あらすじ
「本書は、哲学する自由を認めても道徳心や国の平和は損なわれないどころではなく、むしろこの自由を踏みにじれば国の平和や道徳心も必ず損なわれてしまう、ということを示したさまざまな論考からできている」。宗教と国家、個人の自由について根源的に考察したスピノザの思想こそ、現代において読まれるべきである。
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Posted by ブクログ
国家論とか政治論とかにはいつでもどうしても興味が持てず、後半、16-19章は飛ばし、20章だけ読んだ
スピノザの宗教観、とてもいい
要するに、聖書は、神への服従を言ってるのだ。そして神への服従とは、隣人への愛として行われるのだ。
要するにこれだけのことだ、と。
素晴らしい。初めてあのわけのわからん宗教がよくわかった。確かにそうだよ。
そして、発言の自由を認めるべき、ってとこね。
これは今なら表現の自由と読み替えたい。
発言の自由を抑えることは不可能なのだ、どんなに法で否定しても、人は自分の好きに考えることをやめられない。
つまり、好きに考えることをやめさせようとするのは、人間の性質を無視した矛盾でしかなく、結果、破滅的な結果をうむことにしかならない、と。
そんな抑圧しなきゃいいのだ、好きなこと考え、好きなことを言えばいいのだ、ただし、法を犯すような行為はだめよ、と。法には従うように、と。国が腐敗してない限りは、と。
さすが、厳密なだけで、答えはめちゃくちゃシンプルなんだよなー
なるほど、「どうしてソクラテスは死ななければならなかったのか」という問いがプラトンの基本にあるとしたら、スピノザにはやはり、「どうして自分の意見を言うことに命をかける必要があるのか」という疑問があるのだろう。
それは、ユダヤ教から破門されたこと、その後、暗殺されそうになったことが根本だろうし、そのとき切り裂かれたマントをその後もずっと手放さなかった、というのに現れてるんじゃないか。