あらすじ
考えてみれば、人に「化粧をしていますか?」と訊くのは「大便したあと尻を拭きますか?」と訊くのに似ている。
「御社にスッピン社員がいる」という取引先の一言から、塗装会社の営業部員・中村に、「スッピン女子捜し」の密命が下る。
あの手この手で同僚たちの化粧事情を探る中村。しかし、彼女には秘密があった。
実は中村自身が、人生で一度も化粧をしたことがないスッピン女子なのだった――(ノーメイク鑑定士)。
働くみんなの日常は、事件で溢れている。
気鋭の著者が綴る、新時代のお仕事小説全四篇!
感情タグBEST3
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石田夏穂さんの著作にはもれなく星5つをつける病を患っているので、今回も「星、5つです!!」
石田さんはどうしてこんなにも、生活をミクロな視点で描くことがお上手なんでしょう。だいすき。
パイプ椅子で足裏をぐりぐりしながら「足のツボには静的刺激ではなく動的刺激」と表現できる凄み。しびれます。
しょうもない日常でも、
じぶんをちょっと嫌いな自分がいても、面白がって愛おしめそうな気すらしてくる。
どんなに刊行がゆっくりでも、どんなに本が薄くても、石田さんの本はこれからもずっと新刊発売日に買い続けます。
Posted by ブクログ
どのストーリーにも思わず笑ってしまう場面がある。お仕事小説として、仕事や社会で当たり前とされている価値観が、ほんの少し角度を変えるだけで妙におかしく見えてくる。そのズレをすくう皮肉めいたユーモアが、この作品の魅力だと思った。
なかでもいちばん笑えたのは「未経験の男」だった。筋トレが自己管理や意識の高さの象徴のように語られるなかで、筋トレ未経験の吉川はどこか居心地の悪さを抱えている。けれど彼は正面から反発するのではなく、黙って距離を取ろうとするその姿がまずおかしい。
さらにおかしいのは、筋トレ命の森山が、いざという場面で筋肉をまったく役立てられないことだ。結局、役に立つかどうかよりも、「筋トレしている人」だけがひとり歩きしているように見える。
だからこそ、最後に吉川があっさりその価値観に取り込まれてしまう展開には、思わず笑ってしまった。社会の中で違和感を抱いていても、気づけばその空気に巻き込まれてしまう。そのおかしさと少しの息苦しさが、この話にはあった。
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会社における「何事かをやらされる」人々の哀愁や不満、苦労を、やらされる人々が唯々諾々と業務をこなしていく姿を描く事で、切実な彼らの心情を描いていく石田夏穂流のお仕事小説は面白い。
水虫と疑われる裸足の足マッサージを止められない私、働き方改革を享受できない大川、女性のメイクの有無を得意先から問題視される会社。
それぞれ理不尽な要求ではあるが、会社員として何とか対応しなければならないジレンマが浮き出ていて良い。
軽く読める136ページだが、物語には大いに共感できる。
Posted by ブクログ
お仕事小説なのか、短編集。
とにかく職場における理不尽さを皮肉るショートストーリー。
会社や国が勝手に決めたことに振り回さる現場。ハラスメント認定、暗黙の了解、同調圧力、体制も整っていないのに進めるなよ。わかる。
結局は流されるしかないけど、このグダグダ感でも最後はざまあみろって感じで悪くない。
どこの現場でもこんなもんだろうな。
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なんか癖になる面白さなんよな〜、今回のも面白かった
特に表題作は切実でおかしみがあって、石田さんの真骨頂やんなと思った
働いてるからわかるけど、働くことはわたしにいろんな身体的な制限をする。それって当たり前だと思ってたけど、どこまでその権利があるんだよって話ですね
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サクッと1日で読んだ!
熱くも冷たくもないちょうど良い温度感で物語が着々と進んでいく感覚
おもしろワードや、あ、わかる〜!って思う場面もあり楽しかった
Posted by ブクログ
今回も、いつも以上にテーマの選定が、秀逸です。
それにしても、なぜこれほどそれぞれのテーマに対して、例え理系にしても、細かい専門知識があるのか、不思議です。
Posted by ブクログ
相変わらずの仕事小説。好きだわー石田さんの書く話。表題作含む4編の短編集だけど、どれも面白い。
表題作はスッピンの女子社員を探せという使命を仰せつかったスッピン女子社員の話(笑)。
自分がそもそもスッピンなのに、スッピンと化粧の違いも分からないような上司に犯人を突き止めて報告しなければいけないという変な状況になっている。
私の職場にもスッピンらしき女性は何人もいるが、実は化粧しているのかもしれない。そんなこと確認しても何の意味もないから、いちいち確認なんてしないけど。
しかし、うっすら化粧しているのに「私、化粧してないんですよ~」と嘘をつくのは笑えた。マウントなのか、自己満足なのか。
個人的には清潔感があるなら何だっていいと思う。
マッチ棒のように細い男が、職場で筋トレ趣味の男に出会う話では、筋トレ男がウザく感じた。自分が鍛えてるのは良いと思うが、周りにそれをさりげなく押し付けてくるのはどうなのか。
鍛えててもいざというとき、役に立たない筋トレ男をマッチ棒男が翻弄するようなラストは小気味良かった。
もっと石田さんワールドに浸かりたいのに、いつも薄い本ですぐ終わってしまうのが残念。
Posted by ブクログ
石田夏穂さん6冊目。
会社員のいろんな場面が詰め込まれた短編集で一気読み。
人の外見についてあれこれ言ったり、働き方改革だったり、ちょっと今さら感。この本があと2〜3年早く出版されていればもっと楽しめたのにと思います。
最初の3作までは⭐︎3でしたが、表題作は石田夏穂さんらしさ溢れる笑える文章で、めちゃおもしろかったです!
