PHP文芸文庫作品一覧

  • 星町の物語 奇妙で不思議な40の風景
    3.3
    星町はごく普通ののどかな町。でも、よく目をこらしてみると、不思議なことが起きている。この町には十六年間も地震がないし、前に何があったか思い出せない空き地がある。サラリーマンが謎の猛獣に襲われる事件は未解決のまま。そして猫はたくさんいるのに、犬の散歩をしている人は見かけない…? 可笑しくてほろ苦くて、ちょっぴり怖い、星新一氏を敬愛する著者が贈る珠玉のショートショート集。わずか数ページの物語に、果てしない驚きと、ほんのりした温かさが詰まってます。

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  • まいなす
    4.0
    タイムマシンもタイムトリップも使わず、過去を変える方法とは何か? ――那須舞は明るくしっかり者の十四歳。英語読みすると名前がMai Nasu=マイナスとなるのが密かな悩みだ。困っている人を見ると放っておけない舞は、不思議な伝説がある山で、倒れていた少年を助けるはめになる。だが「未来を見た」という少年が告げた予言をきっかけに、平穏な町に悪意に満ちた事件が連続する。予言は本当なのか? 不可思議な謎に果敢に立ち向かう舞の姿を描く、爽やかな青春ミステリー。

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  • 魔神航路 肩乗りテューポーンと英雄船
    3.4
    高校卒業後、半年ぶりに故郷で旧友たちと集まった信之だったが、ある事故によって突然、ギリシャ神話の世界に時空移動してしまう。しかも頭の中から、信之と融合したという「魔神」の奇妙な声が聞こえてきて……。仲間たちはどうなったのか、果たしてもとの世界に戻れるのか、そしてこの不思議な現象に隠された秘密とは? 神々と英雄たちが入り乱れる、奇想天外な新感覚冒険小説。

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  • 師匠!
    -
    小言、失敗(シクジリ)、荷物持ち。憧れ、惚れた師匠(ひと)だもの。ついていきます、どこまでも――。大学の講師を頼まれた女好きの師匠についていったキャンパスで、師匠が狙っていた女子大生から好意を寄せられて……(「講師混同」)。病(やまい)を抱える師匠のお供で雪国へ。高座の翌朝、師匠がいない!? 意外な場所で佇(たたず)む師匠が見つめていたものとは? (「すず女(め)の涙」)。師匠に振り回される若手噺家の悲哀を織り交ぜつつ、落語家の修業時代と、師弟の情を描いた短篇五席。

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  • わけあり円十郎江戸暦
    3.0
    「直心影流、橘円十郎、参る!」両親と死に別れ、叔母の嫁ぎ先である江戸・日本橋高砂町の口入れ屋に居候している円十郎は、直心影流の俊英と謳われたほどの腕を持ちながらも、気の合う二人の牢人仲間・馬淵と宇佐美とともに気ままな日々を送っていた。馬淵は六尺を超えるような巨漢で強力の主だが、剣の腕はからっきし。宇佐見は陰気な顔をした寡黙な男だが、馬庭念流の遣い手、手練である。ある日、日雇い仕事に出ていた三人は、その帰り道、円十郎の出自を問いただす謎の四人組の武士に襲われた。なにゆえ円十郎が狙われたのか!? 円十郎の身辺を嗅ぎまわる得体の知れない影の存在から、彼が“わけあり”であることが明らかになっていく。期せずして、ある藩の御家騒動に巻き込まれてしまう円十郎たちの行く手には……。夜陰を切り裂く刺客の斬撃、飛び散る青火――謎に包まれていた自らの素性をめぐって、円十郎の剣が冴えわたる!

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  • まりしてんぎん千代姫
    3.5
    筑前立花城の城督・ぎん千代姫が婿に迎えたのは、後の名将・立花宗茂。島津、大友、龍造寺――三つ巴の闘いが繰り広げられる九州で、大友を支える立花家も戦いに明け暮れる。ぎん千代自ら鉄炮隊を率いて闘うなか、父・道雪に続き、宗茂の実父・高橋紹運も命を落とし……。豊臣秀吉の天下、そして関ヶ原の戦いへ。時代の荒波に翻弄される夫を支えつつ、摩利支天の如く、凜々しく、ひたむきに生き、加藤清正にも一目置かれたぎん千代姫の生涯を活き活きと描いた力作長編。『利休にたずねよ』の山本兼一が遺した戦国小説のなかでは珍しく、女性が主人公。解説は作家の植松三十里氏。

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  • 東京ダンジョン
    3.6
    地下鉄、全線緊急停止!! 地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場は、そこで意外な人物を見かけるのだが……。東京の地下鉄や地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言する、テロリストたちの意外な正体と、その目的とは何か? 複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に繰り広げられる攻防。警察や的場たちは、果たして地下鉄を、そして東京を守れるのか。『TOKYO BLACKOUT』『迎撃せよ』『怪物』などが話題の、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のサスペンス。

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  • 禅のいろは(PHP文芸文庫)
    3.5
    「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」と、仏教的死生観をいろは47文字に凝縮した「いろは歌」。平安の昔に作られ、日本人が愛唱してきたこの歌が、ポルトガル伝来の「カルタ」と結びつき、諺の頭文字を「いろは」順に並べた「いろはカルタ」になった。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」……。年輩の方なら馴染み深いこれらの諺には、たんなる教訓を超えた仏教的な思想が看取できる。本書は、禅僧にして芥川賞作家である著者が、軽妙にして滋味深い筆致で、「いろはカルタ」のことわざをもとに禅的な生き方・考え方を説いている。かわいい挿画とともに、心癒されて明日への元気が出てくるヒントが満載。福島県三春町在住の著者は、いま原発問題を中心に未曾有の大震災と向き合い、多くの情報を発信している。本書ではひととき重い気持ちを忘れ、禅の自在の境地に身をゆだねたい。

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  • 人生相談は真夜中のバーで
    -
    「妻が新型インフルエンザ恐怖症になってしまって困っています」「貸したお金を返してもらえず困っています」「キャバクラのコとつきあいたいんです」「ネットでデマを流され、迷惑しています」「妻が子供を産んでから、すっかり太ってしまいました」「カレシがいるのに他にも気になる男の人ができてしまいました」「子供が何を考えているのかさっぱり判りません」――モーさんは小さなショットバーのバーテンダーで、客からの相談に乗ることも多い。しかし悩みを解決するためのアドバイスが次々とおかしな波紋を巻き起こし、ついにはまさかまさかの秘密が露わになって……。ちょっぴり苦い読後感が癖になる連作ユーモアミステリー。『人生相談始めました』を改題。

