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ちぐはぐなディナー
人生の曲がり角は、真夏のパリの晩餐にあった。 ジゼル・アリミ賞を受賞した「反逆へ向かう女性たちを描く、一触即発の密室劇」 8月の暑い夜。パリのラスパイユ大通りにある高級アパルトマンを1組の夫婦が訪れた。エティエンヌが旧友のレミと、レミの妻のジョアルを招いたのだ。エティエンヌの妻のクローディアを交えて、4人でディナーを囲む。弁護士で自信に満ちたエティエンヌ。運動療法士で内気なクローディア。経済学の教師で社交的なレミ。IT業界で成功を収める思慮深いジョアル。それぞれの胸に秘めた思いを抱えながら、ディナーは進行していくがーー。 踏み出してみれば、なんてことのない一歩だった。 -
ちぐはぐな僕の一等星
190cmを超える長身、低めの声、それに似あわないほどの童顔。高校1年生の葛城和斗の特徴だ。 外見と声のちぐはぐさから、子役時代の事務所で居場所を失くしてしまった和斗は、事務所を移籍してバーチャルライバー「オズワルド」としてデビューを果たす。 金髪で鼻筋が通っていて端正な顔立ちのオズワルドの外見は和斗の声にぴったりで、同期デビューのダンスが上手なバンズ、とんでもない美声を持つヴェールとの3人組ユニット〈一等星旅団〉として徐々に人気を獲得していく。 しかし、バーチャルライバー「オズワルド」として生きながらも、和斗は未だにちぐはぐな自分自身への葛藤を抱えていた。 そんなある日、クラスメイトの二条史恩にオズワルドの動画を見られたうえに、「……この人、葛城くんだろ?」と気づかれてしまう。 御曹司でバレエダンサーとしても活躍するキラキラと輝く一等星のような二条との出会いが、和斗の人生を大きく動かしていきーー。 魔法のiらんど第3回恋愛創作コンテストBL・ブロマンス部門賞受賞作! -
チグリジアの雨
私を助けて――。生と死の選択は誰が決めるのか!?蔑まれた者だけが知る深淵。声なき声は届くのか!?――。命の重さの重要性を問いかけ、連鎖する“いじめ問題〟に一石を投じる、青春ミステリ小説。東京の進学校に通っていた、高校一年の成瀬航基は、母の再婚をきっかけに、ある田舎町に引っ越すことになった。転入して間もない学校生活は順調に進んでいたが、そんな状況が一変し、突然いじめのターゲットになってしまう。いじめは次第にエスカレートしていき、航基は身も心も耐えられなくなっていく。不条理な目に遭うたびに心は削られ、誰にも相談できずに、我慢の限界を迎えた航基が出した結論は「死」。地元で『ゴーストリバー』と呼ばれる河を自殺の場所に選ぶが、その河でほとんど学校にも登校せず、真面目に授業も受けない、クラスメイトの月島咲真と出会う。そんな咲真が航基に対し、「報復ゲームに参加しないか」という衝撃的な一言を放つ――。 -
地経学とは何か
地政学+経済=地経学。 世界のルールと秩序をめぐる新たな主戦場がここにある! 「地政学」は地理的条件、歴史、民族、宗教、資源、人口などをベースに、 国際情勢を分析する。だが、もはや地政学では手遅れなのだ。 地政学的課題を解決するために、経済を武器として使うこと――。 それこそが「地経学」である! 米中の貿易をはじめ、ジオエコノミクスの闘いは、すでに始まっている。 両国の覇権争いは、かつての米ソ冷戦と何が違うのか? 朝鮮半島、尖閣諸島、ロシア、EU、イラン……。 日本を取り巻く脅威に、「地経学」でどう立ち向かうべきなのか? 新しいグローバルマップが、ここにある。 ・ビッグデータで人民を管理する中国の「デジタルレーニン主義」 ・米NSAが仕掛けたファーウェイへの侵入計画 ・気候変動の「勝ち組」は北欧諸国、「負け組」はサウジアラビア ・日本が原油を依存するホルムズ海峡という「チョークポイント」 ・CO2、海底ケーブル、レアアースという新たな戦場 ・トランプ政権で強まる「韓国は戦略的に不要」論 ・2022年、日本は経済規模でASEANに抜かれる -
地先
