【感想・ネタバレ】神学・政治論(下)のレビュー

あらすじ

「本書は、哲学する自由を認めても道徳心や国の平和は損なわれないどころではなく、むしろこの自由を踏みにじれば国の平和や道徳心も必ず損なわれてしまう、ということを示したさまざまな論考からできている」。宗教と国家、個人の自由について根源的に考察したスピノザの思想こそ、現代において読まれるべきである。

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Posted by ブクログ

スピノザ「神学・政治論」
前回スピノザを解説した2冊を読んだときに吉田量彦氏の本で詳しく解説されていて興味を持った著書。
タイトルは硬くて難解なイメージだったが、翻訳も同じ吉田氏の新訳ということもあり挑戦してみると意外と読みやすく内容がスルスルと頭に入っていく。
上下巻合わせて3分の2は神学、つまり聖書についてその矛盾点や問題点を炙り出しモーセとヘブライ人たちとの契約や律法の中に神をどう存在させるかといった信仰と理性の自由をどう両立させるかが書かれる。
スピノザは以下のように述べている。
「ひとの心が完全に他人の権利の下に置かれることなど、決してありえないのだ。自由に考えをめぐらせ、ありとあらゆるものごとに判断を下すのは、ひとの自然 な権利であって、この自分の自然権あるいは能力を他人に譲り渡すことなど、いくら強制されても誰にもできないからである。」
こうした考える自由、言葉を発する自由を国家というものが誕生し統治される時代になっても為政者に屈することなく表現すべきだという一貫したテーマが全編に貫かれている。

スピノザがなぜこのような考えを17世紀に持つことができたのかを理解するときに前出の解説書が非常に役に立った。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

前半はテキストを元とした聖書神学の先駆けとも言える内容。後半になり『エチカ』にも通じる思想が現れてくる。

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2025年01月25日

Posted by ブクログ

国家論とか政治論とかにはいつでもどうしても興味が持てず、後半、16-19章は飛ばし、20章だけ読んだ

スピノザの宗教観、とてもいい

要するに、聖書は、神への服従を言ってるのだ。そして神への服従とは、隣人への愛として行われるのだ。
要するにこれだけのことだ、と。

素晴らしい。初めてあのわけのわからん宗教がよくわかった。確かにそうだよ。

そして、発言の自由を認めるべき、ってとこね。
これは今なら表現の自由と読み替えたい。

発言の自由を抑えることは不可能なのだ、どんなに法で否定しても、人は自分の好きに考えることをやめられない。
つまり、好きに考えることをやめさせようとするのは、人間の性質を無視した矛盾でしかなく、結果、破滅的な結果をうむことにしかならない、と。
そんな抑圧しなきゃいいのだ、好きなこと考え、好きなことを言えばいいのだ、ただし、法を犯すような行為はだめよ、と。法には従うように、と。国が腐敗してない限りは、と。

さすが、厳密なだけで、答えはめちゃくちゃシンプルなんだよなー


なるほど、「どうしてソクラテスは死ななければならなかったのか」という問いがプラトンの基本にあるとしたら、スピノザにはやはり、「どうして自分の意見を言うことに命をかける必要があるのか」という疑問があるのだろう。
それは、ユダヤ教から破門されたこと、その後、暗殺されそうになったことが根本だろうし、そのとき切り裂かれたマントをその後もずっと手放さなかった、というのに現れてるんじゃないか。

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2019年11月16日

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