学術・語学 - 講談社学術文庫作品一覧
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4.0カザフ・ウズベク・タジク・キルギス・トルクメンの、いわゆるファイブスタン=中央アジアは、中国・ロシア・アフガン・イランに囲まれた地政学的な重要性にくわえて、豊富な地下資源と近年の経済発展で、ますます注目度を増している。長く「東西文明の十字路」として興亡を繰り返し、さまざまな民族が行き交った旧ソ連領中央アジアの複雑な歴史を手軽に知る入門書。 紀元前5千年紀、農耕文化はどのように始まり、牧畜はいつ、遊牧に移行したか。アレクサンドロスの東征や、張騫の西使は何をもたらしたか。仏教やゾロアスター教の文化・芸術を、イスラム教はどう変容させたか。チンギス・カンの軍隊が破壊した都市はいかに再生したか――。新石器時代の原始農耕から、サマルカンドを中心に栄えた15世紀のティムール帝国まで。スキタイ・エフタル・匈奴・烏孫・突厥・ソグド・モンゴルなど、砂漠と草原を往来した遊牧民の世界を、遺跡と遺物を手掛かりに説き明かす。 巻末解説を、『スキタイと匈奴 遊牧の文明』の著者・林俊雄氏(創価大学名誉教授)が執筆。〔原本:角川書店、1963年刊〕
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-宇多・醍醐・村上、三代の天皇は何を書きのこしたか。 摂関政治への転換期に起こった政治的事象から、愛猫の消息まで、 “天皇自身の筆による日記"を読む! 貴族社会においては政事・儀式の慣例を示すものとして重んじられ続け、 歴史・文学研究では第一級資料となる『宇多天皇御記』『醍醐天皇御記』『村上天皇御記』。 古記録学の最新知見に基づき、断片的な逸文を博捜し、喪われた本文を可能な限り復元・現代語訳。 後の世に「延喜・天暦の治」と称えられる醍醐・村上による「親政」の実態、藤原氏による摂関政治の形成過程、そして天皇の日常の姿……平安の歴史が時代の空気とともに蘇る。 [本書の内容] はじめに 凡例 「宇多天皇御記」:仁和三(887)~寛平九(897)年 *年月日不詳を含む 「醍醐天皇御記」:寛平九(897)~延長七(929)年 *同 「村上天皇御記」:天慶九(946)~康保四(967)年 *同 用語解説 人物注 略年表 関係地図 平安宮内裏図 方位・時刻 *本書は当シリーズのための訳し下ろしです
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4.3南太平洋のマエンゲ族の一日当たりの平均労働時間は四時間だという。古代ギリシアにおいて多忙は倫理的悪であり、中世の修道士にとって労働とは神から課された罰であった。 しかし近代になると、労働の価値に大逆転が生じる。「労働の尊厳」が高らかに謳われ、経済のみならず政治・文化を含むありとあらゆる活動が労働化する、完全な意味での労働社会が人類史上初めて誕生する。 この逆転はいかにして、なぜ起こったのか。古代から中世を経て近代にいたる労働観の変遷をコンパクトに描き出し、現在の労働中心主義は決して当たり前のものでもなければ、長い歴史に裏打ちされたものでもないことをあざやかに浮かび上がらせる。 人は生産労働なしに生きることはできない。しかし労働に従事するかぎり人間は自由になることはない。この相克を超えて、本当の意味で「労働から解放」されることは可能なのか――。 労働の価値が再び大転換しつつある今こそ必読の労働論! かつて多忙は悪であり、余暇こそが自由人の本性にふさわしいとされた。しかし、近代においては資本主義も社会主義も等しく「労働はすばらしい」、「労働は人間を成長させる」と労働の尊厳を謳う。 労働が近代を創造したのであり、労働なしに近代は理解できない。そして、あらゆる人間が精神的にも物質的にも「労働する」社会、当事者が精神的・物質的活動を「労働」として表象する社会は、すなわちあらゆる人間が「奴隷となる」社会である。もし古代人が近代社会を見たら、最悪の社会の到来と仰天するだろう。 非西欧社会、古代、中世の労働観の変遷を踏まえたうえで、ベンジャミン・フランクリンやウェーバー、サン=シモン、コント、マルクス、アレント、ヴェイユなど主要な労働思想を参照しながら、近代的労働観の成立過程を明瞭簡潔に描き出し、我々が当然のものと刷り込まれてきた労働中心主義を見事に解体していく。 人間は労働に従事する限り自由にはなれず、しかし労働なしでは生きていくことができない。そうだとすれば、本当の意味での「労働からの解放」はいかにして可能になるのか。人類と働くことの関係を根底から問い直す、骨太の労働論にして近代論。(原本:『仕事』弘文堂、1988年) 【本書の内容】 はしがき 第一章 未開社会の労働観 第二章 古代ギリシアの労働観 第三章 西欧中世の労働観 第四章 近代の労働観 第五章 労働の批判的省察 注 解説(鷲田清一)
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4.3「職業としての学問」、「職業としての政治」の邦題で読み継がれてきたマックス・ウェーバーの二つの講演が、いま読むにふさわしい日本語で甦る。ドイツ語の原語Berufには、生計を立てることとしての「職業」という意味だけでなく、神からの「召命」や「天職」という意味も含まれる。「学問」も「政治」も単なる「職業」ではない、とはどういうことか? 今ますます切実さを増す問いに答える新たなスタンダード!