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  • 天保百花塾
    -
    江戸の町方同心を退き、寺子屋『百花塾』の手習師匠として八王子宿にやってきた大窪伝次郎。かれを待っていたのは、様々な事情を抱えた個性豊かな子供たちだった。親分肌で家族を養うために手段を選ばない龍馬、千人同心の父親に反発する総司、母親が江戸に駆け落ちした小五郎……。次々と起こる難題に、伝次郎は師として、一人の人間として子供たちと向き合っていく。師弟の情愛に胸が熱くなる連作時代小説。

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  • レアケース
    3.3
    2014年、石塚英彦主演で、「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)ドラマ化! 今、何かと話題の「生活保護制度」の矛盾を突く問題作! 生活保護者を担当するケースワーカーとして、大津市役所に勤める石坂壮馬。彼は、生活保護をもらうだけでいっこうに自立しようとしない者や、仮病などで保護費を詐取しようとする者、そして被保護者を食い物にする「貧困ビジネス」の存在に、生活保護制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、大津市内では、あくどく稼いでいると評判の者から盗みを働き、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題になっていた。――ねずみ小僧に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺される事件が起こり……。殺人事件の意外な真相とは? そしてねずみ小僧の意外な正体とは? 「横溝正史ミステリ大賞」受賞でデビューした社会派の気鋭が格差社会の闇に迫る、二転三転する衝撃のミステリ。

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  • 倒立する塔の殺人
    3.8
    少女を殺したのは、物語に秘められた毒――戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。

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  • 孫子伝
    -
    世界に名だたる兵法書といわれる『孫子』。戦国武将・武田信玄から現代の経営者・孫正義に至るまで、孫子の教えに傾倒する人物は数多い。本書は、この不朽の名作『孫子』を著した人間・孫子が孫武であるという説に立ち、その生涯を活き活きと描き出した一代記。変人・奇人といわれてもおかしくない意外性に満ちた人間像に驚愕! 中国の歴史を手玉に取る腕前、大胆な歴史推理を存分に愉しめる一冊。

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  • 手の中の天秤
    4.0
    執行猶予期間が終わった時、加害者の生活態度や反省状況をチェックして、刑務所に入れるかどうかを被害者や遺族自身が決めることができたとしたら? それを実現する「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が施行された社会。新人担当係官の井川は、加害者の反省状況を伝えることで、被害者の痛みや遺族の喪失感を少しでも和らげることができればと考えていたのだが……。加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。

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  • 幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖
    3.0
    時は天保年間の江戸・神田白壁町。おでん屋を営む主人公のこはるは、気になることがあると、首をつっこまずにはいられない性分である。ひょんなことから近所に住む夫婦喧嘩の仲裁をしていたところ、奇妙な事件に巻き込まれてしまうこはる。不思議なことに、借金を返したのは、すでに死んでいた女だというのである。そんなことがあり得るのか? 断片的な材料から、こはるが導き出した謎の答えとは――。表題作のほか、できすぎた女の失踪に隠された真実をあぶりだす「神隠し」、放火未遂に対する証言の違いの謎を解く「嘘吐き弥次郎」など四編を収録。定町廻り同心もお手上げの怪事件の数々に、こはるが挑む“人情&ミステリー”時代小説。

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  • 谷根千少女探偵団 乙女稲荷と怪人青髭
    -
    谷根千中学に通う桜つぼみは、谷中墓地で青髭の男に襲われていたところを、女子高生探偵・花丸リンネに助けられる。それをきっかけに二人は<地獄変>を思わせる、連続少女誘拐事件に挑むことになるのだが、古書カフェ店員のヤエや転校生のローズ、さらに芥川龍之介の幽霊? が絡み……。根津神社、団子坂、夕焼けだんだんなど、情緒溢れる町で起こる事件を少女たちは解決できるか!? 『花丸リンネの推理』を改題。

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  • 鶴川日記
    3.8
    「農村の生活は、何もかも珍しく、どこから手をつけていいか、はじめのうちは見当もつかなかった」――。本書は、名随筆家・当代一の目利きとして今なお多くのファンを持つ著者が、30年余り前に綴った知性と感性が光る珠玉の随筆集の復刻版である。第二次世界大戦が始まると同時に移った往時の町田市鶴川に今も残る藁葺き屋根の農家「武相荘」。そこでの幸福な日々やそこを訪れる人々との交流を描いた「鶴川日記」。山の手育ちの著者が、永田町・麹町・赤坂・麻布など憶い出に残る坂を再訪し、その場所にまつわるエピソードや現在の姿を綴った「東京の坂道」。長い人生の中で出逢った梅原龍三郎・熊谷守一・芹沢けい介・荒川豊蔵ら文化人との心に残るエピソードや、祖父母など肉親と過ごした日々をまとめた「心に残る人々」の3篇を収録する。何気ない日常に温かな目を向け、人々との交流や毎日を丁寧に生きることの大切さ、本物の豊かさとは何かを思い出させてくれる一冊。

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  • シャレのち曇り
    4.5
    立川談志、落語協会脱会! 立川流旗揚げ!? ――すべては談四楼から始まった。落語家になるため弟子入り志願した若者(のちの談四楼)に、憧れの立川談志が告げたのは「やめとけ」の一言だった。――なんとか入門を許されるも、「俺と仕事とどっちが大事だ!」と無理難題に振り回される談四楼。恋に悩み、売れないことに焦燥し、好敵手と切磋琢磨する中で、ついに真打昇進試験が……。しかしそれは、落語界を震撼させる一大事件の始まりに過ぎなかった。破天荒で理不尽。不世出の落語家・立川談志に多くの人が魅せられた理由とは。談志に「小説はお前に任せる」と言わしめた著者が、師弟の情を、笑いと涙で描く傑作小説。

