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Posted by ブクログ
猫足のベンチソファで静かに本を読む少女と
彼女にもたれてまどろむお人形のような美少女。
その足もとには意味ありげな鍵が転がっていて。。。
セピア調の色彩で描かれた表紙絵がとても綺麗で
思わず手に取ってしまった本。
途中に挿まれる2枚の挿画も、
カラーでぜひ見てみたかったと思うくらい、雰囲気があって素敵です。
避暑地の別荘で、執事や家政婦と共に過ごす10歳の芽理沙と
その家庭教師として雇われた17歳の高校生 信乃、
そして芽理沙が納屋に匿う、「人くい鬼」モーリスの、ひと夏の物語。
これは!という家庭教師を選び出すためにトラップを仕掛け
相手が思いがけない反応を見せると
「笑ってもいいですか?」と冷静に問いかける
ビスクドールのような美少女、芽理沙と
命が尽きた動物や人間の「残留思念」を食べて生きているのだけれど
けっしてそのために生き物の命を奪うことはしない
どこか悲しげな「人くい鬼」モーリスが、とても魅力的だ。
読み始めてまもなくの、家庭教師の面接シーンに
大好きなハインラインの『夏への扉』から
猫のユーモアについて書かれた部分が引用され、
そのすぐ後のモーリスの登場シーンには
またまた大好きなモーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』、
終盤にはマリー・ホール・エッツの『もりのなか』と
出てくる本の顔ぶれだけでも、うれしくなってしまう♪
途中に起こる殺人事件の謎解きは、
ミステリファンにはたぶん物足りなく感じられるでしょうが
祖父、母、芽理沙と3代にわたって愛されてきたモーリスが
芽理沙の危機に初めて見せた情愛の深さと
現実と夢のはざまにたゆたうように生きていた芽理沙が
信乃との出会いや人の死、モーリスとの別れの後に見せる成長に
心洗われる、「魔法にかかったようなあの夏」の物語です。
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小説・文芸
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