あらすじ
やすらぎのひとときに、心にあかりを灯す21話の物語。
◇オオカミの先生の〈ヴァンパイア〉退治
◇五番目のホリーに託されたスープの秘密
◇ギター弾きの少女の恋
◇5391番目の迷える羊
◇予言犬ジェラルドと花を運ぶ舟
◇遠い場所で響き合う夜の合奏
◇天使が見つけた常夜灯のぬくもり
……ほか
中公文庫既刊関連作を含む至福の掌篇小説集。
〈中公文庫創刊50周年記念刊行〉
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
オレンジの木にまつわる3つの話がとても良かった。心温まる短編集。常夜灯と天使の話、水色のリボンの話が個人的には好き。私も誰かに青い光を手渡して生きていきたいと思った。伏線の張り方が露骨じゃなく、文章が飾りすぎていない。手元や机の上で、わたしの歴史は流れていたのです、というフレーズがとても好きだった。書くということと、描くということ。小説を書き、アルコールインクアートを嗜む私の歴史もそのようなものかもしれない。
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私は静かな絵が好きです。モランディとか、モネならカササギとか。静かな本も好き。だから、吉田篤弘さんの本が好きです。
吉田篤弘さんの本は、ふわふわとしていて、ひんやりとしていて、でも温かいです。
内容はあまり覚えていられません。多分、私には作り出せない世界の話だからです。
それでも、なんとなく居心地の良い時間を過ごしたことは覚えています。
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寝る前に少しずつ読み進めていたけれど、
時間があると一気に読みたくなってしまって
つい読み終わってしまった
眼鏡の二人、
カウント・シープ#5391、
オレンジの実る中庭、
水色のリボン、
合奏、
好きなお話しはたくさんあったけれど、
あとがきが1番好きだったかもしれない
Posted by ブクログ
「月とコーヒー」と同じ版型、21の短編集。
まるでバッハの「ゴルトベルク変奏曲」みたいな物語、と思った(ものすごく褒めてます)。バリエーションの数は「ゴルトベルク」よりも少ないけど、最初と最後のお話に置かれたオレンジのモチーフが、「アリア」の役割を果たしているようで。
(まんなかにも一つオレンジを置いて)ラストまでたどりついた時に、奇跡のようなつながりが立ち上がる。夜にまぎれて語られなかったであろうことがらも含め、一人ひとりが果たした誠意と感情の波と、偶然の導きにぐっとくる。
きっとこの先オレンジに触れる度に、灯火のような光と清らかな香気を思い出すんだろうな。
Posted by ブクログ
どのお話も不思議で素敵で、読みながら溜息が出ました。吉田篤弘風に言えば魂が出ました。大人が子供に読んで聞かせるような優しい文体だし、学校の図書室に置いてあるようなワクワクする話の運び方で、簡単に童心に還ることができます。もし私の家に中庭があったら、この本に影響されてオレンジの木を植えてみたかも。
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オレンジの香りがしていました
読んでいる間、読んだ後も
お話しから生まれたオレンジ
ここにもあるのかな
眼鏡をかけている自分にとって
「眼鏡の二人」
はすごく共感できるお話でした
やっぱり吉田さんのお話したち
は、素敵です
心がふわっとあたたかくなります
Posted by ブクログ
明確な起承転結よりも、教訓よりも、スリルやサスペンスや爽快感よりも、ただ、ここではないどこかを垣間見るような、異国へ連れて行ってくれる不思議な短編集。子どもの頃の読書の気持ちを思い出した。とても好き。
Posted by ブクログ
吉田篤弘さんの作品は、どれも夜に小さな灯りを灯しながら読みたくなる不思議なお話ばかり。
今回も短編集で、たくさんの短編が静かに並んでいた。
どの話が特に印象的だったというより、寝る前に布団の中で大切な人と他愛ない会話をしているような……
ウトウトしながら夢と現実の狭間に浮かんでいるような、気持ちよくて暖かくて、凪のように心を鎮めてくれる浮遊感が心地よかった。
そんな優しくて穏やかな一冊でした。
Posted by ブクログ
表紙イラストを見て、思わず昔の日立のTV CM「この木なんの木 気になる木ぃ〜♪」を思い出しました。そう、古いです。70年代です。ハワイのモンキーポッドでしたっけ? 当時、こんなに見事に枝を広げた姿の木があるんだ、と驚き憧れました。
本書は、中公文庫創刊50周年記念企画・刊行とのことで、21の掌編が収められています。装幀と表紙の夜のオレンジの木が美しい!
