あらすじ
秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励む。しかし完全密室で保管される、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれた。彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり……。ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と緻密なトリックが奇跡的に融合した人気の音楽ミステリー。
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岬先生のシリーズ 以前から何度も読もうと思っていた本作、土地勘のない名古屋が舞台でしたが、オチは半分ほど予想していましたが、最後まで面白く読めました。映画のさよならドヴュッシーしか本シリーズは知らないですが、音楽に関する部分だけでも読み応えは非常にありました。
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p15ああ、駄目だ。身体が動かない。まるで音の金縛りに遭ったみたいだ。
p51「コンテストなら競う。オーディションなら受ける。そういう貪欲さと、互いの実力差を絶えず誇示しておく執拗さ。その二つが一番を守り続ける秘訣なのよ」
p241「科学や医学が人間を襲う理不尽と闘うために存在するのと同じように、音楽もまた人の心に巣食う怯懦や非常を滅ぼすためにある。確かにたかが指先一本で全ての人に安らぎを与えようなんて傲慢以外の何物でもない。でも、たった一人でも音楽を必要とする人がいるのなら、そして自分に奏でる才能があるのなら奏でるべきだと僕は思う。それに音楽を奏でる才能は神様からの贈り物だからね。人と自分を幸せにするように使いたいじゃないか」
p327いつからだろう、失敗の確立を隠れ蓑にして逃げることを覚えたのは。挑戦しても駄目に決まっている。無駄な労力は他に向けよう。だから今回はパスだ――何度そんな理屈をつけて血を流すのを惜しんだのだろう。逃げて、パスして、結局行き着いたのは将来の展望のなさを自分以外のせいにして、愚痴とないものねだりを繰り返す無為の日々だ。
p331音楽は職業ではない。
音楽は生き方なのだ。
演奏で生計を立てているとか、過去に名声を博したとかの問題じゃない。今この瞬間に音楽を奏でているのか。そして、それが聴衆の胸に届いているのか。それだけが音楽家の証なのだ。
p364そして、この老いたピアニストは眠ったようにもう動こうとしなかった。
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岬先生、、好きです!
また岬先生と晶が二人で演奏する姿、、
描写に胸が高鳴りました。少しの間ですが、音楽をしていた私にとっても仲間同士の描写には胸をうたれる部分がありました。
最後は切ないような、これから先の未来にいくようなそんな気持ちになりました。
またシリーズで読もうと思います!
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中山七里先生、またもや騙されました!
最後までしてやられました!このシリーズを読むとドビッシーやラフマニノフの曲を聴きたくなります
そしてより一層、本に没頭します
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2作目も音楽系&ミステリー系小説ビギナーの私にとっても読みやすかったのと、1作目の内容がシレッと入ってるのが面白かった。
音を文章で表現という、普段考えもしないような文面で何度も引き込まれた。
読んでてスッキリ!というよりは、タイトル回収を含めた「なるほどね」の納得感と理解感が大きい印象だなと。
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前作が面白かったのですぐに2作目を読み始めた。
前作からの続きだと分かるシーンもあり、そして音楽の演奏シーンの描写の細かさがすごい!