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  • 明日、世界が終わるとしても
    4.0
    それは新たな悲劇か。それとも、悲劇を乗り越えた希望か。一九九九の年、七の月、空から恐怖の大王が降ってくるだろう――ノストラダムスの予言を知った四人の高校生は「死」を思い、残された期限をどう生きるかを考える。その記憶は、大人になった彼らの人生に意外な影響を与えていくのだった。夢に挑む史生、意外な職につく恵津子。時代の荒波に揉まれながらも「生きること」に真摯に向き合う彼らの姿を描く、胸を揺さぶる物語。『虹とノストラダムス』を改題。

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  • 妖恋
    3.6
    男と女が落ちたのは、甘美な恋か、底知れぬ闇か。江戸の恋は、こんなにも妖しく、こんなにも切ない。年下の火消し鳶との祝言をひかえた女が、火事の夜に知ってしまった男の秘密に、自らの暗い深淵を覗き込む「心中薄雪桜」。「血の臭いをかぐと螢は死ぬよ……」。姉の家に男を誘う少女の闇を描く「螢沢」。菊作りに精を出す隠居した男が月夜に出会った、娘姿の人形を操る不思議な少年に魅せられてゆく「十六夜鏡」。変化朝顔に魅入られた男女の虚ろで残酷な恋の末路を、無垢な少女が見つめる「濡れ千鳥」。『開かせていただき光栄です』『少年十字軍』などで話題の著者が、江戸の四季の風物に彩られた七つの恋のかたちを描く。大人のための、そして大人の世界を垣間見たい人のための珠玉の短編集。

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  • てれすこ 大江戸妖怪事典
    -
    時は江戸、蘭方医の卵・栗木菊之助と、その幼馴染でこの世ならぬ存在が見える美江は、博覧強記だが正体不明の稲毛外羅先生の下で、『大江戸妖怪事典』の完成を目指すことに。妖怪が関わる不思議な事件を、二人は霊獣「お咲」とともに解決しながら、その妖怪を“収集”していく。ところが、菊之助と美江の行く手に、いかにも怪しげな男女が現われて邪魔をしはじめる。彼らの目的は何なのか。そして、その背後にいるのは……!?

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  • ひゅうどろ 大江戸妖怪事典
    -
    「めざすは、『大江戸妖怪事典』の完成!」蘭方医の卵で切れ長の目が涼しい栗木菊之助と、その幼馴染でこの世ならぬ存在が霊視(みえ)る美江の二人は、正体不明ながら日本一の妖怪学者・稲毛外羅の下、霊獣「お咲」とともに妖怪収集のために江戸中を奔走。たとえ町を騒がす悪い妖怪が現われても、これまでに事典へ収録した妖怪をお札から呼び出し、戦わせることができるのだ。しかし、そんな彼らの行く手を阻む怪しげな三人組が……。「大江戸妖怪事典」シリーズ第二弾!

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  • 竜の雨降る探偵社
    3.8
    昭和の新宿。「雨の日だけ営業」と噂される、元神主・水上櫂の探偵社をめぐる物語――。幼馴染の慎吾が「近ごろ、会社に間違って届く郵便物が多くて、受付の女性が困っている」と櫂に相談した数日後、その女性は失踪して……(表題作)。◎友の死を悼みつづける女の真意を見抜く「沈澄池のほとり」。◎破格の待遇で募集されたカメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など、四作品を収録した連作短篇推理小説。

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  • 跪き、道の声を聞け(PHP文芸文庫)
    4.0
    すべては、一人の男が失踪したことから始まった。――関東の裏社会を二分する十四会の会長・今切の足取りが外出先で途絶えた。若頭補佐の君島から捜索の依頼を受けた裏社会専門の探偵・時園は、今切の行方を追う。会長・今切の失踪で得をするのは誰か。関係者らを洗う時園に「今切のものと思われる小指が十四会に届いた」との一報が入った。――男たちの矜持と憎悪、そして哀しき過去が激しく交錯する長編小説。

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  • いしゃ先生
    4.1
    「頼む、三年間だけお前の人生を私にくれ」――昭和10年、村長である父に懇願され、24歳で故郷の無医村の医師となった志田周子。しかし女性や近代医療に対する偏見は根強く、村人からは拒絶されてしまう。雪深き冬、襲いくる戦火、そして東京にいる想い人との恋――過酷な運命にも負けず、僻地医療の先駆けとなった実在の女医を描いた、涙と感動の長編小説。映画「いしゃ先生」の原作本。

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  • ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル
    3.8
    遊園地に残されたカメラ、撮影現場から失踪した斬られ役、喫茶コーナーで倒れた記憶喪失の男――わずかな手がかりから人生の謎を解き明かし、ねじれた過去を修復するのが、思い出探偵社の仕事。京都府警の刑事だった実相浩二郎、元看護士の一ノ瀬由美、かつて両親を惨殺されたため心に傷を抱える橘佳菜子に、新メンバーを加えた探偵社の面々が繰り広げるハートフル・ミステリ。シリーズ第二弾。

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  • 思い出探偵
    4.0
    人生は「思い出」の積み重ねでしかありえない。良きにつけ悪しきにつけ、そのひとが生きてきた証なのだ――。小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……、そうした小さな手がかりから、依頼人の思い出に寄り添うようにして、人や物を捜し出していく“思い出探偵”。京都御所を臨む地で「思い出探偵社」を始めた元刑事の実相浩二郎は、探偵社のメンバーである元看護師の一ノ瀬由美、時代劇俳優をめざす本郷雄高、十年前に両親を惨殺されて心に傷を負った橘佳菜子と共に思い出と格闘し、依頼人の人生の謎を解き明かす。「思い出」は心を豊かにすれば、苦しめもする――乱歩賞作家が紡ぎ出す、せつなさと懐かしさが溢れるミステリー。

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  • 我、六道を懼れず[立志篇](上) 真田昌幸連戦記
    4.0
    のちに「稀代の謀将」「表裏比興の者」と呼ばれる武将の、若き日の純粋で清冽な姿とは。――真田幸隆の三男として生まれ、わずか七歳で武田家の人質となった源五郎(真田昌幸)。彼はその才を武田晴信(信玄)に見出され、その弟・信繁からも目を掛けられるようになっていた。しかし初陣となる川中島の合戦は、昌幸の想像を遥かに超える壮絶なものであった……。昌幸の生涯を渾身の筆致で描く感動の歴史巨編。

