中央公論新社の検索結果
検索のヒント
検索のヒント
■キーワードの変更・再検索
記号を含むキーワードや略称は適切に検索できない場合があります。 略称は正式名称の一部など、異なるキーワードで再検索してみてください。
■ひらがな検索がおすすめ!
ひらがなで入力するとより検索結果に表示されやすくなります。
おすすめ例
まどうし
つまずきやすい例
魔導士
「魔導師」や「魔道士」など、異なる漢字で検索すると結果に表示されない場合があります。
■並び順の変更
人気順や新着順で並び替えると、お探しの作品がより前に表示される場合があります。
■絞り込み検索もおすすめ!
発売状況の「新刊(1ヶ月以内)」にチェックを入れて検索してみてください。
-
問いつめられたパパとママの本 新装版
「深いけど、軽い。 高尚だけど、読みやすい。 復刻なのに、新しい。 やっぱり伊丹さんはカッコいいのです。」 ――三谷幸喜さん大推薦!! 〈空ハナゼ青イノ?〉〈ナゼオ月サマハ追ッカケテクルノ?〉〈赤チャンハドコカラクルノ?〉……素朴で根源的であるだけに難問であることが多いのが、子供の疑問。洒脱にして明快な答え方、教えます。30代で書かれた才能きらめく名エッセイが待望の復刊。著者自筆イラスト入り。 【序文より】 この本を私は、生まれつき非科学的な人、つまりあなたのために書いた。理数科にうとく、どちらかといえば文学的なあなたに、まるで講談のようにどんどん読めてしまって、そうして読み終わったあと、自分が地方の高校の物理の先生にでもなったような、そういう気分にさせるような本を私は贈りたいと思ったのであります。 さよう、講談のように読めてしまう、そうして講談のようにわかりやすい、これが、この本を書くにあたっての私の眼目でありました。つまりおもしろくなくては困るのであります。 【目次より】 赤チャンハドコカラクルノ?/大人ハナゼオネショシナイノ?/宇宙線ッテナアニ?/オジイチャンノ頭ハドウシテ白イノ?/海ノ水ハナゼカライノ?/空ハナゼ青イノ?/夜ニナルトナゼ眠ラナクチャイケナイノ?/ウチワデアオグトドウシテ涼シイノ?/ナゼオ月サマハボクガ歩クト追ッカケテクルノ?/人工衛星ハドウシテ落チテコナイノ?/四次元ノ世界ッテナアニ?/ナメクジハドウシテ塩ヲカケルト溶ケチャウノ?/オ昼ナノニドウシテオ月サンガ出テイルノ?/山羊ハドウシテ紙ヲ食ベルノ?/冬ニナルトドウシテイキガ白クナルノ?/赤チャンハドウシテ出ベソナノ?/レモンヲ入レルトナゼ紅茶ノ色ガウスクナルノ?/ノリヲ火デアブルトドウシテ緑色ニナルノ?/日ナタト陰ト気温ガオナジデドウシテ日ナタガアタタカイノ?/オ菓子ヲ食ベスギルト虫歯ニナルッテホント?/ゴムマリハドウシテハズムノ?/テレビハドウシテウツルノ?/天使ハドウシテハダカナノ?/ノリハドウシテクッツクノ?/紙ヒコーキヲトバスノニドウシテオモリヲツケルノ?/ママハイツモオ化粧シテルノニドウシテ肌ガアレテルノ?/北極ヘイクト東西南北ハドウナルノ?/地球ハデコボコナノニドウシテマルイッテイウノ?/アヒルハナゼ水ノ中デモ濡レナイノ?/ガスノ火ハドウシテホースノ中マデハイッテイカナイノ?/棒ヲツヨク振ルトヒュット鳴ルノハナゼ?/ネコノ眼ハナゼ光ルノ?/夏ニナルトドウシテ暑イノ?/タバコノケムリハ青イノニパパノ口カラ出ルト白クナルノハナゼ? など -
中年よ、すねを剃れ
全中年が泣いた!? 中年の、中年による、中年のための一冊! 繊細すぎる、50歳。独身街道でひと休み。 求められる笑いと芸風のギャップに悩み、 ホテル・ドーミーインに恋文を送り、 おもねらないスタッフに歯がみする…… デビューから30年、 痛みを笑いに変えてきた著者が すべての中年に贈る感動のエッセイ集! 小説家・津村記久子さん喝采 「一人でも世界を豊かで美しく感じられると、ふかわさんは丹念に書く。 そのことは「生きることは楽しい」と思い出させ、 やがて読者はふかわさんに助け起こされた羊のような気持ちになる」 ~~~~ 「少子化問題」 そんな言葉に触れるたび、胸がちくっとします。誰に咎められるわけでもないのに。 私個人に関しては、子供が欲しいという気持ちすら持ち得ていないのです。 子供を欲しいと思わない自分が、調律されていないピアノと重なるのです。 (本文より) ―目次― 中年の車窓 中年よ、すねを剃れ Out of tune 物欲怪獣 僕たちは、どうかしている モネのため息 いつかは来ない ピーターパン症候群 拝啓 ドーミー様 ほっき貝の憂鬱 漣 私の防腐剤 ペットロスと言えなくて 中年の園 氷河の一滴 ダイアモンド LIFE 赤とんぼ あとがき -
定年物語(上下合本)
正彦さんが定年を迎え、さてこれからは、一緒に旅行を……と期待していた二人。 しかし、折しも世の中はコロナで自粛中。 そんな中で、新たなフェーズに入った二人の生活は? 俳句、骨董と、趣味の道をきわめる正彦さんと、二次元コードに苦しめられたり、日々のちょっとした生活の変化を楽しんだりする陽子さんの日常を綴る。【上巻】 正彦さんの定年とともに陽子さんも時々感じることがある。 それは老い……。 書店で一番下の文庫を取ろうとしゃがみこんだら、なかなか立ち上がれなかったとき、インボイスの手続きに必要なQRコードを読み込めなかったとき……。 それでも人生は続く。 正彦さんと共に楽しく! 定年を迎えた二人の新たな生活を描く!【下巻】 -
国会議事堂―政治空間をめぐる近現代史
近代日本の政治は、江戸期の上意下達から、身分不問で意見を戦わせて公共の利益に適う合意形成を行っていく。その政治空間の中心こそ国会議事堂だった。 1890年に創られた仮議事堂で帝国議会は開会するが、一つの場での議論が不慣れだった日本人はここから政治をどのように組み立ててようとしたのか――。 仮議事堂が2回全焼するなか、恒久的な国会議事堂創設までには、西欧普遍のスタイルか「日本性」追求かなど政治家、官僚、建築学者を巻き込み一大議論となっていく。 では、1936年に完成した現在の国会議事堂は、どのような意図のもとに創られ、また日本政治はこの器のなかで、どのように展開されていったのか――。 日本政治は、政治家をはじめとして人物を中心に描かれてきた。本書もそれを重んじつつ、国会議事堂という「政治=空間」に注目する。世界各国で政治は、空間に見合った形で展開されているからだ。空間が政治を規定するのでもなく、その逆でもなく、両者が相伴って形成しているからだ。 本書は、150年以上に及ぶ日本の公議の軌跡=日本政治について、「政治=空間」という新しい視点から、通史として描く試みである。 -
