手の中の天秤

手の中の天秤

730円 (税込)

3pt

4.0

執行猶予期間が終わった時、加害者の生活態度や反省状況をチェックして、刑務所に入れるかどうかを被害者や遺族自身が決めることができたとしたら? それを実現する「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が施行された社会。新人担当係官の井川は、加害者の反省状況を伝えることで、被害者の痛みや遺族の喪失感を少しでも和らげることができればと考えていたのだが……。加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。

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手の中の天秤 のユーザーレビュー

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2018年03月13日

    被害者や遺族になってしまった人々は、加害者を赦すことができるのか。もしくは、心からの反省とは何か。被害者の救済とは。
    そんな風に問いは立てられているけれど、描かれるのは、人間の日々の歩み。悲しみをどう受け止めるか、あるいは流してしまうか。人それぞれの歩みを、希望を持って描くのがこの本だなと感じた。
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