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  • 結城屋質店の鑑定簿 あなたの謎、預かります
    3.8
    江戸時代から続く質屋・結城屋で祖母と二人暮らしの円は、美術学部に通う少しおせっかいな女子大生。結城屋の女性には代々不思議な力があり、円にも物に刻まれた記憶(メモリー)を感じることができる能力があった。ある日、質草のネックレスから不穏な記憶を感じ取った円は、持ち主の女性の家へ駆けつけるが……。「記憶」をヒントに事件の真相を解き明かす、感動の連作ミステリー。『てのひらの記憶』を改題。

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  • ライジング・ロード
    5.0
    大手電機メーカーをある事情で退職したエンジニア・野口陽子は、存続が危ぶまれる東北の三流大学に非常勤講師として招かれた。彼女に課せられた使命は「ソーラーカー」を作り、レースに出て大学の知名度を上げること。しかし集まった学生は落ちこぼればかりで資金も技術も足りない。一流大学や大企業チームとの圧倒的実力差、そして震災……。あらゆる逆境を跳ね返すべく、彼女たちの挑戦が始まった。

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  • 桜小僧
    3.0
    青春? そんなもん、真っ只中の人間にわかるかよ! 佑太、康世、義信の三人は都内の私立高校に通う高校生。教科書なんて開かない。「道(ストリート)」で見つけた答えのほうが、与えられた答えより太く強いからだ。時に拳も合わせる“桜小僧(チェリー・ボーイ)”たちのハチャメチャな日々に呆れ、笑いながらも、恋や友情に身体を張ってぶつかる真っ直ぐな生き方に、思わず心が熱くなる青春小説の快作。

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  • 俺、リフレ
    3.5
    「俺(=冷蔵庫)は、彼らを救いたい!」――製造過程で意識を持ってしまったスウェーデン製の冷蔵庫が、夫が作家で、妻がイラストレーターの家に設置された。ある日、夫の甥(おい)で天才ヴァイオリニストの少年を預かることになったが、そのせいで家庭が崩壊の危機に……。動くこともできないし、語りかけることもできない冷蔵庫(リフレ)の“決断”とは? 冷蔵庫が語る究極の「家族愛と才能」の話。大藪春彦賞受賞の異才が放つ感動作。

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  • オチケン探偵の事件簿
    4.0
    高座に上がった先輩が、突然演目を差し替えた理由とは? 水泳部と水球部の抗争になぜかオチケン(落語研究会)が関わることに? 大学入学早々、落語にまったく興味がないのに、廃部寸前のオチケンに入部させられた越智健一。風変わりな先輩二人に振り回され、次々起こる事件に巻き込まれ、必修科目の出席も夏休みの宿題もままならない彼の運命やいかに! 落語の魅力とユーモアが満載の連作ミステリー。 解説:桂竹丸。

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  • 軒猿の月
    3.8
    上杉謙信の忍び、軒猿に下されたある密命とは――「飛び加藤」こと加藤段三と軒猿の凄絶な戦いを描いた表題作を始め、上杉家家臣・神余小次郎親綱の心の底に迫る『人魚の海』。信長暗殺をたくらむ忍びの悲劇『夜光木』。秀吉の国家統治政策に従事する男が出会う恐怖『家紋狩り』。剣豪・塚原卜伝と謎の刀術使いの戦い『卜伝花斬り』など、歴史小説の旗手が描く、著者の魅力が濃縮された九篇。

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  • アー・ユー・テディ?
    3.5
    1~4巻599~630円 (税込)
    「ほっこり」を愛する和子は、お気に入りの雑貨を並べたカフェを開くのが夢。代官山のフリマでひと目惚れしたクマのあみぐるみを買って帰ると、なんとクマには殉職した刑事の魂が宿っていた! 事件の捜査中、崖(がけ)から落ちて死んだのだという。かわいいあみぐるみからオヤジ刑事(デカ)の魂を追い出すため、和子は、いやいや真相究明に乗り出す! 珍妙なコンビが軽快なテンポでお届けする爽快エンタテインメント、第一弾!

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  • 午前0時のラジオ局
    3.9
    1~3巻660~679円 (税込)
    地方局の新米アナウンサー・鴨川優は、テレビからラジオに異動となり、憂鬱な気分を抱えていた。妙に陽気なディレクターの蓮池陽一から、午前0時に始まる新番組の司会に抜擢されるが、その準備中のある夜、突然の豪雨で孤立した村に災害情報を流すと大役を担うことに。さらには陽一のとんでもない秘密が発覚し……。ラジオ局で働く人々の奮闘を現役アナウンサーが描く、少し不思議で心温まる物語。

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  • 歴史バトラーつばさ 私立ヒミコ女学園「和風文化研究会」
    3.7
    負けたら、即、廃部よ、廃部!私立ヒミコ女学園では、日本文化を研究する“和風文化研究会(和風研)”と“スタディ・オブ・ジャパン(SOJ)”の二つの部が鎬(しのぎ)を削っていた。「学園に同じ活動内容の部は、二つもいらぬ」と、部の存続がかかった、学園内の伝統ある歴史討論にSOJは「刺客」を送りこみ、和風研を潰しにかかる。そこに歴史知識ゼロの新入生、北浦つばさが和風研に現われ――。利休切腹の真相、芭蕉の旅の目的、歌舞伎の創始者の正体……日本史の謎はで解ける!? 女子高生たちの熱きバトルから飛び出す歴史の“真説”とは?『邪馬台国はどこですか?』の著者による学園歴史ミステリー。

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  • リバース
    4.3
    プロをめざしているバンドマン・柏原省吾はある日、恋人の上野美月から別れ話を切り出された。省吾の幼馴染である桂木妙子の交際相手のエリート医師・篠塚と付き合うというのだ。その直後、省吾は不思議な能力があるといわれている少女・野原すみれとともに、篠塚が美月を殺しかけている光景を幻視する。嫉妬ゆえの妄想か、それとも……。 省吾は美月を守り、彼女との幸せを取り戻せそうとするのだが――読後感さわやかな、二転三転の長篇ミステリ。「2010本格ミステリ・ベスト10」ランクイン作品!

