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めんとりさま
大学三年の夏休み。おれは水素水詐欺にあった祖母の様子を見に、静岡へと向かう。我儘なねえさんも一緒に。ねえさんはなぜだか、ずっと、おれについてくるのだ。 久しぶりに逢う祖母の目はうっとりとしていて、同じ言葉を繰り返す。爺さんが死んだのは、めんとりさまのせいだ。居るんだ、めんとりさまは――そして、祖母は失踪した。 祖母の行方を追うため「めんとりさま」の正体を調べる、おれとねえさん。しかしそれは家族の闇と絶望に触れる、禁忌の探索だった――! -
ディスカヴァー文庫 メンヘラ刑事
「将来の夢は、楽な方法で、すぐに死ぬことです」趣味は自殺の研究。自称「メンヘラ」のエリート刑事、梅林寺凛々子と、熱血漢の肉体派、竹山弥生警部補のコンビが活躍する!カッターナイフを振り回し、消臭スプレーを噴射するリリコ。非常識なリリコの言動に対し、怒鳴り散らす竹山。対立しながらも、神戸で起こる事件を次々と解決し、ふたりの距離は次第に縮まっていく。そんなある日、警察官を狙った暴行事件が勃発し、凶器からリリコの指紋が検出される。その裏には、十年前から続く因縁が隠されていた…。 ※本書は2015年に小社より刊行された著作を改稿し、書き下ろしの短編を加え、文庫化した内容となっています。 -
面妖目録箱
悪夢のような奇想の怪談集! 開けたら最後! 封じられた異形の怪談が目を覚ます 「頭はすぐ見つかったのに舌が足りない」「背骨だけ見つからないのも…」 大学構内で聞こえてきた妙な会話 ――「バケツ」より 飄々とした体で幽と実をつなぐ我妻俊樹が満を持してまとめた奇妙さ充溢の一冊。 ・モシモ、モシモ、モシモダヨ…電話から聞こえてくるのは…「蛙」 ・太陽の表面に見える怪異、自分だけが目撃しているのか「日食のはずなのに」 ・窓の外に見える制服姿の女の子たち、彼女たちがもたらす恐怖「女の子たちのおしゃべり」 ・おばあちゃんの家に掛かってきた電話、その不気味な話とは「トカゲ友達」 ・友達を泊めたその夜に起きた奇妙なこと「友達を泊める」 ・頭を打つ事故からの半年間の記憶がどうも違う…「半年間ありがとう」 ――など47話。 異界を覗く目録帳――開けば封じられた数多の「面妖」が囁く。 -
メーデー 極北のクライシス
「ロシア」対「NATO」!? 極北の国境近くにNATO軍の女性パイロットが墜落。 一触即発の戦争危機が―― 11カ国で緊急出版!! 北大西洋条約機構NATOが大規模な軍事演習をロシアとノルウェーの国境近くで実施、ロシアとの間に緊張が高まる。そのさなか、ノルウェー空軍の女性パイロット、イルヴァとアメリカ空軍の伝説的パイロット、ジョンは民間ヘリの護衛のため国境近くを飛ぶが、ロシア軍の戦闘機から威嚇を受けて機体が接触、ロシア領内に墜落してしまう。ロシアはNATOによる核基地への攻撃があったと主張、第三次世界大戦勃発への危機感が漂い始めるなか、墜落直前に脱出していたイルヴァとジョンは徒歩で国境を目指す…… 原題:Mayday by Grethe Boe -
もう明日が待っている
放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている -
もういいかい まあだだよ
今日という日は、人生の残された日々の、そもそも初日だ――。 『シクラメンのかほり』、『愛燦燦』をはじめとする数々のヒット曲を世に生み出してきたシンガー・ソングライター、小椋佳。喜寿を迎えた2021年、惜しまれつつ歌手活動からの引退を発表した。稀代のソングライターとして、圧倒的求心力を誇った銀行マンとして、ひとりの夫・父親として、全力で駆け抜けた激動の人生とは? そして迎えた老いの境地と、生きることの意味とは? 「今日という日は、人生の残された日々の、そもそも初日だ」――時に軽妙に、時に滋味深い珠玉の名言で語り尽くします。 