作品一覧

ユーザーレビュー

  • 絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日

    Posted by ブクログ

    本書は、安倍晋三元首相銃撃事件の発生から一審判決に至るまでの軌跡を、読売新聞取材班の眼差しを通して追った圧巻のルポルタージュである。感情的な煽りや余計な穿ちを徹底して排除し、事実の積み上げと無駄のない削ぎ落とされた筆致で構成された紙面には、ジャーナリズムの矜持が力強く宿っている。

    本書を通読することで、日本社会を震撼させたあの日の凄惨な光景、被告が歩んできた苛烈な半生、そして法廷で明らかにされた被告人および関係者の肉声、そして判決の全貌を、客観的かつ深層から理解することができる。この未曾有の事件をいかに解釈し、社会としてどう位置づけるか。その問いに唯一絶対の「正解」は存在せず、最終的な判断は読者一人ひとりの良識に委ねられていると言えるだろう。

    しかし、本書の終幕において強く提示される「理由の如何を問わず、暴力による社会の変更の試みは断じて許されない」「暴力へと暴発する前に、社会に潜む歪みや構造的課題を白日の下に晒すことこそが報道機関の役割である」という主張には、深く同意させられた。報道の自由と民主主義を守るため、この困難な責務を果たそうとするメディアの「不断の努力」に対し、強い敬意とともに今後の姿勢を注視していきたいと切に願う。

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    2026年08月17日
  • 絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日

    Posted by ブクログ

    安倍元首相が撃たれた瞬間の事をよく覚えている。何をするでもなく、その日、何も手につかなくなった。何かとんでもない事が続くのでは、と怖くなった。
    暴力はいかなる事があっても容認されるべきではない。だが、何が山上を凶行に向かわせたのか。それを知らない事には次に起こるかもしれない事件を防げない──本書のそういった志に強く惹かれた。
    どこよりも安全なはずの日本で起きたテロ、その背景にある複雑怪奇な数々の事象と一人の男の孤独と絶望。デマが指先一本で放たれる世の中だからこそ、平和を考える事を忘れずにいたい。

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    2026年07月08日
  • 絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日

    Posted by ブクログ

    みんなにどう思っているか聞いてみたい。
    自分はこの境遇になったときに耐えられるのか。

    ただ単なる暴力に対する有罪にしてはいけないと思う。ここに至った背景をもっと解剖することが次の事件を生み出さないことにつながると。

    犯罪者心理は、何の議論もされずに悪!と認識されがちだけど、じゃあ自分が同じ立場になったときにこの心理には陥らないですか?と問いたい。

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    2026年06月02日
  • 絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日

    Posted by ブクログ

    自分自身が山上家ほどではないものの不安定な家庭で育ち、公立の進学高に進んだが周囲の友人たちはほとんどが安定した裕福な家庭で育っていて、勉強のことだけ考えていればいいのを羨ましく思うこともあった。家庭内の問題を人に相談したところで何の解決にもならないと思い、友人にも先生にも相談したことはほぼない。だから多少なりとも山上被告の心情は想像できる部分がある。
    暴力は許されないし、本来無関係の安倍元首相を標的にしたことも筋が通らない。だけど、その立場に置かれた人にしかその苦しみは理解できないよなぁ、という複雑な思いもある。
    家族というのはとにかく難しい。母親に暴力を振るう父を幼い頃から見続け、その父が自殺。本書の記述によれば母親は入信前からネグレクト気味だったようなので、元々変わったところのある人のように思える。母の狂信と、それによる母と祖父との不和、兄の病、兄による母への暴力と、兄の自殺。どれか一つでも大変な家庭の事情をこれだけ抱えていれば、それだけで生きることの難易度は大幅に上がる。自分さえ良ければいいと割り切って生きられればいいが、なかなかそうはいかないのが家族の難しさ。精神的にも経済的にも足を取られ続けながら生きなければならない。幼い頃から注がれるべき親からの愛を受けられなかったことで、人格形成にも影響を与えただろう。いくら努力しても上手くいかず虚しくなり、自分の人生に見切りをつけても不思議ではない。
    本書で被告の母は純粋、品がある、信じやすいと描写されていたが、私には何故ここまで身勝手に子どもの人生を踏み躙れるのか、愛情のなさ、邪悪なまでの無関心さが全く理解できなかった。
    結果的に宗教2世の問題が大きくクローズアップされることにはなったが、戦後最長の政権を担った首相経験者を失ったことは日本にとって巨大な損失となってしまった。その意味でも山上被告の行為は決して許されるものではないし、刑を減ずるべきだとも思わない。ただ、ここまでのことが起こるまで統一教会問題が一種のタブーになっていたことは、政治家、メディア、社会全体が反省し問い直してくべきではないか。似たような構造の問題は他にも数多く存在しているのではないだろうか。

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    2026年09月10日
  • 絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日

    Posted by ブクログ

    おもしろかったというのは、とても不謹慎なんだけども興味深く読んだ。
    裁判での妹さんの証言が全てなんだなと思った。
    ほぼ育児放棄で迷惑しかかけてないのに、娘が働くようになったら韓国に行くからお金を貸せと追い縋る母親のおぞましさに吐き気がした。
    長男もうーんという感じだし、山上被告があーなるのは、心情的にはわかる気がする。
    もう八方塞がりに感じて、どうにもならなかったんだろうな。とはいえ後半はちょっとひとが変わってしまい独りよがりな感じになってたけど、それだけ兄の自死がこたえたんだな。
    今のように相談窓口もなかっただろうし、自分が同じ立場だったらと思うと恐ろしい。
    彼のやったことは許されないし、もっと他に方法がとは思うけど判決は個人的にはちょっと厳しいなと思った。
    やったことは殺人だし当たり前なんだけど。
    宗教って怖い。狂信者って怖い。

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    2026年05月03日

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