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怨念怪談 葬難
「心霊体験したい! 」 仲間と心霊スポットを訪ねても、何も起こらない男の秘密とは…「神の子の片思い」より 現役の眼科医でありながら、怪談の取材蒐集を続けている神薫、久々の単著が登場。独特の視点で切り込んだ奇妙な怪異譚が揃う。ピンポンパンポン~行方不明者のお知らせが流れると母親が奇妙なうわ言を…「母の値段」、三面鏡の中に入りたいという子供の願いは実現したのか「鏡の世界」、幽体離脱に成功! 女性の体験談「合理的解釈VS.非合理的解釈」、お墓参りに行った先での不可思議な遭難「葬難」など33話! 著者について 神 薫 静岡県在住の現役の眼科医。『怪談女医 閉鎖病棟奇譚』で単著デビュー。ほか「骸拾い」など。共著に「FKB饗宴」「瞬殺怪談」等シリーズ、『恐怖女子会 不祥の水』『猫怪談』など。 -
おんぼろ荘でも猫はまどろむ
“人生につまずいた時、隣にいたのは猫でした” 先読みサービス「NetGalley」にて「癒されました」と大反響! 東京・谷中のおんぼろ下宿を舞台に描かれる、悩める若者たちと看板猫の優しい物語。 大学受験に失敗し実家に居場所がなくなった恵麻は、東京・谷中にあるオンボロ下宿「灰猫荘」に入居することに。そこに居たのはふてぶてしさ全開の巨猫・ヌシ。管理人には「ここでは誰もヌシの行動を邪魔してはならん」と忠告され、他の下宿生も癖のある者たちばかりで不安を抱く恵麻。しかし、自由気ままのヌシとの繋がりが恵麻の日々を変え――。 これは猫から人のあたたかさと夢を教わる、優しい物語。 (装画・嶽 まいこ) -
隠密鑑定秘禄
========== 邪魔をするなら こちらから攻めるまで ========== 水戸で調査を進める大伍に 忍び寄る刺客の影。 斬るか、斬られるか―― 将軍の腹心となる大名を探し出すべく、 廻国剣術修行を装って旅に出た射貫大伍。 武蔵国につづいて水戸を訪れるが、 不審を抱く。 徳川御三家の城下町にしては 寂れているのはなぜか――。 そして、道中に見え隠れする 不穏な武士の影。 殺気を察知した大伍の太刀が閃いた! 激化する対抗勢力の妨害工作。 日に日に増す密命完遂への重圧。 危難の小人目付を描く大人気シリーズ、 驚愕の第四弾! -
おんみょう紅茶屋らぷさん
人気の街、吉祥寺。でもあなたが道に迷ったとき、人知れぬ場所にひっそりと隠れている不思議な紅茶屋に、出会うかもしれません。あたたかな空気に満ちたその紅茶屋の店主は、優しい微笑みでお客さんを迎える、その実ちょっぴり辛辣なところもある陰陽師の青年。就活に疲れた女子大生、迷える若い恋人たち、結婚を前に危機に陥ったOL――それぞれの道で戸惑う人たちに、そしてあなたに。不思議であたたかな「紅茶屋 らぷさん」で、陰陽師が淹れる運命の一杯、いかがですか? -
陰陽師学園 ~おちこぼれと鬼の邂逅~
突然、灯里のもとに届いた『陰陽師学園』という名前も聞いたことがない学校からの入学案内。 他に入学できる高校がなかった灯里は、自分には陰陽師の素質がないはずなのにと疑いつつも生まれ育った東北から離れ『陰陽師学園』へ行くことに。 そこで彼を待ち受けていたのは――最強の陰陽師・安倍雪影による特訓だった!? 学園のおちこぼれが立派な陰陽師になるために奮闘する学園ファンタジー! -
陰陽師学園 ~式神と因縁の交錯~
「俺と式神レースで勝負しろ!」 灯里は退学がかかった適性試験に合格し、穏やかな学園生活が送れると思った矢先――ライバル登場!? そして、体育祭の準備のさなか学園に不穏な影が忍び寄る……陰陽師を育成する学校を舞台にした学園ファンタジー第2弾! 素質がないはずなのに陰陽師を育成する学校に入学することになった灯里。 最強の陰陽師である雪影の特訓のおかげで無事に退学がかかった適性試験に合格する。 季節は秋に移り変わり、学校は体育祭の話題でもちきりだった。 体育祭の花形競技の『式神レース』に出場することを決めた灯里は、競技の練習中に奇妙な視線を感じるように……。 待望の学園ファンタジー第二弾! 序章 適性試験後の学園 第一章 式神と気配 第二章 上級生との出会い 第三章 接触 第四章 木の一門 第五章 寮別対抗体育祭 終章 陰陽師の因縁 ◆著者 三萩せんや(みはぎ・せんや) 1985年宮城県生まれ、東京農業大学卒業。大学図書館司書をしながら執筆活動を行い、2014年「神さまのいる書店 まほろばの夏」で第二回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞〈大賞〉を受賞しデビュー。 著書は『後宮妖幻想奇譚 鳳凰の巫女は時を舞う』(双葉社)、『リモート授業になったらクラス1の美少女と同居することになった』(SBクリエイティブ)、『食いしんぼう魔女の優しい時間』(光文社)など多数。 ◆イラスト 京一 -
