執権 北条氏と鎌倉幕府
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執権 北条氏と鎌倉幕府

1,100円 (税込)
550円 (税込) 12月18日まで

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北条氏はなぜ将軍にならなかったのか。なぜ鎌倉武士たちはあれほどに抗争を繰り返したのか。執権政治、得宗専制を成立せしめた論理と政治構造とは。承久の乱を制し、執権への権力集中を成し遂げた義時と、蒙古侵略による危機の中、得宗による独裁体制を築いた時宗。この二人を軸にして、これまでになく明快に鎌倉幕府の政治史を見通す画期的論考!【本書より】・鎌倉北条氏は、そもそもどのような家であったのか。・「得宗」とは、いったいどういう意味なのか。・これは事実自体がほとんど知られていないが、鎌倉将軍には実は四人目の源氏将軍が存在した。第七代将軍源惟康がその人である。鎌倉幕府が空前の強敵蒙古帝国と対峙したこの時期、なぜ鎌倉幕府は源氏の将軍を戴いていたのであろうか。―これらの問題を追究するためには、どのような方法が有効なのであろうか。まず、鎌倉幕府の通史や北条氏歴代の伝記を書くつもりはない。なぜならば、この本は北条氏という「一族の物語」ではなく、「一族の物語」の底を流れる「基調低音」を書くことが目的だと思うからである。表面的に幕府や北条氏の歴史をなぞっても、我々が求める答には辿り着けないはずである。そこで私は鎌倉北条氏歴代のなかからキー・マンとして二人の「執権」を選んだ。承久の乱で仲恭天皇を廃位し後鳥羽・土御門・順徳の三上皇を配流(流刑)した「究極の朝敵」、第二代執権北条義時と、蒙古帝国の侵略を撃退した「救国の英雄」第八代執権、北条時宗である。世間一般の評価に極端な隔りのあるこの高祖父(ひいひいおじいさん)と玄孫(ひいひいまご)の人生に注目することにより、答に迫りたいと考える。この試みが成功し、見事、解答に至れるかどうかは、わからない。「とりあえず付き合ってやるか?」と思った読者と共に旅に出るとしよう。【本書の内容】はじめに―素朴な疑問 第一章 北条氏という家 二章 江間小四郎義時の軌跡―伝説が意味するもの 第三章 相模太郎時宗の自画像―内戦が意味するもの 第四章 辺境の独裁者―四人目の源氏将軍が意味するもの 第五章 カリスマ去って後 おわりに―胎蔵せしもの

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執権 北条氏と鎌倉幕府 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    鎌倉将軍に準じる立場"なのに"鎌倉幕府を支配したと思われがちな北条得宗家だが、筆者いわく、鎌倉将軍に準じる立場"だから"支配できた。"だから"を支えたものは何か。その仮説が楽しくてたまらない。誰しもが知っている執権の職位というリアルな権力と

    0
    2024年03月19日

    Posted by ブクログ

    北条氏はなぜ将軍にならなかったのか、得宗専制とはそもそも何なのかなど素朴な疑問の提起から始まる本書は、「北条氏の鎌倉幕府支配を支えた論理」の解明を課題としている。

    フォーカスされるのは、承久の乱で執権の権力集中を成し遂げた義時と、蒙古襲来という未曾有の危機に際して得宗専制体制を構築した時宗である。

    0
    2022年06月12日

    購入済み

    わかりやすい記述

    なぜ北条氏は将軍にならなかったのか、あるいはならなかったのか。そのことがテーマで執筆されたものです。取り上げられている人物は、2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主役北条義時、蒙古襲来時の執権北条時宗の二人。著者である細川重男氏は、わかりやすい記述で理解しやすいのが特徴です。

    0
    2022年04月12日

    Posted by ブクログ

    超絶わかりにくい鎌倉幕府、超絶わかりにくい「何故、執権が実権を握るのに、わざわざ将軍が必要なのか」についての書籍なのに、超絶読みやすい。本論を理解するために必要な最低限(といっても多々ある)時代背景についての説明が、超絶わかりやすい口語で説明していて、とても助かる。

    初めて知った「絵馬小四朗義時」

    0
    2020年02月11日

    Posted by ブクログ

    平家打倒後、朝廷とは一線を引く新しい組織の確立を模索する投獄武士団。その試行錯誤の中で血で血を洗う権力闘争があり、本人も意識しない中で権力の頂点に上り詰めた北条義時。東国の事実上の頂点に上り詰めた時に、これまでの権威である朝廷は後鳥羽上皇の命により承久の乱に踏み切った。しかし義時は見事にそれを乗り切

    0
    2020年02月10日

    Posted by ブクログ

    北条氏はなぜ将軍にならなかったのか、を問いとして、義時・時宗二人の執権を軸に論述された一冊。しっかりとした論考が、時に砕けた表現も用いながら、わかりやすく記述されている。武内宿禰まで出てくるとは思わなかった。

    0
    2019年11月18日

    Posted by ブクログ

     今年(2022年)のNHK大河ドラマ(『鎌倉殿の13人』)の予習本として最初に買って、最後に読んだ本となりました。これからさらに興味をひかれる本と出会えればまた読むかもしれませんが、ひとまずこれでひと区切り。

     1月に読んだ『頼朝の武士団』(朝日新書)と同じ著者なので、学術文庫だから専門的なテー

    0
    2022年03月18日

    Posted by ブクログ

    残っている正確な情報が少ないながらも、大小様々な血生臭い事件や騒動が多い鎌倉時代を、北条義時と時宗を中心に将軍と執権の関係を開設しつつ、日本史上初めての武家政権が手探りで政権を運営していった様子を、とてもわかりやすく解説した一冊。

    0
    2021年02月08日

    ネタバレ 購入済み

    北条家って、つくづく…。

    2023年8月読了。

    昔から「鎌倉好き」だったのだが、昨年の大河ドラマで久々に〝燃え上がる程の鎌倉愛〟が甦り、最近の研究成果を踏まえた研究書を漁り出したのだが、やはりNHKの力はスゴいもの。
    本書と出逢えて、非常にラッキーだった。

    『「執権」で有り続けた北条家は、何故〝将軍〟を欲しなかったのか?

    #深い #タメになる #アガる

    0
    2023年09月04日

    pon

    ネタバレ 購入済み

    分かりやすい!

    大河ドラマを見て興味を持ち、読んでみましたが、まぁ、すごく解りやすい!
    苗字とか姓とか、その辺りからしてよく解っていなかったので、なるほどと理解が深まりました。
    本の最後の方にもありましたが、つくづく、この時代に男に産まれなくて良かったなと思いました。
    が、血生臭い壮大な陣取り合戦、権力抗争ば

    #タメになる

    0
    2022年02月10日

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