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  • 嘘(PHP文芸文庫)
    4.3
    あの夏、私たちは「家族」だった――。息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年、父・孝蔵とは絶縁状態にあったが、認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。父との葛藤と息子の死に対する自責の念にとらわれる千紗子は、事故によって記憶を失った少年の身体に虐待の跡を見つけ、自分の子供として育てることを決意する。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は、幸せなひとときを過ごす。しかし、徐々に破局の足音が近づいてきて……。切なさが弾ける衝撃の結末――気鋭のミステリ作家が描く、感動の家族小説。

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  • 消えた大関
    -
    外国人大関・荒把米は、独自の稽古で鍛え上げた強靭な身体で、土俵上に旋風を巻き起こしていた。ところが横綱昇進が確実視される中、格下相手にまさかの連敗。先場所からの不可解な取組結果に、支度部屋が関係することに気づいた大関は、本場所中にもかかわらず失踪する。やがてマスコミの前に現れた大関は“事実”を明らかにするが、何者かに狙撃され――。角界の闇に迫る衝撃のミステリ。

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  • 夜明け前と彼女は知らない
    3.0
    三十歳を前に、このままでいいのだろうか――。仕事に不満があるわけではないが、漫然と毎日を過ごす真帆。職場を見渡せば、“いい大人”なのに、自称・できる美人や勘違いモテ男、BL好きの人妻といった、言動が伴わない子どもな人ばかり。そんな彼らをやり玉に挙げて楽しむ同僚に、抵抗を感じながらも同調してしまう自分。真帆の胸の奥に生まれた小さな疑問はやがて……。

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  • あなたに贈る×(キス)
    3.8
    閉ざされた学園を震撼させる一人の美少女の死。先輩、教えてください。あなたがここにいないのは人を愛したせい? それとも誰かに殺されてしまったの?感染から数週間で確実に死に至る病。そのウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。かつては愛情を示すとされたその行為は、国際的に禁じられ、封印されている。しかし、ある全寮制の学園で一人の女生徒が亡くなり、「彼女の死は、“あの病”によるものらしい」と不穏な噂が駆け巡った。真相を探る後輩の美詩が辿り着いた、あまりに甘く残酷な事実とは。鮮烈な印象を残す青春ミステリー。

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  • 四色の藍
    3.7
    仇討ちに挑む四人の女。それぞれの愛憎の行方は……。藍染めを手がける紺屋の女将・紫屋環は、三ヶ月前に亭主が殺された事件の真相を知るべく、大店の東雲屋を探っていた。東雲屋の亭主・三左衛門が事件に関わっていると環は確信するが、確証が得られない。そこで環は、同じく東雲屋ゆかりの者に恨みを持つ女たちと出会い、四人で協力して東雲屋に挑むことに。しかし、四人それぞれの愛憎や思惑、環に惚れる同心、藍の産地である阿波藩のお家事情なども絡み、事件は意外な展開を見せていく……。「一切の始末は、やはり私の手でつけるのが筋でございましょう」と最後に覚悟を固める環。果たして環の仇討ちは成就するのか。そして明かされる驚きの真相とは。『金春屋ゴメス』『善人長屋』などで話題の、気鋭の著者が描く、楽しくも切ない時代エンタテインメント小説。

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  • 火螢の城
    4.0
    戦国一臆病と呼ばれた男と、戦国一勇猛と呼ばれた男の戦いが始まる!慶長五年、徳川家康と石田三成が最も味方にしたい男がいた。京極高次――妻と妹の「尻の力」によって出世したことから“ほたる大名”と揶揄される武将である。この優柔不断な男が流されるまま、戦国一勇猛とされる立花宗茂を迎え撃つ羽目に。十倍以上の敵を相手に高次は「敗けない」戦をどう挑んだのか……。関ヶ原の戦いの趨勢を左右した大津城の攻防を迫力に満ちた筆致で描く歴史長編。

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  • 未来記の番人
    3.0
    天下を揺るがす書として封印されてきた、聖徳太子の予言の書『未来記』。その書が納められている大坂の古刹・四天王寺には、“番人”がいた。将軍・家光の影で暗躍する怪僧・天海から、幻の書を奪取せよとの密命を帯びた“千里眼”の異能を持つ忍び・千里丸は、不思議な能力を持つ少女と出逢い、自分の生き方に疑問を持ち始める。秘宝をめぐる、異能者たちに公儀隠密、南蛮絞りの秘術を操る豪商も絡んだ壮絶な闘い。そして、『未来記』の正体とは? 戦国の余燼さめやらぬ寛永年間の大坂を舞台に、恋あり、涙あり、固い絆で結ばれた友情あり、裏切りありの痛快時代エンタテイメント!

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  • 霖雨
    3.6
    天領の豊後日田で、私塾・咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。

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  • 相棒
    3.9
    時は幕末、京の都――。大政奉還を目前に控え、徳川慶喜暗殺未遂事件が起こった。幕閣から犯人探索の密命を受けたのは、坂本龍馬と新選組副長の土方歳三。しかし二人に与えられた時間は、わずか二日間だった。いがみ合い、衝突しながら捜査を続ける二人が最後に行きついた人物とは?そして龍馬暗殺の真相を知った土方は?幕末維新のオールキャストでおくる、傑作エンタテインメント長篇小説。

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  • ちあき電脳探偵社
    3.2
    桜町小学校に転校してきた鷹坂ちあきは、サラサラ髪にえくぼがかわいい女の子。でも、不思議な事件に遭遇すると大変身! 鋭い推理力とアクティブさで謎に挑んでいく。学校の前の桜の花が一夜にして消えた謎に迫る「桜並木とUFO事件」。あかずの倉庫に出没する幽霊の正体を暴く「幽霊教室の怪人事件」ほか、2010年1月に急逝したミステリーの名手が遺していた、謎解きの魅力に満ちた連作推理短編集。

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  • 花ならば花咲かん 会津藩家老・田中玄宰
    4.0
    2013年、会津は大河ドラマ「八重の桜」の影響で、大いに観光客で賑わった。藩祖・保科正之以来の「家訓」を遵守し、壮絶な鶴ヶ城籠城戦に散る悲劇の藩。だが、その精神的・経済的基盤の背景には、江戸中期に「中興の名家老」といわれた改革者の存在があった。田中三郎兵衛玄宰(げんざい)である。おりしも天明の大飢饉も重なり、借金が膨らんで人心が荒廃した会津藩を、五代藩主・松平容頌(かたのぶ)の厚い信頼のもと、殖産興業・藩風刷新の妙手を次々に断行していく。殖産興業においては徹底した実態調査をふまえ、焼物産業、漆器産業、清酒の開発、朝鮮人参栽培などを、会津の土地柄に合った形で導入する。藩風刷新においては、藩校・日新館を創設し、「日新館童子訓」を藩士全戸に配布するなど、あくまで藩祖の訓えへの原点回帰を徹底した。危機に立つ改革者のあるべき姿を渾身の筆で描ききった長編歴史小説。