ほんの少し音楽をかじっただけの私では理解するのが少し難しいが、それでもその曲を今すぐ聴いてみたくなる。
音楽とミステリーのコラボレーションは珍しく前作からワクワクしながら読んでいる。
次作も早速読書を開始したいと思う。
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岬洋介シリーズの2作目。
なかなかに面白かった。そして、音楽演奏の描写が素晴らしい。
1作目とストーリーにうっすらと重なりがあるところも面白さを引き出していた。
巻末の仲道郁代さんのあとがきも、本当の音楽家にも響く作品であることが伝わってきて好もしかった。
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岬洋介シリーズ第2弾。再読になります。なんとなくあらすじは覚えていて、犯人もわかってたけど面白かったです。晶くんがいい子です。
殺人事件の起きないミステリなのでちょっと物足りなかったです。
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御子柴シリーズが少し重めなので、サクッと読めそうな岬洋介シリーズを。
「西枇杷島」なんて、マイナーな地名があえて出てきてびっくりしましたが、東海豪雨に言及されてて納得。
「さよならドビュッシー」のエピソードも出てくるのも、シリーズものならではの楽しみでしょうか。
謎解きというより、岬洋介のカッコよさが楽しめる作品だと思います。
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音楽大学を舞台に展開する本格ミステリーで、ピアニスト岬洋介が登場するシリーズの第2作。秋の定期演奏会を控える名門・愛知音楽大学で起こる謎の事件に、臨時講師として赴任した岬が巻き込まれていきます。クラシック音楽の知識がなくても読者を引き込む巧みな構成と、繊細な心理描写が本作の魅力です。
若き音楽家たちの葛藤や情熱が、音楽という芸術の持つ緊張感や儚さと重なり合い、ページをめくるごとに深みを増していきます。ラフマニノフの美しい旋律が物語全体に流れ、音と静寂、喝采が聞こえてくるような独特の読後感を残します。
岬洋介の冷静で知的な推理と、淡々としながらも鋭く人間の本質に切り込む姿は、音楽ミステリーの醍醐味をしっかりと味わわせてくれます。
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やはり素晴らしかった。
前作の『さよならドビュッシー』を読み、
中山作品に興味を持ち、この本を読んだが、
変わらぬ文章力。そして何より構成の上手さ。何もかもが伏線になっていて、頭が良い人じゃないと考え付かないようなものがたくさんあった。
前作よりも登場人物が多く、関係が曖昧な所もあり、音楽よりもミステリーが多めで若干理解しずらい場面もあったが、読み返せば理解できた。
音楽パートは少なかったが、その分コンサートということもあり、とても白熱し、引き込まれるような臨場感ある場面だった。
ぜひ読んで欲しい1冊。
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中山七里先生の音楽ミステリー第2作。
音楽シーンが前作にも増して白熱し、引き込まれる展開からのアニメにありそうなラストシーン!違和感なく展開するミステリーとどんでん返し!音楽小説家とミステリーの両面から楽しめる作品でした。次作にも期待です。
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『さよならドビュッシー』続編。
岬洋介が講師を務める音大でのお話し。
大学の定期演奏会に向けて、オーディションを勝ち抜いたメンバーで曲を仕上げていく間に、大学所有のストラディバリウスのチェロが盗まれたり、色々あって演奏会が中止されそうに。無事演奏会は開催されるのか?また、犯人の狙いは?
なんとなく犯人と目的は分かってたけど、
同期までは分からず、、、楽しかった。演奏シーンの描写も凄くて、小説も書ける音楽家なの?音楽も奏でられる小説家なの?とか考えながら。クラシック好きとは言えない私でも「なんかすごそう」って思ったので、クラシック好きな方は大興奮できると思います。
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岬洋介さんシリーズ第2弾!
今回はバイオリニストが主役で、オーケストラの話。
前回同様、楽曲の時の情景がとても長くて、読み飛ばしましたが、面白かったです。
次作も期待!
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「さよならドビュッシー』を読んだあと、これを読むまでかなりかかってしまった。
前作と同様、まるで音楽が聴こえてくるような表現なんだが、肝心の曲を全然覚えてないので、そう描かれても全然頭の中に曲が流れない……。
そして、毎回主人公が犯人かと思いきや最後にどんでん返しが!
切ないけど、とりあえず主人公は犯人でなくて良かった。
けど、「その後どうなった」がやはり描かれておらず、気になる。
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ラフマニノフ、ピアノ習ってた者としては、上級者が弾く曲を作った人。だから、曲もほとんど知らない、youtubeで検索して、聴きながらの読書もまた楽し。
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さよならドビュッシーで岬先生のジェントルマンを堪能していたので、今作で岬先生の講師姿を垣間見ることができて幸せでした。できた男すぎる。。。
黒幕に心はなかったのか…??涙 それだけが悔やまれる。でも、心がない人に人の心を動かす演奏ができるだろうか…なんだかその先も知りたくなってしまいました。