日本経済新聞2019年8月15日夕刊で、通常、時代小説の書評を担当されている縄田一男氏が例外的に『地先』を取り上げた。 「今回は破格の一巻として、乙川優三郎の現代もの短編集『地先』を扱う。 表題作の”地先”とはその土地から先へつながっている場所という意味の言葉。 巻頭の「海の縁」と巻末にすえられた表題作は対で、御宿の海岸を舞台に、人生の後半にさしかかった主人公がいま一歩踏み出そうとする姿を描いている。 前者は谷内六郎の生涯を己に投影し、後者は風来坊の画家が海女を思わせる民宿の娘と出会うことでそれは成される。 ……希望や諦観を瑞々しい筆致で描く8つの物語……そこからさざ波のようにわきあがってくるのは真の小説と出会った感動にほかならない」と絶賛。 ブック・ジャーナリスト内田剛氏は「なんと熟成された物語なのだろう…。人生の艱難辛苦を味わい尽くした究極の大人の文学だ!」と絶賛。 圧倒的な筆力で、数々の賞を総なめにしてきた乙川優三郎が到達した地平! 「悲しみ、苦しみのないものを書こうと思わない」という意図のもと、楽しいだけの話ではなく、「苦しみの末のハッピーエンドを予感させる物語」を描く。 *恋人と一緒の南国のリゾート。遊覧飛行の事故で、恋人のみが死亡。 傷ついて故郷の海辺の町に帰ってきた女。 自由な恋と仕事に人生を過ごした女が、海辺の町で、地に足着けて自分の夢を実現しようとする男と再会。ささやかな生きる希望が生まれる。…(「すてきな要素」) *絵描きになる夢をあきらめ、平凡な主婦生活を送っていた幸代。娘の作品が美術展に入賞したため、上野に連れ立って出かけた。 そこで、青春時代、芸術家としての才能を信じ、尽くしていた男が、街頭で絵を売っている姿をみる。 動揺する幸代が帰宅して描いたのは…。(「言葉さえ知っていたら」) 御宿を舞台に描く『海の縁』『地先』など珠玉の8篇! -
致死量の友だち
一緒にあいつらに復讐しましょう。 凄惨な虐め、離散同様の家族――「死」を覚悟したとき、傍らでささやく美しいクラスメイト。 彼女は毒を隠し持つ麗しい女王蜂だった。 「別に、生きていて欲しい人なんていない……」 学校で苛烈な虐めをうける宇打ひじり。死をも考え始めてしまうような状態の中、美しいクラスメイトの夕実から一緒に復讐しようと誘われる。夕実も校内で悍ましい仕打ちをうけていたのだ。夕実に誘われるまま、毒を使って仕返しを考えるようになったひじりは、彼女から毒の知識を得ていくが、美しい彼女へ憧れや恋に似た依存を強めていく。そんな中、ひじりが絶望に打ちひしがれる事態が起こり、思わぬ事件に発展してしまう。その悲劇の裏にひそむ悪意にひじりは動揺しながらも、クライメイトとともに事件を探るようになるが、ついには学園中を巻き込んだ大きな惨劇が発生してしまう。 ――その裏には驚きの事実が待ち受けていた。 「そう、なら皆殺しでいいのね」 -
遅日の岸
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ ◆第一句集 沖群青外套の胸開けて立つ 俳句を手放さずに、と書いたが実際は逆で、俳句の方が私に寄り添ってくれていたのに違いない。 (あとがきより) ◆自選十句 花の上に押し寄せてゐる夜空かな 鳩は歩み雀は跳ねて草萌ゆる 投げ出して足遠くある暮春かな 初夏の木々それぞれの名の眩し 吊革のしづかな拳梅雨に入る 松の影ゆれて松風蟻の道 振り消してマッチの匂ふ秋の雨 団栗の青きが握り拳の芯 秋の雲いくつ流れてシャツ乾く 枯蟷螂人間をなつかしく見る あをぞらをしづかにながす冬木かな ガラス戸の遠き夜火事に触れにけり -
歌集 地上絵
第二回笹井宏之賞永井祐賞を受賞した著者の第一歌集。 I am a 大丈夫 ゆえ You are a 大丈夫 too 地上絵あげる 第二回笹井宏之賞永井祐賞を受賞した著者の第一歌集。 大胆な間違いで鷲掴みされるほんとうのこと、 私にとって橋爪の短歌の最大の魅力はこれだ。 ────宇都宮敦(歌人) 【目次】 Ⅰ 地上絵 星とカメレオン 世界中の鳥の名前 ドレス! わたしの絶望 愛の犬 てんらんかい サイダーの匂い 熱帯夜 岩 階段 夢中 日々 着地 Ⅱ とおざかる星 うかぶわ 風なら 息の根を呼びとめて 銀色の靴 灯台 崖の街 かがやくゼリー 舌を出してね 感覚 ミニチュア 解説 地上絵もらう 宇都宮敦 あとがき 【著者】 橋爪志保 1993年、京都市生まれ。2013年に「京大短歌」に入会し、作歌を始める。現在は、同人誌「羽根と根」の同人として活動中。2020年、「とおざかる星」50首で第二回笹井宏之賞の永井祐賞を受賞。 -
地上最後の刑事
