土岐健治の作品一覧
「土岐健治」の「死海写本 「最古の聖書」を読む」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「土岐健治」の「死海写本 「最古の聖書」を読む」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
コンセプトや内容など「死海文書のすべて」とかなり被っているのだが、こちらの方が多少詳しいし最新の研究の内容など取り込んでいて良い。「死海文書のすべて」の後で研究の結果がひっくり返ってることがある(クムラン遺跡のドゥ・ヴォー説の修正や、第一エノク書と巨人の書の関係など)ので…その辺は後発の利だろうけども…。翻訳でないから読みやすいし、出典等もかなりフォローしてあるのでこれを文庫で読めるのか!と感動してしまった。
そして最後に補遺でヨセフス、プリニウス、フィロンのエッセネ派について言及した箇所の日本語訳が載っていて本当にありがたい!そこが読みたかった!
Posted by ブクログ
1947年より死海の北西岸のクムランにて発見された写本群――通称「死海写本(死海文書)」について解説した書。紀元前後のユダヤ教の一派「クムラン宗団」が残したこれらの写本群の内容や思想を紹介すると共に、その歴史的背景や聖書との関連、そして写本発見の意義について解説する。
本書は、同著者が2003年に講談社現代新書より出した『はじめての死海写本』の文庫版である。前3世紀から後1世紀にかけて成立したと目される死海写本は、その数奇な来歴も相まって(時にイエスや初期キリスト教にまつわる新事実を明らかにするものとして)センセーショナルに扱われてきた。本書は学術的に行われてきた長年の研究の成果を踏まえ、実際
Posted by ブクログ
1947年にベドウィンの3人の若者たちによってクムランの洞窟から発見された旧約聖書の写本。僅か14ドルで古物商に持ち込んまれた。牧歌的な情景で単なる美しい話のようで、具体的にはあまり知られていない。同年5月14日に行われたイスラエル建国宣言の直前の大混乱時期、パレスティナ独立戦争開始前夜のさなかで、命がけで有刺鉄線の戦線を越えてヘブライ大学のスーケニーク教授にわたったという。そして永年に亘って説き明かされてきた。旧約聖書がほぼ完璧に含まれていた他、外典・偽典、そして多くの独自文書。それがバチカン、キリスト教にとって不利な内容は全く含まれていなかった!そのクムラン教団とエツセネ派の関係は。そし
Posted by ブクログ
私も死海写本について、なかなか、その内容が公表されないこともあり、原始キリスト教、あるいは、イエスについて書かれているとか、キリスト教の秘密が書かれているとか、あるいは、今のカトリックに不利な内容が書かれていて、公表されないのではと、ミステリアスな、あるいは、通俗的な興味を持って、考えていたが、この本を読んで、そのようなことはなく、クムランという宗教団体について書かれていて、旧約聖書について、書かれているが、キリスト教、イエスについては、まったく、書かれていないとわかった。
内容は、クムランというもうなくなった宗教団体の宗教的な考え、その規則、入会規則、また、旧約聖書に関する写本が主であった。
Posted by ブクログ
オカルト的な解説ではなく学術的な解説。公開に至るまでの紆余曲折、写本が書かれた背景を経て、写本に何が書かれているのかが示されている。
クムラン宗団(ユダヤ教の一派であるエッセネ派ないのグループ)による写本であり、宗団の思想を反映した取捨選択や註解が付けられている。しかしながら、かなり古い時期の写本であり、旧約聖書・新約聖書の編纂の過程で失われてしまったり、散逸してしまったために詳細不明となっていた部分が多く存在しているため、新たな発見の多い写本でもある。また、クムラン宗団そのものの思想も明確となり、古代ユダヤ教の実体や、キリスト教に至る過程も見えてくる。さらに当時のパレスチナ地域で何が起き