徳川か、豊臣か。
忠誠か、裏切りか。 「本能寺の変」後――大河ドラマ「豊臣兄弟!」後半のキーパーソン、石川数正。 豊臣秀吉との「天下取り」の行方は、徳川家康の懐刀・数正が握る。 この男の行動こそ、戦国最大のミステリー。 【目次】 一 信長死して 二 徳川の価値 三 外道と外道 四 真偽変転 五 八分目の二人 六 「次」への道 七 要石 八 怪物・黒田官兵衛 九 病と薬 十 道 【主な登場人物】 ■石川数正:今川家の人質時代から仕える、徳川家康の懐刀。交渉に長け、本能寺の変後には羽柴(豊臣)との折衝役を担う。 ■徳川家康:織田信長第一の盟友だった東海の雄。三河、遠江、駿河に加え、信長の死後には甲斐と信濃も領する。 ■豊臣秀吉:信長の次の天下人。徳川の弱体化を狙い、織田家の家臣時代から旧知の間柄である数正に、調略を仕掛ける。 ■黒田官兵衛:秀吉の天下統一に寄与した智慧袋。 ■豊臣秀長:秀吉の信頼厚い弟。大和大納言。 ■石田三成:秀吉子飼いの若き側近。治部少輔。 ■アマメ:伊賀忍び。 -
性別違和に生まれて 父と子で綴った23年
わが子が性別違和を訴えた。 見た目はボブカットの女の子である。 それがいきなり学ランを着て学校に行くということに、私の意識は追いつかなかった。 17歳で乳房を切除。 自分だけが異質であると思い悩み、パニック症を発症した。 居場所を失い、すべてを投げ出そうとしたこともあった。 その時、親と子は何を考えていたのか。 互いの思いを答え合わせのように綴り合い、実子が自分らしさを取り戻すまでの23年間を描いた渾身のルポルタージュ。 -
人恋しくて女性用風俗に行ったあとで考えたお金とケアと欲望のこと
離婚後、晴れて独身にもどった“わたし”(著者)。新たなパートナー作りに踏み出すも上手く行かず、手を伸ばしたのは“女性用風俗”。「すごくよかった」という興奮と「これは性的搾取ではないか」という後ろめたさが同時にやってくる。 性的なことは親密な間柄でのみ行われると思っていたけれど、お金を払えばその「親密さ」を飛ばすことができた。じゃあ、さっきのわたしは何にお金を払ったんだろう。 女性の性欲は本当に男性のそれと違うのか。女性の欲望が蔑ろにされている一方で男性の欲望は蔑まれていないか。他者を「書きたい」という欲望は危ういものなのか。正しさと欲望の間に横たわるものを見つめ、対話し、考える。 セラピスト、オーナー、辞めた人……。著者が女性用風俗にかかわる人に取材しながら、自身の体験を綴る、渾身のルポエッセイ。 -
古代韓半島と倭国
百済、新羅、高句麗が鼎立した韓半島の三国時代は、日本列島の古墳時代とほぼ重なり合う。 本書はまず第Ⅰ部で、日本列島と韓半島の交渉史を扱う際の問題点全般を提示する。 第Ⅱ部では、国家形成期の百済と新羅の政治・社会・文化を、考古学の最新の発掘成果にもとづき詳述する。 さらに第Ⅲ章では、韓半島南部にあって地理的に日本列島と深い関係を持った加耶、そして栄山江流域を取り上げる。 三国時代の韓半島がどのような社会であったのかを、古墳時代の日本列島との比較から浮き彫りにし、韓半島のそれぞれの地域にとって日本列島の諸勢力がどのような存在であったかを探究する。 -
三島由紀夫という存在
三島由紀夫の自決の直後から、30年にわたって語り綴られた、二人の文学者による三島論。 三島生誕100年、石原慎太郎没後3年、野坂昭如没後10年の今年、 あらためて二人の文学者の発言とエッセイを通して振り返る、三島由紀夫の作家としての本質とその存在。 -
落とされなかった原爆――投下候補地の戦後史
原爆が落とされるかもしれなかった、小倉、新潟、横浜、京都。この史実は、どのようにして発掘され、受け止められ、継承されてきたか。日米双方の史資料にもとづく空襲記録運動や自治体史編纂、あるいは環境運動、文学・映画等も含め、足元の郷土を知ることから原爆への想像力は始まった。47都道府県の被団協に注目し、広島・長崎以外の被爆問題も考える。戦後世代は、どうすれば戦争に当事者意識を持てるのか。投下候補地からヒントを探る。 はじめに―原爆投下候補地の戦後史 第1章 被爆地以外に残る被爆の痕跡 1 各地に散った被爆者たち 被爆地以外の被爆者/各地の被団協/被爆地との「距離」/「被爆地以外の被爆者」に支えられた被団協/被爆地以外の被爆二世/湖国のカープファン 2 落とされなかった原爆の記憶 ヒロシマ・ナガサキへの道程/投下候補地の存在/落とされなかった4都市/米軍資料のインパクト/「上空の意図」と「地上の証言」 第2章 長崎への贖罪意識―小倉 1 命運を分けた曇天 Primary target KOKURA/「上空」と「地上」の証言/「救われた小倉! 気の毒な長崎!」 2 小倉の原水禁運動 第五福竜丸事件と小倉/投下候補地こそが訴えるべき原水爆禁止/退潮と変容 3 カネミ油症、風船爆弾、そして原爆 北九州市の発足と公害写真展/真夏に降った「雪」/記録作家「林えいだい」の誕生/林えいだいの8・9/足尾から五島へ/「むなしく奇蹟を待つ人々」/油症と原爆の二重被害/風船爆弾と小倉/証言と史料の収集/「地上」と「上空」の視点から/「投下候補地小倉」への推察/風船爆弾と小倉の被爆者たち 4 並存する二つの平和資料館 被爆二世の市長/被爆地以外の原爆関連資料館/二つの資料館/北九州平和資料館をつくる会/公設資料館の開館、民間資料館の閉館/小倉と長崎/続く慰霊 第3章 原爆疎開の伝承―新潟 1 落とされなかった原爆 北国の平和式典/無傷の新潟、焦土の長岡/「予約された都市」としての新潟/原爆への「肩すかし」/官吏たちと一斉疎開/疎開先で迎えられた8・15/新潟日報社と終戦前後 2 新潟版「火垂るの墓」 戦後復興と「戦争体験」の記録/戦中戦後を架橋する「死児」の記憶/一斉疎開と妹の死/野坂昭如と新潟/原資料の不在 3 自治体史の編纂と知事布告資料の発掘 新潟大史学と県史編纂の始動/初の近代史叙述/知事布告資料の発掘/「上空」からの補足資料/投下候補地の「発見」/反核時代の原爆投下候補地/投下候補地に住まう被爆者たち/投下候補地での「原爆展」 4 新潟の被爆者たちと非核平和都市宣言 一通の投書/非核平和都市宣言の策定へ/岡田茉莉子の「被爆体験」/続けられる資料発掘 