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Posted by ブクログ
「月とコーヒー」と同じ版型、21の短編集。
まるでバッハの「ゴルトベルク変奏曲」みたいな物語、と思った(ものすごく褒めてます)。バリエーションの数は「ゴルトベルク」よりも少ないけど、最初と最後のお話に置かれたオレンジのモチーフが、「アリア」の役割を果たしているようで。
(まんなかにも一つオレンジを置いて)ラストまでたどりついた時に、奇跡のようなつながりが立ち上がる。夜にまぎれて語られなかったであろうことがらも含め、一人ひとりが果たした誠意と感情の波と、偶然の導きにぐっとくる。
きっとこの先オレンジに触れる度に、灯火のような光と清らかな香気を思い出すんだろうな。
Posted by ブクログ
表紙イラストを見て、思わず昔の日立のTV CM「この木なんの木 気になる木ぃ〜♪」を思い出しました。そう、古いです。70年代です。ハワイのモンキーポッドでしたっけ? 当時、こんなに見事に枝を広げた姿の木があるんだ、と驚き憧れました。
本書は、中公文庫創刊50周年記念企画・刊行とのことで、21の掌編が収められています。装幀と表紙の夜のオレンジの木が美しい!
前述の"日立の木"は明るい陽射しのもとで爽やかでしたが、本作の"オレンジの木"は夜で、ひっそりと物語を宿すオレンジの実に相応しいです。
本作の根っこにオレンジの木があり、最初と途中、そして最後に連作のように登場し、他の物語の上に枝を広げているようです。
誰かが物語の種を蒔き、争いにも負けず、時間を超えて忘れ去られた場所や人に届く…。何気ないものに焦点を当て、優しく包み込むように物語を綴るいつもの吉田さんのスタンスは、やはり読み手に安息を与えてくれます。
今回も吉田篤弘さんの世界観を楽しみましたが、一つだけ、「犬がことのほかチョコレート・ドーナツを好む」話があり違和感が…。吉田さ〜ん、ワンコにチョコはダメですよぅ!中毒症状を引き起こしますよぅ! "チョコレート色のドーナツ"としておきましょう笑。
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