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3.5地質学者として大学の教壇に立った著者は、多くの学生が、高校の自然科学4教科、地学・物理学・化学・生物学のうちの二つくらいしか履修していないことに気付いた。しかし、自然科学のさまざまな分野を独立の学問として学ぶだけでは、その学問の意味を本当に理解することはできない。全体を見渡す「自然科学史」の視点から、個別のテーマが自然科学の発達史のなかでどんな位置にあるかを知ることが必要なのである。 本書は、この4分野をそれぞれ、宇宙・地球観の歴史、物質観の歴史、技術の歴史、生命観の歴史に区分し、人間と科学・技術の歴史として描き出す。 古代、どの文化圏でも、最初に生まれた科学は天文学と医学だった。古代ギリシアの自然哲学に始まったヨーロッパ科学は、中世にはアラビア人が伝統を受け継いで発展させ、シチリア島やスペインでそれらをヨーロッパに伝えた。一方、古代以来、中国の科学と技術はヨーロッパを凌いでいたが、中世末期に中国から伝来した技術を背景に、ヨーロッパにルネサンスと科学革命が起こる。やがて産業革命は蒸気機関と、さらに電気の時代を生み出していく。そして20世紀末に至り、人類は核エネルギー開発による放射能汚染と、遺伝子操作という「神の領域」に触れる難題を抱え込むようになったのである。『自然科学史入門』(1998年、東海大学出版会刊)を改題して文庫化。 目次 まえがき 序章 科学史概観 第一章 宇宙・地球観の歴史 1 古代自然哲学における天文学 2 ニュートンによる天体力学の完成 3 二〇世紀初期までの地球観 4 現代の宇宙論 5 二〇世紀後半の地球観 第二章 物質観の歴史 1 哲学的原子論と錬金術 2 科学革命と近代的原子論・分子論 3 有機物質の化学 4 物質の究極的構造の解明│現代物理学の誕生と発展 5 二〇世紀後半の合成有機化合物 第三章 技術の歴史 1 技術の起源と古代の技術 2 中世から近世初期の技術 3 産業革命と技術の近代化 4 電磁気学の発展とその応用 第四章 生命観の歴史 1 古代・中世の医学 2 生物学の近代化 3 産業革命後の生物学 あとがき 自然科学史年表 人名索引
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-上に立つ者の驕りが、世の乱れを生む! 階級社会批判・エコロジー思想の先駆と称される、江戸時代の比類なき思想家による諫言の書。 江戸中期、封建社会の低層たる農民の生活を根拠としながら、独特の時代批判をものした安藤昌益。万物の根本原理を説く「大序」、孔子ら聖人の作為を暴く「私法儒書巻」、記紀の誤りを糺す「私法神書巻」、階級社会を批判し、理想社会への道標を示す「法世物語巻」「真道哲論巻」――主著のエッセンスを通して明らかになる、「土の思想家」昌益の核心。 野口武彦氏による詳細な解説に加え、管啓次郎氏によるエッセイも収録! * * * [本書の内容] ○エッセイ 昌益の道、土の道 管啓次郎 ○自然真営道 安藤昌益 ・大序 ・私法儒書巻(抄) ・私法神書巻(抄) ・法世物語巻(抄) ・真道哲論巻(抄) ○解説 土の思想家 安藤昌益 野口武彦 ○年譜
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4.8北条氏はなぜ将軍にならなかったのか。なぜ鎌倉武士たちはあれほどに抗争を繰り返したのか。執権政治、得宗専制を成立せしめた論理と政治構造とは。承久の乱を制し、執権への権力集中を成し遂げた義時と、蒙古侵略による危機の中、得宗による独裁体制を築いた時宗。この二人を軸にして、これまでになく明快に鎌倉幕府の政治史を見通す画期的論考!【本書より】・鎌倉北条氏は、そもそもどのような家であったのか。・「得宗」とは、いったいどういう意味なのか。・これは事実自体がほとんど知られていないが、鎌倉将軍には実は四人目の源氏将軍が存在した。第七代将軍源惟康がその人である。鎌倉幕府が空前の強敵蒙古帝国と対峙したこの時期、なぜ鎌倉幕府は源氏の将軍を戴いていたのであろうか。―これらの問題を追究するためには、どのような方法が有効なのであろうか。まず、鎌倉幕府の通史や北条氏歴代の伝記を書くつもりはない。なぜならば、この本は北条氏という「一族の物語」ではなく、「一族の物語」の底を流れる「基調低音」を書くことが目的だと思うからである。表面的に幕府や北条氏の歴史をなぞっても、我々が求める答には辿り着けないはずである。そこで私は鎌倉北条氏歴代のなかからキー・マンとして二人の「執権」を選んだ。承久の乱で仲恭天皇を廃位し後鳥羽・土御門・順徳の三上皇を配流(流刑)した「究極の朝敵」、第二代執権北条義時と、蒙古帝国の侵略を撃退した「救国の英雄」第八代執権、北条時宗である。世間一般の評価に極端な隔りのあるこの高祖父(ひいひいおじいさん)と玄孫(ひいひいまご)の人生に注目することにより、答に迫りたいと考える。この試みが成功し、見事、解答に至れるかどうかは、わからない。「とりあえず付き合ってやるか?」と思った読者と共に旅に出るとしよう。【本書の内容】はじめに―素朴な疑問 第一章 北条氏という家 二章 江間小四郎義時の軌跡―伝説が意味するもの 第三章 相模太郎時宗の自画像―内戦が意味するもの 第四章 辺境の独裁者―四人目の源氏将軍が意味するもの 第五章 カリスマ去って後 おわりに―胎蔵せしもの
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4.5〈『論語と算盤』よりも明快!〉 渋沢栄一「最後の肉声」を現代語訳。 読めば、2021年大河ドラマ『青天を衝け』が、ぐっと味わい深くなる! ■怒濤の人生を回顧し、現代人に希望を託す、畢生のメッセージ■ 時勢が緊迫する昭和のはじまりにあって、人生の黄昏を迎えていた「日本資本主義の父」は、 後世に何を言い遺こそうとしたか。 「家訓」にはじまり、倫理観、経済観、政治観、人生観など広汎なテーマについて32項目にわたって、 幕末維新の経験をふまえ、日本の明日を憂いながら語り尽くした談話集「青淵論叢」を、 渋沢という人物を知り尽くした鹿島茂が読みやすく現代語訳し、さらに懇切に解説。 「金というものは社会の力を表彰している役にたつ道具ですから、これを貴ぶのは正当なことですが、しかし、必要な場合にはよくこれを消費しなければなりません。消費はもちろんよいことなのです。よく集めてよく散じ、もって社会を活発にし、それによって経済界の進歩を促すのはまさに有為の人が心がけなければならないことなのです。真に経済のよくわかった人は、よく集めてよく散じるようでなければなりません。よく散じるとは正当に支出することです。金を善用することです」(本書「富者の要務」より) 「江戸の封建主義に代わって明治・大正の資本主義が登場しても、官は官のもの、民は民のものという疎外的分担体制はよりひどくなっている。 これは、自分にも責任があるのだから、なんとしても最終解決しなければならない。 では、どうすればいいのか? これが、日本の資本主義をほとんどゼロから独力で作り上げた渋沢が古希にあたって再度、自分に問いかけた疑問だったのである」(本書「編訳者解説」より) 【本書の主な項目】 立身出世の秘訣/信用を得る人得ない人/叱言(こごと)の云い方/真の成功とは何か/予の人物鑑識法/大国民は斯う有り度い/外来思想と咀嚼消化の力/国家観念と世界主義/政治経済と道徳観念/道徳と経済の合一説/事業経営に必須の条件 ほか