「御宿かわせみ」ミステリ傑作選
「御宿かわせみ」は江戸人情だけじゃない、ミステリも侮れない! これまで発表された全作品の中から、ミステリとしても秀逸な作品を厳選してお届けします。 物理トリックに心理トリック、フーダニットにホワイダニット……。 「御宿かわせみ」には、びっくりするほど秀逸なミステリ作品が多い。 書評家・大矢博子が悩みに悩んで7作品を厳選しました。 巻末には著者に創作の裏話を語ってもらったインタビューも掲載した、読み応えたっぷりの一冊です。 【収録作品】 倉の中(『御宿かわせみ』所収) 風鈴が切れた(『水郷から来た女』所収) 藤屋の火事(『白萩屋敷の月』所収) 矢大臣殺し(『雨月』所収) 残月(『かくれんぼ』所収) 三日月紋の印籠(『佐助の牡丹』所収) 築地居留地の事件(『新・御宿かわせみ』所収) -
オン・ユア・マークス
俺の名前は加治翔太郎。23歳。就活失敗で郷里に戻り、一年以上のニート生活継続中。収入ゼロ、貯蓄ゼロ、やる気ももちろんゼロ。頼みの綱の文学新人賞も落選した。お先真っ暗。俺はどうしたらいい? 俺に大学進学を譲ってドラッグストアに勤めている姉貴の加治めぐり。正直目の上のたんこぶだ。何も言ってこないが、うしろめたさと申し訳なさで心が押しつぶされそうになる。俺はどうしたらいい? 新潟県阿賀北の地で、無為なモラトリアムを過ごす翔太郎に再起のチャンスは訪れるのか。家族愛と友情の夏の物語。 阿賀北ノベルジャム2021参加作品 チームミルスケール 著者:ギア比4:1 編集:波野發作 デザイン:伊藤柊果(イラスト) 表題作ほか3つの短編を収録。 -
怨霊黙示録 九州一の怪談
戦国の世から466年続く祟り。 六人の女の無念が仇なす日本最恐の実話怪談! 大正4年「福岡日日新聞」で連載された稀代の恐怖実話――「九州一の怪談」。 これは、戦国大名・宗像氏の跡目争いで、側室側が正室側を斬殺した「山田事件」を端に、殺された6人の女人の怨霊が巻き起こしていく凄絶な祟り話の記録である。 だが、この話にはまだ続きがあった。 昭和、平成を経て、現在までに関係者300人以上が呪い殺されている日本最大級、かつ現在進行形の怨霊譚。その全貌がいま明らかに ! 世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島の知られざる裏歴史。 九州の戦国と怨霊が、いっちゃん怖かたい! -
オンリー・チャイルド
アーサーとリディア。二人が出会わなければ、こんなことには・・・。1953年、アーサーはこの世に生を受けた。母親からの虐待を受けながら育ったアーサーは、狡猾な悪ガキへと成長していった。大人になってからも、アーサーは邪悪な感情を秘めたままだった。その後、内気な女性リディアと知り合い、彼女は不安を残しつつもアーサーと結婚。だが、彼は変態セックスを強要したり、しだいに凶暴な性格を表していく。抑圧された日常の中、彼女は一人息子ロバートに愛情を注ぐが、ロバートもまた奇妙な動作や習癖を見せ始める―――。 -
お~い俳句 伊藤園お~いお茶新俳句大賞傑作選
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ついに出た!26年間で累計応募総数なんと2800万句、 日本最大規模の俳句コンテスト、初のオフィシャルブック! 親子げんかや初恋、部活動に夏休み… みんなの懐かしい「心の風景」を、ぎゅっと1冊に詰め込みました。 「季語がなくても、思いのままの五七五。こどもも大人も、母さんもじいちゃんも、悲しい気持も嬉しいときも、十七文字に込めた傑作選。ほら、あなたもこのリズムから、逃れられなくなりますぞ。」――阿川佐和子さん推薦! -
オーガ(ニ)ズム 上