【第一章 「小椋佳」ができるまで】 大当たりした祖母の予言 泣き虫のいじめられっ子 江戸っ子おふくろ、カタブツのおやじ 3億円事件の思わぬ「お告げ」 初めて歌を褒められる クラスでは浮き、まったくモテず 東大受験に失敗し、浪人生活 歌創りの原点は中2からの日記 にわかツアコンで無謀な世界旅行 無口でしゃべり下手な男から大変身 “失恋ショック”で福島の山村へ 「小椋佳」を生んだ最愛の女 卒業試験は寺山修司さんの家から 【第二章 勧銀マンとして、夫として、父として】 渾名は「デマラ」~自由すぎる新人時代 資生堂担当で開眼 学卒同期100名中、3番目に結婚 歌声を探し出したディレクター 銀行合併後のゴタゴタ 外為で荒稼ぎから一転、奈落の底へ 「もうやめてやる!」でも、妻は泰然 意外だった『シクラメンのかほり』レコ大受賞 いい父親じゃなかった 重役を目前にして浜松支店に赴任した理由 ここにいる君が、君でなきゃおかしい 「個職双善」な浜松ライフ さらば第一勧銀 【第三章 歌、そして恋】 「二足のわらじ」なんて履いた覚えがない 美空ひばりさんは稀有な声の持ち主 『シクラメンのかほり』の真実 NHKホールの初コンサートに11万通の応募 「舞台は3日やったら、やめられない」を実感 接待カラオケで歌ったのは 生み出した曲はみんな「可愛い子供」 恋の歌は創れども 真に美しい女性とは 恋は終わらせ方が難しい 怪文書38通で離婚騒動に 「愛してる」なんて曖昧だ 女の人は凄い 【第四章 生きる】 星しかない空 57歳でまさかの胃がん手術 数日でやめた抗がん剤 愛する妻と別居へ 別居で得た素晴らしい「収獲」 好きと嫌いはどうしようもない 競馬であきらめのいい人間に 日常の当たり前が一番素晴らしい 「体にいいこと」より、好きなこと優先 「生」もまた苦しい 悩みは「待つ」ことで解決 老年こそ、しゃべりましょう 欲望は小半=4分の1がちょうどいい 現状不満症が運を引き寄せた 「夢を持ちなさい」なんて僭越だ つながりすぎるのも息苦しい 臆病たること恥じることはない 何も期待しない者こそ祝福される 【第五章 人生の総仕上げ】 年寄りじみず、若ぶらず 権力者なんぞしゃらくせえ イエスマンが払う怖い代償 先週、遺言を書いた なぜ生きるのか? あなたが美しいのは 人間の生きようとする力は偉大 潸潸と降る雨の日も、散散と吹く風の日も 七十六の手習いでピアノ弾き語りに挑戦 人生最後の仕事は「貸しスタジオ建設」 人は死んだらどうなるか? 理想の最期は 妻は特別な女性 生まれ変わったらクレオパトラに 妻から夫へ ~ずっと一緒にいてくれて、ありがとう。 -
もう一度かあさんの聲が聴きたい
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 母という存在をなくして、心は声なき言葉を語りだす。 第21回日本自費出版文化賞「詩歌部門賞」受賞 いまだから、いまになってから、思い出すあの眼差し、あの温もり いまだから、いまになってから、叶わないことだけど、ただ願う―― 母という存在をなくして、心は声なき言葉を語りだす。 失ってから、ふたたび得る。ひとすじの救済への過程。 「かあさん、ありがとう」 オールカラーでお届けする魂の響き、日本画作品40余点 -
もう一度、恋させるために
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 著書累計35万部! 「媚びることなく男心に火をつける力」=「メス力」を提唱し、 日本中の愛され迷子を「ど本命婚」へ導いてきた超人気恋愛コラムニストが くすぶった彼の心に再着火する秘密の方程式を徹底解説!! 「どう考えても運命だったのに結婚話が進まない!」 「穏やかだった彼が最近私にイライラしてる…」 「彼が『疲れてる』『忙しい』と会ってくれなくなった!」 「彼の都合だけで二人の予定が決められていく…」 出会った頃はあんなに溺愛されてたのに……最近、扱いが雑。 何よりも貴女を大切にしてくれていた彼がそっけなくなった、変わってしまったと悩んではいませんか? その原因は、ズバリ貴女が「ど本命クラッシャー」を繰り返してしまったから、といえます。 せっかく出会えた最愛の相手との関係をぶち壊してしまう行動=「ど本命クラッシャー」には4つのタイプがあります。 ・彼を自分の理想通りに動いてくれないので、口を出したり指図してしまう(支配系クラッシャー) ・彼が尽くしてくれることを「あたりまえ」だと思ってしまっている(甘ったれ系クラッシャー) ・彼に嫌われなくないあまり、無理して相手に合わせてしまっている(オドオド系クラッシャー) ・自分ファースト過ぎて彼を束縛したり、彼に負けず嫌いを発動してしまう(感情暴走系クラッシャー) このようなことに思い当たったら要注意! 本書では、タイプ別「ど本命クラッシャー」“あるある”と男性心理をおさえた“対処法”、 そして、ど本命復活に必要な“5つのメス力(謝罪・感謝・尊敬・自立・凛とする)”を 3つのステップにそってお伝えしていきます。 さあ、壊れかけの彼との関係を貴女の手で修復するため、ここから一歩踏み出しましょう! -
もう一度住みたい
高橋芙美子は競売物件でマイホームを手に入れた。偶然、先住者も「高橋」であったため、表札はそのまま使うことにした。新生活は穏やかにスタートしたが、夫に海外赴任の辞令が出てしまう。そんなある日、「ただいま」と見知らぬ男がやって来た。男は先住の高橋家の長男で、七年余り家出をしていたという。男は消えたが、翌日、芙美子は二階で“ガリガリ”と不気味な音がしているのに気が付いた……。幸福な「高橋」家に襲いかかる、不幸な「高橋」家の影。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。 -
もういちど そばに
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 喫茶店や映画館、それに書店で見知らぬ人と隣り合わせに立つこと…。瑞々しい感性で世界各国から愛される作家のエラ・フランシス・サンダースが、2020年より前の暮らしの中にあって、いま私たちが恋い慕う何気ない日常の風景を集めて描いた小さなコレクション。この本の行間には、日々の中に散りばめられた大切なものへの追慕と共に、私たち人間が、きっとまたお互い寄り添いあえるはず、という希望と自信とがつまっています。 -
もういちどベートーヴェン
累計127万部突破の大人気シリーズ! 岬洋介が挫折し、別の道へ進もうとしているときの物語です。2006年。法曹界入りした天生高春は、ピアノ経験者のようだがなぜかクラシック音楽を避ける岬洋介とともに、検察庁の実務研修を受けていた。修習の一環として立ち会った取り調べの場に現れたのは、絵本作家の夫を刺殺したとして送検されてきた絵本画家の牧部日美子。日美子は犯行を否認しているが、凶器に付着した指紋という動かぬ証拠が存在する。取り調べが打ち切られようとしたそのとき、岬が突如ある疑問を投げかける……。『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。 -
もう一度読みたい 国語の教科書音読ブック
1日1分、名文を音読すれば 五感が刺激されて活力アップ! 『雨ニモマケズ』『風の又三郎』『檸檬』など 国語の教科書で学び、慣れ親しんだ名文の数々。 この名文を口に出して読むことで脳が活性化され 「ストレスを解消」 「活力アップ」 「認知症予防」 「情緒が豊かになる」 などのメリットがあります。 1日1分の音読で活力をアップしましょう! 精神科医・古賀良彦氏も提唱! 【内容】 第1章 元気になるテンポの音読 第2章 リフレッシュする音読 第3章 心が落ち着く音読 第4章 日本語のリズムを楽しむ音読 今日から読みたくなる名文が満載! -
もう一度、落下。
磯部崇は就職活動のため坂ノ上ビルへ訪れていた。面接が終わり帰ろうと乗り込んだエレベーターにて恰幅のいい会社員と小学生らしき男の子と一緒になるが、何の前触れもなくエレベーターが停止してしまう。しばらく待てば復旧するかと思いきや全く動かず、外との連絡も取れない。少しずつ何かが起きていると察していく三人のなかで、徐々に恐怖が心を蝕んでいく。パニックになりながら何とかして外に出ようとするなか、しかしビルのなかではそれ以上の大惨事が起こっていた。果たして、エレベーターの外ではなにが起こっているのか。エレベーターから始まる高層ビルを舞台としたパニックホラー!最後の最後に、すべてがわかる! -