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  • 賢者の贈り物
    3.5
    Why? Why? Why?「思考の迷路」を脱出せよ!『月の扉』『扉は閉ざされたまま』の著者による新たな試みとたくらみ。女の子たちと家でパーティー。翌朝、僕のサンダルが消え、女性物の靴が一足。誰かが、酔っ払って間違えたようだ。でも誰も申し出てこない。なぜ?(「ガラスの靴」) 素性をなかなか明かしてくれない僕の彼女。なぜ?(「泡となって消える前に」) フイルムカメラからデジタルカメラに替えた私。しかし妻からカメラのフイルムが贈られて……。なぜ?(「賢者の贈り物」)など。あなたを思考の迷路へといざなう10の物語。

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  • 白虹
    4.0
    警察官時代に起きた悲劇的な事件の記憶から逃れるかのように、毎年夏の間だけ山小屋でアルバイトをする五木健司。「辞職しなければ、いい刑事になった」と惜しまれる五木はある時、名頃という男を救助したことから、殺人事件に巻き込まれてしまう。名頃が恋人・裕恵を殺し、自分も死んでしまったというのだ。事件現場となった群馬県・長沢山を訪れ、そのまま山小屋へと入ることでその事件を忘れようとした五木の元に、裕恵の手帳と、裕恵の父からの「すまなかった」というメッセージが届けられる。1週間の約束で山を下り、東京へと戻った五木は、1枚の山の写真を手掛かりに、5年前に起きた事件へとたどり着くが……。複数の事件が絡み合い、幾重にも張り巡らされた罠に気づき、事件の真相へとたどり着いた後に、五木が見たものは……。拭い去れない過去にとらわれ続けてきた五木に、救いはあるのか――。本格ミステリの名手による、傑作山岳ミステリ!

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  • 「泣き虫同心」事件帖
    -
    「あれえ旦那、また泣いておいでなンですかい」外回りの同心と違い、地味な物書き同心である小田桐左近は、涙もろくて女子が苦手で、ぼやいてばかりの二十六歳。家来の八助やお常婆さんからも、いつも呆れられている。ある日、橋の下に隠れていた男の子を家へ連れ帰ったのだが、話を聞くと悪党の手を逃れてきたという。しかも母親はまだ悪党に掴まっているらしい。放ってはおけない左近は……。江戸のヘタレ男子が、八丁堀をゆく!

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  • 吾輩も猫である
    3.0
    吾輩も猫である。名前は小次郎という――夏目漱石の『吾輩は猫である』から百年、同書をこよなく愛する著者が、愛猫四匹と暮らす日常を主人公の小次郎の視点から描いた長篇小説。日常雑感のような体裁をとりながら、古今東西の名作についての考察や現代文明批評まで、その話題は幅広く、深い。主人である元新聞記者とはむろん著者がモデルだが、その知的生活の一端がうかがえる教養小説の趣もある。小次郎の名前は、主人の愛読書『宮本武蔵』の佐々木小次郎から命名されたもの。武蔵・伊織・大和ら他三匹の猫と暮らす小次郎は、主人やその家人、個性豊かな訪問客の面々の会話や特徴を、ウイットに富んだ眼で観察し、ユーモラスに語る。肩の凝らない読み物として、また猫好きの人には猫たちの愛らしい挙措とややシニカルな語り口が、楽しい作品に仕上がっている。かわいい猫の挿画との相性も絶妙。ふだん小説は読まないという人にも、ぜひおすすめしたい好著。

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  • しょーとほーぷ
    3.0
    お父さんが戻らないのは、凛のことを嫌いになったから?母と暮らす小学4年生の凛は、塾に行く前のファストフード店で、お金に困っているらしい三人組の男たちの話を耳にする。父が自分を愛しているなら、身代金を払ってくれると考えた凛は、「私を誘拐しませんか?」と彼らに切り出した――。とまどう男たちの隙を衝いて、凛が彼らの車に乗り込んだから、さあ大変!!注目の新鋭が描く、おかしくもせつない“短い希望”の物語。

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  • ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)
    4.0
    おそらく、これが父の最後の映画。きっと家族で過ごす、最後の時間。俳優たちの台詞は演技か、真実か。――日本映画界を支えてきた名優・笠松市朗は、ろくでなしだった。そのせいで、家族は崩壊した。その笠松の最後の撮影がはじまった。共演者は別れた妻と息子、後妻の息子と彼の恋人、みな、かつて笠松が愛した家族だった。ひとつ屋根の下、それぞれが役者としての矜持を胸に秘め、父でもある笠松とカメラの前に立つ。彼らは「家族を演じる」ことで、再び家族に戻れるのか。虚と実の交錯する物語の幕が開く。連続TVドラマ「東京バンドワゴン―下町大家族物語」の原作者が描く、もうひとつの家族小説。解説:西山繭子。

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  • Dr.ルナの不思議なカルテ
    3.5
    あがり症、重圧(プレッシャー)に弱い、優柔不断……と、誰しも治したい性格の一つや二つはあるもの。当院は、そんなあなたのメンタルの弱い部分、治したい心の癖を治療いたします。ルナ先生のワクチンの効果は絶大ですのよ。えっ!? なら患者が長蛇の列を成すんじゃないかって? そうよねぇ。でも先生のワクチン、確かに効くには効くんだけど……。カランコロン♪ あら、患者さんかしら、失礼しますね。クスリと笑えるちょっぴりビターな連作短篇集。

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  • 海の翼 エルトゥールル号の奇蹟
    4.2
    「エルトゥールル号の恩返しですよ」――イラン・イラク戦争の最中の昭和六十年、フセイン大統領が、四十八時間以後のイラン領空の航空機無差別攻撃を宣告。日本政府が救援機を出せない中、イランに取り残された二百人以上の日本人救出に動いた国があった……。そのトルコ政府の英断の裏に秘められた、明治二十三年の「エルトゥールル号遭難事件」とは。百年の時空を超えた日本とトルコの友情を描く感動の歴史長編。