前述の"日立の木"は明るい陽射しのもとで爽やかでしたが、本作の"オレンジの木"は夜で、ひっそりと物語を宿すオレンジの実に相応しいです。
本作の根っこにオレンジの木があり、最初と途中、そして最後に連作のように登場し、他の物語の上に枝を広げているようです。
誰かが物語の種を蒔き、争いにも負けず、時間を超えて忘れ去られた場所や人に届く…。何気ないものに焦点を当て、優しく包み込むように物語を綴るいつもの吉田さんのスタンスは、やはり読み手に安息を与えてくれます。
今回も吉田篤弘さんの世界観を楽しみましたが、一つだけ、「犬がことのほかチョコレート・ドーナツを好む」話があり違和感が…。吉田さ〜ん、ワンコにチョコはダメですよぅ!中毒症状を引き起こしますよぅ! "チョコレート色のドーナツ"としておきましょう笑。
Posted by ブクログ
短編集。天気予報士、オオカミの先生、スープのレシピの秘密、古い手紙……それぞれの世界は独立していてその都度ぐいぐい引き込まれる。唯一中庭にあるオレンジの物語が、最初と最後と中盤で繋がっていたと知って震えた。もしかしたらこの物語自体がオレンジから生まれた一雫たちなのかもしれない。ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
文庫本より大きめだけど、
通常の単行本よりは小さめのハードカバー。
これが手に馴染み、そばに置いておきたくなる本。
中はとても短いお話がつまっていて、
少し不思議なものが多い。
寝る前に読んでふわふわ感を味わいたい感じ。
「中庭のオレンジ」から連なるオレンジのシリーズと
「フランカと三つの黒い箱」「合奏」が特に好みだった。
Posted by ブクログ
全編、ファンタジーだな。そういうのはあまり好きではないと思っていたけど、この人の描く物語は、好きだなあ。変に重すぎず、悲しすぎず、そして楽しすぎず。
あとがきでこの人が言っているが、途中から始まり途中で終わる、か…
言われてみればみんなそうだよな。
Posted by ブクログ
大人が読むファンタジーのような短編集。
一つ一つ、発想が面白くて読み飽きなかった。
題にもなっている「中庭のオレンジ」の物語も、もちろん面白く、最終話で色々回収できて嬉しいまま読み終われてステキな流れに感謝もしたが、他にも1話単体で面白かったのも多々あり。
中でもカウントㆍシープ#5391とか、視点も面白くて私はお気に入り!
