あらすじ
タブー一切なしの衝撃的「天皇論」。
ベストセラーシリーズ『天皇論』の小林よしのりと、『国民の天皇』で大佛次郎論壇賞を受賞し、近著『天皇と日本人』でも論議を巻き起こした米国の日本研究者ケネス・ルオフが、天皇・皇室を巡る問題を大激論!
「そもそも神武天皇は実在しない」から始まり、「天皇が韓国に行ったならば」「大嘗祭は国費でやるべきか」「天皇に人権はあるのか」「外国人労働者と天皇」「昭和天皇に戦争責任はあるか」「ハーフの天皇はありか?」などなど、日米の論客がタブー一切なしで語り合った衝撃的かつ、まったく新しい「天皇論」。
2人の激しい論戦から、新しい時代の天皇と皇室、そして新しい日本のかたちが見えてくる!
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有意義な議論
この本は『天皇論』シリーズの作者小林よしのり氏と、アメリカの歴史家で皇室問題について造詣の深いケネス・ルオフ氏の対談本になる。最初に触れられているのは初代天皇とされる神武天皇に関すること。実在を主張する人もいるが、二人は伝承の類と述べている。神話の存在を認めつつ、史実と区別する必要があると思った。時折、天皇の問題から離れて、政治や歴史の話をするが、二人の違いが浮き彫りになったいてよかったと思う。天皇に基本的人権の自由を認めることについては二人も賛成の意見であった。小林氏は伝統は時代と共に変容を遂げるもの、重要なのはエートスであると。また対談者のルオフ氏の皇室問題についての博学ぶりには驚いた。
Posted by ブクログ
ゴーマニズム宣言の小林よりのりと、日本語
も堪能で、近現代天皇制研究の第一人者とし
て知られる、ケネス・ルオフの天皇論にまつ
わる対談本です。
合意できる部分はお互いに盛り上がっていく
のは当然ですが、意見が異なる部分でもお互
いを尊重し合って、さらに高みの結論、落と
し所へと昇華させていきます。これぞ大人同
士の議論です。
きっと偏った考えの論客同士では、こうはい
かないでしょう。
内容はもちろん素晴らしいですが、こういっ
た内容が偏りがちにならない対談の見本的な
一冊です。