〈アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞〉小惑星衝突が迫り社会が崩壊しつつある世界で、新人刑事は地道な捜査を開始する。近未来ミステリ。 ファストフード店のトイレで死体で発見された男性は、未来を悲観して自殺したのだと思われた。半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測されているのだ。しかし新人刑事パレスは、死者の衣類の中で首を吊ったベルトだけが高級品だと気づき、他殺を疑う。同僚たちに呆れられながらも彼は地道な捜査をはじめる。世界はもうすぐなくなるというのに……なぜ捜査をつづけるのか? そう自らに問いつつも粛々と職務をまっとうしようとする刑事を描くアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作! -
地上に輝く星たち
焦る必要はない、ただ目の前の自分を全力で生きればいい 「中学に行っても、ずっとこの関係性が続くと思っていた」 変化する友情と、大人の階段を上ることへの期待と不安。 感受性豊かな思春期を過ごす青年たちの葛藤を、繊細に描いた青春小説。 みんなの人気者・晃、真面目で勉強が得意な健斗、気が利き調和的な悟。 異なる性格を持つ仲良し三人組は、幼馴染でいつも一緒に行動していた。 しかし、入塾や中学進学を機に、彼らの間には少しずつ距離が生まれてしまう。 それぞれが劣等感や嫉妬、自己への存在意義に対する疑問を抱きながらも、 彼らは心の成長を通じて、友情の大切さを再発見していく――。 -
痴人の愛
河合譲治は君子と呼ばれるほど真面目な男だが、カフェーの女給をしていた15歳のナオミを見初める。自分の家にひきとって育て、やがて結婚するが、ナオミは次第に奔放な性格を現わすようになる。小悪魔的な女の奔放な行動を描いた谷崎潤一郎の代表作。成長するにしたがい次第にナオミは本性を現わし、金使いは荒く、奔放な性格で何人もの男と淫乱に付き合うようになる。しかし最後に男はナオミに屈服し、実家の財産を処分し奴隷のようになってしまう。何度も映画化された作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
痴人の愛 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!≫ 日本人離れした家出娘ナオミに惚れ込んだ譲治。 自分の手で一流の女にすべく同居させ、妻にするが、ナオミは男たちを誘惑し、堕落してゆく。 ナオミの魔性から逃れられない譲治の、狂おしい愛の記録。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
地図にない谷
その部落へはなぜ立ち入ってはいけないのか……そして、村民が次々と急死する風土病の謎とは? 大学の夏休みに郷里へ帰った帯金多江は、鬼兵衛谷をレポートに取り上げようとしたが、なぜか母の強い反対にあった。だが、許婚者とともに秘かに探索に乗り出し、「いきなり病」と呼ばれる風土病を調べるうち帯金家が谷の歴史に深くかかわっていることに気付く。あまつさえ、一八〇年に及ぶ谷への弾圧の張本人が帯金一族にあったことと同時に、多江は恐るべき自分の出生の秘密を知る。 第17回江戸川乱歩賞最終候補となった「藤太夫谷の毒」を改題。伝奇ミステリーロマンの名作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。 -
血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選
徳川11代将軍家斉の時代。時の老中・松平伊豆守信明を伯父にもつ、明朗で人懐っこい青年剣士・月影兵庫。彼は伯父の秘命を帯びた道中や、相棒の安との旅路で様々な事件に遭遇する。その度に、兵庫は鋭い洞察と上段霞切りを始めとした武芸を駆使し、解決していく。大雨で足止めを食らった人々が滞在する旅籠で、殺人が起こる「血染めの旅籠」。盗賊が豪商から盗み出した千両箱の在処を探す「偉いお奉行さま」。行方不明になっていた村で評判の美人が4年ぶりに帰還。それを機に奇怪な殺人が起きる「帰ってきた小町娘」など、傑作17編を収録する。/【収録作】「上段霞切り」/「通り魔嫌疑」/「血染めの旅籠」/「首のない死体」/「大名の失踪」/「二百両嫌疑」/「森の中の男」/「偉いお奉行さま」/「帰ってきた小町娘」/「掏摸にもすれないものがある」/「私は誰の子でしょう」/「鬼の眼に涙があった」/「乱れた家の乱れた話」/「ただ程高いものはない」/「理窟っぽい辻斬り」/「殺したのは私じゃない」/「殺しの方法は色々ある」/編者解説=末國善己 -
血染の袍
