井上庄七の作品一覧
「井上庄七」の「科学の名著 第2期」「省察 情念論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「井上庄七」の「科学の名著 第2期」「省察 情念論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
数年前に 『インサイド・ヘッド』 という映画がヒットしましたが、それを哲学者が書くとこうなる、というような内容でしょうか。
「怒り」「悲しみ」「喜び」など、私たちの身近な「感情」(情念)は、なぜ起こるのか?
それを、17世紀当時の最新の医学の知見(←現代においては、完全な誤りです)を踏まえながら、現代にまでその名を轟かす知の巨人・デカルト先生が一生懸命分析しました。
哲学書(哲学者が書いた本)というと、長くて難解でつまんない><!というイメージがあるかもしれませんが(それ以前にまったくイメージがわかないかもしれませんが)
「教養として、哲学書をちょっと読んでみたい!」 という人がもしいたら、
私は同じデカルトのもっと有名な本である『方法序説』や『省察』よりも、
哲学の入門書としてよく取り上げられるプラトンの『ソクラテスの弁明』や『メノン』よりも、
この本をおすすめします。
「物事を徹底的に考える(=哲学)」って、なんてばかで滑稽で、でも楽しそうなんだろう。
ということがじわじわ伝わってきて、微笑ましく読める一冊です。
中公文庫版は、有名な『省察』ともセットで読めておトクです。
訳者の野田又夫先生はデカルト研究の権威でもあるので、信頼できる訳で、注釈も充実しています。
一般人にとっての読みやすさという観点では、
岩波文庫の谷川多佳子さん訳に軍配が上がります。
Posted by ブクログ
デカルトの代表作。
新たな哲学の土台を確立するまでを自伝的エッセイ風に書いた作品。
哲学の第一原理とした「我思う、ゆえに我有り」が有名。
おそらく10数年振りに読んだが、なかなか面白かった。
真理を導き出す方法として4つの規則が出てくるが、
真理が確立するまでの暫定期間中に守るべき道徳法則としての
3つの格率の方がより哲学的に感じた。
哲学をどのように定義するかによるかもしれないが。。
3つの格率とは、
1)自分の国の法律と習慣に従う。
2)疑わしい意見でも一度従うと決めたら従い続ける。
3)世界の秩序より自分の欲望を変えるようにすること。
となっている。
これが面白いのは、真理を導き出す方法としての4つの規則
(明証性、分析、総合、枚挙)と矛盾するところ。
いずれ真理に到達するんだから、それまではこれでいいと言い切る
デカルトの柔軟性は見習いたい。
今回、読み直して見ての一番の収穫はやはり3つの格率。
初めて読んだときは、4つの規則と3つの格率をメモって
よく見直していたような記憶があるが、今読むと3つの格率の方が
現実的だと思う。
一歩間違えば妥協になってしまうが、やはり形而上学では
生きていけない。
この辺の結論はニーチェが出しているので、
そちらの感想に譲ろうと思う。
それにしても、格率3)なんて自己啓発本のおきまりのフレーズ。
やはり、輸入物には西洋哲学とキリスト教の影響があるのかも。
また、大陸合理論、心身二元論、動物機械論などその後の哲学史に
影響を与えた部分をチェックしてみるのもそれはそれで面白い。
さらに、本の中には出てこないが、三つの夢や、神の存在証明の循環など
本書にまつわる話はまだまだある。
いずれゆっくり読み直したいと思う。