーンズ回答 外務省の解釈 バーンズ回答と陸軍 「総辞職」の危機 天皇の意志 少壮幕僚の「兵力使用計画」 バーンズ回答の「内政不干渉論」 第二回聖断――八月一四日 阿南陸相と「クーデター」計画 終戦詔書と玉音放送 「大詔を拝して」 「国体護持」の自己認識 支那派遣軍の「降伏」 国民党軍と日本軍の協力 中ソ友好同盟条約と共産党軍の満洲占拠 「現地定着」方針の挫折 「以徳報怨」の波紋 日ソ戦争の展開 北海道占領計画と千島 終 章 敗戦の意味 「聖断」の活用 国体のゆくえ 終戦のタイミングと決断の要因 植民地帝国の終戦 日米同盟の起源 なぜ「複合戦争」に陥ったか あとがき 参考文献・資料一覧 日本終戦史 関連年表
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4.3電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 キリスト教の三位一体とは、父なる神、子なるイエス、聖霊の三者は本質的に同一だとする説である。 ユダヤ教から分派したキリスト教が世界宗教へと発展を遂げる過程で、教会は神とイエスの関係の解釈に苦慮した。 教会内の様々な派閥がしのぎを削った異端論争を経て、四世紀後半に三位一体の教義は確立を見る。 初学者が誰しも躓く、この謎の多い教えについて、専門家が丹念に解説。キリスト教の根本思想に迫る。 ■本書の目次 はじめに 序章 キリスト教の成り立ち 原初の信仰形態から一神教へ/ユダヤ教徒によるメシアの待望/民族宗教から世界宗教へ/新約聖書と使徒教父文書/キリスト教の公認から教義の確立へ 第一章 三位一体の起源 1 三位一体という考えの由来 史的イエスとの遭遇/ギリシア哲学の流入/旧約聖書における神の仲介者/再び、イエスとは何者か? 2 旧約と新約の多様な相関 イエスによる旧約の預言理解/終末論的な預言へ/予型論とは何か?/活喩法とは何か?/ペルソナ間で対話する神 第二章 キリストの神性をめぐる議論の始まり 1 ロゴス・キリスト論と「二つのロゴス」 フィロンの「創世記」解釈/「二つのロゴス」説/殉教者ユスティノスと二神論問題/「二つのロゴス」説の位置づけの変容 2 教義史にオリゲネスがもたらしたもの オリゲネスとは何者か?/オリゲネスへの異端宣告の背景/「ヒュポスタシス」とは?/哲学概念「ウーシアー」の神学への転用/本質存在と実質存在/長く困難な議論 第三章 異端論争の只中へ 1 「アレイオス論争」とは何か? 二種類のオリゲネス主義者間の論争/三様のオリゲネス受容/アレイオス論争の発端/背景としてのメレティオス派分裂/論争の真の黒幕は誰? 2 ニカイア公会議とその後の動向 アレイオス派の言い分/ニカイア信条/「ホモウーシオス」とは?/ニカイア以降の新たな論争の布置/アンティオケイアのニカイア支持派 第四章 教義理解の深まり 1 バシレイオスの神理解 カッパドキア教父とは何者か/バシレイオスとエウノミオス/ウーシアーとヒュポスタシスの混用/「不生性」をめぐるエウノミオスの論点/神の不可知性に拠るバシレイオスの論駁/二つのエピノイア論/バシレイオスのウーシアー観の揺らぎ 2 神の本性から神の働きへ プロティノスの影響の有無/若年の習作『霊について』/力動的ウーシアー観への展開 3 ナジアンゾスのグレゴリオス独自の論法 一神論を政治に喩えると/〈本性の言説〉と〈オイコノミアの言説〉/オイコノミアとは何か? 第五章 三位一体論教義の完成 1 ニュッサのグレゴリオスの三位一体理解 兄バシレイオスの志を継いで/なぜ三神ではなく一神なのか/「プロソーポン」概念の諸相/〈顔〉から〈識別相〉へ /グレゴリオス独自の存在論/個体と固有名 2 聖霊論の展開 三位一体のエネルゲイア/キリスト論から聖霊論へ/〈聖霊〉をめぐる論争の布置/コンスタンティノポリス公会議/〈聖霊〉は世界創造に参与していたか?/〈聖霊〉の発出をめぐって/線状的序列から栄光と崇拝の循環へ 第六章 西方ラテン世界における展開 1 ニカイア前後の西方の動向 東西の論争状況の異なり/テルトゥリアヌスの貢献/ヒラリウスによる「同一本質」の再興 2 アウグスティヌスによる伝統継承と刷新 あくまでニカイア支持派として/実体カテゴリーと関係カテゴリー/本質の一性から働きの一性へ/〈聖霊〉の二つの発出/キリストの「受肉」とは何か/キリストの神性と人性をめぐって/ニカイアからカルケドンに至る道/自己の内奥への超越 終章 三位一体論の行方 聖像破壊運動と最後の公会議/教会会議のその後の経緯/教会大分裂と東西関係のその後/新たな展開に向けて あとがき 参考文献
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4.5陰湿、粗暴、狂信的……と語られてきた大日本帝国陸軍。 しかし実際には、建軍当初から、国際的視野を持つ開明的な将校などは多く存在していた。一九四五年の解体までの七十余年で、何が変化したのか――。 本書は、日露戦争勝利の栄光、大正デモクラシーと軍縮、激しい派閥抗争、急速な政治化の果ての破滅まで、軍と社会が影響を与え合った軌跡を描く。 陸軍という組織を通し、日本の政軍関係を照らす、もう一つの近現代史。 目次 はしがき 第1章 栄光からの転落 第2章 第一次世界大戦の衝撃 第3章 ポスト大戦型陸軍への挑戦 第4章 「大正陸軍」の隘路 第5章 「昭和陸軍」への変貌 第6章 陸軍派閥抗争 第7章 政治干渉の時代 第8章 日中戦争から対米開戦へ 終 章 歴史と誤り あとがき 主要参考文献 関連年表