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3.0近代神経学の創始者ジャン=マルタン・シャルコー(1825-93年)は、パリ大学で学び、パリ医科大学の病理解剖学の教授を務めたあと、1882年にはサルペトリエール病院の神経病学の教授となった。同病院での膨大な臨床経験を通して神経学を確立したシャルコーの理論は、『火曜講義』と呼ばれる公開講義を通して知られるようになる。ヒステリー患者のパフォーマンスも行われたこの講義の様子は、アンドレ・ブルイエ(1857-1914年)の絵画(1886年)に描かれている。 カタレプシー、嗜眠、夢中遊行という三つの状態をたどる「大ヒステリー=大催眠理論」を打ち出したシャルコーは、精神病理の領域に催眠術を導入したことで知られ、その理論はジークムント・フロイトやピエール・ジャネのほか、ジョセフ・バビンスキー、ピエール・マリーらに影響を与えた。 本書の前半では、金曜日に行われていた『神経病学講義』を基にシャルコーの理論を概観し、さらにその生涯の事績を跡づけていく。その上で、後半では、医学を超えて思想や文学の領域にも見られるシャルコーの残響を見ることで、著者が「シャルコー的問題」と呼ぶものの広がりを示す。 「神経病学のナポレオン」あるいは「科学界の帝王」と呼ばれたこの知の巨人は、『神経病学講義』や『火曜講義』の全訳が存在しないこともあって、日本ではよく知られているとは言いがたい。生誕200年を迎える2025年、すでに定評を得た概説書である本書を、全面的な改訂を施した決定版として、ここに刊行する。 [本書の内容] 第一章 すべてはシャルコーからはじまる 第二章 男性ヒステリーとは?――『神経病学講義』より 第三章 シャルコー神経病学の骨格 第四章 大ヒステリー=大催眠理論の影響――フロイト、ジャネ、トゥーレット 第五章 シャルコーとサルペトリエール学派 第六章 『沙禄可博士 神経病臨床講義』――『火曜講義』日本語版の成立と三浦謹之助 第七章 シャルコーの死とその後 第八章 シャルコーと一九世紀末文化――ゴッホのパリ時代と『ルーゴン・マッカール叢書』 終 章 ヒステリーの身体と図像的記憶 文献一覧 あとがき 学術文庫版あとがき
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4.0紀元前3500年、まだ日本が縄文時代だった頃に巨大神殿を建て、古拙文字を発明。ビールを飲み、都市文明を謳歌し、華やかな宴会を繰り広げたシュメル人たち。紀元前2004年のエラム侵入により忽然と消えてしまった彼らの日常には、現代の日本や西欧社会に通じる様々なしきたりと人間模様が隠されていた! 古典の名著『ギルガメシュ叙事詩』や発掘された奉納額、図像などの一等史料を丹念に解読。王の父子相伝や戦記、后妃の葬儀、交易記録などから最古の文明人の驚くべき栄華と崩壊を識る! 内容紹介 第1章 シュメルの父と息子――現代人にも共感できる、王と息子の話 第2章 ラガシュ王奮戦記――自国を守るため戦う王の弱気な横顔・・・ 第3章 后妃のお葬式――シュメル女性の結婚、育児事情 第4章 商人が往来する世界――シュメル人がほしかった銅、レバノン杉、瀝青と、貿易活動 第5章 星になったシュルギ王――決して楽ではなかった王の一代記 <目次> はじめに 1 シュメルの父と息子――ウルナンシェ王の「奉納額」 ウルナンシェ王の「奉納額」/都市国家ラガシュ市/ウルナンシェ王の王碑文/奉納額の絵解き/家族の肖像/教育は人類不変の悩み 2 ラガシュ王奮戦記 二方面の宿敵/「正史」の始まり/初代王、第三代王の戦い/「エアンナトゥム王の戦勝碑」/ラガシュ最後の輝き 3 后妃のお葬式――シュメルの女性たち 葬儀は語る/シュメルの女性群像/后妃の結婚生活/后妃として母として/仇(かたき)の妻に弔われた前后妃 4 商人が往来する世界――シュメル人の交易活動 古代人の商売繁盛/ 瑠璃(るり)に魅せられて/銅は海からやってくる/ギルガメシュと「杉の森」/石油より大事なもの 5 星になったシュルギ王 帝王の佇まい/ウル第三王朝の最盛期/王の公務/神になったシュルギ王/戦いに明け暮れた後半生 あとがき 主要参考文献 主要図版引用文献 コラム 「正統な後継者」/「油あふれる」ディルムン/シュメルのモナ・リザ/生きているシュメル語/文字と争いの起源/メルッハからの「砂金」/エブラ市の発見/中島敦と古代オリエント史/王の称号 学術文庫版あとがき 索引 本書は『五〇〇〇年前の日常 シュメル人たちの物語』(新潮選書 2007年刊)を改題したものです。
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3.3かつて500年に亘り、栄華を極めたオスマン帝国。 東洋と西洋、イスラムとキリスト教という文明と宗教の交差が生み出した 大首都・イスタンブルで、当時、人々はなにを食べ、どんな暮らしをしていたのか? 1500坪の台所で260余名のコックが、年に600万円予算で贅を尽くしたトプカプ宮殿の献立。 食事が足りないと鍋を投げて暴動を起こした、屈強たるイエニチェリ軍団の食い意地。 施しこそ敬虔な信仰の証、と貧者への給食すら豊かだったこの帝国を、 当時の料理書や、市場で売られた食材物価表までたどって、細やかに検証。 オスマン帝国の興亡を「食」で大胆に考察する。 目次 巻ノ一 古都は食をはぐくむ 巻ノ二 遊牧の遺産 巻ノ三 ケバブのみがトルコ料理にあらず 巻ノ四 イスタンブルの市場めぐり 巻ノ五 君府料理尽し 巻ノ六 貧者の給食 巻ノ七 トプカプ宮殿の台所 巻ノ八 スルタンの食卓 巻ノ九 祝祭の饗宴 巻ノ十 「土」風から「洋」風へ 学術文庫版あとがき 今でも、トルコ語で「大鍋を覆す」といえば反乱を起こすことを指すが、事態がそこまでいかなくとも、俸給支払いの日のスープをイェニチェリたちが飲むのを拒むとなれば、帝都の騒擾につながりかねず、下手をすれば当面の政権の担当者たる大宰相の首が文字通り飛んでしまう。トプカプ宮殿の中庭でのイェニチェリへのスープの振舞いは、(略)、一大国事でもあった――― 巻ノ八 スルタンの食卓より 本書の原本は、1995年、NTT出版より刊行されました。
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-本書は、激動する19世紀フランスに生きた社会思想家ピエール=ジョゼフ・プルードン(1809-65年)の初期の主著である。 スイスとの国境に近いフランス東部のブザンソンに生まれたプルードンは労働者階級出身であり、向学心旺盛でありながら学業を断念せざるをえなかった。そうして働き始めた印刷所での日々は、のちの社会思想家を生み出す養分を提供することになる。すなわち、校正作業を通じてヘブライ語を習得したほか、聖書や言語学をはじめとする学的関心を養うとともに、同郷の社会思想家シャルル・フーリエの著書を校正することで、現実とは異なる社会を構想する動機を与えた。さらに、印刷工として働く傍らでフランス各地を巡行して印刷所の現場監督を務める中で労働者の境遇を身をもって知り、これが「社会の構成単位は仕事場である」という発想を導くことになった。これらの成果が結実したのが本書にほかならない。その冒頭には「最も数が多く最も貧しい階級の物質的、道徳的、知的境遇を改善する手段」を見出すというプルードンの動機が明確に宣言されている。 本書は第一章で提示される「所有とは盗みである」という警句によって物議をかもした。これは「奴隷制とは殺人である」という命題を「変形させただけ」だと言われるとおり、「所有」とは合法化された「盗みの権利」にほかならない。ならば、それが奴隷制につながらないための線引きを担保する必要がある。その方策を実現するものこそ、プルードンが構想した理想の社会だった。 紛れもない社会哲学の古典である本書の邦訳は1971年になされたあと半世紀以上、新しいものは登場していない。本書は、気鋭の研究者が清新な日本語で作り上げた新訳であり、格差が激化する今こそ熟読したい1冊である。 [本書の内容] ブザンソン・アカデミー会員諸氏へ 第一章 本書が従う方法論――革命という観念 第二章 自然権とみなされる所有について――所有権の始動因としての先占と民法について 第三章 所有権の始動因としての労働について 第四章 所有は不可能であること 第五章 公正・不公正の観念の心理学的説明および、統治と法の原理の確定 訳者解説