デミグラスソース顔とかオカチメンコとか、ワードセンスが最高でした。
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「フットブレイク」は職場で裸足。
「未経験の男」はタバコの火の不始末で近所の空き家を燃やしてしまう。犯人だとバレたくないので筋トレをしようと決意!?
「ノーメイク鑑定士」は取引先の意向で職場のすっぴんを探す。
ズレてるけど、そこがいい。
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フットブレイク:
職場で裸足でいること、ひとりだけパイプ椅子、などユーモアのあるお話だった。パイプ椅子に土踏まずを押し付けるの、確かに気持ちいい。
未経験の男:
ガリガリの主人公。
日本人男性は女に3キロ痩せろと言うなら、自分が3キロ金肥大すべき。というマッチョと食べないダイエットをしてる女の子もでてきて面白かった。
我らがDNA:
残業警察に追い立てられることでしか残業から逃れられない主体性のなさ、よくわかる〜と同意しかなかった。
さまざまな残業警察が登場する中で、主人公が残業のDNAに振り回せれる様が面白かった。
ノーメイク鑑定士:
表題の話なだけあって一番面白かった。
化粧していないことが悪いのではなく、化粧という形を使った清潔感のなさやブスを指摘する呪いの言葉である。人の化粧を見抜けないくせに、女の化粧を指摘することの図々しさと意地の悪さがよく現れていた。
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どこにでもありそでなさそなお仕事(?)短編集。
石田節が冴え渡り、職場でのちょっとしたズレが笑いやホラーにかわってゆく。
短編なのでフォーカスされて掘り下げるところが『そこ??笑』ってなるのが楽しい。
日常に潜む狂気。
Posted by ブクログ
短編が4つ掲載されていたのだけど、どれもプッと吹き出す面白さがあった。
誰かの面白い体験談をリアルに聞いているような、そんな臨場感があって、主人公の思考をこんなふうに文章にできるって、他の作品も面白そうだなと思った。
Posted by ブクログ
お初の作家さんです。
タイトルの「ノーメイク鑑定士」という題名に魅かれて手に取る。
様々な会社で働く人が主人公なのだけれども、お仕事内容にフォーカスしているわけではなくて、
社会人として会社でもまれるうちに 出くわすかもしれない(ほとんどはニアミス程度かも・・・)な案件が繰り広げられていく ライトな短編小説集
・パイプ椅子で足裏マッサージをすることにハマってしまい 予期せぬ噂の的に
・カフェチェーンのひ弱店長が マッチョな次の店長がきて事件に巻き込まれていく
・働き方改革で残業を減らす会社の方針に乗り切れず体を壊していくサラリーマン
・取引先から「ノーメイクの社員」への苦情 果たしてすっぴんがイケないのか?
見てくれ重視で文句を言いたいだけなのか?