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-【昭和・光と影】 夥しい人命が失われ、数えることの出来ぬ富が空しくなり、名誉と独立とを奪われ、ただ世界に向って罪だけを負うことによって、今、戦争が終るのである――昭和十七年一月、ビルマ派遣軍司令部宣伝班として従軍。帰国後、読売新聞社論説委員として敗戦の日を迎える。戦後を代表する社会学者の回想録。 〈解説〉粕谷一希 (目次から) 昭和十六年――昭和二十一年 徴用と三木清 ビルマの高見順 ラングーンの日々 日本への旅 新聞社の内部で 敗戦の日 スターリンの夢 明治四十年――昭和十六年 微禄の涯 偽善の勧め 地震のあとさき 社会学へ向って 習作時代 東大のうちそと 悲しい処女作 〈解説〉粕谷一希
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-二十年前に両親を殺されて以来、世捨て人のように生きてきた真野。 ある日、彼が営む「深夜喫茶」に謎めいた少女が現れるが、不慮の事故に巻きこまれ、意識不明になってしまう。 身元の手がかりは、ポシェットに入っていた一枚の地図のみ。 その地図に導かれるように、真野は、一度は捨てた故郷を訪れる――。 【目次】 第一部 帰れない街 第二部 すれ違う意図 第三部 螺 旋 第四部 接 近 (上巻) 「殺人者の息子」という宿命を背負い、検事への夢を断たれ弁護士となった川上。 かつての父同様に、頑ななまでに死刑判決のみを望む被告の弁護を手伝うことになり、二十年ぶりに故郷へ。 被害者と加害者、双方の息子。決して交わらなかった二つの人生が、因縁の街で新たな局面を迎える――。 「汐灘サーガ」三部作最終章。著者インタビュー収録。 【目次】 第四部 接近(承前) 第五部 強まる疑念 第六部 過去からの手紙 第七部 接触、そして 巻末付録 堂場瞬一インタビュー (下巻)
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5.0昭和二年生まれは、少年時代を戦争の中で過ごし、青年時代の入口で敗戦を迎えた――。昭和三十年代にデビュー、ともに自分の道を見つけ書き続けてきた城山三郎と吉村昭。気心の知れた二人が、戦争観から酒飲みの流儀まで心おきなく語り合う全対話四篇と、関連作品を一冊に収める。 【目次】 昭和二年生れの眼差し 吉村昭 Ⅰ あの戦争とこの半世紀の日本人 対談:城山三郎×吉村昭 語りつぐべきもの 対談:城山三郎×吉村昭 ぼくの流儀・きみの流儀 対談:城山三郎×吉村昭 私たちが生きた時代 座談:城山三郎×吉村昭×佐野洋 Ⅱ 名門・背広・軍服 城山三郎 昭和・戦争・人間 吉村昭 昭和二年生まれの戦友へ 城山三郎
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4.0日本発の音楽文化として、世界で人気の「初音ミク」。このバーチャルなキャラクターを核に、音楽・イラスト・動画などが呼応し合うボカロ文化が2007年に産声を上げた。このブームに火を付けた企業が、クリプトン・フューチャー・メディアである。創業者の伊藤氏は企画開発のみならず、「創作の連鎖」を促すルールと仕組みを整えた。なぜ、それができたのか? そこにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)文化の出現をいちはやく予見したA・トフラーとの出会いがあった――本書は伊藤氏の歩みをたどりながら、「ツクルを創る」「収穫モデル」「メタクリエイター」等々の経営哲学を紹介。「ボカロ文化って何?」という読者でも、創作の根源的な意味を考えたり、AI時代を展望したりするヒント満載の一冊。 序――ブームからカルチャーへ、そして……(柴 那典) 第一章 この先にどんな未来がやってくるのか 第二章 インターネットが世界を変えると気付いた日 第三章 すべてはクリエイターのために 第四章 初音ミクが切り拓いた新しい創作文化 第五章 プロシューマーは社会をどう変えるか 第六章 北海道から発信する意味 第七章 音楽文化とAIのこれから 第八章 「創る」ということ
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-【昭和・光と影】 夥しい人命が失われ、数えることの出来ぬ富が空しくなり、名誉と独立とを奪われ、ただ世界に向って罪だけを負うことによって、今、戦争が終るのである――卒論をもとに『思想』で論壇デビューを飾った戦前、昭和十七年一月、ビルマ派遣軍司令部宣伝班として従軍。帰国後、読売新聞社論説委員として敗戦の日を迎える。そして戦後の平和運動、安保闘争へ。政治の季節を描く自伝的昭和史。昭和を代表する社会学者による回想録。 (目次より) 昭和十六年――昭和二十一年 徴用と三木清 ビルマの高見順 ラングーンの日々 日本への旅 新聞社の内部で 敗戦の日 スターリンの夢 明治四十年――昭和十六年 微禄の涯 偽善の勧め 地震のあとさき 社会学へ向って 習作時代 東大のうちそと 悲しい処女作 唯物論研究会の人々 ミクロの世界へ 昭和二十一年――昭和三十五年 二十世紀研究所 平和問題談話会 「小さな人気者」 内灘へ さまざまな空港 放心の日々 安保前夜 安保の日誌 美しい季節 あとがき 解説 粕谷一希/品治佑吉 ※中公文庫『わが人生の断片』上下巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。