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。(講談社学術文庫)
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4.0「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」 見たり聞いたりする知覚の風景が自分の「心の中」にある心象風景だと感じる人はまずいないだろう。しかし、痛みや気分、悲喜の感情、思い出や希望、空想や妄想、そして意志といわれるもの、これらはまぎれもなく自分の「心の中」のものだ、と人は感じている。 しかしそれは、人が抱く根本的な事実誤認ではないか? 世界そのものが悲しく喜ばしく恐ろしく、回想や希望も現在も、常にひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われなのである。 このことを、光学虚像や幻覚・幻像、時間と空間、幾何学、芸術、自由と意志などさまざまな角度からていねいに論じる。陥りがちな誤解をほぐしながら、日常と科学を重ねながら、「世界の一項目としての私」を「世界のあり方としての私」に組み変える。 世界そのものが、悲しく喜ばしく恐ろしい。 こうして「私」は抹殺され、私が復元されたのである。 解説: 野家啓一 本書の原本は『新視覚新論』(東京大学出版会、1982年)です。 【目次】 1 見ることと触れること 2 見えている 3 何が見えるのか 4 「表象」の空転 5 鏡像論 6 過去透視と脳透視 7 空間の時間性 8 自由と「重ね描き」 9 言い現わし、立ち現われ 10 心
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明治の大ベストセラー。明治期の地理学者による、日本を地理学的に解説した初期の書籍であり、詩情豊かな文章でこの国の風土を讃えるものです。科学的・実証的な論述でありながら、日本文学の古典を豊富に引用し、明治画壇きっての名手である樋畑雪湖・海老名明四の挿画とあいまって、日本の自然の美しさを述べた古典的名著です。日本人の景観意識に重要な変革を与えた記念碑的作品です。(講談社学術文庫)
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-藤原道綱母が告白する、貴族たちの愛憎劇。 美貌と歌才をもち、権門藤原氏に求婚された才媛が、人生の苦悩を赤裸々に告白する、平安王朝の代表的日記文学。漁色癖のある夫への愛憎をはじめ、家族との別れ、子供の誕生と成長、旅行、参籠といった結婚生活のなか、自らのはかない身の上を書き連ねた日本初の私小説でもある。 作者の道綱母は、藤原道長の父・兼家のもう一人の妻である。一夫多妻制の時代に生きた彼女の日記は、竹のカーテンに閉ざされた上流夫人のありのままの生活であり、これが書かれなければ、『枕草子』や『源氏物語』などもあるいは生まれなかったともいわれる。近代以降も、数々の小説家が惚れ込み現代語に訳してきた、女流文学の先頭に立つ作品である。本書は原文、現代語訳、語釈、充実した解説に加え、地図や年表を備えた決定版である。 【目次(抄)】 まえがき 凡 例 上 巻 天暦八年 天暦九年 天暦十年 天徳元年 天徳二年 応和二年 応和三年 康和元年 康保二年 康保三年 康保四年 安和元年 中 巻 安和二年 天禄元年 天禄二年 下 巻 天禄三年 元延元年 天延二年 巻末歌集 補 注 系 譜 地 図 年 表 解 説 *本書は、1980年に講談社学術文庫から刊行された『蜻蛉日記』上中下巻を一冊にまとめ、新版としたものです。
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-□絢爛たる宮廷生活、吐露される人生の憂愁□ 『源氏物語』という世界史的作品を生んだ紫式部は、平安王朝の実像を後世に伝える貴重な日記も遺していた。 敦成[あつひら]親王の誕生を中心に御堂関白家の繁栄を描く本書は、最盛期の平安朝宮廷の生活絵巻であり、作者の複雑な心境が吐露される貴重な文献でもある。 道長との歌の贈答、中宮彰子への新楽府御進講、和泉式部や清少納言などに対する辛口の批評、一条天皇の行幸…… 宮廷社会を舞台に繰り広げられる儀礼や賀宴の日々を見つめながら、紫式部は自己を冷厳に凝視し、憂いに満ちた内面を語ってもいる。 一人の平安びとの精神的軌跡が作品として昇華された日記文学を、全訳注で味読する! *本書は、2002年に講談社学術文庫のために訳し下ろしされた『紫式部日記』上下巻を一冊にまとめ、新版としたものです。
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-魂の深奥にふれる学び──神秘学が導く、高次の自己への旅 神秘学は、哲学・芸術・科学・政治など、人類文化の根幹に深く関わってきた知の体系です。本書はその神秘学の基本的な考え方と歴史的展開を、古代ギリシア哲学から現代に至るまで、わかりやすく解説します。神秘学は、単なる知識の提供ではなく、思考と感情を喚起することで「目に見えない世界」への認識を深めます。それは別の世界への逃避ではなく、日常の中に眠る「高次の人間」を目覚めさせ、生き方が変わらざるをえないような学びです。 ゾロアスター教以来の西洋のグノーシス的二元論と、儒教・仏教・道教・シャマニズムなど東洋の一元論的世界観を対比し、影響関係をたどることで見えてくる、神秘学の普遍性と多様性。シュタイナー研究の第一人者が、シュタイナーの思想を縦糸として古今東西の神秘学をたどり、魂を探る旅への扉をひらきます。(解説:若松英輔) [本書の内容] I 神秘学とは 1 神秘学の原風景 2 古代の秘儀参入 3 古代東方 4 魂の遍歴者たち 5 アカシャ 6 一元論 7 後天開闢 8 ガイア II 美学としての神秘学 9 美学者シュタイナー 10真・善・美 11アストラル・ヴィジョン 12フォルク 13恨の美 14南溟の果て あとがき 解 説 若松英輔 *本書の原本は、2000年にちくまプリマーブックスとして筑摩書房から刊行されました。
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5.0【幕末に「志士」たちを生み出した最重要思想書、その全貌を読む!】 ―臣ここを以て慷慨悲憤し、自から已む能はず、敢えて国家のよろしく恃むべきところのものを陳ぶ― 「序論」「国体」「形勢」「虜情」「守禦」「長計」からなる全篇の本文読み下し。平易な現代語訳・懇切な語釈を掲載。 さらに参考資料として、正志斎がのちに開国政策を提言した『時務策』を併載! 文政八年(1825)、幕府は異国船打払令を出し、日本近海に接近する外国船全てに対して砲撃を加え、排除することを決定した。会沢正志斎が『新論』を完成させたのは、まさにその直後のことである。 一読するとわかるように、その内容は西洋諸国と直面をせまられ始めた日本全体の、今後の政策を提言するものである。だが、水戸藩主を通じて幕府を動かそうという正志斎の期待は実現されることもなく、また異国船打払令も徹底されずに、沿岸には外国船が自由に航行することが常態化した。 しかし本書は、正志斎の関係者から友人へ、その友人から別の友人へと筆写が重ねられ、日本全国へと広まっていくこととなる。それは匿名の著作ではあったけれども、人々を引きつける何かがあったのは確かであろう。天下太平と呼ばれた時代にあって、その裏にあった言いしれぬ不安というべきものを明らかにした、という理由もあろう。結果的にこの書は、全国の志ある多くの人々を目覚めさせることとなった…… *本書は訳し下ろしです。