彼はいつも、一着の古びた袍を身にまとっていた。 それは、とうに亡くなった一人の女が、生前、その手で縫い上げたものだという。 遠い昔―― 女は瀕死の彼を背負い、血に濡れた山道を、一歩、また一歩と進んでいた。 その身から流れ出る血は、すでに尽きようとしていた。 顔は紙のように白く、息も絶え絶えであった。 それでも彼女は、不思議なほど穏やかな顔で、彼にこう告げた。 「少し……疲れましたね」 それが、彼女の最期の言葉となった。 以来、彼はその袍を決して手放さなかった。 破れれば繕い、 繕えば、また破れた。 幾度となく針を通し、継ぎ布を重ね、 そうして彼は、百年もの歳月、その袍をまとい続けた。 彼の傍らには、いつも一匹の猫がいた。 だが、その獣を果たして猫と呼んでよいものか、誰にもわからない。 姿かたちは、確かに猫に見える。 されど―― この世に、三千年もの時を生きる「猫」など、あろうはずもない。 彼は、多くの人を殺してきた。 その数を知る者は、もはやどこにもいない。 ただ袖をひと振りするだけで、 人の頭は、石畳に叩きつけられた西瓜のごとく、たちまち砕け散ったという。 死者は、あまりにも多かった。 その名を聞けば、人々は戸を閉ざし、 泣く子さえ、たちまち声を潜めた。 彼を恐れる者たちは、ひそかにこう呼んだ。 ――悪鬼、と。 だが、彼が求めていたものは、不老長生ではなかった。 仙籍に名を連ねることでも、 天地を意のままにする神通力でもない。 彼が願ったのは、ただ一つ。 ただ一度きりの成仙の機縁と引き換えに、 あの日、血を流し尽くして死んだ女を―― 再び、この人の世へ呼び戻すことだった。 -
痴態
警視庁特別捜査班チーフ・山崎警部は、まもなく十五年目の時効を迎える未解決の事件に苛立っていた。秋村弁護士が暴力団員の前川に刺殺され、アタッシェ・ケースを奪われた事件だった。時効を一ヶ月と六日後に控えたある日、被害者の娘・弥生が現れた。以前、特捜班に助力し、難事件を解決したことのある霊能者・北里青州の協力を取り付け、亡き父の無念を晴らしたいという……。既刊『情炎』の続編となる長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。 -
知多半島殺人連鎖
水平線の彼方から昇ってくる日の出が美しい知多半島。観光ホテル副社長夫人・佐々木静香の生活は、なにもかもが満ち足りている。働き者の優しい夫と、豊かな暮らしと、体内に宿したわが子。しかしある日ふと気づくと、終日、彼女の後をつけ狙う正体不明の不気味なストーカーの影が!? そして、二見浦の初日の出に隠された秘密とは……? 美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。 -
チタン
講義中、後ろの席からちょっかいを出してくる男がいる。その男に強引にバイク部のマネージャーにされてしまった。彼の苗字は小学生の時に百合を苛めていた年上の女の子と同じである。彼女にはきょうだいが沢山いたけど百合と同い年のきょうだいはいなかった。だけど雰囲気がよく似ている。 ※本作は善文杏南の個人誌作品の電子書籍版となります。【48ページ】 -
父親たちにまつわる疑問
私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作 宇宙人を名乗る男から奇妙な依頼を受けた私立探偵サムスンは刑事になった娘と調査に乗り出す。四篇の連作によるシリーズ最新作 -
父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について
たった一人の家族だった母親を病気で亡くした高校二年生の新田由奈。 母の葬式の日、そんな彼女の前に突然、父親を名乗るおっさんが現れた。しかも2人も!? 金髪でチンピラ風の竜二と、眼鏡でエリート官僚風の秋生。「今さら父親なんて認めない!」と反発するが、一つ屋根の下で暮らすことになってしまい――。 不思議な共同生活が紡ぐ新しい家族のカタチ。その中で知った母の意外な一面と残された想い。 あたり前に近くにいる人が愛おしくなる、いびつでおかしな親子の物語。 -
父が残したメッセージ 7日間の人生レッスン