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5.0雑草について調べる「雑草サークル」を立ち上げた学生たちと植物学者の大学教授によるエッセイ風ミステリー。 本書で書かれている植物に関するデータは、実際の実験によるもの。研究などで解明されることのない“身近な疑問”について、学生たちが自ら試すことでたどり着いた「図鑑や論文では書かれることのない特性」を取り上げる。 ------ 植物図鑑に書かれていることは、 人間が限られた観察で書いているに過ぎない。 言わば、一方的な決めつけに過ぎないかもしれない。 図鑑に書かれた姿が、 「こうあるべき」と人間の勝手に過ぎないとしたら、 それに囚われることなく、自在に変化する雑草の、 何と自由なことだろう。(本文より) ------ 『生き物の死にざま』『はずれ者が進化をつくる』など数々のベストセラーで知られる人気生物学者が描く「雑草サークルミステリー」の世界へようこそ。
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3.5*豊臣秀吉・秀長兄弟は、弟が兄を立て、兄を支える典型的なパターン。歴史的にも、兄弟が力を合わせ歴史を動かした例は多々ある。一方、兄弟が反目、あるいは関係のもつれから戦乱や悲劇に発展した例も多い。 *本書では、日本史において時代の節目をつくった兄弟関係にスポットを当て、とくに弟が補佐役・ナンバー2として兄を支えた事例から、古代から近代まで、兄弟が歴史上に果たした役割を読み解いてゆく。 *大河ドラマ「豊臣兄弟!」関連として、秀吉・秀長兄弟に一章を割くほか、古代から近代まで、日本史を俯瞰する一冊。 *目次 第一章 戦国時代以前の兄弟……中大兄皇子・大海人皇子/藤原時平・忠平/北条義時・時房/足利尊氏・直義 第二章 戦国時代の兄弟……北条氏政・氏規/武田信玄・信繁/三好長慶と三人の弟/毛利元就の三本の矢/島津義久・義弘 第三章 豊臣兄弟 浅井三姉妹 第四章 江戸時代の兄弟……徳川家光・保科正之/田沼意次・意誠/水野忠邦・跡部良弼 第五章 幕末・明治維新の兄弟……島津斉彬・久光/吉田松陰・久坂玄瑞/高須四兄弟/西郷隆盛・従道/岩崎弥太郎・弥之助
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4.3全米図書賞受賞作家の最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 昭和十三年築の日式建築・四維街一号には、 四人の大学院生と酒呑み大家が暮らす。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云。 互いに秘めた想いを抱え食卓につく住人たちは、 あるとき『臺灣料理之栞』という古書を発掘する。 五人の孤独が手繰りよせた〈ある家族の苦い歴史〉とは――― ◆池澤春菜さん満腹◆ 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
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-警察官僚、内閣情報官、国家安全保障局長として現場と政策両面からインテリジェンスに携わってきた著者が、経済、通信、基幹インフラなど「あらゆる領域が戦場となる時代」を生きる全ての人に警鐘を鳴らす。 いかにして我が国は、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境に立ち向かうのか。 国家安全保障戦略や経済安全保障推進法案を読み解き、ウクライナ戦争や中東紛争を概観し、インテリジェンスなくして戦えない現代戦の様相を徹底解説
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-歴史は政治を解き明かす。政治思想の歴史は政治的な企図、行動、そして発言のさまざまな意味を明らかにしてくれる。定評あるオックスフォード大学出版の「入門書シリーズ」の一冊。思想史の研究対象をカノン(正典)とされるテクストに限定せず、西洋(とくに欧米)中心の思想史研究を相対化し、男性中心の思想史から自覚的に離れることを説く。 目 次 謝辞 第1章 歴史と政治 第2章 定義と学問の正当性 第3章 政治思想史とマルクス主義 第4章 政治哲学者と政治思想史 第5章 ケンブリッジ学派 第6章 コゼレックと概念史 第7章 フーコーと統治性 第8章 包括性、道徳性、そして未来 参考文献 文献案内 索引 訳者解説