第4章 大空襲の記録から原爆の記録へ―横浜 1 予約解除された横浜 横浜大空襲/「excellent bombing results」/5月29日が意味するもの 2 空襲記録運動の展開と横浜 「戦場」としての銃後/二重写しとなったベトナム戦争と日本空襲/横浜の記録運動と飛鳥田市政/記録の不在/集められた「地上の証言」/戦災誌の刊行 3 横浜市立大学による米軍資料の発掘 記録運動と横浜市立大学/海外調査と目標検討委員会資料の発見/空襲の記録から原爆の記録へ 4 横浜とヒロシマ・ナガサキ 『資料マンハッタン計画』/祈念碑の建立/横浜の「被爆体験」/横浜大空襲下の峠三吉/横浜からの想像力 第5章 無空襲都市からの想像力―京都 1 「無空襲都市」「非戦災都市」の誕生 AA級目標・京都/スチムソンの「お気に入り」/グローブズと京都/「非戦災都市」の復興/ウォーナー伝説/複数の「神話」「伝説」との挌闘 2 オーテス・ケーリと京都神話 小樽出身のアメリカ人/激戦の裏にあった「日本語講習」/「英霊たち」によって作成されたビラ/「江戸弁」のアメリカ人/デントン神話への疑念/ケーリが迫った「上空の意図」/スチムソン日記と神話の打破/〝爆心地〟羅生門/ケーリへの再批判?/残された課題 3 空襲記録運動と吉田守男 京都の空襲記録運動/『かくされていた空襲』/それでも少なかった空襲/「地上」と「上空」の手がかりをもとに/スチムソン神話への批判/「無空襲」と「無原爆」の意味/打ち破られていく「伝説」/「研究者の認識」と「世間の常識」 4 再生産される古都神話 ケーリと吉田の遺産を継承する/学術出版と反核運動に吉田が与えた影響/サスペンス小説から古典まで/日文研の京都論/続く神話、続けられる抵抗 終章 実証的な想像力の構築へ向けて 出発点としての郷土史/今日の継承策に見られる「飛躍」/「われらみなヒバクシャ」/普遍化への違和/霧散する具体文脈/「朝鮮にも原爆が落とされたんですか?」/普遍と具体の緊張関係の中で/ジャーナリスト金井利博の問いかけ/核権力論と白書運動・目録作成の内接点/ローカル・ヒストリーの可能性/「まだら」の世界の構築へ おわりに 謝 辞 注 -
モンゴルの二十世紀 社会主義を生きた人びとの証言
モンゴル国は日本海を隔ててわずか3,000キロメートルのところにある、日本の隣国である。 こうした物理的な近さのわりには、その国のたどった運命についてあまり知られてこなかったのではないだろうか。 旧ソ連につづいて世界で2番目に社会主義を採用し、約70年を経て市場経済へと移行した。 言い換えれば、この世の平等を模索する20世紀の実験場の一つとなったのである。 その歴史的意味を具体的に理解するために、モンゴル人自身の語りに耳を傾けよう。 -
見えない妻 聴こえない夫 ふたつの世界で目指す金メダル
目が見えない妻・高田千明と耳が聴こえない夫・高田裕士。 ともにプロの陸上選手の夫婦は、息子に金メダルを掛けるため、パラリンピック、デフリンピックで闘い続ける。 感動のノンフィクション。 高田千明(たかだ・ちあき) 1984年生まれ、東京都大田区出身。先天性の黄斑部変性症により、20歳を前に全盲になる。パラ陸上競技選手(T11クラス)。走り幅跳びの日本記録を持つ。リオ2016パラリンピック、東京2020パラリンピックに出場。アジアパラ競技大会や世界パラ陸上競技選手権大会等の国際大会で、銀メダル4個、銅メダル1個を獲得。ほけんの窓口グループ株式会社所属。聖徳大学客員教授を務める。港区観光大使。 高田裕士(たかだ・ゆうじ) 1984年生まれ、東京都荒川区出身。先天性の最重度感音性難聴で、ろう者として生まれる。デフ陸上競技選手。400メートルハードルの日本記録を持つ。デフリンピック4大会連続出場。2025年11月に開催される東京デフリンピックは、110メートルハードルでの出場が決まっている。アジア太平洋デフ陸上競技選手権大会や世界デフ陸上競技選手権大会等の国際大会で、金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル1個を獲得。トレンドマイクロ株式会社所属。明晴学園陸上部コーチ、都立中央ろう学校と都立葛飾ろう学校で都立学校部活動指導員を務める。港区観光大使。荒川区スポーツ推進会議委員。 -
最後の岸田國士論
岸田戯曲賞に名を残す岸田國士とは何者か。 その多くの遺作群が上演されるたびに話題になるのはなぜか。 岸田の目指した「文学の立体化」はどこまで可能か。 真の岸田像を提出する―! -
歴史と外交
90年代から「帝国の解体」は始まっている。 21世紀の世界はどのような規範や秩序を持つのか。 イスラーム外交を手がかりに新生する規範や秩序を考究し、併せて日本外交の可能性を大胆に示す。 【目次】 はじめに―北朝鮮問題と中東問題の連鎖 歴史と外交―ゆきすぎの防波堤として イラク戦争と「アラビアのロレンス」―ゲリラ戦術と自爆テロの意味 あふたあ・えんぱいあ―戦後政治外交六〇年の教訓 歴史の曲がり角で 西欧のテロとイスラームの間―自由と寛容の罠 後継なき独裁者アラファトの「政治家失格」 表現の自由と信仰の尊厳―預言者ムハンマド諷刺画の波紋 イラン問題とイラク問題の複合性―中東における対決と対立の論理 それでも未来は続く…イラク戦争からレバノン危機へ ヒズボラの誤算とイスラエルの挫折 必要のなかった戦争―レバノン危機と逆説の構図 ローマ法王と文明の衝突―「預言者ムハンマド批判」の背景 おわりに―二つの構想 中東国際関係史の構図―帝国の解体 -
萩原朔太郎
錯綜する幻覚的ヴィジョンの構造、分裂した自己像への視座、象徴主義の秩序を超えていく言葉のエネルギー、巧妙な自己笑劇化の装置‥そして「詩を書かなくなった詩人」としての晩年。 本書は評論でも研究書でもなく、「評釈つき詩集」だと著者は書く。 大枠は評伝・解釈を付けた詩集であり、それゆえ、入門書的関心の読者をも引きこむ本だが、一方で、「地面の詩学」「身体の詩/詩の身体」「母性棄却」「姦通系」など、独自の用語を駆使して、朔太郎に深く斬り込んだ高度な内容を併せ持つ。 読者を充分に楽しませつつ、同時に、豊かで不気味な詩世界に導く、まさに「たくらみ」に満ちた一冊。 -
真淵と宣長 「松坂の一夜」の史実と真実
