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おもちゃ絵芳藤
第七回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞作。 江戸っ子に人気を博した浮世絵。絵が好きで、絵を描くこと以外なにもできない絵師たちが、 幕末から明治へと大きく時代が変わる中、西欧化の波に流され苦闘しながらも絵を描き続ける姿を描く長篇小説。 文久元年(1861)春。大絵師・歌川国芳が死んだ。 国芳の弟子である芳藤は、国芳の娘たちに代わって葬儀を取り仕切ることになり、 弟弟子の月岡芳年、落合芳幾、かつては一門だった河鍋狂斎(暁斎)に手伝わせ無事に葬儀を済ませた。 そこへ馴染みの版元・樋口屋がやってきて、国芳の追善絵を企画するから、絵師を誰にするかは一門で決めてくれ、と言われる。 若頭のような立場の芳藤が引き受けるべきだと樋口屋は口を添えたが、暁斎に「あんたの絵には華がない」と言われ、愕然とする――。 人徳はあるが、才能のなさを誰よりも痛感している芳藤。 才能に恵まれながら神経症気味の自分をもてあましていた芳年。 時代を敏感に察知し新しいものを取り入れるセンスがありながら、己の才に溺れた芳幾。 “画工”ではなく“アーティスト”たらんとした暁斎。 4人の個性的な絵師たちを通して、死ぬまで絵筆をとろうとする絵師の執念と矜持に迫る力作。 解説・岡崎琢磨 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
おもちゃ 河井案里との対話
すらっと伸びた脚と大きな目、最先端のセクシーなファッションに身を包んで政界に登場したときは、マスコミはこぞって「女性政治家の星」として好意的に取り上げた。しかし、史上最大級の選挙違反で逮捕されるや、手のひらを返したように、「稀代の悪女」としてここぞとばかりに叩いた。 河井案里。 参院議員として活動したのは19カ月に満たなかったが、世間に大きなインパクトを残した。 彼女はマスコミの寵児となったが、実のところ、彼女のプライベートをよく知る記者はいない。 筆者は、当選直後から逮捕されるまで、インタビューなどの取材だけでなく、ことあるごとに電話やメールでやり取りをしてきた稀少な存在である。筆者の手元には、膨大な量の録音、メールがある。 あらためてそれらを読み返すと、不思議なことに気が付く。 宮崎で成功した建築家の家に生まれ、慶応大学に進学し、代議士の妻、そして自身も県会議員から参院議員と、これだけ聞くと恵まれすぎた人生のように見えるが、彼女からは、いっこうに幸せそうなようすがうかがえないのだ。 生きづらい女。 筆者は彼女の生まれた宮崎を訪れることからはじめ、その人生をあらためて取材してみた。すると、そこには、マスコミで見せた鼻っ柱の強い美人政治家とは別の顔が見えてきた。 「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」 河井案里という一人の女性政治家の人生を通して、現代社会における女性の生きづらさに迫る。 -
おもちゃの指輪がほしいねん
間違いない。 こいつ、やっとるわ。 「あなたを知りたい、どうしても」 失恋をきっかけに保安員、いわゆる万引きGメンとして働き出したアカリ。 捕捉率No.1の生きる伝説、タカエ師匠の教えを胸に、日夜、スーパーに現れる万引き犯たちを捕まえていく。信じられないことが山ほど起きる現場で奮闘するうち、いつしか若手保安員のホープとなったアカリだが、ある日、運命の人、カオルさんに出会う――。 万引きGメン アカリの恋。 演劇界・文学界ともに注目の新鋭による最新小説! 【著者略歴】 ピンク地底人3号(ぴんくちていじんさんごう) 1982年生まれ。同志社大学文学部文化学科美学芸術学専攻卒業。劇作家・演出家。2019年「鎖骨に天使が眠っている」で第24回劇作家協会新人戯曲賞受賞。2022年「華指1832」で第66回岸田國士戯曲賞最終候補。初の小説『カンザキさん』で第47回野間新人賞受賞。2026年「明日を落としても」で第29回鶴屋南北戯曲賞受賞。 -