人物構成も分かりやすく サラリとその会社の状況が分かり 話の内容に入っていける文章表現はよみやすく、とてもいい。
おもしろいお仕事小説だった。
通勤や病院の待ち時間など 細切れでも読みやすいのでおすすめですよ。
Posted by ブクログ
短編四話
足裏マッサージ、気持ちよすぎて職場でもこっそり
実は見られていて……。水虫疑惑をかけられる
「フットブレイク」
この話が1番面白かった〜
もう、水虫バイ菌という扱いから這い出でるのは難しそうです。開き直るしかあるまい
オチが火事、その後が知りたい
「未経験の男」
24時間働けますか?でやってきた人が働き方改革に出会うと……。
「我らがDNA」
ノーメイクの営業さんにクレームが……
あなた、ノーメイクですか?とは聞けない
「ノーメイク鑑定士」
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみた。
「フットブレイク」が一番面白い!というか、久しぶりに読みながら笑ってしまった笑
確かにこんな人会社にいたら嫌だな〜と思うと同時に、自分がこんな人になれたら会社を支配したも同然だな〜と思った笑
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自分にしては珍しく本屋で一目見て買った本。
独特な世界観だった。なにか学びをえると言うよりはくすりと笑ってしまうような。
色んな職業についている社会人がコミカルに描かれている。社会人はある意味滑稽なのだろうか。会社という、ひとつの文化あるいは小さな社会。狭い世界の中にいるようだ。
Posted by ブクログ
気になって読んだ本。
ノーメイクのクレーム。化粧って、仕事柄で大分違うとは思うけど、人様に迷惑をかけないためのマナーという認識だったので、他人のメイクにあまり気にかけてこなかったが、そこに視点をあわせた発想があるのだと読ませてもらった。
Posted by ブクログ
・職場で足揉みはどこまで許されるか
・太れない体質の威厳なしマネジャー
・残業規制 VS 謎の仕事熱
・営業女子すっぴん疑惑を追え
着眼点が流石なお仕事短編集。飲み会開始2時間くらいのところで職場オモシロ話を聞いているような。さらっと読める気軽さでした。
石田夏穂さんは今年中短編が豊作ですね。
Posted by ブクログ
働いていれば出会う不満に思うタバコ休憩だとか働き方改革による残業の制限などの場面を著者の視点から可笑しく表現している短編集
個人的にはタイトルのノーメイク鑑定士よりも冒頭のフットブレイクのオチが好み。ページ数も少なくテンポよく読める。
Posted by ブクログ
「フットブレイク」で、OL目線で職場の人間関係を書いて行くシリーズかと思ったが、
「未経験の男」「我らがDNA」で男性目線が展開され、少し面白くなった。
「未経験の」の南さんというベテランパートのおばさんの立ち位置、「我らが」の残業警察がとても気になった。
Posted by ブクログ
最近の働く人達のモヤモヤという感じ。どの職場もブラックというわけではなく、ほどほどな職場のほどほどな悩みや問題。
でも柔らかく心を荒ます感じ。
俺のDNAの残業撲滅だけ主張するやつや未経験の男の筋肉だけあっても役に立たたないやついるよねってかんじ
Posted by ブクログ
仕事中に足の裏マッサージしたい気持ちも、モーレツDNAが消えていく気持ちもわかる…。働いていると感じるモヤモヤした感情が、有りそうで無いくらいのユーモアな小説によって消化される。
Posted by ブクログ
石田夏穂さんの笑いのセンスが冴えわたるお仕事短編全4篇。
足裏マッサージにハマる女「フットブレイク」
太れない男が筋トレを決意したある理由「未経験の男」
働き方改革に抗うモーレツ社員の闘い「我らがDNA」
ノーメイクの女子社員を見つけ出す任務を帯びたノーメイク女「ノーメイク鑑定士」
どれも職場にありがちな「うっせえわ!」と感じる他者からの圧。そこににささやかに抗う主人公たちをある意味滑稽に描くところが石田夏穂らしい。
「人に『化粧をしていますか?』と訊くのは『大便した後あと尻を拭きますか?』と訊くのに似ている」などと言う独特な例えがツボにハマって、石田ワールドから抜け出せない。
このおかしみと皮肉さと最後訪れるささやかな爽快感が癖になって作者の作品を読み続けるのである。
Posted by ブクログ
今回も著者らしいライトなお仕事小説、4編。
フットブレイクがいちばんのお気に入り。
デフォルメされた4編だけれど、どこかで少なからず発生しているお仕事風景にも思える。
こんなふうに、俯瞰的に仕事を楽しめればいいのにね。
Posted by ブクログ
石田夏穂さんは出るたびに読んでいる。
好きな方の石田夏穂さんだった。短編だからか意地悪加減がちょっぴりだった。ノーメイク鑑定士は笑いながら読んだ。
もう少し長い方がじわじわ意地悪で好きかも。短編は短編で好きだったけど。
Posted by ブクログ
肩肘張らずにサクサク読める短編集。其々の主人公の斜に構えた観察眼が鋭い。面白かったのは表題作の、ノーメイク鑑定士。メイクしてるかどうか女性ならではの心の声が表されていた。
Posted by ブクログ
身体性と会社勤めをテーマにした短編小説が4編収められています。
石田夏穂さんらしいユーモア溢れた作品たちで、とても面白かったです。
表題作は、取引先の企業からのクレームを受けて、同じ部署の同僚二人のうちどちらがノーメイクなのかを調査し注意を促す役目を任された主人公がそのミッションに挑む様をコミカルに描いた作品。
そもそも、ノーメイクの調査を指示した部長も部長代理も主人公がノーメイクなことには全く気づいていないのです。メイクしてるかしていないかなんて外側からは分からない。主人公は、同僚二人のうちどちらがノーメイクなのか分からず困惑します。
そもそもメイクがマナーっていうのも、なんだかなぁという感じがします。男性は言われないのに、女性だけに課せられた謎マナーなんですよね。そうした不可解なマナーへの疑問を呈するような作品でした。