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-【中公学芸ライブラリー】 かくも緻密に立案された米国による開戦から占領までの対日政策、そのすべてが鮮やかに甦る。 稀代の大衆政治家ローズベルトに周到な戦略家である国務長官ハル、豪腕の陸軍長官スティムソン、知日派の国務次官グルーといった多士済々な面々は、どのように政策形成に関わったのか。必ずしも一枚岩ではなかった米政権内の意見対立の様相までも描き出す。 占領史研究の必読本として高く評価された著者の代表作が40年ぶりに堂々の復刊。 [目次] 第一部 新世界を求めて――戦後計画の起源 第一章 歴史の教訓 一 たち上る国務省 二 外交関係協議会 三 《調査》――国務省の苦い経験 第二章 戦後計画のための政府内環境 一 ローズベルトとハル――その協調と抗争 二 新世界のための闘争 第二部 「上から」の方針――ローズベルト構想 第三章 無条件降伏論 一 無条件降伏論の起源 二 軍隊の無条件降伏 三 国家の無条件降伏 四 無条件降伏をもたらしたもの 第四章 ローズベルトの東アジア構想 一 中国を大国とする構想 二 中国大国論の源泉 三 カイロ会談 第三部 「下から」の対日計画――国務省知日派 第五章 日本専門家の招集――国務省と外交関係協議会 一 特別調査部の極東班 二 ブレイクスリー博士と日米関係 三 ボートン博士と日本研究 四 外交関係協議会の極東研究グループ 第六章 対日戦後計画の原型 一 極東班における初期の作業 二 対日基本方針 三 戦後日本の領土 四 戦後日本の経済 五 戦後日本の政治――四つの日本変革論 A 軍部の暴走――介入慎重論 B 制度的欠陥――積極誘導論 C 天皇制・軍国主義不可分論――介入変革論 D 不可変の日本人――隔離・放置論
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-【中公学芸ライブラリー】 かくも緻密に立案された米国による開戦から占領までの対日政策、そのすべてが鮮やかに甦る。 稀代の大衆政治家ローズベルトに周到な戦略家である国務長官ハル、豪腕の陸軍長官スティムソン、知日派の国務次官グルーといった多士済々な面々は、どのように政策形成に関わったのか。必ずしも一枚岩ではなかった米政権内の意見対立の様相までも描き出す。 占領史研究の必読本として高く評価された著者の代表作が40年ぶりに堂々の復刊。新版にあたって、楠綾子氏(国際日本文化研究センター教授)の解説を収録。 [目次] 第一部 新世界を求めて――戦後計画の起源 第一章 歴史の教訓 一 たち上る国務省 二 外交関係協議会 三 《調査》――国務省の苦い経験 第二章 戦後計画のための政府内環境 一 ローズベルトとハル――その協調と抗争 二 新世界のための闘争 第二部 「上から」の方針――ローズベルト構想 第三章 無条件降伏論 一 無条件降伏論の起源 二 軍隊の無条件降伏 三 国家の無条件降伏 四 無条件降伏をもたらしたもの 第四章 ローズベルトの東アジア構想 一 中国を大国とする構想 二 中国大国論の源泉 三 カイロ会談 第三部 「下から」の対日計画――国務省知日派 第五章 日本専門家の招集――国務省と外交関係協議会 一 特別調査部の極東班 二 ブレイクスリー博士と日米関係 三 ボートン博士と日本研究 四 外交関係協議会の極東研究グループ 第六章 対日戦後計画の原型 一 極東班における初期の作業 二 対日基本方針 三 戦後日本の領土 四 戦後日本の経済 五 戦後日本の政治――四つの日本変革論 A 軍部の暴走――介入慎重論 B 制度的欠陥――積極誘導論 C 天皇制・軍国主義不可分論――介入変革論 D 不可変の日本人――隔離・放置論 第四部 統合――ポツダム宣言による終戦 第七章 国務省原案の成立 一 戦後計画委員会と極東地域委員会 二 陸軍省民政部――軍部の占領準備 三 「米国の対日戦後目的」と「占領軍の国家的構成」 四 グルーの登場と天皇問題 五 占領下の日本統治機構 六 戦後計画委員会による修正 第八章 ヤルタからポツダムへ 一 ヤルタ秘密協定 二 人と制度――「終着駅」に向って 三 SWNCCにおける対日基本政策の形成 第九章 ポツダム宣言――上からの革命 一 転回点――一九四五年春 二 グルーの行動開始――対日 条件提示 三 ポツダム宣言の成立 四 日本分割占領案と平和的進駐作戦 五 日本の降伏と初期占領政策の決定
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-矢部貞治(1902~67)は、政治に直接コミットした最初の研究者の一人である。1926年に東大法学部に助手採用された矢部は、助教授時代の35~37年にヒトラー擡頭下の欧米に留学、大きな政治の変革を見る。帰国後39年からは教授に就き政治学講座を担うなか、首相として”全盛期”にあった近衛文麿のブレーンとして昭和研究会に参加。現実政治のなかで実践を試み、国内・国際新体制を立案する。 敗戦後は自らの責任を感じ東大を辞職。同志を集めて日本再建についての研究を始めた。1950年代半ば以降は、拓大総長や早大教授などを歴任しつつ憲法調査会、選挙制度審議会など政府委員を務め、またメディアでも積極的に発言し、現実政治の変革を求め続けた。 本書は、矢部の生涯を通し、日本における政治と知識人の関係を描く。
