父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス

父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス

2,200円 (税込)

11pt

4.0

愛する人たちの死について書くというのは、書くということそのものと同じくらい古い行為のはずだが、いざそれをするほうに自分が傾くと、即座にことばに詰まってしまう。メモを取っておこうと自分が考えていることにぞっとなり、恥じ入りながらメモを取り、メモを修正している自分を見損なう。情動的にかき乱される原因は、父が有名な人だったことにある。書きとめておく必要をおぼえる背後には、この野卑な時代の中で自分自身の名声を高めたいという誘惑が潜んでいるかもしれない。もしかすると書きたいという呼び声に抗して、謙虚に黙っていたほうがいいのかもしれない。謙虚なふるまいというのは、実のところ、僕の一番好きな虚栄の形態なのだ。しかし、書くということに関してよくあるように、主題のほうが書き手を選んでくるという面もあり、抵抗しても無駄なのかもしれない。
――本書より

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父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年08月15日

    著者は、ガルシアマルケスの息子で映画監督。 ガルシアマルケスが亡くなる直前から、彼の葬儀、著者の母が亡くなるまでを綴ったエッセイ。
    記憶力が抜群で素晴らしい小説を書いたガルシアマルケスだが、晩年は認知症を患っていたということが意外だった。 病状は重度で、家族のことも認識できなかったらしい。最後はす...続きを読む

    0

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