もういっかい彼女
大人切ないタイムスリップ号泣ストーリー。 私は、何度か過去に戻ったことがある--。雑誌のインタビューで出会った初老の官能小説家が話し始めた内容は、想像を絶するものだった。 これは、夢か、現実か、それとも彼の戯言なのか? 雑誌のライター・冨谷啓太(通称・タニケー)は、自分が担当する「オールド・タレント」というインタビュー連載に、なんとなく訳ありのある人物を取材するよう依頼される。取材相手は、佐々田順という官能小説家で、20年前に9作の小説を世に出した後は、すっかり鳴りを潜めていた。 カメラマンの野田奈々と、その初老男性の取材を終えたタニケーは、ひょんなことから佐々田のとんでもなく長い話を聞くことになる。 -
もう終わりにしよう。
ジェイクとわたしは付き合いたてのカップル。これから彼の両親が住む農場に、挨拶をしにいくところだ。けれどわたしは、ふたりの関係を終わりにしたいことを彼に隠していた。打ち明けられないまま目的地が近づくなか、携帯の留守電に、謎の男からの着信が――「答えを出すべき問いは、ただひとつ」。そして、ある寄り道が決定的な悲劇へと……。こじれ始めたふたりに訪れる驚愕の真実。孤独がもたらす心理に迫るスリラー -
儲けない勇気 さわかみ投信の軌跡
1996年『さわかみ投資顧問』は、富裕層ではない一般家庭のための資産運用会社として起業した。創業者澤上篤人は、金融業者が巨利を儲けるのではなく、真に受益者のためになる資金一万円から始められる、日本初の「独立系直販投資信託」の確立を目指したのだ。金融庁からの規制や妨害、バブル崩壊や9.11テロなどの時代の荒波をのりこえ、「さわかみファンド」は2005年ついに資金1000億円を突破する。良い投資は、良い投資家良い企業そして良い社会を生む―篤人とその仲間達の信念と夢が結実した瞬間だった。本書は篤人の息子で現社長の龍が書き下ろした、限りなくリアルなビジネス小説である。ユニークな平成経済史としても読める力作! -
もうこれ以上、君が消えてしまわないために
================ 第1回次世代作家文芸賞受賞作品! ================ 私はまだ成仏したくないんです 幽霊に懇願されたのは―― 未完の恋愛小説の代筆だった! 毎日を無気力に生きていた大学生の僕 元作家の美女(?)幽霊 二人の奇妙な共同作業が始まった ================ 「これから伝えることをパソコンで打ち込んでください」 引っ越したアパートで女性の奇妙な声がした。 切迫感に急き立てられ入力していくと、それは何かの物語らしい。 なんと彼女は……元小説家の幽霊だった! 未完の次回作に未練が残り成仏できない。 パソコンを触れない自分の代筆を引き受けてほしい。 もし出版にこぎつけられたら印税はあなたのもの。 甘い言葉に誘われ〈ゴーストライター〉を引き受けた僕だったが、問題が一つあった。 彼女の記憶が徐々に消えつつあるのだ。 急がなければ! 可愛いけど皮肉屋な元作家の美女(!?)幽霊と、 毎日を無気力に過ごしていた大学生の僕。 AA1二人の奇妙な共同作業が始まった――。 -
亡者は囁く
亡者の囁きが、時の間に埋もれていた事件の真相を呼び覚ます。 警察を追われて探偵となった槙野康平と、鉄仮面と渾名される警視庁捜査一課の東條有紀が再び躍動する! 「25年前に一度だけ会った女性の消息を知りたい。名前は深水弥生」 盲目の天才バイオリニストの依頼を受け、探偵・槙野康平が調査に乗り出す。調査を進めるうち、深水弥生の恋人が四年前に起きた平和島事件の被害者となっていた事実を掴んだ槙野は、その事件の詳細を調べ直すべく、警視庁捜査一課の東條有紀に協力を求める。そして深水弥生を探すべくさらに調査をすすめた結果、平和島事件の犯人と似た状況で自殺していた人物が浮かび上がってくる。 -
猛獣ども