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4.0本書では、あくまで史料に即して大隈の活動を「検証」することを目指した。その際、大隈と政治的に対立していた人物の史料や、出所の怪しい密偵情報などはなるべく使用を避け、使用する際にはしっかりとした史料批判を経て使用するように心がけた。その上で、本書では、大隈の日本近代史における軌跡を、その挫折や失敗、負の部分までをも含めて明らかにしていきたい。というのも、大隈の栄光だけでなく、そうした挫折や負の部分のなかに、現在の我々にとって新たな発見をもたらしうる材料が含まれていると信じるからである。現代社会のあり方や我々の生き様につながる何かを、本書のなかから見つけていただければ幸いである。(はじめにより抜粋) 第一章 近代西洋との遭遇――佐賀藩士・大隈八太郎 第二章 近代国家日本の設計―明治新政府での活動 第三章 「立憲の政は政党の政なり」―明治一四年の政変 第四章 漸進主義路線のゆくえ-立憲改進党結成から条約改正交渉まで 第五章 理念と権力のはざまで―初期議会期の政党指導 第六章 政党指導の混迷―第一次内閣以後の政党指導 第七章 日本の世界的使命―東西文明調和論と人生一二五歳説 第八章 世界大戦の風雲のなかで―第二次大隈内閣の施政 第九章 晩年の大隈重信―国民による政治と世界平和を求めて おわりに―歴史の「大勢」のなかで
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4.0
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-禁断の恋、魅惑の香り、薄幸な運命にまつわる物語の成立過程を文学、医学書、作法書から分析、近代以降の社会規範や文化価値観の変遷を精査。
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4.0サイバー戦争は既に始まっている!戦時と平時の境界が消滅、国家の中枢機能やインフラを破壊!三大国の思惑と戦略思想を比較分析する 第1章 陰の戦い 第2章 アメリカのサイバー戦 第3章 ロシアのサイバー戦 第4章 中国のサイバー戦 第5章 サイバー戦の政策
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-戦車・毒ガス・航空機など新兵器が登場! 戦いの様相と戦略思想や戦術概念の変化、政治・軍事指導者のリーダーシップを多角的に再検証する最新研究。20世紀の幕開けを告げた総力戦の全貌。 プロローグ 「軍事史」としての第一次世界大戦―二〇世紀の幕開けを告げた総力戦 第一章 二〇世紀の時代状況と第一次世界大戦の勃発 第二章 一九一四年―「クリンチ」 第三章 一九一五年―「行詰り」 第四章 一九一六年―「相討ち」 第五章 一九一七年―「緊張」 第六章 一九一八年―「急展開」 エピローグ―ブライアン・ボンドと「西部戦線異状あり(The Unquiet Western Front) むすびに代えて 第一次世界大戦ヨーロッパ西部戦線関連年表
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-戦前・戦中の東京下町を、昭和2年生まれの著者が体験を通して振り返る。 綿密な考証と巧みな描写にもとづく歴史小説・ノンフィクションに定評のある著者による、昭和事物回顧。 「歴史」「昭和史」という括りからは見落とされた、庶民の暮らし・風俗、東京下町の情景が、生き生きと甦る。 単なるノスタルジーではない、冷静な視線で、自らの記憶を掘り起こす。 「『古き良き』とは浅薄な過去を美化する言葉でしかない。決して『良き』ばかりとは言えず、簡単にそんなことを口にしてもらいたくはないのだ」(本文より) 【本書に出てくる事物】 物干台/毛糸/焼芋屋/羅宇屋/お化け煙突/自転車泥棒/電柱掘り/焼け金庫屋/ソフト帽/下駄・雪駄/銀流し/朴歯の高下駄/ハダシ足袋/ソロバン/エジソン・バンド/大学芋/電球/提灯/リヤカー/山手線/地下鉄/汽車/チッキ/花柳病/肺病/肝油/脚気/浣腸/ヒマシ油/蚊帳/火の見櫓/湯タンポ/長火鉢/焚火/映画館/ポスター貼り/ラジオ体操/仏法僧/ベルリン・オリンピック/二・二六事件/喫茶店/お定事件/浪曲・講談/徳川夢声/玉音放送/ラジオ/ツェッペリン号/説教強盗/下駄スケート/大八車/オート三輪/木炭自動車/輪タク/都電・市電/谷中墓地の桜/アメ横のサクラ/井の頭のひき蛙/食用蛙/夏服/カンカン帽/パナマ帽/アッパッパー/南京虫/蚤/虱/DDT/銭湯/行水/朝顔/石榴/金魚/山の湯宿/赤トンボ/柿木金助/B29/夜の闇/双葉山/男女ノ川/夜行列車/蒸気機関車/煤煙 〈解説〉森まゆみ
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4.0結婚のあり方が大きく揺らいでいる。離婚・再婚、選択的夫婦別姓、共同親権、同性婚、パートナーシップ、事実婚、生殖補助医療、養子縁組……。リベラル派と保守派に分断され、個々の論点についてすれ違う議論がなされがちななか、本書では共同性、性愛関係、親子関係の3点で議論を整理し、一貫した視点から本質とこれからを見通す。結婚をめぐる自由化がもたらす「しんどさ」も指摘する。本質を知りたい人のための羅針盤。 はじめに――議論の見通しをよくするために 1章 結婚のない社会? 