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Posted by ブクログ
冒頭の「序曲」に、この本の主旨はほとんど語り尽くされている。
人類学で有名な「贈与の循環」を「ものを結びつけるエロスの力」と位置づけ、これに対し「「もの」と「ひと」、「人」と「人」の間に距離をつくりだし、分離する」という「売買」のシステムを対置させる。
後者の市場の論理は、網野善彦さん(中沢新一氏の「おじさん」らしい)の、「市場」を「日常の世界での関係の切れた「無縁の場所」」とする指摘(『日本の歴史をよみなおす』)から敷衍されたものだろう。
本書では特に「贈与」をめぐって思考がおしすすめられる。
『カイエ・ソバージュ』の前に書かれたものらしいが、ひとつの考え方として、「思考」の冒険記として、おもしろかった。
Posted by ブクログ
贈与の可能性についての考察。
いかにして外部を引き入れ、この世界を活性化させるかというように読んでしまえば
彼の意図とはずれるのだろうけれど。
それでも、安直に「無の領域」などと言ってしまえば
霊的な言葉と戦うことになる。
その戦いは覚悟の上だったとしても、ヒロイックな感傷を携えては駄目だ。
広大な他者の領域、そこに種を播く。
じっくりと真摯に腰を据えて水をやり、耕す。
恩寵ではあるが、奇跡ではない。
それらはあらかじめ無数に存在していた。
常にすでに寄り添っている。亡霊などという言葉に騙されてはならず
数多の未来が今ここに眠っているのである。
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