戦前の『尋常小学国語読本』に採録されていた「松坂の一夜」は、真淵と宣長、二人の国学の巨人の劇的な出会いを描き、国民誰もが知る物語だった。 真淵に私淑していた宣長は、真淵が関西方面に旅をしていることを知って、松坂で宿願の対面を遂げた。 以後、江戸の真淵と松坂の宣長は頻繁に書簡の遣り取りを続け、真淵の薫陶を受けた宣長は、やがて『古事記伝』を著し、国学の大成者として敬仰される存在となる……。 この「松坂の一夜」は、理想的な師弟関係を物語る「史実」として流布したが、果たしてどこまで「真実」を伝えるものだったのか。 本書前半では佐佐木信綱らによって「美しい物語」が作り上げられる過程を明らかにする。 実際、真淵と宣長の交流は、つねに決裂一歩手前の危うさを孕んでいたのである。 後半では、二人の周囲にいた人物の経歴をたどり、二人の出会いに関する様々な「解釈」を取り上げる。 そこでは平田篤胤の宣長への「夢中入門」の逸話は、「松坂の一夜」を焼き直したものであったことも明らかにされる。 近世国学の白熱の一局面をあますところなく描き出した力作である。 -
日本十二支考 文化の時空を生きる
日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。 十二支の時空システムは数字の反復や積算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と、生きものや人の関係として展開してきた。 列島に伝承された神話、物語、民俗、宗教などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす時空へと分け入れば、その旅の先に豊かな文化の姿が装いを新たに立ち現れるだろう。 広く関連諸学の成果を摂取して、現代文明がはらむ課題を乗り越えようと企図した画期的な日本文化論。 (目次より) 子 小さな宇宙 丑 大きな力 寅 強靱な真実 卯 弱さの希望 辰 想う、自然の精霊 巳 実をはかる生きた尺度 午 近しい神の乗り物 未 遠いあこがれ 申 群れの誇り高い自由 酉 個の、恋するプライド 戌 伴侶力 亥 独りで出会う野生 -
陸軍士官学校事件 二・二六事件の原点
陸軍士官学校事件はクーデター企図事件で、1934年11月に発覚し、関係者逮捕でひとまず終結した。 二・二六事件の前史として扱われており、この後、真崎更迭事件、相沢事件へと続く一連の流れの劈頭をなすものだ。 昭和史の動きを捉えるために重要な事件であるにもかかわらず、非常時日本に頻発したテロ、クーデターのなかでは、従来、ごくマイナーな位置づけであった。 この事件は陸軍士官学校の中隊長であった辻政信大尉(統制派)が、参謀本部の片倉衷少佐らとともに画策したとされる。 対立していた皇道派の村中孝次(陸軍大学校学生)、磯部浅一(一等主計)に陸士候補生(陸軍士官学校生徒のこと)をスパイとして送り込み、クーデター計画が存在するとして、深夜、陸軍次官のもと駆け込み逮捕させた。 村中と磯部は結局、免官となる。 この事件は実に奇妙なものであり、陰謀的な面がきわめて強い。 デッチ上げといわれる場合もあるが、それなら何故、陸軍次官まで動いたのかなど謎に満ちている。 それゆえ、実証的検討作業が遅れたことは、事件の解明を妨げてきた理由としてある。 実際、関係者の軍事裁判の過程では怪文書も多く飛び交い、皇道派・統制派の暗闘のなかで、事件そのものと事態収拾が進んでいった。 いずれにせよ、「陸士事件なくして二・二六事件はなかった」といわれるほど、昭和維新史上で重要な事件であるにもかかわらず、今日まで陸軍士官学校事件を扱った単著はおろか、専門的研究論文も存在していなかった。 本書は昭和史の第一人者が、この事件の実像に迫った本である。 事件関係者への聴取記録など基礎史料を渉猟したうえで、昭和史叙述で欠落していた部分を埋めた第一級の労作といえよう。 時々刻々で事件の流れと人の動きを捉え、ときにドキュメンタリータッチも交えて描かれる一方で、本書は、事実と推測を画然と分けて記す姿勢を通して実証史学の骨法を明らかにしている。 本書のもう一つの特徴は、事件そのものを扱うとともに、事件の背景についても筆を費やしているところだ。 陸軍士官学校事件は陸軍内の派閥闘争が深くからんで起きている。 いうまでもなくそれは皇道派・統制派の対立のことだが、著者は本書で、この対立の前史から説き起こしており、前身となる長州閥と薩摩閥について触れることも忘れない。 また、永田鉄山や東条英機らが関わった「バーデンバーデン盟約」にも筆は及んでいる。 昭和陸軍の主要人物が次々と登場して、事件の叙述に広がりを与えているのも、本書の魅力の一つだといってよい。 戦後も80年を数えたが、現在、憲法改正や安全保障問題などを論議するさい、わが国の過去を振り返る必要は絶えず生じている。 そのなかで、昭和陸軍暗闘史における異色の物語として、本書は、幅広い昭和史ファンの注目を集める本となるだろう。 そして、隠された昭和史の一面に始めて光を当てたという意味で、独自の価値を発信する本となるであろう。 -
Tシャツの日本史
裾さばきの歴史的変遷から、日本の若者を覆う同調圧力の謎を解く。 古来、Tシャツはずっと日本史の死角にあった。 日本の若者たちは、まわりの友達と同じようにTシャツの裾をさばかないと「みっともない」「ださい」と言われ、笑われてしまう世界に生きてきた。 しかし、未だかつてインとアウトの変遷や構造を説明する者はいなかった。 だから考えたいのだ。この呪いを解く方法を。 Tシャツの日本史を書くこと。 それは日本で発生した同調圧力の遍歴を書き留めることだ―― -
自衛隊に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす自衛隊の不都合な真実
いまだに旧帝国海軍の旧弊を引きずり、現実離れした島嶼防衛に力を入れる海上自衛隊隊。 いびつな人事を温存する陸上自衛隊。 スクランブル偏重の航空自衛隊……。 命令一下で動くよう訓練された戦闘組織であるがゆえに、自己批判の力が弱く、陸海空相互に評価することも差し控える自衛官。 戦後80年間の平和に浴し、自衛隊は有事に闘えない組織になってはいないか。 「これは、誰かが言わなければならないことだ」。 元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)が危機感と使命感で立ち上がった。 自浄作用なき古巣(自衛隊)の劣化を指弾する前代未聞の警告の書。 -