結婚には歴史的にどういう意味があったのか 母子関係と父子関係 結婚制度は消滅するのか 父親のいる社会、いない社会 母系社会における結婚 結婚のない社会は設計可能か 2章 結婚はどう変わってきたのか 結婚の意味を探求してみよう 愛かお金か 生殖から性愛へ 家長の力が強かった時代 家族が会社組織のようだった時代 結婚は社会に埋め込まれていた 性別と性愛をめぐる言語表現 家族から「仕事成分」が抜け出した時代 結婚観の変化と同性婚 結婚を問い直す哲学的な考察 3章 「結婚の法」からみえる結婚の遷り変わり 自由婚はほんとうに自由か 国や支配者が結婚に介入する理由 現代の秩序維持と人口コントロール 法規制は何のためにあるのか 事実婚以上、法律婚未満 結婚の入口要件 婚姻期間中の要件(共同性) 結婚の出口要件(離婚) 有責離婚から無責離婚へ 「内部化」する現代の結婚 同性婚は結婚の法をどう変えたか 結婚と性愛関係の結びつきは強いのか 事実婚と法律婚 4章 同性婚、パートナーシップ、事実婚 結婚とシビルユニオン 分業する核家族 近代的な結婚の意義 保護対象とされた女性と子ども 選択肢としての結婚へ 結婚のベネフィットは何か 相続における法律婚と事実婚の差 政府の方針や民間企業の都合 なぜ性愛関係に基づいた結婚をするのか シビルユニオンの登場 PACSと性愛関係 シビルユニオンの特徴 三つの共同性の違い 制度と実態のギャップ 5章 結婚と親子関係 結婚の争点は親子関係にもある 結婚と父子関係の確立 DNA鑑定はどのような影響を及ぼすか 生殖補助技術と親子関係の複雑化 親の複数性をもたらすパターン 代理懐胎をめぐる課題 養子縁組とブレンドファミリー さまざまな「親子関係」の内実 「親性」を構成する要素とは 一律判断から個別配慮の時代へ 同性婚における親子関係 同性カップルが子を持つ事例 親子関係の制度がめざすところ 6章 乗りこえられるべき課題としての結婚 オプション化する結婚 共同性のコスト 自由という不自由 倫理的問題と行政・司法コスト 保守的な価値観 差別問題の難しさ 厄介な固定観念 選択肢が多いがゆえの悩み リベラルと保守の対立を再考する 同じ方向を向いて議論をするために 7章 残された論点 前近代の結婚 前期近代の結婚 後期近代の結婚 非性愛的共同性はなぜ稀なのか 同類婚の謎 成人親子関係と結婚 姓の問題(選択的夫婦別姓) 複婚の可能性 共同性を広く持てる社会とは
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4.5わが子が障害を持っていると知り、不条理な現実を受け入れるまでの拒絶と葛藤、受け入れることができたときの感動を経験する親がいる一方で、子どもの命を奪ってしまおうとする親、病院に捨てられてしまう子どももいる。治療を迷う医師もいる。幼い命をめぐる大人たちの拒絶と受容の果てには、読む者に静かな感動を広げる命の旋律が響き始める。〈解説〉渡辺一史 医学が進み、科学が進歩しても障害や病は消えません。 気がつけば、私たちの社会は医療技術で生命の質を診断する時代に変わってきています。 「授かりものの命を育む時代」が、 「生命の誕生を操作して選別する時代」に入り、 私たちはより一層多くの悩みに直面しているように見えます。 人生の大きな節目であるわが子の誕生という瞬間を、 単純に期待と喜びだけで迎えられない時代を私たちは生きているのかもしれません。(本文より)
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3.8シリーズ累計 30万部 突破! 中学・大学入試問題にも多数採用された ハーバード・シリーズ最新刊! 世界最高の知性が集まるハーバード大学経営大学院で いちばん人気のある研修旅行先は、日本。 参加者に希望者を含めると1学年の全学生の40%、 全教員の20%以上が日本への研修に興味を持ったという。 なぜ、いま日本はこれほど研修旅行先として人気があるのか。 ハーバード大学経営大学院の授業や研修をもとに 「日本から何を学んでいるのか」を解き明かす。 ◇「帰国したら二度と食べられない」日本の野菜に感動 ◇ヒロシマでの体験が忘れられない ◇最も記憶に残るのは親切な日本人 ◇学生たちを感嘆させた日本のタクシー運転手 ◇ハーバードで日本史が注目を集める理由 ◇一気に話題をさらった山本山の発明品 ◇人気みやげは「とらやのキャンディー」 ◇教員が虜になった激安ジャングル「ドン・キホーテ」 ◇日本発の型破りなビジネスモデルに驚く ◇「チームラボボーダレス」で体感する日本のイノベーション力 ◇「増田德兵衞商店」が開拓した日本酒ビジネスの可能性 ◇リーダーシップの観点から見るドラマ『SHOGUN 将軍』 ◇ハーバードではなぜ岩崎弥太郎と渋沢栄一を学ぶのか ◇世界最高の経営学者が注目する豊田佐吉のエラーマネジメント ◇「お見合い」ビジネスに学生たちはどう反応したか ◇日本発の斬新なマッチングビジネスが教材化 ◇ロボティクス企業で教員から殺到した質問とは ◇ハーバードの「働き方の未来」研究で注目される日本 ◇なぜ岐阜県の中小企業の事例を学ぶのか ◇悩めるシニアが欧米でも社会問題に ◇ハーバードの教授が警鐘を鳴らす「成功依存症」 ◇「イキガイ」ブームと新幹線清掃会社テッセイ ◇オムロン京都太陽が視察先に選ばれた理由 ◇日産の危機管理能力とホンダとの経営統合計画 ◇パンデミック下で卓越した復元力を発揮した日産 ◇日本企業の課題は「コーポレートガバナンス
