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Posted by ブクログ
よく知られた少し前の作品であっても、偶々未読であれば、個人的には新作小説と変わりない感じになる。そういう訳で思い立って手にしてみた1冊だが、なかなかに面白かった。
多彩な作中人物が登場する感で、適宜視点人物を換えながら好いテンポで物語は進む。何かスタイリッシュな画で魅せるテレビドラマか何かの様な間の映像の様なモノが頭の中に浮かぶような感である。因みにこの作者、誉田哲也の小説は映像作品の原案になっている例も多いようだ。
誉田哲也作品については多く読んでいると思う。既読作品の中に、実は『ジウ』の系譜ということになっている作品が多々在った。その出発点の3部作の第1部を紐解いたということになるのだ。
適宜視点人物を換えながら進むが、主要な人物は3人である。冒頭部に登場する警視庁捜査1課の東弘樹警部補が在る。そして特殊犯捜査係第2班の女性、門倉美咲巡査と伊崎基子巡査である。全般的には門倉美咲の視線の部分と、伊崎基子の視線の部分とが交互に登場する。対照的というのか、全くタイプが違い、行動様式や考え方がことなる2人の様子が交錯するような中で事態が動いて行く様子に引き込まれる。
物語の冒頭、世田谷区内の小さな私鉄駅に東警部補が登場する。児童誘拐事件が発生し、身代金受渡ということになり、被害者が金を持って犯人側に呼ばれた場所に向かい、そこへ警察が踏み込んで犯人側関係者を捕えようとする訳である。が、携帯電話で指示を寄越して次々と場所を変える。被害者を見守るように様子を観る警察側は次々と人を繰り出して対応する。そういうことで色々と難しいのだが、東は次の指定場所ということになった私鉄駅へ向かった。やがて犯人側関係者からのメッセージを被害者は受取ることとなる。
その児童誘拐の一件から半年程経た或る日、警視庁本部の特殊犯捜査係第2班の執務室から物語が始まる。特殊犯捜査係とは、誘拐や人質立て籠もりというような、特殊とされる事案の現場に対応しようとする担当である。
この特殊犯捜査係の第2班に2人の若い女性警察官達が在る。門倉美咲巡査は、心優しき女性刑事で、特殊犯捜査係第2班の人気者であり、様々な役目を進んでこなすような感である。対して伊崎基子巡査は、高校時代にレスリングと柔道の双方で全国大会に出場ということで格闘技を得意としていて、機動隊勤務も経験していて、現場への強行突入というようなことになると力を発揮する。
その特殊犯捜査係の第2班が、事案の発生を受けて出動することになった。街で警察官が職務質問をしようとしたところ、相手の男が所持していた包丁で警察官に切掛かった。警察官は負傷してしまい、署に応援を要請した。男を追尾をしたところ、男は民家に入り込んだ。そしてその家に住んで居て、偶々居合わせた女性を人質に立て籠もってしまったというのだ。
事態の中、門倉美咲巡査と伊崎基子巡査も各々の配置で活動することになる。やがて取り押さえた立て籠もりの被疑者だが、別な事件の関係者である可能性が濃厚であると推測されることが判明した。
こういう中で門倉美咲巡査と伊崎基子巡査は各々異動することになった。門倉美咲は碑文谷署に異動し、半年前から未解決の事件の捜査に参加することとなり、それに取組んでいた東と出会う。伊崎基子は初めての女性隊員ということになるSATへの異動である。
各々の道を進む2人のヒロイン達だが、その行く手がまた交差する。
こういうような展開を存分に愉しんだという次第だ。そして“第2部”を即座に紐解き始めるということになったのだ。
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