四維街一号に暮らす五人
全米図書賞受賞作家の最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 昭和十三年築の日式建築・四維街一号には、 四人の大学院生と酒呑み大家が暮らす。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云。 互いに秘めた想いを抱え食卓につく住人たちは、 あるとき『臺灣料理之栞』という古書を発掘する。 五人の孤独が手繰りよせた〈ある家族の苦い歴史〉とは――― ◆池澤春菜さん満腹◆ 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」 -
国家安全保障とインテリジェンス
警察官僚、内閣情報官、国家安全保障局長として現場と政策両面からインテリジェンスに携わってきた著者が、経済、通信、基幹インフラなど「あらゆる領域が戦場となる時代」を生きる全ての人に警鐘を鳴らす。 いかにして我が国は、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境に立ち向かうのか。 国家安全保障戦略や経済安全保障推進法案を読み解き、ウクライナ戦争や中東紛争を概観し、インテリジェンスなくして戦えない現代戦の様相を徹底解説 -
夢二の東京さんぽ手帖
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 令和の時が刻まれる今、漫画、アニメ、小説、音楽シーンなどで大正時代や大正ロマンが注目され、特に若い世代を中心に、大正へ寄せる関心が高まっています。 今からちょうど100年前は大正時代(1912-1926)に当たりますが、この時期に和洋折衷の文化や風俗をいち早く発信した東京は、竹久夢二が上京し、引越を繰り返しながら長く暮らした土地でした。日々めまぐるしく変貌を遂げつつも、東京にはレトロな趣に包まれた、夢二ゆかりのスポットが現在も点在します。 本書は夢二を通じて、大正の古き良き時代に思いを巡らせながら、東京を新たな角度から楽しむことを目的に、散歩に役立つ情報を網羅しました。夢二ゆかりの東京の街、及び老舗の味や技などをご紹介します。 2024年、竹久夢二生誕140年で没後80年の記念年に、知られざる夢二と東京を、大正ロマンの視点から再発見できる一冊です。 -
公安調査庁秘録 日本列島に延びる中露朝の核の影
日本列島周辺に音もなく忍び寄る危局。東アジアの深層で生起する異変をいち早く察知するべく動く情報機関、これが公安調査庁だ。中露朝が核戦力を背景に日本を窺う実態を、現職のインテリジェンス・オフィサーが初めて実名で明らかにする。ウクライナとパレスチナ、二つの戦争に超大国アメリカが足を絡めとられる間隙を衝き、中露朝は攻勢に転じた! 日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す現状に警鐘を鳴らす。【解説・佐藤優】 ■中露朝が接する危険な「三角地帯」の現在 ■ロシアに渡った北朝鮮のミサイル ■北朝鮮とイスラエルとの極秘交渉 ■核・ミサイルの資金源を追え! ■カジノを使った資金洗浄の手口 ■標的は暗号資産 -
平和と美の使者として 森下洋子自伝
広島に生まれた少女は3歳でバレエに出会い、長じて世界中で「東洋の真珠」と絶賛された。偉大なアーティスト、ヌレエフやフォンテインからの宝物のような学び、日本バレエ界を共に牽引してきた清水哲太郎との珠玉の絆、松山バレエ団が紡ぐ命慈しむ舞台への祈り……。唯一無二の歩みを秘蔵エピソードと共に語る。読売新聞連載「時代の証言者」に大幅加筆のうえ単行本化。 -
八女茶 発祥600年
〈八女の玉露はなぜ高級? なぜうま味が濃い? 〉 日本茶のなかでも高品質な玉露の産地として知られる福岡県八女。 室町時代、明より茶の種が持ち帰られ、栽培方法が伝えられてから、2023年で600年の節目を迎えた。 全国的にみると小さな産地である八女は、いかに高級茶葉の産地となったのか。 独特な気象条件のもと機械化をせず、手摘みにこだわるなど徹底した手法を貫き、品評会で全国に名を轟かせる「八女伝統本玉露」の圧倒的なうま味、甘み、冴え。一杯の茶が忘れられない体験になるとも言われる。 今、八女茶は世界的シェフやソムリエとコラボレーションにより、世界へ羽ばたこうとしている。 日本一の玉露を作る茶の匠を追いかけ、八女茶の魅力に迫る一冊。八女茶の六百史掲載。 -
政治家 石橋湛山 見識ある「アマチュア」の信念
戦前日本を代表する自由主義者、言論人だった石橋は、戦後、活動の場を政界に移す。大蔵大臣、通産大臣などを歴任し、1956年には自民党総裁に当選、首相になるも、病気のため、65日で辞任した。石橋は、自らの政治理念を現実政治の中で実現できたのか。没後50年、その真価を問う。 目次より 第一章 政治家・石橋湛山の誕生 第二章 運命の七票――一九五六年の自民党総裁選 第三章 明暗を分けた閣僚人事 第四章 「私の政治的良心に従います」――65日間の内閣 第五章 日中国交正常化への努力 第六章 理想主義者から現実主義者への転回 終 章 晩年の石橋湛山 -
忘れられたBC級戦犯 ランソン事件秘録
戦争の過酷さは“戦後”も続いていた。1945年3月、日本軍が仏領インドシナ北部の町で300人を超える捕虜を殺害したランソン事件。その6年後、戦犯裁判を経て、捕虜殺害という上層部の命令に従わざるを得なかった4人の将校が銃殺刑に処された。その一方、捕虜殺害の命令者が罪に問われることはなかった。命令を拒むという選択肢があり得ない日本軍にあって、罪を負うべきはいったい誰だったのか。無謀な作戦、敵味方を問わない人命の軽視、曖昧な責任の所在、個人と組織の間に生じる相克……。知られざる事件の顛末と、裁きを受けた将校たちの思索を手掛かりに日本人が避けられない問題に向き合う歴史ノンフィクション。梯久美子氏、推薦。 -
パラドックス戦争
埼玉と神奈川で、連続無差別通り魔事件が発生。それぞれの犯人は逮捕直後に急死したが、身に着けていたデバイスにより遠隔操作を受けていた痕跡が見つかった。 その頃、米中ソでは、政府高官や軍のトップに対し核攻撃を匂わせる脅迫状が届いていた。受信経路とその内容からAIの暴走が疑われ、デフコン3が発令。世界に緊張が走った。 そして21世紀末の火星――。ロゼッタ渓谷の底で発見されたのは、溶岩チューブを利用した正体不明の遺跡だった。入念な準備の末、内部調査で見つかったのは……。 謎が謎を呼ぶ怒濤のSF開幕! -