米大統領の訪日を狙った核テロを阻止せよ。 刹那的、或いは壮大な目的のために生きる者たちが織りなしてきた物語の、 思いもよらぬ結末に痺れるほかない。――羽田圭介 2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。 その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。 神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、 助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、 ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。 破格のロードノベル! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
オーガ(ニ)ズム 下
壮大な偽史を紡ぐ「神町トリロジー」完結篇。 これはQアノンなのか、フォークナーなのか、 それらに拮抗しようとする無謀な「文学」なのか。――大塚英志 前任者の遺したファイルから明かされる菖蒲家の遠大な計画。 秘術アヤメメソッドをめぐって暗躍する諜報機関。 米大統領オバマの新都・神町訪問が迫る。 ラリーと作家はスーツケース爆弾を追い、息子はママを恋しがる。 彼らは世界を救えるか? 『シンセミア』『ピストルズ』からつづく 神町トリロジーここに完結。 解説 柳楽馨 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
オーグメンテッド・スカイ
僕たちは、テクノロジーで世界(CODE)を「書き直す」。 片田舎の少年たちが、世界を向こうに仕掛けるゲリラ戦。 武器は〈知恵〉と〈友情〉、報酬は〈自由〉。 SF小説の旗手が、VR世界大会を舞台に紡ぐ青春ハック小説。 2024年、鹿児島。県立南郷高校に通うマモルは、 男子寮の次期寮長に指名される。 下級生の指導や揉め事の解決など、マモルの負う役割は大きいが、 なかでも、学生VR全国大会出場に向けてチームをまとめるのが 最重要ミッションの一つである。昨年敗れた先輩たちの雪辱を果たすべく、 準備を進めるマモルだったが、大会事務局の対応にある違和感を覚える。 同じ頃、アマチュアVRの世界大会「ビヨンド」の存在を知り、 自分たちの進むべき新たな道を見出していく。 -
オーダーメイド
30歳を過ぎた元モデルの麻穂。モデルから小説家へと転身しデビュー作はベストセラーになったが、今ではすっかり原稿の依頼もなくなり家賃を2ヶ月分滞納している。そんな麻穂のもとに、突然見知らぬアドレスからメールが届く。 「官能小説を書いて欲しい。他の誰にも読ませてはならない。報酬は、短編一本、100万円」 官能小説など書いたこともない麻穂は依頼の異様さを訝しむが、破格の原稿料を求め謎の依頼主の秘書を名乗る男とともに“取材”へと踏み出す――。 依頼主の正体と目的とは? 未知の世界を経験した麻穂が知る、彼女の“本当の望み”とは? したたかに、しなやかに生きる女性を描き、連載時から女の共感と男の衝撃を呼んだ傑作長編小説。 -
オートバイが走ってきた
ステーション・ワゴンではダメなのだ、やはりオートバイでなければ まるで別々の2つの作品を接合したかのように およそ途中までの展開からは想像もできないようなラストがやってくる。 女と男と女。3人のあいだには親密な関係がありつつ 微妙な温度差があり、従来のような関係を維持しにくくなっている。 3人の中の1人の女性は、借り物のステーション・ワゴンに乗っている時と 自ら乗ることに決めたオートバイと共にある時とではなにかが違う。 その「なにか」に向けて物語は過去へと遡行してゆき、 そして、まさか、とあっけにとられるラストシーンへと至る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
オートバイに乗る人
人事は荒れても、秋はきょう、この日から始まる ひどい仕打ちであることは間違いないにしても、それをこんなふうにやってのけることにはやはり小説としての爽快感があると言うべきだろうか。 どちらからともなく仕掛け、あいまいに合意し、到達しようとしたところで男はさっと身を翻す。 オートバイに乗る男は身軽だ。 相手の中にある自信、傲慢を打ち砕くこと。 そのあとに乗るオートバイ、そこで感じる秋の最初の一日の快適さ。 本当にひどい男であっても、その快適さは真実だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
オートマティック クリミナル
