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髑髏皇帝
後醍醐天皇vs足利尊氏を怨霊で読む歴史伝奇ホラー 魑魅魍魎がまだ跳梁跋扈していた南北朝時代。天皇親政を目論む後醍醐帝の側近には、密教僧文観が寄り添っていた。実力をつけ台頭する武士の声に励まされた足利尊氏は、新田義貞、楠木正成らとの戦に身を投じる。天皇を父とも思慕する尊氏ではあるが、天皇は密教の秘儀を通した怨霊との交わりにおぼれていく…。 モダン・ホラーの第一人者が描く、異色の歴史伝奇ホラー小説。 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。 -
髑髏町綺譚
壮絶なバイオレンス・スプラッターの世界を描いた短篇集 近未来、東京の一画に、髑髏(ドクロ)町とよばれる町があった。そこにはアル中、ジャンキー、マッド・サイエンティストなど、世の中のはみだし者たちがたむろしていた。常識も道徳も良心もなく、怖いものさえなにもない。奇々怪々な人々の日常には、想像を絶する事件が続出する! そして、その陰には得体の知れない支配者の存在が…! 魔訶不思議な町を舞台に、幻想の時間と空間が拡がる。 魔窟・髑髏町を舞台にした連作短篇が、「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ・第一話 幻夢を吐く男 ・第二話 問答・赤ん坊の造り方 ・第三話 髑髏町探査行 ・第四話 髑髏町の性科学 ・第五話 髑髏町の支配者 ・第六話 春の運動会 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。 -
髑髏町の魔道師
はみ出し者と落ち零れの集まり、阿片窟のドクロ町……そこにひっそりと棲息する不気味な男 ドクロ町の入口近辺にいたのは、肌の色こそ鉛色で死んだ魚の目をしていた。だが、奥に入ってゆくに連れて、住人たちは次第に人間離れしていった。目ばかりでなく、顔全体がマグロになっている奴がいた。全身を鱗に包まれた、半魚人もいる……良く見ると、カサブタだらけで、身体中がケバ立っていたのである。(「髑髏町の魔道師」より) 完全未発表作品「髑髏町の魔道師」「内臓抜き」の他、雑誌掲載されたのち今回が初の書籍収録となる3本、さらには「電子版あとがき」を収録。ホラー・スプラッターの帝王が放つ、電子オリジナルの短篇集が登場! ・髑髏町の魔道師 ・後ろを見るな ・特攻機動隊 ・扉の向こう側 ・内臓抜き ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。 -
毒をもって僕らは
もう、恥ずかしくなんかない――。どんな不運もみじめさも蹴散らしていく青春の輝き、第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。 -
ド腐れ怪談
人間を雑巾しぼり――! 殺伐として、爽快。 ド屑から微屑まで、バナナのごとく剥かれた人間の本性が〝クソ眩しい”圧倒的【厭】怪談、誕生! 「こいつら全員、呪い殺してやる。」 SNSで無自覚に放たれた悪意に復讐を。 コロナ禍で生活に窮した彼女が、まず母を始末し、次に手近なアカウントから試した方法とは… ――「佳美さんの新たな地獄」より 〈厭〉にもほどがある怪異体験・事件を聞き集めた怪談集。 公園から憑いてきてしまったモノ。姿は見えないが腐臭と手を握られる感触が…「デリーちゃん」 線路脇に立つ祟りの木。触るだけで体が腐るのを撮り鉄が蹴ってしまい…「七日榊」 参拝すると物忘れが酷くなる神社。若い人まで廃人にする呪力の発端は…「効果は抜群だ」 完璧なまま維持せよという祖父の遺言で受け継いだ田舎の家。売ってしまおうと考えると、途端に恐ろしいことが…「四と六」 気功で肩こりを治せると評判のパートの女性。だが、患部に翳す手をよく見てみると…「我を崇めよ」 DIY目的で購入した中古住宅。そこだけ腐食した台所の床の一部をはいでみると中に…「臭い物には蓋をする」 不気味な母親らしき絵とそれを立体化したような粘土を作る園児。突如退園した後に怪異が…「未完成の粘土」 夫の田舎を訪れた際、サプライズで妊娠を発表した妻。しかも双子と告げるとふいに暗雲が…「ヒトツの神」 庭で首吊りがあった事故物件。幸せな家族がいると恨めしそうに出てきて…「まつぼっくり」 入院中に小児がんの少女にネイルを教えたギャル。退院後に訪れた地獄と希望の怪…「両手に桜」 ほか全31話収録。 -
ドグラ・マグラの世界/夢野久作 迷宮の住人
巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。 「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる 夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。 第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。 第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。 本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。 -
どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集
すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。 ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より> -
どこかで叫びが
恐怖が、再定義される── 『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る 黒人作家たちによる恐怖の最前線 【ローカス賞】、【ブラム・ストーカー賞】、【英国幻想文学大賞】受賞! 【世界幻想文学大賞】最終候補作! 『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。 本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。 作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。 ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。 ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。 あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある── -
どこかにあるはずの素敵な島
ひとつの、充実した結婚のかたち 不思議なタイトルである。 というのも、この小説の中では実際に、結婚した男女が毎年休暇を過ごす南の島が出てきてそれは架空の島などではないからだ。 しかし、その島の名前も場所も一切明らかにはされないから読者にとってはたしかに「どこかにあるはずの素敵な」島に違いない。 片岡義男の多くの小説がそうであるように我々の日常にあるようなリアリズムや従来の小説がそこをテコにして物語を動かす破綻、のようなものはここには一切、現れない。 あるのは1つの、あざやかな夫婦のかたちだけだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
どこからでも手紙は届く
2台のあいだを行き来しながら、彼女は脱出について語る 後ろには、母親と離婚した父親と、その新しい結婚相手。 前には、母親と、その年老いた父親。 2台並んで走るクルマのあいだを行き来するのは、 日本の大学に愛想を尽かし、外国に行こうとしている娘だ。 最初に後ろのクルマ、途中で止まって前のクルマ、そしてまた後ろのクルマ。 2台でまったく違う空気を感じながら、彼女が考えているのは「脱出」のことだ。 自分が今の世界から脱出するためには、愛する母親よりも、 まるでなじめないが、海外在住の父とそのパートナーの助けこそが必要なことを 彼女は冷静にかみしめている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
どこにもいない私
時間というものはない。私はどこにもいない 14歳から15歳へ。 この小説は、移り行く季節の中での、二人の少女による 切実な時間論だ。 過去から現在へ伸びてくる時間に対し、 彼女たちは時間が逆行すること、つまり どんどん過去へ遡り、若くなり、幼くなり、 ついには「私」が消滅することを夢想する。 そしてそこに、かつての旧友の、その悲しい母親の 「死」をめぐる奇妙で美しい行為が関わってくる。 時間を、死を考えることは、この不条理な生について考えることと同義である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
「弩」怖い話4 ~Visit Invisible~
見えないはずのものが見えてしまう――その恐怖と孤独は、所謂「見える人」にしかわからないものである。我々の目には何ひとつおかしな所のない世界に見えても、彼らはそこにとんでもないものを見ているかもしれないのだ。けれどもそれがどんなに恐ろしく、おぞましいものでも、誰もその気持ちを共感してくれないし、話すことすら憚られる。下手をすれば自分の正気を疑われるからだ。見えない人ほど、「見てみたい」と思うものである。だが、これを読んでもあなたはそう思うだろうか……? 平和な日常に隠されたもうひとつの風景、戦慄の異界ビジョンをとくとご覧あれ。 -
「弩」怖い話ベストセレクション 薄葬
