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有意義な議論
この本は『天皇論』シリーズの作者小林よしのり氏と、アメリカの歴史家で皇室問題について造詣の深いケネス・ルオフ氏の対談本になる。最初に触れられているのは初代天皇とされる神武天皇に関すること。実在を主張する人もいるが、二人は伝承の類と述べている。神話の存在を認めつつ、史実と区別する必要があると思った。時折、天皇の問題から離れて、政治や歴史の話をするが、二人の違いが浮き彫りになったいてよかったと思う。天皇に基本的人権の自由を認めることについては二人も賛成の意見であった。小林氏は伝統は時代と共に変容を遂げるもの、重要なのはエートスであると。また対談者のルオフ氏の皇室問題についての博学ぶりには驚いた。