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「姦通」していた男女が熊に殺された—。 閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。 愛の行方の複雑さを描く傑作長編! 「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。 自分にとって大切な小説になりました。 井上荒野 「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。 —小林七帆 伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか? —小松原慎一 そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいなものよね。 —柊レイカ ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。 —神戸みどり テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。 —野々山純一 装丁 大久保伸子 装画 杉本さなえ -
盲人重役
是が非でも、牽引力の強いあのC12機関車がほしい! 半島鉄道の田舎重役・屋代は必死だった。なにかと小会社の邪魔をする鉄道振興会の圧力をはね飛ばすために、非常手段のハンストも辞さない構えだ。なにしろ、大正時代に造られた、オンボロ機関車では、沿線の人口増の輸送に追いつけない。客車の窓ガラスはなく、屋根から雨が漏り、客は傘をさして乗っている。その上、馬力がないからたった3両の貨車しかひけず、野菜など生鮮食糧品が駅に山積みのまま腐ってしまう! 妻に愛想をつかされ、失明の悲運にもめげず、猛烈な経営者根性と湧きでるようなアイデア。すさまじい“男の生きざま”を描いた最高傑作。 -
もうすぐ二〇歳
少年ミシェルはJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールド、 あるいは忘れがたいレジャン・デュシャルムの『曖昧なる鼻』のミルミル加わって、 私たちの小説の記憶の中に長く留まるだろうことを断言する ―J.M.G ル・クレジオ 舞台は1970年代終わり頃のコンゴの大都市ポワント=ノワ ール。主人公はアルチュール・ ランボーの『地獄の季節』を愛読し、ブラッサンスを愛聴する少年ミシェル、12歳。ガールフレンドは愛くるしい同級生のカロリヌ。父親はフランス人所有のホテルで働き、白人客が残した本を家に持ち帰ってくる。母親はもう一人子供をほしがっていて、「お腹を開く鍵」はミシェルがもっていると呪術師が告げる。飛行機が頭上を横切り、ミシェルと年上の友人ルネスは着陸する国を夢見ている。自国はマルクス• レーニン主義一党独裁体制。ラジオからはテヘランアメリカ大使館人質事件、イラン皇帝シャーの死などのニュースが流れる。少年ミシェルの周りにおこる数々の波瀾、ユーモラスな出来事、不思議な経験を作家アラン・ マバンクは淡々と暖かい眼差しで描いていく。幼年・青春の思い出を下敷きにした感動の自伝小説。フランス語圏ブラック・アフリカを代表する作家の代表作待望の翻訳。 -
もうすぐ春です―佐々木寿信童謡集 (子ども 詩のポケット)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 シリーズ 子ども詩のポケット。童謡集。 1 やぐるま草(あざみ;ゆり ほか) 2 もうすぐ春です(ゆうびん;岬の風 ほか) 3 入道雲(雨上がり;鯉のぼりのうた ほか) 4 僕がうたう秋のうた(夕風;秋ですよ ほか) -
妄想ジョナさん。
これは、自らの妄想と現実の区別がつかない大学生 『僕』 の物語だ。大学一年生の春、恋する僕は確かに幸せだった。憧れの人が、自分の妄想の産物だと気付くまでは。大学二年の秋、傷心から立ち直れない僕の前にひとりの女性が現れる。その名はジョナさん。彼女もまた僕の妄想の産物だ。驚いたことに彼女は、僕を妄想から解放すると宣言した。 自らの妄想に導かれ、壮大な脱妄想計画が幕を開ける! 大学キャンパスがロンドンに変じ、ラブホテルが魔王の城と化す、妄想にまみれた東京多摩市で展開する、騒々しくも切なく、悲しくも情けない恋の物語。 -
妄想LIVE!!