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4.0ほぼすべての生物の遺伝子が、「24時間」のリズムを刻む謎。 生物はなぜ眠るのか? この生命最大の謎にまだ完全な答えはありませんが、約24時間のリズムを刻む生物時計は、人間や高等動物だけではなく、昆虫、草木、単細胞生物にも備わっていて、ほとんど同じ遺伝子を使っていることがわかってきました。 なぜか午前中は時間が早く経つように感じられる。目覚まし時計の少し前に目が覚める。時差ボケがつらい――こうした多くの人の経験は、春になると桜が咲くこと、渡り鳥が方角を間違えないこと、蛹がかならず早朝に羽化することと同じ、この生物時計のリズム(サーカディアン・リズム=既日周期)によるものです。そして、地球上のほとんどすべての生物の遺伝子には、先天的にこのリズムが組み込まれています。 この生物時計はどういう仕組みで動き続けているのか。そこで「眠り」はどういう役割を果たしているのか―ー? 生物時計と睡眠研究の第一人者である著者が、解明されてきた謎といまだ解明されない謎をわくわくする筆致で描いたベストセラー。日々の実感と地球生物全体が遺伝子でつながる感動に、最新の成果を盛り込み、待望の文庫化! ・平成16年、講談社出版文化賞・科学出版賞受賞作 ・本書のテーマのひとつ、「概日周期を制御する分子機構の解明」は、2017年のノーベル医学生理学賞受賞 【目次より】 1章 なぜ生物時計があるのか 2章 脳の中の振り子 3章 生物時計の部品の発見 4章 分子生物学が明かした驚異のしくみ 5章 不眠症のハエから睡眠遺伝子を探る 6章 睡眠の謎 7章 生物時計は睡眠をどう制御しているか 8章 睡眠研究の突破口 ナルコレプシー ■生物時計と睡眠をもっと知るためのブックガイド
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5.0痛快で、やがて悲しい――。ジャンヌ・ダルクの生涯を一言であらわすならば、このようになるでしょうか。時は15世紀、英仏100年戦争の末期。フランスを二分する未曾有の国難のなか、パリを追われた失意の国王シャルル7世のもとに彗星のごとくあらわれたのが、ジャンヌ・ダルクです。甲冑を身にまとい馬上の人となった彼女は破竹の勢いで敵方を打ち破り、またたくまにシャルル7世をランスでの戴冠に導きます。しかし華々しい栄光もつかの間、ジャンヌはイギリス軍に引き渡され、異端者として生きたまま火あぶりにされてしまうのです。「声」に導かれるまま生まれ育った村を旅立ったのが16歳、火刑台に立たされたときには19歳でした。本書は、100年戦争の政治的背景から、中世におけるお告げや聖女の系譜など、彼女が生きた当時の世界を浮かび上がらせることで、ジャンヌ・ダルクの全体像をあざやかに、しかも親しみやすい筆致で描きだします。名もない羊飼いの娘だったジャンヌを突き動かした「声」、ついにはシャルル七世をも動かし、フランスを熱狂させたものとは、いったい何だったのでしょうか。カトリックの聖人は数多くいますが、異端者として火刑にまでなりながら、500年後に聖女として認定されたのは彼女だけです。「普通の女の子」が国を救い、国家意識を創ることを可能にしたヨーロッパ中世とは、そして彼女を「守護聖女」として今なお現役で生かしているフランス人の心性とはいったいどのようなものなのでしょうか。異端にして聖女、華やかで苛烈なジャンヌ・ダルクの世界に、あなたも飛び込んでみませんか?(原本:講談社現代新書、一九九七年)【本書の内容】プロローグ序 章 ジャンヌ・ダルクとはだれか第1章 ジャンヌ・ダルクの先駆者たち――カリスマと聖女第2章 神の「声」を聞いた少女第3章 中世の政治と宗教――少女戦士はいかにして誕生したか第4章 戦場の乙女第5章 ジャンヌの最期/エピローグ/あとがき/学術文庫版あとがき/おもな参考文献
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4.3儒教と道教、そして仏教。この三つの異なる宗教は、長い歴史のなかで渾然と併存してきた。 そのような不思議な思想空間は、なぜ、いかにして成り立っているのか。 死生観、自然認識、民間信仰などの視点から、衝突・妥協・調和を繰り返すダイナミズムをとらえる意欲作。 矛盾しながら共存する東アジア的宗教の本質を、シンクレティズム=習合というキー概念から鋭く分析し、 軽妙な筆致でやさしく語る! ◇本書「はじめに」より― シンクレティズムとは「ごたまぜ」という意味である。儒教と仏教と道教がごたごたまぜ まぜになっている。純粋ではない。けれどゆたかさがある。そしてこれこそが宗教というも のの現実の姿ではないか。 ◆主な内容 第1章 シンクレティック東アジア―宗教の実像を求めて 第2章 かばいあう親子のどろぼう―情にあふれ馴れあう心性 第3章 翼をなくした天女たち(上)―ユーラシアの西から東へ 第4章 翼をなくした天女たち(下)―孝との調和と相克 第5章 福禄寿、怨恨、呪殺―心がすさむとき求められるもの 第6章 草も木もみな仏になる―宗教をぬりかえる自然認識 第7章 スモモの下で世直しがはじまる―くりかえされる予言の力 第8章 彼らに永遠の休息をあたえたまえ―湿潤温暖地域の死生観 第9章 東アジアの思想空間へ―思想を生みだす時と場所
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カント哲学の厳密な方法と徹底性の精神を忠実に日本語に置き換え、論理的形式性においてとくに優れている点が天野訳の特徴である。第一巻には、訳者の解説と、先験的原理論のうち、先験的感性論、先験的論理学第一篇がふくまれる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
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-1762年に入学したケーニヒスベルク大学で神学と哲学を学び、私講師を務めていたカントの薫陶を受けたヨハン・ゴットフリート・ヘルダー(1744-1803年)は、同じ時期にヨハン・ゲオルク・ハーマンと出会い、私淑したことが知られる。その後、1769年にフランスに渡り、ハンブルク、ダルムシュタットを経て、シュトラスブルク(ストラスブール)に到着したヘルダーは、ゲーテとの決定的な邂逅を経験した。大きな影響を与えたゲーテとともに、ヘルダーは「疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク)」運動を推進するとともに、プロイセン王立ベルリン学術アカデミー(ベルリン・アカデミー)の懸賞課題に応えて執筆した『言語起源論』を1772年に公刊して、その名を轟かせる。 1776年にゲーテの尽力でヴァイマールの宗務管区総監督・主任牧師に迎えられたヘルダーは、主著『人類歴史哲学考』(1784-91年)を執筆・公刊したが、旧師カントから厳しい批判を浴びた。1799年に公刊された本書は、その表題が示しているとおり、カントの『純粋理性批判』(初版1781年、第2版1787年)に対する「批判」──「批判の批判」としての「超批判(メタクリティーク)」である。 各章は『純粋理性批判』のテクストを引用し、それに批判的なコメントを加えたあと独自の考察を展開する、という構成になっている。その主張は「思惟し、意志し、理解し、感覚し、理性を訓練し、欲求するのは、同一の魂である」(一元論テーゼ)、「人間の魂は、言葉とともに思惟する」(理性即言語テーゼ)の二つに要約できる。これらのテーゼを、ヘルダーはスラングを多用した独特な文体で、時には嘲笑を交えながら展開した。 本書は、程なく勃興するドイツ観念論の先駆をなしている。そうした重要な役割を演じた著作の本邦初訳を、ここに文庫版でお届けする。 [本書の内容] 第一部 悟性と経験 序 文 1 題名と序論 2 いわゆる超越論的感性論の超批判 3 いわゆる超越論的分析論の超批判 4 純粋悟性概念の図式論 5 純粋悟性のすべての原則の体系の超批判 6 観念論と実在論について 7 あらゆる現象の隣および背後にある物自体について 付 録 経験的悟性使用を超越論的悟性使用と混同することによる反省概念の多義性について 第二部 理性と言語 8 超越論的弁証論の超批判 9 純粋理性の誤謬推理について 10 純粋理性の二律背反について 11 純粋理性の理想について 12 理性の統制的使用について 13 純粋理性を訓練することについて 14 純粋理性の規準について 15 純粋理性の誤った批判 付 録 純粋理性の批判的学部についての最新情報