阿姉、いっそ僕に殺されて
建平の初め、大洪水が街を呑み込み、すべてを奪った。 泥濘に沈みかけていた六歳の少年、宴寧(えんねい)を救い上げたのは、少女・宴安(えんあん)の細い手だった。 「この子を、うちに置いてあげて」 血の繋がらない老婆と、行き場のない少女。 そこへ、さらに寄る辺ない少年が加わった。 三人は「家族」となった。 貧しくとも、その絆は永遠に続くはずだった。 月日は流れ、少年は美しき天才へと成長し、科挙を受けるため都へと旅立つ。 「合格したら、もう二度と苦労はさせない」 それは、少年が己に課した、最愛の姉への誓いだった。 ――しかし。 栄光を掴み、帰郷した彼を待っていたのは、 「姉」が他人の妻となり、別の男の腕に抱かれているという現実。 「一生、離れないと言ったのに」 姉の清らかな瞳が、自分以外の男に向けられる。 その瞬間、宴寧の中で何かが音を立てて壊れた。 先に裏切ったのは、阿姉だ。 ならば、 どんな手段を使おうと、誰に責める権利があるだろうか。 逃げ場のない愛が、静かに、そして深く、彼女を侵食し始める。 -
思はぬ人
戦後の混乱した世相と、その中に生きる人間のひとひとりの苦悩とを、『人生劇場』の尾崎氏一流のユーモラスな筆致で描いた傑作、全4編。 -
おもみいたします
「我慢しなくていいんですよ」 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。 申し込めば半年待ち。 評判のお梅の揉み治療だが、 一刻の猶予もない患者が現れた! 揉んだ人々の身体は、 全てこの指が覚えている。 身体に触れさえすれば、 いつどこで揉んだあの人だと 言い当てられる。 人に揉み治療を施すのが、お梅の生業。 ■あらすじ■ 頭風に苦しむお清を訪ねたお梅は ギリギリのところまできていると 感じ取る。 揉みはじめると、 お清の身体に潜む「淀み」を感じ――。 彼女を悩ませるその原因とは? ■主な登場人物■ ・お梅 五歳の時に光を失い、 人に揉みを施すことを 生業としている十七歳。 ・お筆 豆大福が評判の 紅葉屋を出している。 依頼を受け、お梅に取り次ぐ。 ・お昌 祖母のお筆と暮らし、 お梅の仕事の段取りを担う。 ・十丸 お梅の用心棒。 人には白い大きな犬にみえる。 -
おもみいたします 凍空と日だまりと
「生きねばなりません。 そのお手伝い、 させていただきます」 切腹を命じられた武士を お梅は療治できるのか? 読むと身も心もやわらぐ時代小説 【あらすじ】 五歳の時に光を失い、 揉み療治を生業としているお梅。 市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが 埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう 療治してほしいという武士が現れた。 お梅でなければ駄目なのだと。 武士から「張りつめた者」の気配を 感じ取ったお梅は、 三日後、主のものとへ向かう! 「人は、どこか緩めないと生きていけない」 【著者からのコメント】 江戸の揉み師、お梅の物語、その二作目です。 お梅は、早とちりもするし、とても弱い部分 もある少女です。でも、人の芯に凛とした気迫 を宿してもいます。盲目だからこそ見え、 感じる世界と共に、お梅の凛々しい生き方を 読んでいただけたら嬉しいです。 ■主な登場人物■ お梅 五歳の時に光を失い、人に揉みを 施すことを生業としている十七歳。 十丸 お梅の用心棒。 人には白い大きな犬に見える。 お筆 豆大福が評判の紅葉屋を出している。 揉み仕事の依頼を受けお梅に取り次ぐ。 お昌 両親を亡くし、祖母のお筆と暮らして いる。お梅の仕事の段取りを担う。 先生 お梅に揉み師の才を見抜いた者。人には 白茶の天竺鼠に見えている。 お酒に目がない。 -
『おもろさうし』と琉球文学