その家は何かがおかしい…謎の箱、連鎖する死の結末は? 呪われた血族と家の間取り、 元祖・家系怪談の傑作がついに復活!!! 「超」怖い話四代目編著者・加藤一が2004年に始めた伝説のソロワークシリーズ「弩」怖い話。 今なお傑作の呼び声高いそのシリーズ1、2巻から最恐怪談を厳選、後日談とともに収録した待望のベスト版が登場! ●謎の溺死をとげたウナギ捕りの名人。川でいったい何が…「深く潜る」 ●会社の用意した2Kのアパート。だがそこには先住者が…「あんた誰だ」 ●一人娘を嫁に貰う条件として出された妻の実家での同居。夫だけに襲いかかる怪異、仏壇裏に隠された謎の箱、義親は何を隠しているのか…「香津美の実家」 ●自殺の前に誰かを訪ね、何かを託す。不気味な連鎖の果てに待つものは…「新婚の部屋」 ●「香津美の実家」と「新婚の部屋」、一連の忌まわしき事件の衝撃の後日談!…「あの話の続き」 ほか、怪異の起きた家の詳細な間取りを再現した元祖家系怪談が再臨! 著者について 加藤一 Hajime Kato 1967年静岡県生まれ。O型。獅子座。 人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』4代目編著者として、冬版を担当。 また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超-1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中。 主な著作に『「忌」怖い話』、『「超」怖い話』シリーズ、『「極」怖い話』シリーズ、『「弩」怖い話』シリーズ(以上、竹書房文庫刊)、『怪異伝説ダレカラキイタ』シリーズ(あかね書房)など。 -
どしゃ降りのラスト・シーン
あざやかさとは無縁のそのラスト・シーンが、 生きていることの証し。 17歳、夏休みの高校生。 いくら眠っても眠気の取れない若い肉体が 平穏な眠りをむさぼっている時、 届いた一通のありふれた絵葉書が事態を急転させる。 同じ17歳の少女から届いたその葉書は 実は3通存在し、なぜその3人に届いたのかもわからないまま ひたすら受け身の動揺の中にたたきこまれながら 少年たちは必死にオートバイを走らせる。二度、走らせる。 その2回のラスト・シーンは果たして・・・・・・ 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
ドストエフスキー全短篇(Ⅰ・Ⅱ合本)
数々の長篇で有名なドストエフスキーは、短篇の名手でもあった。 デビュー直後の「プロハルチン氏」から晩年の『作家の日記』掲載作まで、19篇を集成。 【収録作品】 プロハルチン氏(1846) 九通の手紙に盛られた小説(1847) 人妻と寝台の下の夫(1848) 弱い心(1848) ポルズンコフ(1848) 正直な泥棒(1848) クリスマスツリーと結婚式(1848) 白夜(1848) 初恋(1849) いやな話(1862) 鰐(1865) ボボーク(1873) キリストのヨルカに召されし少年(1876) 百姓マレイ(1876) 百歳の老婆(1876) 宣告(1876) おとなしい女(1876) おかしな人間の夢(1877) 現代小説から取った暴露小説のプラン(1877) 〈訳者解説〉米川正夫 〈解説〉江川卓 -
ドストエフスキーの預言
ドストエフスキー生誕200年記念出版。 かつて外務省でモスクワ大使館に勤務した著者は、ソ連邦の崩壊に立ち会うことになった。宗教を否定する社会主義の理想が潰え、ふたたび神を求める時代が始まった。 そうした事態を19世紀にすでに預言していたと著者が考えたのが、文豪・ドストエフスキーである。 『カラマーゾフの兄弟』のかの有名な「大審問官」は、はたして何を示しているのか? 『罪と罰』でラスコーリニコフはなぜ回心したのか? 外交官としての仕事のかたわら、ドストエフスキーを解読する日々が始まった。 尊敬するチェコの神学者・フロマートカや、同じくチェコの哲学者・政治家のマサリクの著作が大いなる手助けとなる。 そして、モスクワとプラハを往還する著者の思索の旅は、ついに終わりの日を迎える?? 現代史の現場から生み出された、これまでにないドストエフスキー論。 -
土星の環:イギリス行脚
何世紀もの破壊の爪痕をめぐる イギリス南東のサフォーク州の海岸線や内陸にひっそりとある町々をめぐる徒歩の旅。荒涼とした風景に思索がよびさまされ、過去の事跡からつぎつぎに連想の糸がたぐられていく。アフリカから戻ったコンラッドが寄港した保養地、中国皇帝が乗るはずだった列車が走行していた鉄橋……そして本書の同伴者となる17世紀の医師、トマス・ブラウンをはじめとした、魂の近親者である古今の人々との出会い。 〈私〉という旅人は、どこか別世界からやってきた人のように、破片を拾い上げ、想起によって忘れ去られた廃墟の姿を甦らせる。人間の営みを、人間によって引き起こされる破壊と惨禍を、その存在の移ろいやすさとともに見つめようとする眼。歴史を見つめるその眼差しは、そこに巻き込まれた個々の人間の生、その苦痛に注がれている。 「作中入れ替わり立ち替わり現われる奇妙なエピソードは、それぞれ独自の奇怪さを有していて、印象としては、すべてが次第にひとつに収斂していくのではなく、何もかもがいつまでも横滑りしていく感がある。」柴田元幸氏による解説「この世にとうとう慣れることができなかった人たちのための」より引用。 -