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  • とまどい関ヶ原
    4.0
    「あれは内応しておるのではないか」裏切りと内通の噂が飛び交い、大坂方か徳川方か、どちらが勝つか最後までわからなかった関ヶ原合戦。天下分け目のこの戦いは、人生の分かれ目。栄達か、しからずんば死か……。でも実際は、誰もがとまどい、迷っていた。敵中突破しての大坂行き。でも同行者がヘンだ!(「大根を売る武者」)。両軍にいい顔をわが城が東西の境目に(「日本一幸運な城の話」)。手勢わずか六百。なのに勝敗の鍵を握らされた(「草の靡き」)。毛利家の野望と、安国寺恵瓊の野望は相性が悪い?(「百尺竿頭に立つ」)舞台裏で勝敗の帰趨を左右した武将から、脇役を演じた小身の武士まで、野心と謀略が渦巻く関ヶ原合戦に振り回された男たちを温かく(?)描く傑作小説。

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  • あるじは家康
    3.0
    徳川家康は名君? それとも迷君??戦国時代、最高の結束力を誇ったといわれる「三河武士団」。けれど、家康も、家臣たちも、胸の内にはいろんなことが渦巻いていた――。石川数正、大久保忠隣、蜂屋半之丞、奥平九八郎(貞昌)、松平家忠、ウイリアム・アダムスといった有名無名の家臣たちを主人公に、組織に生きる男たちの“ホンネ”と“タテマエ”を描きながら、彼らの目を通すことで家康の意外な素顔を浮き彫りにしていく。『あるじは信長』『あるじは秀吉』に続く「あるじシリーズ」第3弾。

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  • あるじは秀吉
    -
    秀吉は本当に“人たらし”だったのか!?豊臣秀吉が一介の草履取りから、天下人へと駆け上がることができたのは、その人間的な魅力が大きいとされる。しかし、出世しすぎるあるじの下、右往左往した家臣たちがいた……。加藤虎之助(清正)、蜂須賀小六、小西行長といった著名人から、坪内喜太郎、御子田半左衛門など、あまり知られていない侍まで。家臣の視点で描くことで、これまでにない秀吉像が浮かび上がる。『あるじは信長』につづく「あるじシリーズ」第2弾。

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  • 広瀬武夫 旅順に散った「海のサムライ」
    4.4
    秋山好古・真之兄弟、正岡子規ら志ある若者たちが「明日の日本」に思いを馳せた明治時代。その青春群像の中で、ひときわ高い人気を誇るのが海軍中佐・広瀬武夫だ。日露対立という戦局の波に翻弄されたペテルブルクの恋、日本で初めて「軍神」として神格化されることになった日露戦争・旅順口閉塞作戦での壮絶な最期……。人々を魅了してやまない「海のサムライ」の鮮烈な生涯を活写した力作評伝小説!

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  • ベースライン
    3.5
    都内の高校に転校してきた沢岸亮(さわぎし・りょう)。さっそく野球部への入部を希望するが、野球部は「ある事件」を機に部員の多くが退部していた。残った三人の部員たちと部の再建を図る亮。彼らの野球への純粋な気持ちと情熱は、去っていった部員や周囲の人間たちの心を動かしていくが……。ともに笑い、泣いた「あの時間」。一所懸命に打ちこんだ時間は、遠ざかるほどに、光り輝いていく。好きなものに対する真摯な姿勢が爽やかな感動を呼ぶ青春小説。

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  • ウイスキー・ボーイ
    3.6
    ライバル商品の台頭、口だけの上司、社内政治に長(た)けた同僚、みんなまとめてかかってこい!支店から本社の宣伝部に復帰した上杉。ウイスキーの売上は低迷し、会社が打ち出す販売戦略も迷走つづき。そんなとき、上杉の前に現れたのは、伝説のブレンダーだった。彼との出会いで会社のウソを知った上杉は、巨象相手の大勝負に出る!『ビア・ボーイ』につづく痛快で、爽快なエンターテインメント。

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  • あるじは信長
    3.7
    上様、そんな理不尽な――織田信長は、出自にかかわらず、力ある者を抜擢したことで、天下人へと駆け上がった。しかし、その裏では、成果至上主義にとまどい、翻弄された家臣たちが……。兄か、あるじ信長かを選ぶ破目に陥って悩む佐々内蔵助、合戦ではなく筆で身をたてようと決意する楠木長諳、信長の成功を真似て無謀な策に打って出る別喜右近など、あるじに振り回されつつも懸命に生きる男たちを、彼らの目線で描く。

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  • 我、弁明せず
    4.2
    明治・大正・昭和と、三井財閥のトップとして、日銀総裁として、大蔵兼商工大臣として、怒濤の人生を走り抜けた池田成彬――。しかし、日本の財界をリードしつづけたその業績と較べると、彼の名前はあまりにも知られていない。金融恐慌、2・26事件、そして太平洋戦争と、逆風吹き荒れるなか、世間の悪評を物ともせずに突き進み、歴史の荒波に消えていった池田成彬の人生に光を当てた長編小説。

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  • 成り上がり 金融王・安田善次郎
    -
    ハダカ一貫から、日本一の金融王へ!幕末から明治、大正と、激動の時代を生きた銀行業の元祖・安田善次郎。富山の貧しい下級武士出身ながら、商人として「千両の分限者」となることを志した善次郎は、数々の挫折と失敗を乗り越えて両替商・安田屋を江戸で開店、成功をつかんでいく。一代でみずほフィナンシャルグループの礎を築いた安田善次郎の、波瀾万丈の前半生に光を当てた長編小説。

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  • 天明の密偵 小説・菅江真澄
    4.0
    日本民俗学の先駆者として知られ、各地の風俗・民俗などを日記体で詳細に書き記し、200冊以上の書物を残した菅江真澄。三河・吉田宿の御師の次男に生まれ、国学者で藩の御用商人でもあった植田義方のもとで勉学に勤しんだ彼は、岡崎へ出て和歌を、名古屋では絵画と本草学を身につけた後、30歳で古里を後にして長い旅に出る。当時は、天明の大飢饉や浅間山の大噴火などの天変地異、賄賂にまみれ、幕府を意のままに動かす老中・田沼意次と松平定信ら譜代衆の対立、松前藩問題と北方ロシアの脅威など、幕藩体制が大きく揺らいだ激動の時代だった。そんな中、彼は何を求めて、信濃、出羽、陸奥、そして蝦夷地へと旅をしたのか――。彼を蝦夷地へと駆り立てたものは何だったのか――。本書は、立身出世を願うも叶わず、生涯を旅に生きざるをえなかった菅江真澄の虚実入り交じった人生をミステリーの手法で掘り起こしながら、彼の秘密に迫った傑作歴史小説である。