大人になってから、どこまで変わることができるか 医者を30年もやってくれば、初対面である程度どういうタイプの人かわかるものだ。しかし、目の前にいる男性は、いままでに出会ったことのないタイプの人だった。「人は思い出を大切にしますよね。思い出ってなんでしょう。過去の経験? あるいは楽しかったことでしょうか。いや、それだけでは思い出にはならないのです」答えをなかなか言わない。自分で発見しろと言いたいのだろう……。 オヤジが亡くなり、ある日突然、知らない人から電話があった。それから始まる7日間。7つの場所へと新しい自分に出会う旅に導かれていった。魂を揺さぶる父と子の感動物語。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 医学博士・脳神経内科医。聖マリアンナ医科大学内科助教授を退職後、東京・あきる野市の米山医院で診療を続けながら、脳の活性化、認知症予防、老人医療などをテーマに著作・講演活動を行っている。著作は300冊以上に及ぶ。趣味は独学のピアノ演奏、油絵やイラストを描くことで、イラストは自身のエッセイとともに雑誌などにも掲載されている。 -
父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス
愛する人たちの死について書くというのは、書くということそのものと同じくらい古い行為のはずだが、いざそれをするほうに自分が傾くと、即座にことばに詰まってしまう。メモを取っておこうと自分が考えていることにぞっとなり、恥じ入りながらメモを取り、メモを修正している自分を見損なう。情動的にかき乱される原因は、父が有名な人だったことにある。書きとめておく必要をおぼえる背後には、この野卑な時代の中で自分自身の名声を高めたいという誘惑が潜んでいるかもしれない。もしかすると書きたいという呼び声に抗して、謙虚に黙っていたほうがいいのかもしれない。謙虚なふるまいというのは、実のところ、僕の一番好きな虚栄の形態なのだ。しかし、書くということに関してよくあるように、主題のほうが書き手を選んでくるという面もあり、抵抗しても無駄なのかもしれない。 ――本書より -
父と僕の終わらない歌
アルツハイマーになった父の人生に 「歌」がもう一度光をくれた──奇跡の実話! 映画化決定! 2025年5月23日(金)公開 出演:寺尾聰 松坂桃李 監督:小泉徳宏 その日、認知症の80歳男性が歌手デビューしたというニュースが世界中を駆けめぐった。彼の名前はテッド・マクダーモット。3年前にアルツハイマー型認知症と診断され、陽気な性格は怒りっぽくなり、息子のことも忘れ始めていた。そんななか家族でドライブ中、車内の曲に合わせテッドが歌い出した。それは奇跡の始まりだった──歌で笑顔を取り戻し、長年の夢を叶えた父テッドの半生を息子が綴る、感動の実話! *本書は、過去にハーパーコリンズ・ノンフィクションから配信されておりました『父と僕の終わらない歌』の文庫版となります。 本編に変更はありませんので、重複購入にご注意ください。 -
父と息子の物語
ユダヤ系文学の原点「父と息子の関係」に光を当てる論集! ユダヤ民族の族長アブラハムが、神の命に従い一人息子イサクを生贄として捧げる絶対神への信仰心(アケダー)、また疑うことなく父アブラハムの言葉に従うイサクに見られる「父と息子」の揺らぐことのない信頼関係からユダヤ民族の宗教は始まる。本書を手にした読者は、今まで目にしたことのないようなユダヤ系の親子関係の普遍性と特殊性を味わうことになるだろう。 【目次】 第1章 〈怒りの神(父)─息子〉と〈慈愛の母─息子〉(広瀬佳司) 第2章 父と息子を結ぶ光──スタンリー・クニッツの描く父、母、息子(風早由佳) 第3章 アンジア・イージアスカの描く「親子の継承」──『パンをくれる人』から『白馬の赤リボン』への変遷(江原雅江) 第4章 不在の父を求める息子──アイザック・バシェヴィス・シンガー『モスカット一族』を中心に(大﨑ふみ子) 第5章 アイザック・バシェヴィス・シンガー『父の法廷』における父親像──ノア、あるいはモーセ(アダム・ブロッド) 第6章 アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品に見る母と息子の絆(今井真樹子) 第7章 父親はラビ、息子は作家──アイザック・バシェヴィス・シンガーの小説(佐川和茂) 第8章 マラマッドの「ある殺人の告白」──そのタイトルの重層的な意味について(鈴木久博) 第9章 「ジ・エンド」をめぐる父と娘──グレイス・ペイリーの「父との会話」(大場昌子) 第10章 父の怒り、息子の涙──『男としての我が人生』における苦悩と失意(岩橋浩幸) 第11章 ポール・オースターの「父と息子」の物語──『孤独の発明』における語りの作法(内山加奈枝) 第12章 父子をめぐる〈虚─実〉のトポス──スピルバーグの『未知との遭遇』から『フェイブルマンズ』まで(中村善雄) 第13章 アーサー・ミラー『セールスマンの死』に見るユダヤ系の父と息子──レヴィンソンとシュレンドルフの解釈を基点に(伊達雅彦) -