人が死ぬはずがない街で、人が死んだ。 妹を失った少年が、街を支配するシステムに立ち向かう。 明らかになる衝撃の真実とは――? 未来を示唆するディストピア小説の最前線。 -
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
主演役所広司、製作テレンスチャン(『レッドクリフ』シリーズ) 日中合作のスペクタクルムービーを、人気作家が完全ノベライズ! タイムリミットは、48時間! ヒマラヤの救助隊を襲う世界規模の陰謀の正体とは!? 山岳救助隊「ウィングス」を率いる隊長・姜のもとに、エベレストに墜落した飛行機に残された機密文書の捜索依頼が舞い込んだ。チームの隊員とともに、墜落現場である危険地帯“デスゾーン”へと飛び立つが、そこにはさまざまな陰謀が渦巻く、予想もつかない異常事態が待ち受けていた! 日中合作のスペクタクルムービーを完全ノベライズ! -
over the edge
ニューヨーク市警のブラウンは失踪した旧友を探すため日本を訪れた。だが調査開始直後、何者かに襲われて、探偵の濱崎に助けられる。反発し合いながらも即席コンビを組んだ二人に敵の魔手が迫る。異色の警察ハードボイルド。 -
オーパーツ 死を招く至宝
第16回(2018年度)『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作! 「シンプルで美しく、しかも本格愛にあふれた物理トリックがすばらしい」――大森望(翻訳家・書評家) 貧乏学生・鳳水月の前に現れた、顔も骨格も分身かのような瓜二つな男・古城深夜。鳳の同級生である彼は、OOPARTS(オーパーツ)――当時の技術や知識では制作不可能なはずの古代の工芸品――の、世界を股にかける鑑定士だと高らかに自称した。水晶の髑髏に囲まれた考古学者の遺体、夫婦の死体と密室から消えた黄金のシャトル……謎だらけの遺産に引き寄せられるように起こる、数多の不可解な殺人事件。変人鑑定士・古城とともに難攻不落のトリックに巻き込まれた鳳、“分身コンビ”の運命は? -
オーブランの少女
比類なく美しい庭園オーブランの女管理人が殺害された。犯人は狂気に冒された謎の老婆で、犯行動機もわからぬうちに、次いで管理人の妹が自ら命を絶つ。彼女の日記を手にした「私」は、オーブランに秘められた恐ろしい過去を知る……楽園崩壊に隠された驚愕の真相とは。第7回ミステリーズ!新人賞の佳作となった表題作の他、醜い姉と美しい妹を巡るヴィクトリア朝犯罪譚「仮面」、昭和初期の女学生たちに兆した淡い想いの意外な顛末を綴る「片想い」など、異なる場所、異なる時代を舞台に“少女”という謎(ミステリ)を描き上げた、瞠目のデビュー短編集。/解説=瀧井朝世 -
オープン・ボート、青いホテル、モンスター
米国の自然主義文学の先駆とされる作家、スティーヴン・クレインの一連の短編の新訳。 アーネスト・ヘミングウェイは二十代の若い作家志望者に助言を求められ、トルストイの『戦争と平和』やドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』など世界文学の古典十六作を示したが、そのリストのトップにスティーヴン・クレインの『青いホテル』と『オープン・ボート』という二つの短編が含まれていた。 クレインは二十八歳で早世したが、フォークナーやヘミングウェイなど後の世代の作家にも大きな影響を与えた。 『オープン・ボート』は、キューバに新聞社の通信員として取材に向かうために乗っていた船が沈没し漂流した末に生還したという作者自身の実体験に基づいている。 クレインはその体験を新聞にノンフィクションの手記として記載し、その半年後に小説『オープン・ボート』として雑誌に発表している。 本書では新聞に掲載された手記と小説の両方を訳出しているので、同じ事故をめぐるノンフィクションとフィクションを読み比べることで、すぐれた作家の創作手法や意識の違いがはっきり読み取れる。 『青いホテル』は逆に心理描写がなく、登場人物の目に見える行動のみを追うことで、東部からの旅行者の不条理な死の顛末を描いている。 『モンスター』はワイロムヴィルという中西部の架空の町を舞台にした作品で、医師の家庭で起きた火災をめぐって、人間の誠実さとは何か、小さな共同体における人の噂や社会の空気、フェイクやヘイトといったものの持つ力などが描かれ、SNS全盛の二十一世紀のネット社会の縮図を見るよう。あまりに現代的で、現代にこそ通じる作品である。 -
Oh,My Dad!!