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4.2ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』は、多くの音楽ファンの心を烈しく揺さぶる一大傑作である。また『ニーベルンゲンの歌』は古代ゲルマンの英雄伝説を素に、13世紀初頭に成立した一大叙事詩である。両者に共通する「ニーベルング(ゲン)」は地下に住む妖精の名前である。そしてこの侏儒がとてつもない財宝を所有していた。この財宝をめぐってさまざまな闘争が繰り広げられ、壮大な物語へと発展していくのである。この物語の主人公ジークフリートのルーツはどこにあるのか。古代ゲルマンの「竜退治」「財宝獲得」の英雄伝説や北欧の伝承『歌謡エッダ』『サガ』などの系譜を辿り、また、主人公の人間像と楽劇の魅力を徹底的に読み解き、ドイツ文化の特質とその精神の核心に鋭く迫る。 〔文庫書き下ろし〕 第1章 ニーベルンゲン伝説の生成 第2章 北欧への伝承 第3章 ドイツ中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』 第4章 新しいタイプの伝承 第5章 ドイツ・ロマン派による伝承 第6章 19世紀における戯曲作品 第7章 ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』4部作 第8章 20世紀のジークフリート伝説 結び ジークフリート伝説の系譜
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4.018世紀のスウェーデンが生んだ稀代の科学者にして神秘思想家、エマヌエル・スウェーデンボルグ(1688-1772年)。この異才の存在こそが、カントに『視霊者の夢』(1766年)を書かせ、またバルザックをして『セラフィタ』(1834年)の執筆にむかわしめました。日本では、禅学の大家である鈴木大拙(1870-1966年)が紹介したことで知られています。 スウェーデンボルグは84年の生涯のうち、その半分を科学者として過ごします。11歳でウプサラ大学に入学したあと、イギリスやフランスに遊学して天文学や機械工学を学び、先駆的な航空機を含め多彩な発明品の設計図を残します。その後、スウェーデン国王カルル12世の知遇を得たことをきっかけに、王立鉱山局の監督官として59歳まで働くことになります。監督官として勤めるかたわら、地質学をはじめ数学、宇宙学、解剖学など多岐にわたる分野で精力的に執筆活動を続け、科学者として当時のヨーロッパに名を馳せますが、50代のときに大きな転機が訪れます。それが相次ぐ神秘体験でした。 スウェーデンボルグを科学者から神秘主義神学者へと変貌させた、神秘体験とは一体どのようなものだったのでしょうか。それはこの天才にとってどのような意味をもっていたのでしょうか。そして、彼が見た死後の世界とはどのようなものだったのでしょうか。科学から神秘世界へ、大きな飛躍があるように見え、ともすれば矛盾に満ちたものになりそうなその生涯は、実のところ極めて合理的な精神に貫かれていたのです。 2005年にユネスコの世界記憶遺産に認定された膨大な手稿も含め、スウェーデンボルグが遺した思考の軌跡を辿っていくと、そこにはこの思想家が持ち続けたたぐいまれな合理的思考の輝きと、ニュートンやカントをはじめとする当時の科学者や哲学者が、人間や魂、宇宙など世界の真理に迫るべく探求を重ねていた18世紀の時代精神が浮かび上がってきます。 日本ではいまだ知る人ぞ知る存在でありながら、ゲーテ、シェリング、ドストエフスキー、コナン・ドイル、エドガー・アラン・ポー、ボルヘスなど、綺羅星のごとき思想家や作家たちに影響を与え続けた巨人の生涯と思想の全貌を本書は活き活きと簡潔に描き出しています。ヨーロッパ思想の奥深さを知る、絶好の入門書です!
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-円周率、√2、微分・積分、時間、無限……人類はこうして「問題」を解いてきた! 大家による究極の歴史ガイド。 数学がイデアの世界の産物だった古代ギリシアから、現実世界に埋め込まれたルネサンスを経、「時間」を取り込んだニュートンとライプニッツの微積分、そして「無限」を導入し両者の統合を果たした解析学へ――。数学が2000年以上にわたって切り拓いてきた歴史の道程を、「問題」と格闘する精神の軌跡として簡潔明瞭に描く、啓蒙の大家による入門書の決定版!(解説:上野健爾) [目次] はじめに 序章 聞いてみたいこと 第1章 深い森へ 1 円周率 2 ピタゴラスの定理 3 平行線の公理 4 ツェノンの逆理 第2章 近世に向けての旅立ち――文明の流れのなかで 1 中世から近世へ 2 火薬と大砲――運動に向けての視線 3 コンパス 4 活版印刷 5 時計 第3章 ヨーロッパ数学の出発 1 デカルトの“方法” 2 ニュートンの『プリンキピア』 3 微分・積分の創造――ニュートンの流率 4 ライプニッツの無限小量 第4章 数学の展開 1 開かれた社会へ 2 バーゼル問題の解と『無限解析』 3 オイラー――無限のなかの算術 4 無限小量への批判 第5章 関数概念の登場 1 変化するもの 2 関数、グラフ、極限 3 微分――関数への作用 4 積分――関数のひろがり 5 微分と積分――数学の2つの方向 第6章 解析学の展開 1 テイラー展開と因果律 2 複素数 3 正則性 4 波立つ変化 おわりに 数学の歩みをふり返って (解説 数学の世界の爽やかな拡がり 上野健爾)
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3.8数学には人類の長いあいだの経験が集積されている。細かい計算や技巧の歴史としてではなく、ものの見方、考え方の歴史としてその道程を振り返るとき、目のまえには見たことのない数学の「風景」が広がるだろう。数学の歴史は私たちの思想の歴史にほかならない。数を数えることから現代数学までを鮮やかにつなぐ、数学入門の金字塔。(講談社学術文庫)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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-1945年にGHQが接収、1958年まで延べ4000人以上の戦犯者が収容された、巣鴨プリズン。東京裁判でA級戦犯とされた25人、絞首刑になった7人よりも圧倒的多数のBC級戦犯たちが、死と隣り合わせに過ごし、死刑宣告を受け、処刑場に向かう場所に一人の教誨師(きょうかいし)が着任した。日本人として唯一処刑に立ち会い、死刑囚との対話し、助命嘆願や戦犯死刑執行停止活動に奔走した「巣鴨の父」が、受刑者の声と生活を克明に綴った、生と死のドキュメント。