ドッグウォーカー探偵事務所
予期せぬ死体発見の40%は、犬の散歩中に起きている――。 愛犬の散歩中、元刑事の死体と遭遇したチャーリー。 イギリス郊外の町で繰り広げられる、愛犬家たちの名推理! 犬たちが大活躍のコージーミステリ イギリスの郊外の町で暮らすグラフィックデザイナーのチャーリーは、森で愛犬と散歩中、元刑事の死体を発見する。直後に警官が殴打される事件が発生、そしてさらなる悲劇が――。 続けざまに殺人事件の発見者になってしまったチャーリーは、行きつけの喫茶店のオーナーや、犬の散歩代行業コンビ、引退した弁護士など、犬の散歩仲間(ドッグウォーカー)たちと事件を追うが……。平和な町で起きた連続殺人の意外な結末とは? *ドッグウォーカー探偵事務所のメンバー チャーリー……運動不足なグラフィックデザイナー ◇ルビー……スタッフォードシャー・ブル・テリアの老貴婦人 テス……言葉遊びが大好きなコーヒーショップのオーナー ◇ラフとタンブル……元気なジャック・ラッセル・テリア マルコム……おしゃれにうるさい元弁護士 ◇テッド……俊足グレイハウンド 犬の散歩代行サービス〈ナッツ・アバウト・マッツ〉 ヴィヴ……きびきびした性格の元教員 スー……元図書館司書で編み物が趣味 ◇ハンフリー……お騒がせラブラドール ◇プロフェッサー……利口なテリア -
.hack//bullet
二〇二三年、イモータルダスク事件から三年後。 ハッカーチーム『シックザール』を解散し、サイバーコネクト社を辞した曽我部隆二は、今までの経験をもとにネットワークトラブル・コンサルタントを開業し、細々と生計を立てていた。 だが、かつての同僚からの依頼をきっかけにして、『世界』を巡る邪悪な陰謀に巻き込まれていく。 血みどろの戦いの果てに彼が手にした報酬とは? 本書はサイバーコネクトツーWEBサイトで連載した小説『.hack//bullet』の完全版です。 ゲーム『.hack//Link』のストーリーから3年後のエピソードが、『.hack//Link』登場キャラクター曽我部隆二(フリューゲル)の視点から描かれています。 完全版では、最終話(42話)に続く、書き下ろしの43話「バーサス奇術師」を収録! ※本書籍は主に縦書きでレイアウトしています。ご利用のブラウザ、端末、ビューワにより、一部表示がくずれたり、表示が異なることがありますので予めご了承ください。 -
ドッペルゲンガーの銃
名手・倉知淳がフェアプレイ精神で贈る奇妙奇天烈な三つの殺人事件。 ユーモアあふれる本格ミステリ中篇集。 女子高生ミステリ作家(の卵)灯里は、小説のネタを探すため、 警視監である父と、キャリア刑事である兄の威光を使って事件現場に潜入する。 彼女が遭遇した奇妙奇天烈な三つの事件とは――? ・密閉空間に忽然と出現した他殺死体について「文豪の蔵」 ・二つの地点で同時に事件を起こす分身した殺人者について「ドッペルゲンガーの銃」 ・痕跡を一切残さずに空中飛翔した犯人について「翼の生えた殺意」 あなたにはこの謎が解けますか? ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
都々逸の世界
都々逸の「言葉遊び」は本当に面白い。 字組、破れ句、織り込みなど、知れば知るほど「あ~そうだったのか」と種明かしを見るような楽しさがある。本書をとおして都々逸の楽しさを多くの人に伝えたい! 1990年代のアメリカ、長唄三味線の師匠と弟子の関係だった中村喜春さんと著者・越氏が、そもそも出会ったきっかけが都都逸でした。当時、愛好会がつくられたとき、「落語愛好会ではなくて『ニューヨーク落語熱愛会』という名前にすべきだ」などと言ったのが縁で、新年会では都都逸を日本語と英語でご披露することになり、それを見ていた喜春さんは「若いのにこんなに江戸文化を愛している人がいるのを見てすっかり嬉しくなった」とおっしゃって、著者に本気で三味線を仕込もうと決心したそうです。お二人は古今亭志ん朝師と金原亭伯楽師が大好きで、両師匠には、今回の本づくりにもご協力いただいていたのですが、喜春さんにも両師匠にも、完成された本をお見せすることも出来ず、お亡くなりになってしまわれました。喜春さんは、江戸文化に深い思いを抱いていました。喜春さんはこう言っています。「日本文化と言うと、すぐに茶の湯だと言ってみたりするけど、茶の湯ばかりが日本文化ではありません。茶の湯も素晴らしいものでしょうが、日本文化として、茶道しか知らないのでは、勉強不足だ」と。江戸時代の粋な庶民文化にこそ、今日の日本人の感性に通じているものがあるのではないでしょうか。江戸文化はすごいと思います。喜春さんは、長唄三味線で芸者の試験を受けましたが、花街では、本当にたくさんの都都逸があって、いくつ覚えたか分からないともおっしゃっていました。都々逸の「言葉遊び」は本当に面白く、素晴らしい楽しさを味わえます。この本で、是非とも、それらをお伝えしたいと思っています。 【目次】 はじめに 第一部 これが都々逸 第二部 都々逸いろいろ 第三部 都々逸あれこれ 都々逸索引 執筆者紹介 古典都々逸名作集 -