まず、とびきりカッコいい男を妄想してください。 「ああ、この広い世界をどんなに探しまわっても、もう二度と会えないのか」真っ白な大地から空を見あげた。どれだけ目を凝らしたら見えるだろうか、あのいとしい姿が。(本文より) こんな男がいるのか、と疑うぐらい誰もが惚れ惚れするほどいい男。MIKITOは、ヘヴィメタルが世界に誇る人気絶頂のロックシンガー。彼はその長身からさらに右手を高々とあげて愛の歌を熱唱する。この立ち姿がなんとも美しい。彼の激しいシャウトと熱いバラードは、たちまち世界中の女を夢中にしてしまう。そんな無敵の彼は心の中に、天使のような少女を住まわせている。愛を教え、彼女を守り、命懸けで愛していた。そのうち二人の出会いには、思いもよらない秘密が隠されていたことを知る。やがてすべてを捧げて美しい彼は、愛し合う彼女と運命をともにすることに。甘く、せつなく、彼らの音楽に託した純愛を妄想で今、振りかえる。 -
妄想LOVE?!
「俺」は、「お前」が作り上げる妄想の世界に生きている。彼女の恋人と顔も体もそっくりで、もちろん誰もが惚れ惚れするほどのいい男。 ここでの彼の使命は、冷たくなった恋人の代わりに彼女を強烈に愛してやること。完璧な男として登場する彼にとってそれはたやすいご用だが、奴の身代わりでしかないくせに彼女を死ぬほど愛してしまった。愛を失った哀れな女の心の中の思い出に合わせ、やさしい恋人を演じてやるうちに、もう彼女を手放せなくなる。 それにしても現実の世界にいる奴は、どうしてお前を愛してやれなかったのだろう。妄想の世界で二人はこんなに愛し合えるのに、なぜ奴は突然お前を突きはなしたのか。この世界にお前を引き留めるためならなんだってする。何があってもお前を守ってやる。 彼は、最後までやさしい男だった。 -
もう探偵はごめん
トムとディックとは無二の親友だった。同じ大学を出、同じアパートで暮らし、いっしょに美人の尻を追いかけ、いっしょに女から逃げ、ひとつの背広を着あう仲だった。ところが、ある夜、トムに幸福と不幸がいちどに訪れる。トムとマーシャの結婚祝賀パーティが、ホテルでひらかれた夜である。宴たけなわに、その夜社交界にデビューしたばかりの、うら若いマーシャの妹が変死をとげた。死因は誤って親指に突き刺さったバラの棘に毒が塗られていたためで、そのバラというのが、トムが婚約者に贈った花束の一輪だった! 警察の嫌疑はトムに向けられ、ディックは親友にかけられた見当違いな濡衣を晴らすため、素人探偵を買ってでた。この表題作の他、サスペンス派の巨匠アイリッシュの好短編6編を収録。 -
もう誰かのためにガマンしなくていい 自分らしさを取り戻す図太いメンタルになる方法
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 YouTube登録者25万人以上! 動画総再生数4400万超え! 人気心理系YouTuber・公認心理師「るろうに」が教える 優しい気遣いさんのメンタルが図太くなり、 人間関係でガマンしなくなる5つのSTEP! 周囲に気を遣う優しい人は ハラスメントや嫌がらせや舐められたりしても、 ガマンして、自責して、言い返せなかったりして、結果的に心を壊してしまっている。 そんな優しい人が、 ガマンすることをやめ、 自分を責めたりせず、 本当の意味で自分らしさを取り戻す 「図太いメンタル」になれる方法を 心理学的な視点からアドバイス。 本書で紹介する5つのSTEPで 図太いメンタルが身につき、 どんな相手に対しても動じず、 本質的に自分らしい思考・行動に変わり、 人間関係のストレスから解放される1冊。 1章:凹んでもすぐに立ち直れる、しなやかさ 2章:細かいことを気にしない、おおらかさ 3章:執着を手放せる、潔さ 4章:他人の目を恐れない、したたかさ 5章:困難に負けない、たくましさ るろうに(ルロウニ):公認心理師・臨床心理士。大学院修了後、精神科や行政機関などでカウンセリングを中心とするメンタルヘルスの支援を実施。医療機関や民間団体の依頼を受けて、講演会も多数行っている。2019年10月からYouTubeチャンネル『心理カウンセラー るろうに』で動画配信を開始。2024年8月時点でチャンネル登録者は25万人を超える。その他、Voicy、X、noteを通して「自分らしく幸せな生き方」を実現するための方法を発信している。メンタルヘルス系書籍の作家としても活動しており、主な著書は『心が疲れない「正しい」休み方(KADOKAWA)』、『1秒で不安なくなる大百科(SBクリエイティブ)』がある。 -
もう作り笑いなんて必要ない!みんなのネガティブ感情のおてあて—心理的安全性を高めて感情労働がラクになる—