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  • 殺意の赤い実
    -
    大分県の平家山で若い女性の死体が見つかった。手には赤い南天の実が握られていた。他殺か? 事故か? 亡くなった女性・時政京子は、なぜ東京から無名なこの山に来たのか? 大分県警から東京の警視庁捜査一課に派遣されていた東山一貴巡査部長は、地元出身者という関係から特命捜査を任される。時政京子の自宅や勤め先などを調べるうち、東山刑事は彼女が能登の出身者であり、そこにも平家山と同じ「平家落人伝説」があることを知る。これは果たして偶然なのか――石川県に時政京子の実家を訪ねた東山は、そこに残る伝説と彼女の死の関係をめぐって独自の推理を進めていく。妹・時政亜希との出会い、京子の勤めた会社で進んでいた不正。調査を進めるうち出会った人や新事実が、東山を不思議な平家伝説の世界へと導いていく。すべてのカギは、赤い南天の実が握っている??警察捜査の実態に詳しい著者が、満を持して世に問う書き下ろし警察小説。

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  • 将軍の切り花 帳合屋音次郎 取引始末
    -
    大口の新規取引にわたりをつけ、斡旋料を受け取る帳合屋。現代でいうブローカーだが、ただの商いではすまされない危険とも背中合わせだ。元能役者で端整な容貌、剣の腕も立ち、目端の利く音次郎は、帳合屋きっての切れ者。相棒の笛彦兵衛、壷振りの小万姐さんらとともに、江戸の大口商いの裏で暗躍する音次郎らを描く連作時代小説である。大御所・徳川家斉が、「我が葬儀には、我が棺と寛永寺を桜草で染めよ」と遺言して逝った。この情報をつかんだ音次郎たちは、通常は売り物にするほど栽培されない桜草を大量入荷して、大儲けを目論む。そのためにはまず、寛永寺出入りの切り花屋の一角に食い込まなければならないが……(表題作「将軍の切り花」)。その他、「大直しの酒」「砂糖の色」の計3篇を収録。いずれも江戸後期の具体的な産物・物品の歴史的な取引状況を踏まえ、読み手を引き込む物語世界が展開する。気鋭の作家による意欲作。文庫書き下ろし。

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  • 風の陣【立志篇】
    4.2
    八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
  • おいち不思議がたり
    3.7
    あれは何? なんで見えたの?おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医師である父の仕事を手伝っている。おいちが他の娘と違うのは、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えること。そんなおいちの夢に、必死で助けを求める女が現れる。悩みながらも己の力で人生を切り拓き、医者を目指す娘が、自分に宿った不思議な力を生かし、絡み合う因縁の糸を解きほぐしていく青春「時代」ミステリー。

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  • なによりも大切なこと
    4.0
    「十代って残酷な時間なんだ。否応なく全てが変わっていく。立ち止まることも許されない。ただ前へ、前へ、先へ、先へと進むだけだ」「決めつけちゃ、だめだよ。決めつけちゃ、何にも見えなくなるもの」「話題なんかどうでもいい。口と耳と皮膚と目と匂い。五感を確かにくすぐるほどそばにいることが、大切」「あたしに役を与えて、演じろと命じるものを、かたっぱしから蹴っ飛ばしたい」――『バッテリー』『ガールズ・ブルー』『The MANZAI』『ありふれた風景画』など、あさのあつこの人気作品の中から、友だち、将来の夢、恋愛、生き方についてのドキドキする言葉を選び出し、紹介する。読者に語りかけるようなエッセイも収録。十代のあなた、そして十代の子を持つお母さんに勇気と元気を贈るメッセージブック。宮尾和孝による挿画もみずみずしく、名フレーズとぴたりとあっている。
  • 今、この瞬間だけに生きよう。
    3.0
    あなたは「本当の自分」を知っていますか? “今”を楽しんでいますか? 人の意見で生き方を決めていませんか? わからない、できていないと思うなら、変えるのは簡単。大切なのは「気づき」です。本書は、銀色夏生さんが、アカシックリーダーのまっきー(さかまきやすこ)さん、フォーチュンナビゲーターのミラさんという“スピリチュアル”な2人を迎え、「銀色夏生のスピリチュアル辛口トークライブ」として行なわれたイベントの模様を収録したもの。心に響く言葉に、きっと出会えます。「無意識に考えたのが『本当の答え』」「『今の私』を積み重ねていく」「好きなことをやると、自然に生きられる」「人とつながるには、自分と友達に」「恋愛って、人間がよくわかる」――生き方や人間関係の基本から、恋愛の心得、さらには人生や過去世の話まで、銀色さんの“今”に触れながら、心のもやもやがスッキリ晴れる3人の飾らない言葉のハーモニーが絶品!

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  • ビア・ボーイ
    3.5
    売らねば帰れぬ、東京へ──。働くすべての人に贈る、ビール営業マンの奮闘を描いた青春小説。オレが変われば世界も変わる! ビール会社のエリート宣伝部から、突然、売上げ最低支店に飛ばされたオレ。待っていたのは小狡い上司と、だらけた空気。田舎のドブ板営業を舐めきっていたオレは赴任早々、得意先で大失態を演じてしまう……。ここで結果を出さねば本社へ帰れない。よし、売ってやろうじゃないか!アホな上司や性悪同期に負けてたまるか!瀬戸内の青い空と海を背景に、爽やかで、ほろ苦い、共感度120%のザ・営業成長ストーリー。

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  • 利休にたずねよ
    4.1
    女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。

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  • 人体工場
    3.3
    大量のたんぱく質が尿に出ているのに、腎機能にはまったく異常がない――。美人医師・若松みなみの検査を受けた三流大学の学生・真柴徹は、以前に軽い気持ちで参加した治験のバイトに疑いを抱いた。一緒に治験を受けた火野美紀とともに、真相を探り始める真柴。だが、彼女が突然行方不明になってしまう。美紀を救うべく、単身敵地に乗り込んだ真柴は、恐るべき計画の存在に気づいたのだが……。医療ミステリー最新作。

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