『物語はいつも途中から始まって、途中で終わるということです。本のページには終わりが来るけれど、物語はこのあともつづいていく-ーー』
前回読んだ月とコーヒーのあとがきも、とてもよかったけれど、今回のあとがきにあったこの言葉も、いい言葉だなぁと思いました。
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初めて読む吉田篤弘作品。
寝る前に読む本を探していた時にTwitterで知った本。
読み心地良くて静かで不思議で余韻が残る。
あともう少し読みたいなと思うところで話が終わるので想像が膨らむ。
月とコーヒーも読んでみたい。
Posted by ブクログ
一つひとつの物語が丁寧でほっとする吉田さんらしさのたくさん詰まった短編集。
眼鏡の二人、マリアの小さな歌、カウント·シープ#5391が良かった。
Posted by ブクログ
「月とコーヒー」の
続きジャケ買い
短編の物語の間に
「中庭のオレンジ」
の物語が挟み込まれてる
カテゴリが小説ではなく
「物語」な一冊
本ひとしずくにて購入
Posted by ブクログ
子供の頃に読んだ物語を思い浮かべた。
大人向けの、嫌な事の起きない可愛らしい物語が沢山並んでいる。
寝る前に読んで、ほっこりした気分になって、安眠できる本。
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「さて、人はなぜ物語を読むのでしょう?」
「誰かが物語を書いたから」
「さて、人はなぜ物語を書くのでしょう?」
「誰かが書いた物語を読んだから」
吉田篤弘さんは子供の頃、学校の図書室の本を読み、物語を書く人になりたいと思った。
子供の頃は物語に答えを求めたことはなかった。
物語はいつも途中から始まって、途中で終わる。
本のページは終わるけど、物語はこの後も続いていくと思っていたそうだ。
吉田篤弘さんが書く物語は、突然終わることが多い。
だが、ときどき以前に何処かで読んだ物語の続きになっていることがある。
本書も「中庭のオレンジ」の物語が最初と中盤と最後に登場する。
オレンジ以外でしばしば登場するのが「おいしいコーヒー」と「右手と左手」
人と人が向き合い、対立の姿勢を取っている時は「右手と左手は握手ができない」
と言っておいて、最後は同じ一本の木を見ながら並び立ち、右手と左手が結ばれるシーンで物語が終わる。
この物語の問いかけや答えは明瞭ではなく、ぼんやりしている。
何だかよく分からないが、それでいいみたいだ。
Posted by ブクログ
吉田さんの短編集、今回も心が温かくなった。
不思議な本です。カウント・シープ#5391が好き。幸せってなんだろうって、考えさせられた。
Posted by ブクログ
眼鏡の夫婦のお話と羊のお話がとっても微笑ましくて良かった。
この後どうなるのかなとか、⁈ここで終わり?ってお話が多いから楽しみのような、モヤモヤするような。
毎日1話ずつくらいで読むのをオススメ
Posted by ブクログ
短編で読みやすい。
結末がどうなったのかなとか、そういうことを考えるお話ではなくて
そのまま書いてあるお話を楽しむという感じ。
ファンタジー感が大きい。
なんとなくキノの旅を思い出した。
Posted by ブクログ
印象的な話がいくつもあった。
タイトルにもなっている中庭のオレンジに関する3編もそこに含まれるが、戦争の中で守り抜いたものが受け継がれていく、人間の強さを描いたいい作品だなと思った。
右手と左手は握手できないが、手を取り合い、同じ方向を見ることはできる。
Posted by ブクログ
この作家さんの作品の世界観好きだなあ。
10頁ちょっとの短いお話なのに、別の世界に連れて行ってくれる感じがする。
柔らかな雰囲気のせいか、読んでいると穏やかな気持ちにさせられる。
これは夜に読むべき作品かも。
眼鏡を失くした二人のやり取りや夢の中でカウントされる羊の言い分がユニークで好き。
Posted by ブクログ
寝る前に読む短編シリーズ。
よくわからない、、で終わった話が何個かあった。けどあとがきを読むとそれも納得してしまう。
・物語はいつも途中から始まって途中で終わる。
・大人になって余計な知識がつくと何か答えや終わりを探してしまう。けどそんなものはなく、そこにあるのは理屈を超えた「たのしい」「ふしぎ」「こわい」「かなしい」である。
その通りで、本をたくさん読むようになって、何かを得ようとしたり求めてしまって読んでる自分がいた。何かを求めるばかりではなく、ただなんとなくドキドキワクワクする気持ちになりたくて、たくさんの物語を読む、でいいんだよなと思わせてくれた。
吉田さんの「あとがき」いつも感慨深いな、、、