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 琉球文学の、その総体としての姿は、どのように明らかにできるか。季節によっては台湾の山陰を臨むことができるという与那国島から奄美大島以南までの、琉球孤の島々で話される言語(琉球語・琉球方言)によって表現された琉球文学を、『おもろさうし』を中心に論じていく。もうひとつの日本語による琉球文学を、これから日本文学の中にどのように定位していくのか。琉球文学の一方的な模索ではなく、本土日本文学からもその道を探らねばならない。これからの琉球文学研究の方向性を指し示す、希望に満ちあふれた書。ここからはじまる、琉球文学論。 -
お役に立ちます! 二級建築士 楠さくらのハッピーリフォーム
コロナ禍を吹き飛ばす、令和のお仕事小説決定版 家族の幸せの設計図、描きます! 「読めばすっきり温かく、気持ちまでリフォームされること請け合いだ」 書評家大矢博子さんも太鼓判!! 「みんなで幸せになりましょう」クライアントに寄り添う設計を心掛けた父の遺志を継ぎ、二級建築士となった楠さくら。さくらが勤める父が世話になった木之本工務店に、ある時川沿いのスポーツ用品店から改装の依頼が。さっそく現地に赴いたさくらだが、店は昔ながらのジリ貧で店主も安くあげてくれの一点張り。持前のまっすぐさであたるさくらの驚きの提案とは? リフォームで幸福を呼ぶ、令和のお仕事小説決定版! -
お夜食処おやさいどき
「こちらが今宵の、お客さまのお夜食です」北海道札幌市。転勤直後で疲労を重ねていた望は、ある夜『お夜食処おやさいどき』と出逢う。そこには女性店主の魅惑の夜食と、野菜愛あふれる柔らかな語りがあった。彼女の人柄に魅せられた人々は自然にそこへ足を運び、互いに交流しながら、心と身体を癒やしていく。──今宵のあなたは、どのお野菜を選びますか? 野菜たちが繋いでいく人々の絆と友情と、不器用な恋の物語。『あやかし手製本編纂館 あなたの想い、紡ぎます』『あやかし薬膳カフェ「おおかみ」』の著者による、心も体も温かくなる物語。 -
おやじに捧げる葬送曲
入院中の元刑事が見舞客の話を聞いてベッド・ディテクティヴを務める 不治の病で入院中の元刑事「おやじさん」が、見舞いに訪れる探偵の「おれ」から、事件の話を聞く。十億円の宝石盗難事件、被害にあった宝石商殺害事件、これらを世間話のように語るうちに、やがて「真相」が徐々に明らかになっていくが…。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。 -
親父の日記
父親の死後に残した日記。そこには家族が知らない真実がある。 父親の葬儀が終わり見つける日記。 そこには、父親として生き様が描かれていることもある。 『親父の日記』シリーズ1作目。 数十年、父親は競馬で稼いだお金で家族を養ってきた。そんな事実を知る息子。税理士である主人公は、勤めていた会社から普通に役員報酬を受け取っていたカラクリを知る。 【目次】 表紙 1.知られざる才能 奥付 【著者】 村上浩志 1962年生。実名は上田浩良。東京都渋谷区広尾在住。 1980年代から音楽業界の仕事を始める。 その後、音楽以外に広告や舞台制作の事業も。1990年代に、音楽プロダクション「株式会社アーティマージュ」を設立し、会長として本格的に音楽事業へ。「m-flo」など、CDアルバム販売累計100万を越すアーティストを輩出。 数年前に音楽業界を引退し、10代の頃からの作品100作ほどの小説をまとめ始める。 2022年、長編小説「最終小節のダルセーニョ」を出版発売。 -
オランジェット