月ぬ走いや、馬ぬ走い
第67回群像新人文学賞、第46回野間文芸新人賞、第11回沖縄書店大賞(小説部門)トリプル受賞! 琉球大学在学中、21歳での鮮烈なデビュー作! 沖縄に生きるアメリカルーツの男子小学生、片足を失い幻肢痛に苦しむ米兵と結婚したコザの女性、特攻へ向かう旧日本軍将校──。14人の語りを通して、戦中から現代までの沖縄の80年史を描き、その因果の物語を辿る。 『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は、沖縄の近現代、連鎖する暴力、死者と記憶と時間といった明らかな主題や情報が霞んでしまうほど詩的で恍惚的な文章に満ち、読後にそのすべてが名状しがたい体験として迫り残り匂いたつ。抜群のリズムと声によるこの容赦のない疾走はまったくの才能である。 ──川上未映子 島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。 ―― 島田雅彦 十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。 ―― 古川日出男 「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば) ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ! -
父のおともで文楽へ
父と私と文楽。共感度100%の家族小説。 母の3回忌の法要で、佐和子は実家を訪ねた。久しぶりに顔を合わせた父・敬一郎から文楽を観に行こうと誘われる。仕事が休みの土曜日、小学生の娘・梨々花は別れた夫・義彦との面会日で家にない。「面白いぞ」と敬一郎は言うが、半信半疑で国立劇場へ向かった。 演目は『心中天網島』だった。天満で紙屋を営む治兵衛が曾根崎新地の遊女と恋仲になり、妻子を捨てて心中するという筋書きだ。治兵衛は、妻のおさんへの未練も断ち切れず、遊女の小春との心中も踏ん切りがつかない。佐和子はまったく共感できなかった。そんな佐和子に、「また付き合え」と敬一郎は言った。 ニューヨーク州の弁護士資格も持ち、アメリカで仕事をする予定の義彦が、梨々花を連れていきたいと言い始めた。佐和子は梨々花を手放したくないが、契約社員としての収入は多くなく、夫からの養育費に頼る身だ。そんな中、敬一郎から検査入院をすると連絡が入る。 37歳でシングルマザー、派遣社員の佐和子には、精神的にも経済的にもゆとりは少ない。公私に亘って、課題が山積みだったが……。 -
父の回数
話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。 父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。 誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。 こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください! ―尾崎世界観(シンガーソングライター・小説家) 全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。 共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。 ―町田そのこ(作家) これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。 ―永井玲衣 (哲学者・作家) つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。 本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。 ―海猫沢めろん(作家) この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!―(担当編集)
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