無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
自分が求めていない部分への賞賛への不満、
他責にして努力を惜しんだ後悔、
天才の子への期待と落胆。
私が特に考えさせられたのはこの辺りだけれども、すごく色んな教訓を得られるシリーズだと改めて感じた。
中でも岬先生の不安との折り合いのつけ方。
「捨て去ったものに責任を果たすためには選んだものを大事にするしかない」。
一方で、「その世界で生きていくべき人間はどんな道を辿っても最終的にはその世界から迎え入れられるものだと思う」という言葉には救われるものもある。
自分すらも呪うことなく、自分が何者であるかを問い続けるという岬先生の在り方は目指すべき姿だと感じる。
Posted by ブクログ
2026.7.4再読。
前に読んだ「能面刑事」も中山七里さんの作品だったけど、全く畑違いの職業を
どれも専門職のように詳しく描写できるのは素晴らしいと思った。
この本は、音楽家とその作品について、言葉がよくこれだけ出てくるなぁと感心するほど、多彩な言葉で描写していて、私なんか「すごい」「素晴らしい」「素敵」くらいしか出てこないのが恥ずかしくなった。
ミステリーはまぁ、話の流れに必要くらいの感じだったし、途中で入る晶くん暴行事件もあれだけの怪我をして、すぐに治るものなのだろうか?と必要性をあまり感じなかったし、最後に怒涛の如く明らかにされる晶くんと初音さんの繋がりや初音さんと学長が同じ病気のなっていることもまたちょっと偶然が重なりすぎてるのではないか?と思ったけど、とにかく音楽描写はそんなことを圧倒するほど素晴らしいと思った。
YouTubeでラフマニノフを聴きながら読んでいたんだけど、演奏が「角野隼人」という人のもので、この人がまたすごい人だということがわかったのも予期せぬ収穫でした。
本の帯に谷原章介さんの言葉が載ってたんだけど、美咲先生のイメージはもう少し若くした谷原章介さんかなーと思いました笑
Posted by ブクログ
ありきたりな表現で申し訳ないが、音楽を読む、ということを初めて体験した。中山さんの作品は去年から読み漁っていたのだが、この有名なシリーズにはしり込みをしていた。意を決して読み始めて本作でシリーズ2作目。
音大生、晶の周りで次々と事件が起こる。高額楽器の盗難、破壊、そして殺害予告。それと同時に起こる演奏会成功への道。様々なことが絡まりあいやがてひとつの形を作り出す。そんな物語。
こちらの方が前作よりもより音楽の表現が強かった。
そこに書かれたものを読んで自分で調べてみるということは何かしら本から影響を受けたのだと思う。この本はそういう物。本を読んで実際に曲を調べてみた。実際に聴いてみた。そういうことをしたいと思わせる作品。ミステリーとしての側面の強弱はあるが、音楽を文字に起こし、感情や表現で訴えるのではなく、文字に起こしてくれた、だからこそ分かりやすいし、興味をそそられる。その場に居ないのに、一緒に音を聴き、心揺さぶられた感覚がある。その分ミステリー要素が少し物足りなく思ったが、それを超える音があった。読んでよかった
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズの第2作目。時系列としては「さよならドビュッシー」のすぐ後になり、岬洋介は愛知音楽大学の臨時講師として登場する。ミステリ要素は1割程度。音楽小説と言ってもいいくらいのエネルギッシュで臨場感溢れる演奏描写が特徴的な作品。クライマックスではミステリの解決とメンバー全員が力を出し尽くす合奏の迫力を同時に味わえる。
この作品を読むと音大生ならではの苦悩や葛藤がよく分かるのも特徴の一つだ。高額な楽器やレッスン代を工面する経済的格差の問題。卒業後にプロとして生きていける者が一握りという厳しい雇用状況。その中で自らの才能の限界を思い知らされる現実はなかなかに厳しい。
それにしても文字だけでこれだけの演奏の臨場感を再現できる中山七里のクラシック音楽に関する造詣はどこまで深いのか。岬洋介シリーズを読むと作中に出てくる楽曲をつい聞きたくなってしまう。今回もすぐにラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」を聞いて初めて「ああ、この曲ね」と分かったレベルの私が読んでも面白い作品だ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。