臓器提供者(ドナー)
日本の臓器移植制度が抱える矛盾、資産家にのみ用意された抜け道 人間の欲望はどこまで広がるのか。寿命はカネで買えるのか。その医療行為は本当に患者の命を救うためなのか。臓器売買のからくり、製薬メーカーの癒着、病院経営の現実、墜ちていく医師たち、矛盾をはらんだ医療現場の中で苦悩するナース……。臓器移植と人間の尊厳をテーマとして描く、衝撃の医学ミステリ。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 医学博士・脳神経内科医。聖マリアンナ医科大学内科助教授を退職後、東京・あきる野市の米山医院で診療を続けながら、脳の活性化、認知症予防、老人医療などをテーマに著作・講演活動を行っている。著作は300冊以上に及ぶ。趣味は独学のピアノ演奏、油絵やイラストを描くことで、イラストは自身のエッセイとともに雑誌などにも掲載されている。 -
ドナーで生まれた子どもたち 「精子・卵子・受精卵」売買の汚れた真実
私は、母と「誰かの精子」の間に生まれた―― 不妊治療と生殖ビジネスの深い闇を、当事者が暴く。 人間の倫理を問う、出色の科学ノンフィクション。オーストラリアの著名ジャーナリストである著者は、27歳のとき、自身がドナーによる精子提供で生まれたことを知り、生物学上の父親を探す調査を開始した。 いまやドナーによる懐胎(DC)は世間の認識以上に広く浸透しているが、その実情は世間の想像以上に異様で、多くの問題をはらんでいる。 DC児たちにドナーが誰かを知る権利は保証されていないため、持っているかもしれない遺伝性の疾患や、いるかもしれないきょうだいの存在、あるいはその数を知るすべはない。 本書は「第三者の生殖細胞から誕生した人間」について、また「人間を繁殖させること」について、DCの当事者が10年という歳月をかけて綴ったものである。 母の不妊治療医ヤン・カルバート自身が精子ドナーだと知り、 これまでに世界各地から75人の異母兄弟を見つけたジョーイ・ホフマンによる国連でのスピーチより: 「自分が大量生産された人間というモノのひとつに思えてきます。(中略) どうかお願いです。これからは子どもたちの基本的な権利や利益を、優先リストの最下位に置くのではなく、最優先にするように努めてください」 -
どの口が愛を語るんだ
のたうちまわって超えていけ、愛。 『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集! 九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。 残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界 それでも生きていくむきだしの人間たち。 「猿を焼く」 さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか? 「イッツ・プリティ・ニューヨーク」 クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。 「恋は鳩のように」 同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。 「無垢と無情」 人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。 -
溝猫長屋 祠之怪 全5冊合本版
猫まみれ長屋の奥にある祠に、毎朝お参りすることになった溝猫長屋の年長組、十二歳の忠次たち四人。そのお多恵の祠の力なのか、忠次たちは幽霊を感じることができるようになる。桶職人の倅、忠次は「見る」ことが、提灯屋の倅、新七は「嗅ぐ」ことが、油屋の倅、留吉は「聞く」ことができるようになった。将棋盤の職人の倅、銀太だけは何も変わらない。お多恵の祠は、はたして長屋の子供たちの守り神なのか、それとも!? 『溝猫長屋 祠之怪』『優しき悪霊 溝猫長屋 祠之怪』『欺きの童霊 溝猫長屋 祠之怪』『物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪』『物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪』全5冊合本版
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