任務 松本清張未刊行短篇集
「屍体の重量がずしりと腕先にきたとき、はじめて私に任務らしい感情が充実しました」――。国民作家が終生描き続けた「組織・社会と個人との葛藤」をテーマに、これまで単著・全集未収録だった短篇小説を精選。自身の体験を反映した戦争小説から実在の事件をモデルにした小説まで、巨匠のエッセンスを凝縮した全十篇。 【目次】 任務(1955) 危険な広告(1954) 筆記原稿(1957) 鮎返り(1955) 女に憑かれた男(1956) 悲運の落手(1957) 秘壺(1960) 電筆(1961) 特派員(1979) 雑草の実(1976) 解説:権田萬治 -
結婚の技術
結婚のゆくえを決めるのは、肩書きでも外見でもなく「言葉の力」。「人は聞いた言葉から、考え方や行動、習慣が改められ、人間力を養う」と著者は言います。いつでも「結婚できる自分」になっていれば、人間的な成長につながります。 本書は結婚相談所で1000組以上の実績を持つ婚活カウンセラーである著者が、現場やメディアで実際に反響を呼んだ効果的な言葉を、自らの持論とともに届ける1冊。 学校では教えてくれない “良好な人間関係を築く極意”を身につけましょう。 <大反響を呼んだフジテレビ「ザ・ノンフィクション」の裏話も収録!> 第1章 自らの“未来”のために、“現実”を見る 第2章 求めてばかりでは理想はつかめない 第3章 行動のみがチャンスを引き寄せる 第4章 所詮は他人。価値観は違って当たり前 第5章 「親のための結婚じゃない、あなたが決めるのよ」 -
防衛大学校 知られざる学び舎の実像
8人1部屋の全寮制。朝6時にラッパで起床。髪型、恋愛、外出の規則。朝から夜までみっちりと詰まった「日課時限」と、陸海空1005時間の実践訓練……。世間一般には、大学といえばモラトリアムともいわれる緩んだ期間だが、国防のために寸暇を惜しんで学び続ける若者たちがいる。厳しい日々にもかかわらず、多くの卒業生は「生まれ変わっても防大に入りたい」と口をそろえる。 他者のために生きるプライドを秘めた人材を育成する学び舎の実像、そのすべてを前防衛大学校長が語りつくした。 -
父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス
愛する人たちの死について書くというのは、書くということそのものと同じくらい古い行為のはずだが、いざそれをするほうに自分が傾くと、即座にことばに詰まってしまう。メモを取っておこうと自分が考えていることにぞっとなり、恥じ入りながらメモを取り、メモを修正している自分を見損なう。情動的にかき乱される原因は、父が有名な人だったことにある。書きとめておく必要をおぼえる背後には、この野卑な時代の中で自分自身の名声を高めたいという誘惑が潜んでいるかもしれない。もしかすると書きたいという呼び声に抗して、謙虚に黙っていたほうがいいのかもしれない。謙虚なふるまいというのは、実のところ、僕の一番好きな虚栄の形態なのだ。しかし、書くということに関してよくあるように、主題のほうが書き手を選んでくるという面もあり、抵抗しても無駄なのかもしれない。 ――本書より -
日本の私立大学はなぜ生き残るのか 人口減少社会と同族経営:1992-2030
2010年代半ば、日本では、大学の「2018年問題」がさまざまに議論されていた。18歳人口の減少によって、日本の弱小私立大学は次々と経営破綻すると予想されたのだ。しかし、日本の私立大学の数は逆に増えている。なぜなのか。 著者たちは人類学者ならではのフィールドワークとデータの分析によってその謎に迫っていく。導き出されたのは、日本独自の「同族経営」の実態であり、それは私立大学のみならず、日本社会の本質をも炙り出している。他に例をみない私立大学論であり、卓抜な日本社会論ともなっている。 オクスフォード大学教授・苅谷剛彦氏による解説を付す。 -
歌舞伎役者 市川雷蔵 のらりくらりと生きて
早世した映画スター市川雷蔵の出自が歌舞伎役者だったことは知られている。では、雷蔵はなぜ歌舞伎から離れたのか? そして歌舞伎に戻りたかったのか? 1964年正月、日生劇場で10年ぶりに歌舞伎の舞台を踏み、「勧進帳」の富樫を演じた雷蔵の心のうちは? 生誕90年、初めて明らかになる「歌舞伎から見た雷蔵」。 -
ストックホルムの旭日 文明としてのオリンピックと明治日本
「いかに速く走るか」。――近代の到来は「文明」に、国際スポーツの場で国と国とが同一ルールで競い合うという新しい要素を加えた。コーチングの技術などが革新的に発展を遂げるなか、「文明国」の名乗りを上げたばかりの明治日本はスポーツという洋学をどう受容したのか。漱石『三四郎』や嘉納治五郎の欧米視察記、画期的指導書など陸上競技にまつわるテクスト・写真を精読、世界の頂点とされたオリンピックに二人の若きアスリートが挑むまでを描く。 -
孤独のアンサンブル コロナ禍に「音楽の力」を信じる
コロナ禍により、クラシックの演奏家たちは活動を制限された。演奏会はすべて中止、アンサンブルの練習もできない。自宅の防音室にこもる日々、彼らは音楽、職業、生活について何を考えたのか。 ――オーケストラのトッププレイヤーたちが外出自粛の中、自宅でたった一人音楽を奏でていく番組を作る。本書はNHKプロデューサーのそんな思いから始まった2020年の半年間のドキュメントである。 「孤独のアンサンブル」から「孤独のアンサンブル ~希望編」、そして「明日へのアンサンブル」へ。プレイヤー一人一人の思いとあの「音」が甦る。 *「孤独のアンサンブル 三部作」ブルーレイディスク、キングレコードより同時発売 -
1984年に生まれて
ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」の郝景芳が描く〈中国×1984年〉。 一九八四年、春。天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一子の誕生を控えていた。ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていることにふと気がつき愕然とする―― 二〇〇六年、春。〈私〉は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。大学卒業を控え、十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。父は優しく背を押すが、結局〈私〉は覚悟を固められない。友人たちが目標に向かって邁進していくなか、〈私〉は留学申請に失敗、祖父のコネで地元の統計局に職を得る。ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症してしまう…… 時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。現代中国で自分の生き方を見失う〈私〉。選択しなかったもう一つの人生への憧憬。二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘の物語が描く円環の先に、衝撃の結末を迎える! -
鷹見泉石 開国を見通した蘭学家老
鷹見泉石は1785年生まれ(1858年没)、古河藩主土井利厚、利位の二代に仕えて名家老として知られる一方、いち早く危機意識を持って海外情報の収集に努め、その知見は学者や幕府要人などに広く影響を与えた。 1804年のロシア使節レザノフ来航時、利厚が幕府の対ロシア問題の担当となったため、泉石も対外交渉のための調査に従事、これをきっかけに蘭学の学習と海外情報の収集を行うようになる。その後、泉石の収集した情報と知見は幕政にも生かされ、利位が主席老中に就任した頃には「土井の鷹見か、鷹見の土井か」とうたわれた。1853年、ペリー来航を受けての提言書「愚意摘要」は、退隠後の古河で書かれたものだが、開国と和親通商を主張するもので、彼の先見性を物語る。 「鷹見泉石日記」および関係書翰など、豊富な一次史料をもとにした初の評伝。 -
海軍戦略家 マハン
「海上権力史論」「海軍戦略」などの著作で近代列強に影響を与えた軍人・歴史家・戦略研究家でもあったマハンの思想と生涯。幕末日本の滞在時の書簡・日記や当時の新聞への寄稿、ドイツ皇帝ヴィルヘレム2世、セオドア・ルーズベルト、フランクリン・ルーズベルトなどとの交流歴から日本人移民排斥運動の中心の役割を担ったなど人間像を浮き彫りにする。図版や年表付 目次 第一章 おいたち (一)ウエストポイントと父 (二)アナポリス入学と南北戦争 第二章 日本来航 第三章 中南米艦長時代 第四章 海軍大学校と海上権力史論 (一)海軍大学校とルース少将 (二)海上権力史論 (三)ルーズベルト一族と海上権力史論 (四)ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世 (五)文筆活動の開始 (六)米近代海軍の父トレーシー海軍長官 第五章 ドイツ海軍とマハン (一)ドイツ帝国の成立 (二)ドイツ大洋海軍の父ティルピッツ (三)英独関係の緊張 第六章 シカゴ号艦長として渡英 第七章 退役と文筆活動 第八章 ハワイ併合、米西戦争、比島領有、ハーグ平和会議 (一)ハワイ領有問題 (二)米西戦争 (三)ハーグ平和会議 (四)比島領有 (五)ボーア戦争 第九章 マハン、ルーズベルト、ロッジのトリオ (一)セオドア・ルーズベルト (二)ヘンリー・C・ロッジ (三)スペンサーの社会進化論 第十章 米国の海外政策 (一)門戸開放宣言 (二)ベネズエラ危機 (三)パナマ運河 (四)モンロー主義とドイツ海軍 第一一章 日本とマハン (一)秋山真之とマハン (二)海軍大学校のマハン招聘計画 (三)日英同盟と日露戦争 (四)日本人移民問題 (五)白色艦隊の日本巡航 (六)オレンジ計画 第一二章 近代海軍問題 (一)全巨砲艦論争 (二)海軍参謀本部設立問題 第一三章 晩年のマハン (一)「海軍戦略」と自叙伝「帆船から蒸気船」出版 (二)第一次大戦と死去 -
秋山仁の人生方程式の解き方 夢さえあれば
派手なバンダナにレゲエファッション―― 「奇抜な数学者」として注目を集めた数学者・秋山仁。 その人生は、何歳になっても学び続け、夢を追い続ける力にあった。 読売新聞連載「時代の証言者」で綴られた秋山先生の人生は、学生の頃から現在に至るまで、数えきれないほど多くの生徒に数学の魅力を伝えるとともに、自らも新たな挑戦を続け成長する姿が描かれた。 才能がなくても「好きなこと」なら続けられる、笑顔で挑み続ければいつか極められる、その力で誰かを笑顔にできれば幸せな人生をつかめる。 かつて秋山氏の教えを受けた世代を中心に、「あの秋山先生が、また私たちに人生を指南してくれる」と読んで楽しめる一冊。 数学という大海原を漂流した秋山仁の80年の人生を追う。 <読売新聞連載「時代の証言者」を大幅加筆、待望の書籍化> -
組織の不条理を超えて 不敗の名将・今村均に学ぶダイナミック・ケイパビリティ論
陸軍大将・今村均は なぜ一度も負けなかったか―― 「失敗の本質」を背負った日本軍において、組織が陥りやすい「不条理」を回避し、終戦まで不敗を誇った陸軍大将・今村均。 その組織運営は、「ダイナミック・ケイパビリティ(組織の自己変革力)」にもとづいて展開されていた! 南寧作戦・ジャワ施政・ラバウル籠城作戦という三つの戦場における今村の組織運営・戦略を最新経営学で分析。そこで展開されたダイナミック・ケイパビリティを、VUCA時代の企業に必須の能力として紹介する。さらに、さまざまな実例とともに、経営戦略・組織運営・人事の観点から日本企業における実践法を提案する。 〈戦後80年記念企画〉 「一般に研究者は、対象を批判的に分析することで新しい知見を見出そうとする。(略)ところが、そのような批判的な観点から見て、どうしても否定できない軍人がいたのである。それが今村均であった」 (はじめに より) -
ジブリの戦後 国民的スタジオの軌跡と想像力
2025年6月に40周年を迎えるジブリスタジオ。 本書は、宮﨑駿・高畑勲両監督をはじめ、鈴木敏夫や宮崎吾朗、米林宏昌等のキーパーソンに目配りしながら、「ジブリ」という一個のスタジオ=運動体のあり方を総体的にまとめる。 また80年代に誕生したこの国民的スタジオが「戦後日本」=日本社会における「大きな物語の完成と解体」を体現することを示し、ジブリと(いう名の)戦後日本の半世紀の検討を通じて、ジブリと私たちの次の半世紀を模索することを目指す。 東浩紀推薦。 -