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岬先生、この度もパーフェクトマン。
1日密着してみたい。
ベートーヴェン 皇帝
パガニーニ ラ・カンパネラ
24のカプリース
メンデルスゾーン チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2.4番
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さよならドビュッシーの事件が起きていた頃、岬洋介が何をしていたのか、下諏訪美鈴はどんな人なのか。さよならドビュッシーを楽しめた人なら、楽しめるはずです。
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前作同様岬洋介の出番はさほど多くなく、それでも良い頃合いにふっと登場して美味しいところだけ掻っ攫っていく。人が死なないのでミステリーとしてはさほど犯人が誰か気にならないが、理解し難い犯行動機だった。恐喝・暴行が本筋には関係なかったことにも肩透かしを食らう。演奏シーンがやや長過ぎるが、演奏者は共感しきりなんだろうか。事件の真相より演奏描写より、ストーリーに関係のない集中豪雨に1番心を持って行かれた気がする。もちろん避難所での演奏ではなく。
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クラシックには素人なので音楽アプリを多様して演奏シーンを食い入る様に読みました。
作品自体は岬先生のシリーズですがミステリーというより、演奏会に向けてバラバラだったオーケストラメンバーが色々な苦難がありながら成長し、最期に一つになった学園ドラマの様な印象が強いです。
良いお話ですが私が中山先生に求めているのとは違う為に厳しめの評価となりました。
後、初音さんとお父さんがあまりにも可哀想過ぎます。
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・「病んだり疲れた人には特効薬だろうけどね。あの演奏には常習性がある。聴けば聴くほどまた聴きたくなる。あのピアノを聴くためなら地球の裏側まで追っかけたくなる」
さよならドビュッシー程のどんでん返しはなかったけどピアノの神、柘植彰良が病気でもうピアノが引けない。そしてその娘、初音も同じ病気で父の病気が世間に知れることを恐れストラディバリウス(チェロ)を盗み、父親のピアノさえも壊した。
晶が初音さんに優しい理由が晶の父親も柘植彰良ってところはいらなかったかな。わたしは純粋な恋心であって欲しかった。
わたしのいちばんのびっくりは岬先生も難聴という病を抱えている。次回作も楽しめそう。
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前作、「さよなら、ドビュッシー」を読んで、どうシリーズなのか気になったが、岬先生シリーズなのね!
今回も音楽表現が楽しかった!
終わりが不完全燃焼感があったけど、まあいいのか!
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前作に引き続いて、音楽をめぐる話としても、ミステリーとしてもとても面白く、岬先生がかっこいい。でも、これもまた前作と同様だが、ちょっと動機と事件の大きさが噛み合わない感じが個人的には気になった。ネタバラシでものすごくスッキリするかというと微妙なラインなのが、自分の好みとは少しズレてるんだろうなと思う。とはいえ、ちゃんと面白いのでシリーズとして読み続けたいとは思う。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ、本書は音楽家の心情を前面に
押して犯行の必然性と犯人の抜き差しならない
動機を音楽の調べに載せて語っている
探偵役の岬洋介は主人公の自己犠牲精神に憑り
つかれ膠着した行動を軽やかに諫め解きほぐす
推理小説らしからぬ「犯人を追い詰める」より
「演奏を濃密に文字で書き綴る」ことに重きを
置いた作品、戸惑いつつも探偵の呆気ない解決
の手際の良さに拍子抜けをしてしまう
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズの第二弾。
であり音楽ミステリー。
筆者の音楽、クラシックに関する知識はなんなんだろう。演奏自体を言語化する能力が半端ない。
私は音楽にはまったく疎いのでわからないが、クラシック好きなかたならワクワクするように読み進めることができるでしょう。
しかし、やっぱりミステリー。最後にはトリックが解き明かされます。
Posted by ブクログ
シリーズ物なので買った一冊。
音楽ミステリーの話
クラッシック音楽や音楽自体をよく知ってる人ならより良く楽しめる話だと思う。
ただ自分はクラッシックも音楽も全く駄目なのでより良くとは楽しめなかった。
皆さんの感想読んでYouTubeで音楽を聴きながら読んだとかいう人達がいたが、そうかそうゆう読み方したらもっと楽しめたかもと思った。
ラストが気になった。
それからどうなったんだ?
ヴァイオリストのその後は?
あのラストで綺麗に終わった感じがしたが、他の事のその後が気になった。
まだシリーズは続くが、これからも音楽知識がないと楽しめないのかなと思うとちょっと読みづらいシリーズだなと感じた小説でした。
Posted by ブクログ
岬洋介が講師をする音大でストラディバリウスが盗まれる事件勃発。ヴァイオリニストを目指すものの、将来の不安に押しつぶされそうな生徒城戸晶。そんな彼に聞かれた岬洋介は「選択して捨て去ったものに責任を果たすために、選んだものを大事にするしかない」とアドバイス
大雨での避難所での二人の演奏シーンがとても印象的。音楽はどんな状況でも感動をもたらしますよね
Posted by ブクログ
強引な部分もあるし、展開も読めてしまいましたが、
音楽が全くの素人の自分でも
文章だけで映像が浮かび、音が聞こえて、その場の緊張感も伝わってくる。
さすが中山七里先生