1953年初版、幻の名著、復刊。 【電子特典有り】 「解説より」 A級戦犯の処刑で一区切りではない。 国家の命令で戦場に立ち、ときに上官の身代わりにまでさせられ、 忘れ去られたBC級戦犯の不条理な人生。 私たちは、どれほど思いやることができたのか。 戦後80年。真の「検証」を実現するために 本書は第一級かつ、最重要史料であると、私は信じている。――山折哲雄(宗教学者・評論家) 目次 序 巣鴨の教誨師となるまで 「死の喜び」よりも「生の喜び」を 処刑の立ち会い 刑場への道 拘引記――28時間の記録 罪業感と戦争観 最後の晩餐 死刑囚の面会 死刑囚と仏教 追補 図表・地図 学術文庫版解説 山折哲雄 【電子書籍版収録】 遺言集――戦犯者18人が綴った日記と、辞世のことば 「死の近きを観念した人生は、一般の人生とは何が違うのか。それは希望が皆無ということです」 死ぬ意義、後悔、死への恐怖,…巣鴨プリズンのほか香港、インドネシア、シンガポールなどで絞殺・銃殺された18人は、死を目前に何を思ったのか。極限の心情を綴った稀少な文書160ページを、電子版には特別収録。 1953年7月31日 大日本雄弁会講談社より初版刊行。2011年7月、講談社エディトリアルより改装刊行。
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4.0世界は「粒」でできている! 砂時計の不思議をめぐる探究は、やがて雪崩や縞模様、果ては満員電車や交通渋滞のメカニズムの解明へと至り着く。異なるものたちのあいだに共通の法則を見出し、研究の最前線と日常生活を往還する物理学の「本当の面白さ」を伝える、自身第一線で活躍する著者による、絶好の入門書。 【本書の主な内容】 [満員電車]乗り降りをスムースにするには、ドアを大きくする? 数を増やす? [渋滞]発生の秘密は「1/fノイズ」にあった? [縞模様]砂漠の風紋はシマウマの縞に通ず? [山]麓より頂に重い砂粒が集まるのはなぜ? [砂丘]「三日月」に「星」……砂が風に飛ばされただけでなぜこんな地形が? [ピラミッド]その威容は、砂にはない「不自然」な角度のおかげ? [生命]粉粒体の縞々と生命の誕生は同じ原因? 【目次】 はじめに 第一章 流れ落ちる 第二章 吹き飛ばされる 第三章 かき混ぜられる 第四章 吹き上げられる 第五章 ゆすられる 第六章 粉粒体とは何か おわりに 参考文献ガイド 学術文庫版へのあとがき (*本書の原本『砂時計の七不思議』は第12回講談社科学出版賞受賞)
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4.4ガリレオにしか作れなかった高倍率の望遠鏡に、宇宙はどんな姿を見せたのか?──1609年7月に初めて製作した望遠鏡の倍率は3倍。その4カ月後には、他の誰にも追随できない20倍の倍率を実現したガリレオは、翌年初頭から天体観測を開始した。人類が初めて目にしたレンズの先には、月の表面の起伏が、天の川をなす無数の星が、そして木星をめぐる四つの衛星が現れた。人類初の詳細な天体観測の貴重な記録、待望の新訳!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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-幽閉・排除すべき狂気から治療・ケアすべき精神疾患へ――近代の精神医学はここからはじまった。 近代精神医学の祖とされるフィリップ・ピネル(1745-1826年)。自由・平等・博愛といった啓蒙精神と人類愛が高まる革命期のフランスで、精神疾患に罹患した友人の治療に関わったことを機に精神医学に関心を覚えたピネルは、ビセートル病院とサルペトリエール病院の医長を歴任し、監護人ピュサンとともに「狂人」と呼ばれ鎖に繋がれていた精神病者を解放し、人道的な治療を始めた人物として知られる。その狂気の分類・治療実践と狂人の解放神話はヘーゲルやミシェル・フーコーにも取り上げられ、医学のみならず哲学分野にも大きな影響を与えた。 ピネルの思索と実践を記録した本書は、精神医療の改革と近代化をうたった最初期の重要文献のひとつである。同じタイトルながら内容がかなり異なる第二版が存在することが知られている本書。さまざまな「精神病」の疾病分類を体系的に行おうとする第二版とは異なり、初版である本書では、マニー(躁病、気分障害、統合失調症、妄想、パーソナリティ障害などを含む概念)の疾病分類がなされ、それまでの瀉血や薬物、水療法など身体を対象とした療法ではなく、「心」にアプローチする「心的療法(モラル・トリートメント)」が提唱される。この療法は食事や労働などの生活習慣、社交、そして感情への配慮をもとにしたもので、「ケア実践」の源泉といえる。ピネルが臨床経験を重視し実践家に学びながら、新しい治療法を確立しようとした苦難の軌跡である。 巻末には、ピネルの略伝、著書刊行年の謎、鎖からの解放神話の真相、ピネル研究史などを丁寧に論じた訳者による「あとがきに代えて」「講談社学術文庫版あとがき」、さらにフーコーを軸に本書の意義を明らかにする精神医学研究の気鋭・上尾真道による詳細な「解説」を付した。 ピネル没後200年にあたる2026年、近代精神医学の誕生を告げる記念碑的著作を文庫として刊行する。 *本書の原本は、1990年に中央洋書出版部から刊行されました。 (主な内容・目次) マニー論 本書の全体的構成 第一章 周期性もしくは間歇性マニー 第二章 精神病者の心的療法 第三章 精神病者の頭蓋の形態的欠陥についての解剖学的研究 第四章 精神病の明確な種類の分類 第五章 精神病者の救済院で確立されるべき院内規律と監護 第六章 精神病者の医学的療法の諸原則 あとがきに代えて 講談社学術文庫版あとがき 解説 精神医療とモラル フーコーと読むピネル『精神病に関する医学=哲学論』(上尾真道) (上尾真道)
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5.0中国古典文学の集大成であり、中国文学の誕生とその進化を体現する、中国最古にして最大の詞華集「文選」(もんぜん)。南朝梁の昭明太子蕭統(しょうとう)が編集した、唐以前の詩文の精華となる美文集であり、模範文例集です。中国では科挙の模範とされ、日本では万葉集や日本書紀に影響を与えました。日本では平安貴族の必読書となり、明治期までは文章の手本とされてきました(清少納言、吉田兼好、大田南畝、永井荷風ほか多数)。 本書では、全三十巻から王粲、曹植、劉邦、李陵、陸機、曹丕、諸葛亮孔明などの秀作を厳選し、中国の古典文学研究の第一人者による充実した解説とともに全容を一望します。 【本書「総説」より】 現在の日本語の中で用いられている「文章」の語は、詩歌に対する散文を意識させることが多いが、中国語のもとの意味は、韻文・散文をひっくるめたありとあらゆる種類の書きものということである。そしてこの「章」という字の原義も、やはり「あや」とか「かざり」とかにほかならない。だから「文」ないしは「文章」の語には、「美しい」という概念が生まれついてのもちまえとして備わっているといっても、決して言い過ぎではないのである。 【目次(抄)】 序 総説 文選の序 賦 登楼の賦 洛神の賦 蕪城の賦 恨みの賦 詩 大風歌 秋風の辞 蘇武に与う 三首(うち一首) 怨歌行 飲馬長城窟行 古詩十九首(うち五首) 短歌行 七哀詩 二首 従弟に贈る 三首(うち一首) 雑詩 二首(うち一首) 公讌 応氏を送る 二首(うち一首) 美女篇 雑詩 六首(うち一首) 詠懐詩 十七首(うち二首) 悼亡詩 三首 詠史 八首(うち三首) 洛に赴く道中の作 二首(うち一首) 雑詩 十首(うち一首) 五君詠(うち一首) 池上の楼に登る 石壁の精舎より湖中に還りて作る 江中の孤嶼に登る 詠史 東武吟 宣城に之かんとして新林浦を出で版橋に向かう 雑体詩 三十首(うち二首) 范安成に別るる詩 文章 出師の表 呉質に与うる書 典論論文 山巨源に与えて交わりを絶つ書 情事を陳ぶる表 北山移文