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ケーススタディで心理的安全性が高まる! 1万人以上のビジネスパーソンを救った精神科医の著者が自分でできる感情コントロールやセルフケアの豊富なレシピを紹介 作り笑いをするのに疲れた……。 上司の機嫌を損ねないようにお世辞を言うのがつらい・・・・・ 職場の同調圧力に耐えられない……。 そうしたあなたの中のネガティブ感情は感情労働のせいなのかもしれません。 感情労働とは、「周囲に不満を感じさせないように自分の感情をコントロールして、ポジティブに振る舞い、賃金を得る働き方」のこと。 感情労働はあなたが気づかないうちに職場の中にそっと溶け込み、徐々に心をむしばんでいきます。 でも、ネガティブ感情自体は決して悪いものではありません。適切な方法でコントロールすることが大切なのです。 本書は、感情労働のストレスを和らげるために効果的な自分でできる感情コントロール術やセルフケアのレシピを、様々な職種のケースタディを交えて豊富なイラストともに分かりやすく解説しています。 また、感情労働の負担を軽減させるために必須となる職場の心理的安全性の高め方のポイントや心身の不調を抱えてしまった時に役立つ「感情労働のおてあて」も紹介。ビジネスパーソンはもちろんのことハードな感情労働を要求される教師やメディカルスタッフにも読んでほしい日本一かんたんな感情労働の入門書が登場! -
もう年はとれない
思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。 -
もう、飛ぶのは怖くない
『危険を覚悟しなければほんとのものは掴めない』旅行先のオーストラリアのメルボルンで出会った運命の男ソルは冒頭の言葉を残して去って行った。帰国後、偶然にソルが亡くなったことを知った亜依は、ソルと関わる人達を訪ねる。 次々と起こる不思議体験に亜依の魂は次第に覚醒していく。そして、ある女性との出会いにより、ソルと自分の魂が繋がったと確信した瞬間、『危険を覚悟しなければほんとのものは掴めない』というソルの言葉の意味を理解することができた。 物資主義社会に生きる人々との葛藤、婚約者との別れ、友情の在り方について混沌としながら、ソルの辿った道を探し求めていく亜依。人間の幸福とは何か? 真実の愛とは? 性の究極のエクスタシーとは? 偶然という必然に導かれてほんとの自分に目覚めていく1人の女性の物語。 -
猛毒怪談
混ぜるな危険!! 最恐若手タッグによる中毒性の高いヤバい話。 毒×毒、人×霊、呪×祟、超刺激的な競演が誕生! 脳髄まで蝕む毒の甘い余韻を最期まで楽しむ…。 遺品整理の現場で目にした家中を移動する影は…「影のまま生き続ける」 制作過程で魂が入ってしまった人形はホルマリンの瓶に漬けられており…「人形剥製師の告白」 カッパ池の祠で子供たちが体験した衝撃怪異…「神に堕ちる」 身体の一部の柄が描かれた不思議なトランプの記憶とは…「ババヌキ」 人の死期がわかるというある駅清掃員の日常…「巣立ちの時」 30年に一人必ず会社の神に捧げられてきたという生贄、おまえはたぶんその後任だ…「苦肉の策」 ほか、体験者の実在するひたすら怖い話全47話! 読めば「毒」の虜と化す! -
網内人
網の中(インターネット)にひそむ悪魔をあぶり出せ! 『13・67』の著者、渾身の勝負作 自宅アパートの22階から飛び降り自殺した女子中学生シウマン。 彼女は通学電車の中で痴漢事件に巻き込まれ、犯人と目された男の甥からインターネット上で攻撃を受けていた。 ネットの誹謗中傷が彼女を死に追いやったのか? 自分の知らない世界で妹を脅かすどす黒い悪意の存在を知った姉のアイは、変わり者だがネット専門の凄腕探偵・アニエを説得し捜査を依頼した。 だが、アニエの調査の結果、次々に意外な事実が判明し、事態は混沌としていく――。 貧富の格差著しい香港を舞台に、ネットリンチや痴漢冤罪やダークウェブなどなど、我々日本人も同じように抱える社会問題を背景に、現代社会における人間の善悪を問う。 前作『13・67』で香港の現代史を俯瞰した著者が〈いま現在の〉香港の光と影を描き切った、華文ミステリーの最高峰! -
もう二度と食べることのない果実の味を
15歳、一生忘れられない人に出会った。 『ふたりを誰よりも深くむすびあわせ、同時に破滅をもたらしたもの。 それが、セックスだった。』 17歳で「女による女のためのR-18文学賞」で鮮烈なデビューを飾った雛倉さりえ。あれから6年たった今、満を持して刊行する衝撃作。 高校受験のために勉強に励む冴は、学年で2位を誇り、クラスの中で近寄りがたいと浮いた存在。ある日、クラスの女子に掃除当番を押しつけられた冴は、学年トップの土屋くんと教室で二人きりに。受験のストレス、クラスで浮いた存在、姉へのコンプレックス、様々な鬱屈が絡み合い、好きでもない、ただそこにいただけの土屋くんにキスをしてしまう。二人は、その後、学校や家の人に隠れて逢瀬を重ね、危険な遊びへ身を投じていく。二人に切なすぎる結末が待ち受ける。 刊行前から話題騒然。3月よりデジタル少女漫画誌「&フラワー」でコミカライズ連載開始。4月よりCanCam.jpでも大型試し読みを予定。装幀写真は今、話題沸騰の写真家、岩倉しおり氏。(2019年4月発表作品) -
