オカルト的な解説ではなく学術的な解説。公開に至るまでの紆余曲折、写本が書かれた背景を経て、写本に何が書かれているのかが示されている。
クムラン宗団(ユダヤ教の一派であるエッセネ派ないのグループ)による写本であり、宗団の思想を反映した取捨選択や註解が付けられている。しかしながら、かなり古い時期の写
...続きを読む本であり、旧約聖書・新約聖書の編纂の過程で失われてしまったり、散逸してしまったために詳細不明となっていた部分が多く存在しているため、新たな発見の多い写本でもある。また、クムラン宗団そのものの思想も明確となり、古代ユダヤ教の実体や、キリスト教に至る過程も見えてくる。さらに当時のパレスチナ地域で何が起きていたのかもうかがい知ることができる記述も見つかっている。古いから大発見というのではなく、歴史、宗教においても新たな発見をもたらしたという点で大発見であったということが分かる。