【感想・ネタバレ】ノーメイク鑑定士のレビュー

あらすじ

考えてみれば、人に「化粧をしていますか?」と訊くのは「大便したあと尻を拭きますか?」と訊くのに似ている。

「御社にスッピン社員がいる」という取引先の一言から、塗装会社の営業部員・中村に、「スッピン女子捜し」の密命が下る。
あの手この手で同僚たちの化粧事情を探る中村。しかし、彼女には秘密があった。
実は中村自身が、人生で一度も化粧をしたことがないスッピン女子なのだった――(ノーメイク鑑定士)。

働くみんなの日常は、事件で溢れている。
気鋭の著者が綴る、新時代のお仕事小説全四篇!

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Posted by ブクログ

職場で起こるしょうもないが面白いあれこれの顛末短編。

クッソワロタ、と言いたくなる方向の面白さ満載で最高でした。すげー面白い。なんだこれ。

会社という環境で起こる、なんだかわからなくそうなっちゃうけど、でもそうだよなみたいなところで始まるへんてこなあれこれがいちいちユーモラスに描かれていて、話の先が気になると同時に文章そのものをニヤニヤ笑いながら読んでいました。外出先で読むのは何なら危険なレベルです。

「フットブレイク」と「ノーメイク鑑定士」がとにかく良かった。本当に面白いです。しばらくは会う人誰にでも勧めると思います。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

4本の短編集。お仕事小説ということでいずれも職場がメインでした。
軽妙な語り口で全部おもしろい…!読みながらくすくす笑ってしまいました。ワードセンスが良い。キレッキレ。けっこう毒づいてるんですけどそれが社会人らしさあってリアルで(笑)いやそこまで口悪くはないけど自分も近さを感じます。直接毒づかないのはむしろ偉い。でもわたしはスリッパ履く派なのでそこは共感できなかったかな。我らがDNAはちょっと終わり切なかった…やっぱ働きすぎは良くないよ。未経験の男はふつうにひどい終わり方だったの笑いましたね。お前それはあかんやろ!と突っ込んでしまった。ノーメイク鑑定士はすでにアンデルで読んでたけど何回読んでもおもしろい〜。けっこう人は他人のこと見てないんだなということを改めて思いましたね。

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2026年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吐く毒が小さくていい。大きな社会問題に切り込むわけでもなく、心のそこからの罵倒でもなく、相手の言葉の隙を突き、日常に旨く潜んでいるハラスメントに対しての肘で小突くような皮肉によって、テンポよく面白く読むことができる。
一篇目の「フットブレイク」では、語り手がとにかく人間味にあふれていてよい。普通の平社員であり、一般的な上司を持つ語り手は、その状況に合わせて自らの行動や感情を揺れ動かしている。注意されたらちょっと腹立っているし、心の中で毒を吐く。本当は気づいていたけど、指摘されたときに初めて気づきましたみたいなリアクションをとる。そして、否定もむなしく水虫であると断定されてしまい、そのときに限り仕事を与えられなくなった語り手は、相棒のパイプ椅子に鎮座しながらも、自らが何も動かなくていい状況に、王のように微笑む。
普段は押さえて生活しているが心の中では案外慌ただしく、雰囲気に応じた調子の乗り方を見せている。そんな語り手の日常のワンシーンを切り取った本篇は読んでいて心地よい。
表題作の「ノーメイク鑑定士」では、メイクの有無と顔面の綺麗さを旨く結びつけることができない人間たちがシニカルに描かれている。これぞ石田夏穂といった一篇で、求めていた要素がふんだんに詰め込まれており、大変満足した。普段メイクをしている人から見ても、イェスかノーかを見抜けない顔面をしている語り手だからこそ、より他の鑑定士たちが皮肉的な目線で写っている。
語り手と谷本さんや原田さんのメイクしているか否かの、疑い合いがどこかライアーゲームを見ているようで面白い。そんな勝負はもちろん語り手の圧勝で終わったが、見破るが見破られない語り手は勝ったといえるのかわからない。見破られるよりも先に自白しているのに、相手によって勝手に施されたメイクが決して剥がれない状況に、思わず笑みがこぼれる。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

短編が4作品。装丁もかわいいし、表題作の「ノーメイク鑑定士」もアンデル掲載で話題になってて気になっていたので即買い。
結果、大正解。面白かった!!!
このくらいの薄さの本って、読むのが遅い私でも1日で読めるのですごい満足感。所々にくすりと笑えるシュールな感じもツボでした。石田夏穂さんの他の作品も読みたくなります。すっかりファン。
表題作の「ノーメイク鑑定士」と書き下ろしの「フットブレイク」が特に好きだなぁ。「フットブレイク」のマッサージに集中しすぎて椅子が回転したところは思わず想像して吹き出してしまいました。