科学者としての成功を夢見て18年。元一はある日突然、妻に出て行かれ、ひとり息子とホームレス同然の生活を強いられることに…。息子光太の信頼を糧に、元一は再起を目指していく。 -
ALWAYS 三丁目の夕日’64
舞台は東京五輪の昭和39年、あの感動再び! オリンピックを前に活気に溢れる昭和39年の東京。夕日町三丁目には、今日も人情味あふれる人々の暮らしがあった。前作で芥川賞の最終候補にもなった小説家の茶川龍之介は、もうすぐ妻ヒロミとの間に新しい命を授かることになっていたし、店をビルディングにしようと奮闘する鈴木則文の経営する鈴木オートも確実に仕事を広げていた。そんなある日、少年誌の「冒険少年ブック」に小説『銀河少年ミノル』を連載していた茶川の前に、強力なライバルが出現する。同じ雑誌で『ヴィールス』という小説を連載する緑沼。茶川の作品をおしのけ人気が出てきた緑沼の作品のため、『銀河少年ミノル』は打ち切りの危機に。一方、5年前に集団就職で鈴木オートに就職してきた六子もすっかり大人になり、近所の医院で知り合った菊池先生と銀座でデート。しかし、菊池には怪しい影が付きまとい、よからぬ噂も六子の耳に入ってきて人知れず悩んでいた。今回も涙と笑いがいっぱい、シリーズ初の3Dで公開する映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」のノベライズ。 -
オール・マイ・ラヴィング
14歳の少女とビートルズの物語。 「オール・マイ・ラヴィング」とビートルズは歌う。 聴いていると、だんだんわたしは内側からわたしではなくなっていく。外側にくっついているいろいろなものを振り落として、わたしは半分わたしではなくなる。ビートルズに染まったわたしとなる。 《最初から最後まで、この本のあちこちからビートルズがこぼれてくる。ほんとうにこぼれてくる。本を閉じても、まだ聞こえる》――(江國香織・評) ビートルズ日本武道館公演――50年前の「あの時代」を等身大の少女の目で見つめた感動の少女小説。夜行列車で、ビートルズ日本公演を観るために家出して東京へ向かう少女の姿に、思わず目頭が潤む。 -
オーロラが見られなくても
それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。 壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」) -
オーロラの殺意
ソビエト連邦政府に蹂躙される少数民族の地下組織グループに潜入した日本人の若者は… 藍子が、父の神保正和の書棚から発見した古文書……それは極北の地ヤマロネネツ民族管区の娘と結婚した曾祖父輪介が書き遺したものだった。彼女はそこに書かれた少数民族の生活に興味をいだいてモスクワへと旅立っていった。しかし帰国後不審な事故死を遂げ、さらに恋人の月村照も同じような事故に遇って死んでいった。いまや、二人の死に疑問をいだき、執拗に真相を追及しつづける月村の弟・皓も、背後に蠢く、巨大政府と少数民族の苛酷な運命のなかにのめり込んでいくのだった……。 ソ連の少数民族差別の問題を扱い、性のユートピア思想についても言及した、冒険サスペンス小説の傑作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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