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3.9肉まん、ジンギスカン、餃子、焼売、ラーメン、麻婆豆腐、ウーロン茶。あの味はなぜ懐かしいのか。 帝国主義の時代に広まり、戦後の日本人の心と体を癒してきた中華料理。 地域や家庭で愛されてきた品々は、誰が、いつ、どうやって日本にもたらし、なぜこれほど普及したのか――。 文化人、実業家、軍人、料理人たちの情熱と葛藤に光をあて、日本の中華料理100年の軌跡を世界史的な視点から描く、食文化の物語。 【目次】 まえがき――中華料理への情熱、そのルーツを探る旅へ 序 章 中華料理に込められた対中・対日感情 1 食の文化帝国主義の始まり 2 日本人と中国人のまなざしの交錯 3 二〇世紀東アジアへの誘い 第1章 肉まん――近代的な食文化としての中華料理 1 肉まんの歴史 32 2 日本食の近代化のなかの肉まん 37 3 アジア主義と帝国主義の文化的な影響 48 第2章 ジンギスカン料理――満洲名物から北海道遺産へ 1 北京から満洲・モンゴル、そして東京へ――帝国の時代 2 中華料理から北海道の郷土料理へ――帝国後の時代 第3章 餃子――満洲の記憶とポスト帝国主義 1 餃子の伝来――近世から日中戦争期まで 2 「引揚者料理」としての餃子――戦後 第4章 ウーロン茶――忘れられた台湾文化 1 ウーロン茶の世界史 2 日本帝国におけるウーロン茶の消費文化 3 日本の国民的飲料になるウーロン茶 第5章 シュウマイ・ラーメン・四川料理――郷土料理の創造とノスタルジア 1 横浜名物になるシュウマイ 2 なぜ札幌でラーメンなのか 3 麻婆豆腐のノスタルジアと担々麵の郷土料理化 4 中華料理の現在までの変化 終 章 世界史のなかの日本中華料理 1 帝国主義は料理をどう変えたのか――二〇世紀前半 2 ノスタルジアはなぜ生まれたのか――二〇世紀後半 3 文化遺産化は何が問題なのか――二一世紀 あとがき 注記一覧 / 参考文献
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4.0電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 歩道の隙間、建物の陰、水面……街を歩くとあちこちで雑草に出会う。ひっそりと、ときには堂々と生きている雑草には、どんな「生きぬく力」があるのだろう? 小さな隙間に入り込むスミレ、子孫を残す工夫を幾重にも凝らしたタンポポ、生命力溢れるドクダミ、タネは出来ないがたくましく生き続けるヒガンバナ、ひっそりと冬を越すセイタカアワダチソウ。四季折々の身近な雑草を案内役に個性豊かな植物の生きぬく力を紹介。 ◆◇◆目次◆◇◆ はじめに 第1章 春の野や水田で、季節の訪れを告げる植物たち (1)なぜこんなところに?――スミレ(スミレ科) 春の訪れを告げる花とは?/隙間に咲くスミレ/スミレの名前の由来/巧みな繁殖方法/園芸品種としての特性 (2)1日しか咲かない小さな花――オオイヌノフグリ(オオバコ科) 一面に咲く花の正体/口はばかられる名前の意味とは?/口はばかられる名前をもつ仲間は?/ヒマラヤスギにも松ぼっくり/松ぼっくりの閉じ開きはどうやって?/メシベは、他の株に咲く花の花粉をほしがっているのか? (3)在来タンポポはほんとうにひよわか?――タンポポ(キク科) 「ライオンの歯」とよばれる理由は?/ネバネバする乳液がからだを守る/セイヨウタンポポの繁殖力/在来種は、ひよわな植物ではない! (4)水上の小さな驚異――ウキクサ(サトイモ科) 水面に浮いて漂う/驚くべき増殖力/ウキクサが秘めた、命をつなぐ“しくみ” コラム 気になる名前の植物たち 第2章 夏の野や庭、池で、季節を満喫する植物たち (1)これもランの仲間――ネジバナ(ラン科) 右にねじれるか、左にねじれるか/ネジバナの学名/新種が発見されて、話題に!/花が、日本では「蝶」、外国では「蛾」に、たとえられるのは?/ラン科の植物たち (2)夜に眠る葉――カタバミ(カタバミ科) ハート形の小さな3枚の葉/カタバミの仲間たち/植物は、夜に眠るのか? (3)植物も汗をかく?――ツユクサ(ツユクサ科) 涼やかな青い花/1日の間にメシベが移動する/夏の暑さに負けない“しくみ”を教えてくれる (4)匂いで撃退――ヘクソカズラ(アカネ科) よく見るけれども名を知らない植物/草花も匂いでからだを守る/アカネ科の植物たち (5)似た名前の植物たち――ヒルガオ(ヒルガオ科) 巻きつく草/ヒルガオの生存戦略とは/ヒルガオの仲間と思われる植物は? (6)旺盛な繁殖力――ホテイアオイ(ミズアオイ科) 布袋尊のお腹/置かれた場所にふさわしく生きる! コラム 食べられる「夏の七草」とは? 第3章 夏の野で、暑さに負けない植物たち (1)巻きひげのすごい能力――ヤブガラシ(ブドウ科) 鳥の脚のような5枚の葉/巻きひげの力と花に秘められた巧みな工夫 (2)群生して育つ――ドクダミ(ドクダミ科) 毒が溜まるか、毒を矯めるか/半夏生か半化粧か/ドクダミの生存戦略/地下茎の威力/“フィトクロム”とは? (3)日本から世界へ――イタドリ(タデ科) 痛みが取れる?/イギリスでは、嫌われ者の帰化植物/イタドリの生きぬく力/シーボルトがヨーロッパに紹介した意外な植物 (4)したたか? ずるい?――イヌビエ(イネ科) 水田で生きぬいてきた雑草/水田で気配を消しても、“脱粒性”だけは残す! (5)寄生植物の苦労――ネナシカズラ(ヒルガオ科) 全寄生? 