大阪アースダイバー

大阪アースダイバー

1,980円 (税込)

9pt

著者は、心の無意識までを含んだ四次元の地図を作成する作業の全体を、「アースダイバー」と名づけました。258万年前から現在にいたる地質の変遷を示す「第四紀地図」図と考古学の発掘記録、それに現代の市街図を組み合わせて、土地のもつ「本当の姿」を明らかにしていきます。またその作業には、古代人の心の構造を教える人類学、歴史学、心理学などあらゆる知が境界を越えて動員されます。今回その対象となるのは、大阪です。現在の大阪は5000年前にはほとんどが海面下にありました。南北に走る細長い上町台地だけが、古くからある陸地です。その南北の線を軸に、そして東の生駒山脈から発する死のパワー(デュオニソス軸)が、東西に力を加え、その座標軸が大阪の基盤をつくっていると著者は考えます。そしてその交点にある四天王寺が大阪の中心となっています。物差しをもつ聖徳太子=太子信仰は、職人的世界のバックボーンになっています。一方ミナミ、キタ、ナニワなど大阪の中心地は、「くらげなす」砂州の上に成立し、それゆえに浮遊する世界=都市=商業を発展させえたということなります。大阪の古層にある、南からの海洋民、半島から到達した「海民」をキーワードに、大阪の無意識へとダイヴィングするスリリングな冒険を試みます。

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大阪アースダイバー のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2021年09月25日

    アースダイバーと称して、地域ごとの地質・自然環境と時間軸に基づいた人間社会の変容を思想(主に宗教)をベースに紹介した書籍の大阪編。

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    Posted by ブクログ 2020年11月21日

    大阪の歴史が地名とともに解き明かされる。緩やかに動く人々の生活が時を経て確固たる幹へと受け継がれていく経緯に圧倒される。生と死、差別と笑い、縁と無縁を互いに牽制し迎合しながら生活を営む術を模索していく。処刑場から見世物小屋に変貌していく千日前の神秘に心地よさを感じる。

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    Posted by ブクログ 2014年09月24日

    おもしろかった!
    今度ミナミに行くときには、今までとはちょっと違った目で周囲の風景が見られそうだ。
    それにしても、大阪はDeepだ!

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    Posted by ブクログ 2012年12月24日

    大阪に商業が興隆し、アジアの拠点都市としての薫りが色濃く漂い、笑いの文化が生じたのは何故か、古の大地からの声を聴き、アースダイバーは考察する。
    チベットのモーツァルトを著した宗教学者の中沢新一は、無縁・公界・楽を著した歴史学者の甥にして後継者だと唸る好著。

    アジアとの繋がり、ヤマト政権・朝廷に敗れ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年11月21日

     アースダイバーの大阪編。生駒山に死のパワーを感じることから始まり、流れ着いた海民が「都市」を形成していく歴史を幻視する。
     吉本のお笑い芸人にまで結びつく、語られる歴史は荒唐無稽ではあるが、しかし圧倒的に面白いし、その面白さが説得力を生み出す。ご丁寧に欄外に「実は嘘」的な記述があっても、それでも説...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月15日

    中沢新一(人類学者、宗教学者ほか)著「大阪アースダイバー」を読みました。
    かなり面白く、かつ、うさんくさい本。

    大阪のまちの全てについて解明しているわけではなく、
    上町台地、船場、ミナミ(難波~天王寺、西成)、そして渡辺村について古代、いや、それよりもっと前の時代から含めて読み解いています。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月15日

    大阪は東京とはずいぶん違った発展の仕方をしたらしい。
    大阪に行く前にこれを読んでおくと、景色がちがって見えるはず。(コアラ)

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    Posted by ブクログ 2019年03月10日

    昔の職場近辺の話が盛りだくさん。へーとかほーとか言いなが一気に読んでしまった。大阪のディープさは古代から脈々と受け継がれている。

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    Posted by ブクログ 2018年12月22日

    大阪は南北を貫く軸に、太陽が通る「東西」の軸をメインにした場所であった。

    ナニワでは信用に対する信仰に支えられた商人たちが活躍し、「有縁社会の中の無縁」を体現しており、ミトコンドリアのように大阪に活気を与えていた。

    四天王寺には聖徳太子伝説が息づき、敗者をも退けない「和」という思想がみられた。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月18日

    〜というようなことが言えるんじゃないかな。みたいな本。柳田国男だとか荒俣宏、澁澤龍彦の仕事に近い。アカデミックではなくセンスで書いてある。様々な事実を踏まえて感性で融合させている。中沢新一氏が博学で勉強熱心だと認めた上で読み方を間違えなければ面白い読み物。こういう風に歴史を眺めるのは素敵なことではあ...続きを読む

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