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいし、分析と還元を旗印とする科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。博物学や進化論、DNA、ゲノム、クローン技術など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえる。(講談社学術文庫)
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-伝染病も老化も死も、官僚制も企業も大学も、「免疫」からはこう見える! 『免疫の意味論』(大佛次郎賞)を凌駕する圧倒的スケールで描かれる、稀代の免疫学者による「超」生命論。(解説:養老孟司) 「私はこの本で、生命の持つあいまいさや多重性、しかしそれ故に成り立つ「超(スーパー)システム」の可能性について考えた。そこには「不気味さ」と「美しさ」が紙一重で同居している」――「まえがき」より [目次] まえがき 第一章 あいまいな私の成り立ち 第二章 思想としてのDNA 第三章 伝染病という生態学(エコロジー) 第四章 死の生物学 第五章 性とはなにか 第六章 言語の遺伝子または遺伝子の言語 第七章 見られる自己と見る自己 第八章 老化――超(スーパー)システムの崩壊 第九章 あいまいさの原理 第十章 超(スーパー)システムとしての人間 参考文献 あとがき 解説 多田富雄さんと私 養老孟司
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4.0西洋史の泰斗ジャック・ルゴフが「先駆的民俗学者」と呼んだティルベリのゲルウァシウスによる奇譚集。南フランス、イタリアを中心にイングランドやアラゴンなどの不思議話を129篇収録。幽霊、狼男、人魚、煉獄、妖精、魔術師……。奇蹟と魔術の間に立つ《驚異》は「人間と世界の在り方の反省へと、謙虚に誘う」神聖な現象だった。中世人の精神を知るために必読の第1級史料。(講談社学術文庫)
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4.0悪魔と処女の子マーリンは、キリスト教の力で悪魔由来の邪悪さが消え、不思議な予言力を持つ。サクソン人の襲撃を受けるブリテンを守る王族三代コンスタン→ユテル→アーサーを導き、最終的にアーサー王の戴冠を成功させる。本書の物語の特徴は、なんといっても聖杯伝説とアーサー王伝説のマリアージュです。また本書では異なるふたつの結末が収録されています。本邦初訳の中世ロマンが読みやすい訳と解説付きで登場! (講談社学術文庫)
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3.0ヨーロッパ中世の社会を、伝説、民話、さらには法や経済などさまざまな位相から総合的に再構築し、共同体のあり方を生き生きと描き出した西洋史学の泰斗、阿部謹也(1935-2006年)。晩年は西洋史家ならではの視点から、「世間」を軸にした独創的な日本人論を展開したことでも知られる。 なぜ、日本人は「世間を騒がせて申し訳ありません」と謝罪するのか。無実ならば決して謝罪せず、世の中が納得するまで主張を続ける西洋との違いはどこから生まれるのだろうか。日本古来の「世間」と対比させつつ、西洋の「社会」を構成する「個人」や「愛」がヨーロッパで成立する過程を描き出した本書は、代表作『「世間」とは何か』を著者の本領たる西洋中世史から裏づける作品であり、一連の「世間論」の原点でもある。 著者は本書でこのように述べている。「大切なのは、わが国では、「社会」と「世間」という二つの用語の世界があるということを、まず認識することである」――。日本の共同体があらゆる水準で崩壊しつつある今こそ読みたい、人と人とのつながりの根源を照らし出す一冊。(原本:朝日新聞社、1992年)
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3.0柳田國男の代表作に『石神問答』があります。石神=シャグジは四千~五千年前ほど前、この列島に国家が存在しなかった時代へと遡る「古層の神」です。国家が誕生するとこの古層の神は零落してしまいます。しかしながら、この縄文的な精霊は、芸能と技術の専門家たちの世界で、たくましく生き残っていたのです。「宿神(しゅくじん)」という名前で、能や造園といった分野では深く敬愛される存在でした。国家などの秩序を支える神に力をあたえ、秩序の世界に創造をもたらす存在は、中世には「後戸(うしろど)の神」と呼ばれていました。本書の旅は、蹴鞠の名人・藤原成通の不思議な話から始まります。そして金春禅竹の秘伝書『明宿集』と中世における宿神の奇跡を辿り、縄文的要素の残る諏訪へと向かいます。そこで出会う太古の記憶は不思議な感動を覚えずにはいられません。そこからさらにユーラシアに散在する宿神的な痕跡をおいかけることで、その人類的な普遍性へといたります。熱く力強い筆致でわたしたちの前に現出する世界に圧倒されずにはいられません。本当に世界を動かしている驚くべき力に触れる壮大な人類史を描ききった瞠目の書です。
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3.3いつの時代も私たちを惹きつけてやまない神話。 文学や絵画はもちろんのこと、現代でもアニメやゲームのキャラクターとして神話のモチーフは取り入れられています。神話の知識がなければ興味は半減してしまうでしょう。 神話が人を楽しませ、ときには人を感動させるのは人間世界の真実の断面を私たちの目の前に投げ出して見せてくれるからです。神話は人間そのもののあり方、本質に迫ろうとします。そして倫理や法などの根本理念を考えさせます。 西洋古典学の第一人者が世界の神話の成り立ちや共通点を、ギリシア神話を中心にやさしく紹介する、神話を味わうために最適の一冊。(原本:『入門・世界の神話』講談社、1965年) 目 次 はじめに 第1章 神話のさまざま 1 大蛇退治――アポロンと素戔嗚尊 2 花物語――ヒヤシンスとすいせん 3 星座――天に上ったくまの母子 4 七夕祭り 5 湖畔に立つポプラとかしの木 第2章 神話の成り立ち 1 裁く神から踊る神まで 2 『死と少女』 3 金色のひつじの皮衣 4 オデュッセウスと百合若 5 史謡の世界――トロイの木馬 第3章 世界の神話 1 永遠の生を求めて 2 ノアの大洪水 3 ピラミッドの秘密 4 美しく奥深い北欧の神話 5 さるのつくった岩橋 第4章 世界のはじめ――ギリシア神話(1) 1 世界のはじめ(天地開闢) 2 神々の誕生 3 人類のはじめ 4 黄金時代 第5章 オリュンポスの神々――ギリシア神話(2) 1 オリンピックの由来 2 銀の弓と竪琴との神――アポロン 3 処女神宮のいわれ――アテーナとポセイドン 4 海のあわから生まれた女神――アフロディテ(ヴィーナス) 5 酒と芝居の神――ディオニュソス 6 商人とどろぼうの親方――ヘルメス神 7 月の女神アルテミス 第6章 海と地下の神々 1 ほら貝ふきのトリトオン 2 六粒のざくろの実 第7章 英雄時代 1 ヘラクレスの一生 2 迷宮と牛人退治 3 スフィンクスのなぞ 4 白鳥の皇子 5 さかはぎの駒 第8章 日本の神話 1 よみがえり 2 日の御子 3 海幸彦と山幸彦 4 因幡の白うさぎ 5 金色の鵄 第9章 伝説と史実 1 トロイア遠征の伝説 2 帰還の物語 3 説話の世界 4 神話の永遠性 5 神話と現代 索引