無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
『子供、女性、奴隷、先住民、病人、狂人、障碍者。驚いたことにそのすべてが、この数世紀の間に、法律上の人格を持つ存在に変わった。それならば、樹木や鷲、山や川が、自分たちに果てしない危害を加えて窃盗を働いた人間相手に訴訟を起こしてなならない理由があるだろうか?ー 話すことができないので当事者適格性が認められないというのは理由になっていない。法人も国家も口をきくことができない。弁護士がその代弁をするのである』
昨秋に、隣地の裏山に自生したオニグルミを幹の半分まで切ってもらった。我が家の雨樋が落ち葉で詰まるから。
僕が家を建てる前から生きてきた木の生存権を侵害し、無用な苦しみを与えていると告発されたとき、僕はどうすべきか。
所有権なぞ、地球と生命の歴史が鼻で笑う。
植物同士のコミニュケーション能力。共生する微生物と作り上げた地下のネットワーク。化学物質の交換によって森の全ての木々が交信していること。成熟した木を皆伐することの愚かさ。植林では生態系を救えないこと。
本書は、植物や森に関する様々な不思議を教えてくれる。そして、企業保有の森林伐採を止めるための抵抗活動である樹上占拠と、その挫折についても。
エコロジーと自然破壊を題材としても、描かれるのは木に魅入られた人々の生き方や苦悩だ。入れ替わり語られる群像劇と心理模様、彼らの系譜にまつわるストーリーにグイグイと引っ張っられる。
繰り返し問われるテーマのひとつが、心理学用語である傍観者効果だ。“なぜ人は目の前の明白な緊急事態に対して行動を取ることができないのか“。
その問いのもう一つの側面は、“なぜある人々は行動を起こせるのか”。
樹齢数千年の木の命は、人間一人のよりも重いという大義も一つの答え。
壊れゆく世界を救うためには、種としての人類が滅ぶしかないという絶望と自死もまた答え。
救いたいのは見知らぬ誰かではなく、隣で手を繋ぎ戦っている仲間だというのも、きっと答えなのだろう。
ラストのメッセージは、“STILL ”-まだ、いまだに、更に -諦める訳にはいかない。
Posted by ブクログ
昔、吉祥寺に知久寿焼のライブを観に行ったことがある。彼はMCで、吉祥寺の街中にあるとても古い木について話していた。その木は不思議なことに、つららのようにいくつもの「こぶ」が太い枝から下に向かって伸びているのだという。自分はその木を幼い頃から当然のように認知していたが、そんな形状が目に入ったことは一度もなかった。ライブのあと、何気なくその木の前を通って例の「こぶ」を目にした時、身近な世界のなかには不可視の領域が含まれているのだと知り、愕然としたことを憶えている。
この本に充満しているのは、そうした視えないものたちのむせかえるような気配だ。そしてパワーズ特有の、途方もなさから詩の様相を帯び始める事実たち。読後には新たな耳目が与えられ、確実にいつもの風景が変容してみえるはず。隅々まで本当に面白いが、特に最初の『根』の章が短編集としても素晴らしい。傑作。
Posted by ブクログ
樹木と何らかの関わりを持ち、樹木をそれぞれのやり方で大事に思うようになる人々個別の物語が最初にある。短編集のようになっている。
中盤以降は、彼らの物語が一つに絡み合い大きな流れとなっていく。
木自体ですでに多くの生態系を抱える環境になっており、地球規模の視点で環境を見ても木は重要な役割を果たしている。極端に言ってしまえば人間は邪魔者でしかないが、さすがにそこまで言わずとも、そのことを認識しながらもっと謙虚な生き方を人間はすべきだろうと考える。
木になったつもりで、木の視点で世界を見てみる。千年生きる木の時間からすれば、その周りを動き回る人間など、人間の周りで目にも留まらぬ速さで動き回る小虫のようなものだろう。
長すぎるのと、時々出てくる詩的な表現によって文意を解釈しにくくなってしまうのがやや欠点。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
小説・文芸
試し読み
小説・文芸
試し読み
小説・文芸
小説・文芸
試し読み