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Posted by ブクログ
ボストンへ移動する途中、乗り換えのために下車したデトロイトで出会った一枚の写真。そこに写った3人の若者を見たところから始まる壮大な思索。
なんと言えばいいのだろうか。物語(そもそも物語なのか、これは)に登場する人物を、圧倒的な量の歴史的事実の中に編み込んでいくことで、何が虚で何が実なのかがわからなくなる。
読むのにかなり苦労はする。箴言のオマージュなども多用されているが、もとを知らないのでなんのことかピンとこなかったり、理解できない部分も多々ある。
それでも随所に見られる皮肉的な記述が面白く、彼の膨大な知識に溺れながらも読み進めることができる。
上巻が終わって、ようやく読み方がつかめてきたかなという感じ。下巻にも期待。
Posted by ブクログ
現代アメリカ文学の作家、リチャード・パワーズのデビュー作。
最も信頼できる翻訳家、柴田先生が翻訳を担当され、そして私が近年に最も愛好するSF・ミステリー作家の小川哲が解説を書いているという点で手に取ったのだが、極めて奇妙で構築された現代小説であった。
この本は表紙にある3人の農夫を写した1枚の写真から始まる。時代は1914年、場所はプロイセン。そう、第一次世界大戦の前夜とも言える時代である。
”20世紀の始まりは1914年である”というのは、近現代の歴史研究における一つのテーゼとされている。このたった1枚の写真から、著者の途方もない文学的想像力によって幕を開け放たられた20世紀の物語が描かれていくのが本作である。あまりにもスリリングなストーリーテリングと同時に、歴史という流れの中において極めて微小に思えるたった3人の農夫というミクロな存在から、マクロな歴史の流れを逆照射するとも言える文学的冒険が楽しめる。
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