献本でいただいた一冊。
「裁判官」「被害者」「殺人犯」という、
中々に物騒な題名の中編、3篇で構成されています。
鈍色にさびれた裏通り、淡い陽光に包まれた公園の広場、
幾何学模様に彩られる視界と、それがもたらす唐突な終末の景色。
著者はイタリアで映画監督などをされている方、
だからでしょうか、
...続きを読む自然と映像が浮かんでくるようでした。
3つの物語に関連性があるわけではないのですが、
根底にあるのは“罪”と“罰”とのテーマ。
その中でも印象的だったのはこちらのフレーズ。
“罪を意識させることこそ、唯一の罰である”
果たして、罪と認識しない人が罪を犯しても、
その人に“罰”を与えることはできるのでしょうか。。
3つのうちの1つはどこか『デスノート』とも通じるものがあり、
人に“罰”を与えることとそれを担う存在は、、最早“人”と呼べるのかどうか。
普段あまり考えることのない命題を、つきつけられた気がします。
単館系でのアンソロジー映画として観てみたいかな、なんて風に感じました。