無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
どのストーリーにも思わず笑ってしまう場面がある。お仕事小説として、仕事や社会で当たり前とされている価値観が、ほんの少し角度を変えるだけで妙におかしく見えてくる。そのズレをすくう皮肉めいたユーモアが、この作品の魅力だと思った。
なかでもいちばん笑えたのは「未経験の男」だった。筋トレが自己管理や意識の高さの象徴のように語られるなかで、筋トレ未経験の吉川はどこか居心地の悪さを抱えている。けれど彼は正面から反発するのではなく、黙って距離を取ろうとするその姿がまずおかしい。
さらにおかしいのは、筋トレ命の森山が、いざという場面で筋肉をまったく役立てられないことだ。結局、役に立つかどうかよりも、「筋トレしている人」だけがひとり歩きしているように見える。
だからこそ、最後に吉川があっさりその価値観に取り込まれてしまう展開には、思わず笑ってしまった。社会の中で違和感を抱いていても、気づけばその空気に巻き込まれてしまう。そのおかしさと少しの息苦しさが、この話にはあった。
Posted by ブクログ
相変わらずの仕事小説。好きだわー石田さんの書く話。表題作含む4編の短編集だけど、どれも面白い。
表題作はスッピンの女子社員を探せという使命を仰せつかったスッピン女子社員の話(笑)。
自分がそもそもスッピンなのに、スッピンと化粧の違いも分からないような上司に犯人を突き止めて報告しなければいけないという変な状況になっている。
私の職場にもスッピンらしき女性は何人もいるが、実は化粧しているのかもしれない。そんなこと確認しても何の意味もないから、いちいち確認なんてしないけど。
しかし、うっすら化粧しているのに「私、化粧してないんですよ~」と嘘をつくのは笑えた。マウントなのか、自己満足なのか。
個人的には清潔感があるなら何だっていいと思う。
マッチ棒のように細い男が、職場で筋トレ趣味の男に出会う話では、筋トレ男がウザく感じた。自分が鍛えてるのは良いと思うが、周りにそれをさりげなく押し付けてくるのはどうなのか。
鍛えててもいざというとき、役に立たない筋トレ男をマッチ棒男が翻弄するようなラストは小気味良かった。
もっと石田さんワールドに浸かりたいのに、いつも薄い本ですぐ終わってしまうのが残念。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。