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

リアルリアルリアル、ちょっとだけフィクション、過剰にフィクション、でも嘘じゃない、働いてる人間はどこかが壊れてるように思う
趣味や年齢もばらばらの人間が集まった時、こんなふうに誰かの異常性が浮き彫りになる瞬間ってあるなと思う
実際この物語に出てくる人間は全員異常性を持っているけれど職場の人間には気づかれていない
自分も誰かにとっては異常で、隣でキーボードを叩く誰かもまたきっと異常なのである

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2026年04月17日

Posted by ブクログ

珍しい、石田夏穂の短編集。1編ごとのボリュームはコンパクトなのに、どれもきっちり“読ませる”完成度で、4作収録という満足感も大きい。

収められているのはいずれも得意のお仕事小説。ただし、社会の闇を暴くような重たい方向ではなく、「職場でギリギリ起こりそう」な出来事を、独自の視点で切り取る軽やかさが魅力。どの作品もテンポがよく、とにかく読みやすい。そして気づけば、どれが一番か決められないくらい、どれも面白い。

『考えてみれば、人に「化粧をしていますか?」と訊くのは「大便したあと尻を拭きますか?」と訊くのに似ている。』

この一文のインパクト。こういう“ちょっとズレた核心”を突けるのが、この作家の強さだと思う。

さらに、「御社にスッピン社員がいる」という一言から始まる“スッピン女子捜し”という設定も秀逸。くだらなさとリアルの境界線を絶妙に踏み越えてくる発想力に、思わず笑ってしまう。

ノーメイク鑑定士は、軽やかに読めて、しっかり引っかかる。石田夏穂のお仕事小説は、やっぱり癖になる。これからの作品も追い続けたくなる一冊。 ★4.1

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

面白い。内容はもちろんだけど、一つ一つの言葉選びがすごく面白い。登場人物は皆どこかちょっとおかしくて、えぇ…と思うようなことをする。根底に強烈な皮肉というか問題意識みたいなものを感じるのに、語り口が軽妙でコミカルな印象を受けた。あっという間に読んでしまった。この方の他の著書も読んでみたいと思う。

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2026年04月13日

Posted by ブクログ

「フットブレイク」
「未経験の男」
「我らがDNA」
「ノーメイク鑑定士」
4話収録の短編集。

今回も石田ワールド全開。

一話の「フットブレイク」から一気に引き込まれる。

社屋の工事で社員達は一時的にユニットハウス勤務に。
そこで普段から裸足で過ごす女性が、備品のパイプ椅子での足裏マッサージに目覚める。

この時点で既に面白いが、そこから生まれる周囲の誤解も含めて面白さは更に加速。

表題作も痛快。
取引先の不可解なクレームをきっかけに、主人公は同僚たちのすっぴん調査をする羽目に。

シュールでシニカルなお仕事小説を最後まで満喫した。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

さすがの石田夏穂さんというか。これまたセンスがよすぎるし、短編なのでサクサクと読めるお仕事小説。タイトルにもなってるノーメイク鑑定士に惹かれて買ったけど、どの話も面白かった〜

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

はたから見るとちょっとくだらないのに、当事者はいたって真剣、みたいなシチュエーション満載でおもしろかった。
表題作のあらすじで、期待値が上がりすぎていた感は否めないかも。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やはり表題作であるノーメイク鑑定士が1番面白い!と感じました。
かくいう私も、下地と眉毛だけであり
ぎりぎりノーメイクではない(かも)レベルなのでドキドキしながら読んでしまいました。
清潔感があればメイクは個人の自由ではないか、と思うものの営業職か…塗装系の会社か…。うーんと悩んでしまいました。
意するのも嫌だし、されるのも嫌。
気になるなら会社負担でメイク講座開いて、メイク道具くれよな!!と思ってしまいました。
なんならメイク時間も給料に入れて…。
「Xをジャッジできない癖にXを求めていることを2人にわからせなければ…。」こういう人にわからせることは本当に難しいよな、としみじみ思いました。
また20年後くらいに読んだら社会の常識も変わっていて、ええ!昔はそんなことがと驚くのでしょうか。とても面白い作品でした。

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2026年04月06日

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