第一歌集『はるかカーテンコールまで』で現代歌人集会賞と高志の国詩歌賞を受賞した著者の第二歌集。 海に架かる橋はたてごとその弦をつまびく指をゆめみて待たず 「笠木拓という作者は、こんなにもふとぶとと言葉と命を太らせ、命がけで言葉の「遊び」を尽くそうとしている。怖いな、と思う」(川野里子) 「しずかで、時に大胆で、繊細で、そして果敢な戦いの歌。笠木さんの世界には、この時代を生きる人の言葉が現実と切り結ぶ、吹きぬける風のような精神がある」(黒瀬珂瀾) 「どうがんばったって、世界は悲しい。だが、悲しい世界を生きていくとき、その悲しさを自覚していることは強さだと思う」(初谷むい) 【収録歌より】 濃くうすく色づきながら夏空は慣らし保育のように暮れゆく きみといるといつもかもめが背景を奥へゆく なぜかな さよなら てのひらに立てたるあわで面の皮すなわちメンズBB落とす においから桜はひらきこの星にいつか途絶える観測史あり うつつにもゆめにもひとのおもかげのたちあおいたちあおいたそがれ 【栞】 川野里子「命がけで「きょじつひまく」を「遊ぶ」ひと」 黒瀬珂瀾「風土から心の風へ」 初谷むい「ハンドメイド・タンカ・ワールド」 【目次】 Ⅰ くす玉 ちゃんと呪いだ 銀河のほとり ゆめかようみち 愛から醒めて ゆきすぎる Ⅱ B is for 馬手に鰭、弓手は翼 Ⅲ 銀の靴 はなふるなかはてをおよがせて カピバラまんじゅう/地魚十貫 薄ら氷 可能世界のちいさなブーケ 方舟 アドベントカレンダー 幕間 Ⅳ 思い出の灰が咲くまで 奈落にてきみと甘露を Ⅴ machine washable 私淑 七つ目の道 きときと 空音 airport fiction 春の歌 【著者】 笠木拓 1987年、新潟県糸魚川市生まれ。石川県野々市市で育つ。歌集『はるかカーテンコールまで』(港の人、2019年)で第2回高志の国詩歌賞、第46回現代歌人集会賞。富山市在住。 -
オランダ靴の秘密
大病院の手術台の上で、今まさに執刀されようという患者が首を絞められ殺されていた!被害者は病院の創設者であり、遺産相続をめぐる容疑は病院内部に向けられたが、やがて第二の殺人が起った!あらゆる手がかりを提示し、フェアプレイの精神で読者に挑戦する本格中の本格ミステリ。 -
折鶴
新内節を語れる友禅差しの模様師・脇田は、旅先で三味線弾きの芸者・彩子と出会う。脇田は彼女に惹かれるが、彩子と、酒と女で身を持ちくずした彼女の師匠の名新内語りが、以前ある殺人事件に巻き込まれたことを知る、「忍火山恋唄」。縫箔の職人・田毎は、自分の名前を騙る人物が温泉宿に宿泊し、デパートの館内放送で呼び出されるという奇妙な出来事に見舞われていた。そんな折、パーティで元恋人の鶴子と再会した時の出来事を思い出し……。ふたりの再会が悲劇に繋がる「折鶴」など全4編。ミステリの技巧を凝らした第16回泉鏡花文学賞受賞作。/【目次】忍火山恋唄/駈落/角館にて/折鶴/解説=末國善己 -
折り鶴の恩返し
「祈ると折るって字が似てるよね。だから私は、君に千羽鶴を折るんだよ」 15歳の若さで病死した折原イノリは、目を覚ますと真っ白な雲の上のような空間にいた。狼狽するイノリの前に時量師神と名乗る神が現れる。 曰く、イノリのために千羽鶴を折ってくれた幼馴染の少女はイノリの死をきっかけに無気力になってしまった。少女が折った折り鶴を媒体にイノリを蘇らせるから、彼女を更生させろ、と。 再びイノリが目を覚ますと、そこは無気力なった幼馴染、小日向かおりが通う月影高等学校の職員室。イノリはその高校の教師として、かおりに正体がばれないように、彼女が抱える悩みを解決すべく奔走する。 これは少女の笑顔を取り戻す物語。 -
檻の中の少女
「息子は自殺支援サイト『ミトラス』に殺されたんです」 サイバーセキュリティ・コンサルタントの君島のもとへ老夫婦が依頼にやってきた。自殺したとされる息子の死の真実を知りたいのだという。息子はミトラスに多額の金を振り込んでもいたらしい。 ミトラスは自殺志願者とその幇助者をネットを介在して結び付け、志願者が希望通り自殺出来た際に手数料が振り込まれるというシステムで、ミトラス自身はその仲介で多額の手数料をとるのだという。 さまざまな情報を集め、やがて君島が「真相」を解き明かし、老夫婦の依頼に応えたとき、これまで隠されてきたほんとうの真実【エピローグ】が見え始める──
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