半寄生?/夜をどこで感じるのか/ストリゴラクトンによる「魔女の雑草」の“自殺発芽” コラム 歌に詠まれる「夏の七草」とは? 第4章 秋の野で、季節を魅せる花を咲かせる植物たち (1)日本では有用植物、アメリカでは?――クズ(マメ科) 花も根も身近/クズのすごい成長力を支えるのは?/アメリカで、“侵略者”とよばれても! (2)花だけがポツンと咲く――ヒガンバナ(ヒガンバナ科) 同じ時期、同じ場所で咲く花/「ハミズハナミズ」とは?/土地と光の奪いあいを避けて、生きる!/長くたくましく生きている秘訣とは?/なぜ、お墓に多くあるのか?/競争を避けても、負け組ではない!/なぜ、ヒガンバナにはタネができないのか?/どうして、ヒガンバナの花は、秋の彼岸に咲くか? (3)嫌われ者も今では――セイタカアワダチソウ(キク科) 帰化植物の代表/大繁茂する生存戦略とは?/“ロゼット”の利点とは? コラム なぜ、植物の名前はカタカナで書くのか? 第5章 秋の野で、季節を演出する植物たち (1)生き物の姿に学ぶ――オナモミ(キク科) ひっつき虫の代表/バイオミメティクス (2)秋の野に揺れる――エノコログサ(イネ科) 子イヌの尻尾/「C4植物」とは? (3)秋を象徴する草――ススキ(イネ科) スクスク伸びる/生きた証「プラント・オパール」 コラム イチョウの学名 第6章 冬の野や庭で、寒さに負けない植物たち (1)風雪に耐える――タケ(イネ科)とササ(イネ科) タケが枯れるとき/ネザサの全面開花/タケとササの生きる力 (2)意外なシダ植物――スギナ(トクサ科) 早春に伸びてくるもの/地下茎の恩恵を受ける植物/トクサもシダ植物 (3)日本産のヤシ――シュロ(ヤシ科) 高く高く伸びる/無駄のない植物 コラム 運をもたらす“冬至の七草(種)” おわりに
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4.5一九八五年八月十二日、羽田から大阪へ向かうはずの日航ジャンボ機が消息を絶った。三十二分間の迷走の果て、御巣鷹の急峻な山中に散った五百二十名の生命。あのとき、機内で何が起きていたのか──。 安全神話に魅せられた現場と隘路にはまった事故調査の迷宮。 空前の事故が起きてから四十年にあたっての補遺を付す。 〈目次〉 1 真夏のダッチロール 2 三十二分間の真実 3 ビジネス・シャトルの影 4 遺 体 5 命の値段 6 巨大システムの遺言 あとがき 事故から四十年にあたっての補遺 〈解説〉神里達博
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4.7昭和一七年五月、連合艦隊は航空母艦を主力として米英の海軍を連破し、破竹の進撃を続けマレー、フィリピンの制圧に成功した。 次なる目標は、オーストラリア。 かの国を連合国から脱落させ、南太平洋における日本の覇権を確立する。そのためにはニューギニアの要衝ポート・モレスビーを奪取し、ここを拠点として豪州に圧力をかけるのである。 だが、米海軍も空母を前線に投入し、史上初となる空母対空母の対決――珊瑚海海戦が繰り広げられることに。 対決は日本側の敗退に終わり、戦略目標だったモレスビー攻略も頓挫してしまった。開戦以来無敵を誇ってきた機動部隊には、深刻な問題が隠されていたことが顕わになったのだ。しかし、航空母艦という艦種自体が抱える弱点を克服することは容易ではない。 事態を重く見た連合艦隊司令長官山本五十六は、誰もが驚愕する決断を下した――。 「『大和』は、帝国海軍の切り札です」 「だからこそ、機動部隊に配属するのだ」
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4.22027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公に決定! 幕末を生きた天才的能吏の壮絶な生涯を描く傑作。 黒船の来航により、あらゆる価値観が変化していく幕末動乱期。 日本に「関税」という概念すら存在しないこの時期に、ひとりその重要性に気付き、諸外国を驚嘆せしめた男がいた。 旗本・小栗忠順。 武士でありながら、政治・経済の才覚を持つこの男は、外国奉行や勘定奉行を歴任。 幕臣たちに忌み嫌われる「上野介」を名乗り、勝海舟や十五代慶喜と対立しながらも、 幕府財政を再建のために、国内外を奔走する。 やがて訪れる戦乱。誰もが保身に奔る中、それでも忠順は、後の世のことを諦めない。 彼を突き動かすのは旗本としての矜恃、そして何より、大切な妻との約束であった。
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4.0本来、「生き方マニュアル」として誕生した教えから、受難と復活という特殊性を通して「信仰」が生まれた。 「宗教」として制度化したことで成熟し、広く世界に普及する一方で、様々な思惑が入り乱れ、闘争と過ちを繰り返すことにもなった。 本書は、南米や東洋での普及やその影響を通じて、ヨーロッパ世界が相対化され、近代に向かう中で、「本来の教え」が普遍主義理念に昇華するまでの過程を、激動の世界史から解読する。
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