この本を読むと自分の信仰心を,スピノザの公理・定理・系といった一連の論理規則によって,より強固にすることができる.
初めから読むと,公理系なので退屈であるが,最後にスピノザが書いたまとめ的なのがあるので,そこから遡ると読みやすい.
内容は,キリスト教(というか一神教)によくあることがベースにあ
...続きを読むる感じを受けた.その上に哲学的説明が加えられる.
直観知によって把握したものと神への愛が結びつくプロセスが良かった.一方で巷にある,「神は世界であり,世界は神だ」という考え方が,無神論であるという批判とその議論については無意味だなと思った.「神即自然」は当たり前のことすぎて,議論の余地がない.そこに議論の余地を見出してこねくり回すことこそ,無神論のばかだと思う.スピノザのように,信仰と生活の体系を公理と定理を使って構築することに憧れる.学術の書というより芸術作品に近いんじゃないのと思った.