あらすじ
スピノザは本書で聖書のすべてを絶対的真理とする神学者たちを批判し、哲学と神学を分離し、思想・言論・表現の自由を確立しようとする。スピノザの政治哲学の独創性と今日的意義を、画期的に読みやすい訳文と豊富な訳注、詳細な解説で読み解く。『エチカ』と並ぶ主著、70年ぶりの待望の新訳!
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Posted by ブクログ
一言でいうと
「考えることを放棄するな!」
これが当時としては危険思想であった。
考えない人間ほど為政者にとってコントロールしやすい人間はいない、
ということは歴史を振り返っても、火を見るよりも明らか。
自分の頭で、
知性で考えることの需要性をスピノザと共に考える、類稀なる良書。
Posted by ブクログ
スピノザが住むオランダはカトリック国家スペイン領からプロテスタント国家として独立したため、1648年にはプロテスタントのみ公認されていた。そして、1672年、カトリック国家フランスに侵攻されたときにカトリックに侵略されていると感じていた。当時はヨーロッパ全体に異端を処罰する法律があった。異端とは国教に反する教えのことで、プロテスタントの国でカトリックの教えを広めたり、カトリックの国でプロテスタントの礼拝をしたりすると、国家の宗教秩序を乱すものとして犯罪となった。当時のオランダは宗教比率がプロテスタント4〜5割、カトリック3割、その他2割。スピノザはどの宗派にも属さず距離を置いた。そして、宗教の自由を説いた。「物知り同士のさまざまな争いに政府が法律で片を付けようとした結果、教会内にどれほど多くの分派が生じたことだろうか」「ひとと違う考えをもっていて迎合することができないという[だけの]理由で、誠実な人たちが悪人として追放刑に処せられるなら、国家にとってこれよりも大きな災いが考えられるだろうか。」また、聖書は難しい哲学ではなく、神は人のために誰でも理解できるようわかりやすく作ってくれた。だから、例え話や物語が多いのだと説いた。当時は無神論者扱いだったようだが、スピノザは自分が信じる神を深く信仰していた。オランダが穏健な国だったとはいえ1670年出版でこの内容、捕まらなかったのはすごい。エチカは死後だけれど。