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結婚して十年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に気づいても理津子は超然としていられるはずだった(「妻の超然」)。九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する酒好きの彼女に罵倒される(「下戸の超然」)。腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作(「作家の超然」)。三つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う傑作中編集。
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Posted by ブクログ
妻、下戸、作家の三者の「超然」のうち、二人称で書かれた「作家の超然」が壮絶だった。難解な言葉も文脈もないのに、視点はどんどん遠ざかって、やがて文学の滅亡に至る。言葉の意味や情報が失われた後に幻視する光景にただ圧倒される。ひたすらすごい本だった……。 久しぶりの絲山作品。疎遠になっていた原因でもある「...続きを読む生々しさを突き抜けたグロテスクさ」にやっぱり当てられたけど、どうしてかめちゃくちゃ清潔だとも感じる。不思議。 (初読やと思ってたけど単行本の登録がある……感想もつけてる……)(自分が信じられない)
楽しみ読み進めました。 読みやすいのですが、「超然」というテーマに沿って書かれた短編という挑戦をしているのに、楽しみながら読み進めることができるもので、作家としてのチャレンジ精神にも感服します。 文体がとてもリズミカルで読みやすいように感じるんですよね。毒もあるので読んでていてスッキリするんです! ...続きを読むしばらく絲山秋子さんの本を読み漁ろうと思っています。
『妻の超然』『下戸の超然』『作家の超然』の三作品が収録されている。 表題作の『妻の超然』は多少ユーモラスながら、最も近い他人である夫との距離のあるコミュニケーションと、つかず離れずの友人、そして敬愛する料理の先生との部分的な共有を持った関わりを三人称で描く。『下戸の超然』は酒の呑めない男性の一人...続きを読む称である。これらは作家自身とは全く別の世界に生きる人物のフィクションで、それは「小説」というものの形態としてはごく普通のものなのだが、最後の『作家の超然』では主人公である作家を「二人称・おまえ」で描いてある。 前二作を読んだ後に、この『作家の超然』を読むという順番にも意味がある。状況を距離を置いて見るように三人称で描かれた『妻』は、夫との関係をあれやこれや考える。それをまるで観察するかのように突き放す。一人称で描かれた『下戸』は独身男性の恋人や職場の友人、実家の家族との関係を客観的な目でもって主観的に描いてある。これらは作家自身とは違った生き方をする人の「孤独」について坦々と描いてある。 そこで三作目の『作家の超然』に読み進むと、「おまえ」と呼ぶまるでもう一人の「自分」が冷徹に畳み掛けるように語る。「孤独」を飼いならし、「超然」と居ようとし、仕事をこなしていく日々と、良性の腫瘍の摘出手術を通して、これでもか、というほどの自身への「客観視」がある。そこには、前の二作で描かれた虚構でありながら、作家“ではない”別の世界を描くことによって、より輪郭が明確化された「作家」の内的世界と外の世界の隔絶と孤独が現実感を持って現される。 もちろんこれもフィクションであり、現実の作家自身ではないのだが、その仕事「文学」の状況と自身の立場を客観的に彫り出す。「良性腫瘍」という異物を摘出するという身体の痛みを伴う出来事と、作品を描くということの共通性を感じた。そして、その産みだされる「良性腫瘍」は、前二作では子を持たない妻と独身男性という“産みださない”状況との違いを明確化し、文字通りに「身」を削る。 絲山作品において毎回感じるのだが、ロマンチシズムやメランコリックなセンチメンタリズムの「湿気」を排除した「孤独」のありようが、追い込んでくる凄みと、誤魔化しようのない人の持つ当然の「孤独」を描きだしている。
再読 夫の浮気に気づいても超然としていられるはずだった「妻の超然」 下戸の僕はNPO活動を酒好きの彼女に強要される「下戸の超然」 腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴「作家の超然」 傑作中編集
超然という意味を知らずに、ばかものがおもしろかったので読みました。 それぞれの超然とする様はみっとも無いような、意地っ張りのような居心地の悪さがとても読みやすかったです。 伝わるとすればせいぜいそれは愛想だろう。
小説のような、絲山氏の主張を込めたエッセイのような、とにかく言いたい放題の作品でした。 絲山氏らしくて良いです。
超然、とは。超然とはなにかなんて、普段は全く思い至りもしないのだけれど。あえて超然を選び、超然であるということについてとことん追求するということ。その前衛性の素敵さにくらくらとする。3つの超然がててくるが、表題の妻の超然は実験的な手法もあり、はっとさせられるような鋭さがあり、これこそがわたしの愛する...続きを読む小説であり。作家の超然における、突き放した二人称がとても楽しい。作家であるおまえは、と突き放すひとそれ自身が作家であるという構造のおかしみとストーリーの痛切さ。とにかく素敵な。
方々より面白いという噂を聞きつけ,読んでみました. 妻の超然,下戸の超然,作家の超然の全3編. この作品,面白いのは間違いないのだが,なんとも不思議な面白さなのだ.一番のおススメは断トツで妻の超然だろう.結婚10年の冷めた夫婦の物語.妻の強かさと,夫の滑稽さが際立っている.どこの家庭も一緒なのかな....続きを読む一家の大黒柱だと胸を張る夫・・・を手のひらで転がす妻.会社の信頼が厚いと嘯く夫・・・を手のひらで転がす妻.異性にモテると鼻息を荒くする夫・・・を手のひらで転がす妻.つくづく男はバカなのだ.一生,妻の手のひらから逃げ出すことは不可能だろう.まるで孫悟空だ.
「超然」を描いているが、読後感はまったく超然とはならない。 むしろ、なんとも言えない焦燥感というか、もやもやが残る。それこそがこの小説の影響力なのだろうと思う。すっきりしない、胸にひっかかったものの正体は何なのか。 (2013.4)
絲山秋子、はじめて読んだ。 とてもよかった。 『妻の超然』 『下戸の超然』 『作家の超然』 だんだん刺激が強くなるので、著者に何か試されている気もする。 『作家の超然』なんて、二人称でしかも「おまえ」ときた。 ミラン・クンデラ曰く、 「文化は生産過剰、活字の洪水、量の多さの中で消えていく」。 ...続きを読む 情報過多の時代、でも誰にもそれを止めることができないのなら、その先を超然として待つほかない。
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