四界物語
陸の民アリシャーランと海の民サクォーリアン、二つの民族が反目しながらも共存する世界〈一の大陸と千の島々〉。両者の血を引く〈半端者〉と差別されながらもアリシャーランの帝国に仕える青年騎士シルッカは、初陣の夜に奇妙な生き物を拾う。サクォーリアンを毛嫌いする皇子リンゼイ・ヴォーと共に〝ファティオータ〟と名付けたその生き物の帝都移送を命じられるシルッカだが、その裏では皇子暗殺の陰謀が――。気弱な騎士と傲慢な皇子、そして大喰らいの竜の幼生。二人と一匹が世界の秘密を解き明かす、王道ファンタジー! 幕開けの上巻。 -
冷戦史(上下合本)
(上巻)1945年に第二次世界大戦が終わると大国の協調は崩壊し、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営による冷戦が始まった。ヨーロッパではドイツが東西に分断され、東アジアでは中国の国共内戦、朝鮮戦争という「熱戦」が勃発。さらに脱植民地化の潮流に米ソが介入し、冷戦は第三世界にも拡大した。上巻では、1962年のキューバ・ミサイル危機で核戦争寸前に至るまでを描く。世界的な視野から冷戦を俯瞰する通史。 (下巻)キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるが――。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。 -
戦国七雄興亡史 群雄の割拠から秦統一までの道程
大ヒット漫画『キングダム』で描かれる七国統一に至るまで、古代中国の戦国七雄はどのように興り、他国よりも抜きん出たり衰えたりしていったのか。最終的に秦の始皇帝によって亡ばされるまでの盛衰の歴史を一望する。『史記』以外の史料も駆使し、最新の研究成果を踏まえた新しい戦国時代の通史。 【目次】 第一部 七国興起と戦国の始まり 第一章 晋・斉における下克上(前453年) 第二章 法家の富国強兵策--魏の盛衰と秦の躍進(前四世紀後半) 第三章 馬陵の戦い――魏斉逆転の契機(前342年) 第二部 揺らぐ七国の均衡 第四章 東帝と西帝(前288年) 第五章 楽毅、斉の七十余城を抜く――燕の一瞬の光芒(前284年) 第六章 方城と郢の陥落――後退する楚の防衛線(前278年) 第三部 秦一強の時代へ 第七章 長平の戦い――強国趙の凋落(前260年) 第八章 六国併合へ――秦の天下統一(前221年) -
家康と七人の忍び
織田信長の死後5日間に、何があったのか? 徳川家康を守るべく暗躍する異能の伊賀者たちを描く歴史エンタメ巨編 司馬遼太郎賞受賞作『ナポレオン』などでヨーロッパにおける数多の戦いを描いてきた著者が、「戦国時代最大の謎」に迫る。 織田信長、死す。突如として明智光秀らに追われる身となった、信長の盟友を襲う数々の危難――。襲撃者は甲賀者か。彼らを雇うのは光秀なのか、それとも……。家康らの決死の逃避行を描く、血湧き肉躍る歴史アクション! 直木三十五賞など受賞の実力派作家が、諸説紛々の「本能寺の変」と家康「伊賀越え」ルートの謎に迫った、読売新聞オンライン好評連載待望の書籍化。 【目次】 一、変の巻 二、転の巻 三、越の巻 -
不倫に関する、ちょっとした疑問
独占欲も、結婚願望もなかったのに、なんで――? 女同士の不倫に耽る友達、凡庸な不倫にはまった私。 現代台湾から届いた、愛の矛盾に食らいつく複雑恋愛小説! 「恋以外にするべきことがたくさんある。 でも、『私』を粉々にする引力がここにある」 高瀬隼子さん激震 フェミニストを自認し、作家を目指す「私」が うっかり迷い込んだのは、落ち目の映画監督とのありきたりな不倫。 夫がいる友達は女性上司と肉体関係をもち、 心を病む父とクセの強い母は相変わらず。 「そう、結婚なんかしてる僕は、万死に値する。」 婚姻にまつわる不条理、湧き上がる怒りと孤独…… すべてを振り切り、ある行動を起こしたとき、 思いがけず手にした〝新たな景色〟とは? -
多崎礼公式ガイドブック 煌夜祭20年の軌跡
衝撃デビューからの20年を、装画全点、秘蔵の初期設定公開など弊社刊行作品紹介で辿る。著者主催のSNS煌夜祭の様子、書下ろしを含む『煌夜祭』外伝九篇をも収めた愛読者必携の一冊。 (目次より) ◇20周年に寄せて 多崎礼 ◇20年の軌跡 第二回C★NOVELS大賞発表/SNS煌夜祭について/煌夜祭質問箱 ◇『煌夜祭』外伝 SNS煌夜祭発表短篇……煌夜祭へ/人であれ/言わずが花/ありきたりな幸運を/ぼんくらな島主/泣き男/赤い炎/災禍の魔女 20周年特別書き下ろし短篇……水平線の蛇 ◇作品紹介 煌夜祭 Die Geschichten von den Achtzehn Inseln 【イラスト】山本ヤマト/六七質/凪かすみ/山影麻奈 〈本の姫〉は謳う The Princess of Books Awakens(全四巻) 【イラスト】山本ヤマト 夢の上 Because You Tread on My Dreams(全四巻) 【イラスト】天野英/アリストレーター/六七質 八百万の神に問う I ask you, I ask the Myriad Spirits.(全四巻) 【イラスト】天野英 叡智の図書館と十の謎 The Library of Wisdom and Ten Riddles 【イラスト】田中寛崇/六七質 -
和歌と権力 後嵯峨院時代と勅撰集の政治力学
なぜ誰もが勅撰集に歌が収められることを願ったのか―― 本書の主人公である後嵯峨院が何者かを知る人は少ないだろう。 天皇在位1242~1246、院政期1246~1272は、鎌倉幕府でいうと、 三代執権泰時から八代時宗に当たり、出来事としては承久の乱後、 御成敗式目制定後10年の時点から元寇直前までの間を指す。 本書では、この後嵯峨院が治天の君として君臨した時代を 日本史上空前の政治的安定期と目し、 政治と文化が融合した関係の全容を読み解きたい。 後世にまで影響をおよぼした、日本史の強固な地盤の一断面を明らかにする。 【目次】 序 章 古典とはこれ和歌なり 第一章 承久の乱後の政治と文化 第二章 後嵯峨院政の始動 第三章 御嵯峨院政の平和と古典的公共圏の成立 第四章 ポスト後嵯峨院時代の激動 終 章 後嵯峨院時代の余光
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。