もう「はい」としか言えない
浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。 もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説! 二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。 妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。 無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。 性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。 半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。 「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」 胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。 飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。 これが悪夢の旅になったのである。 表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。 天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ! 〈著者プロフィール〉 一九六二年、福岡県出身。 一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。 一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。 二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。 -
もうヒグラシの声は聞こえない
高校最後の夏休み。元競泳部員の僕は、市民プールで監視員のバイトをすることに。ある日、競泳選手用の水着を付けながら、まったく泳げない少女と出会う。「ひぐらし」と名乗る少女は、無表情で淡々と水中でもがく。僕は思わずひぐらしに声をかけた。それが僕たちの「失われる恋」の始まりとも知らずに……。信じる愛は奇跡を起こすのか!? 感涙の純愛ストーリー。 -
もうひとつの命
あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕らが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。あれから数年、自殺した稲村が生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰っていたらしい。一度だけ復活できる。なら命一つ犠牲にして、僕らに何が成し遂げられるだろう。 -
もうひとつのエデン
ある島の〈ノアの箱船〉の物語 ブッカー賞ほか最終候補作 優生学の名のもと、実在の島マラガに起きたことを題材に、美しい詩的文体で描きだすある島の年代記。 一七九二年、逃亡奴隷のベンジャミン・ハニーはアイルランド出身の妻ペイシェンスと共に様々な林檎の種を持ってメイン州の小さな無人島にやってきた。ふたりは苦労して林檎園を作り上げ、島はアップル島と呼ばれるようになる。 それから約百年、ハニー家の子孫と肌の色も様々な島民は、豊かな自然のなかでつましくもひっそりと穏やかに暮らしていた。そこへ一九一一年、理想に燃える白人の元教師マシュー・ダイアモンドがやってくる。ベンジャミンのひ孫にあたるエスターは、ダイアモンドの善意は理解しながらも心をざわつかせるが、彼の指導で何人かの子どもたちは絵画や語学、数学の才能を花開かせていく。 ある日突然、本土から知事の命で委員たちがアップル島の視察に現れる。いきなり子どもたちの頭に測定器を当ててなにやら書き留め、子どもたちは怯え、大人たちは反発する。やがて島と人々を襲う大きな悲劇とは――。 刊行直後から話題を呼び、ブッカー賞、全米図書賞、国際ダブリン文学賞などの最終候補作に選出された。美しく痛切な祈りの物語。