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昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉という宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。
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Posted by ブクログ
少女地獄を読んでから夢野久作の世界観にハマってしまい読みました。 確かに文章が難しくて読みづらい部分はあったけど、理解できる内容ではあったし、奇怪なミステリーといった感じで面白かったです。 上巻だけでは物語の全貌が掴めていないので下巻も買って早く読みたいなと思います。
皆さん挫折する、『キチガイ地獄外道祭文』の部分の方がむしろ一番読みやすかったw テキ屋の口上みたいに音読出来てとても面白かった。あ、ここ『人間腸詰』っぽい。あ、ここ『犬神博士』か?とセルフオマージュというか内容入れ込みにも感じるところが多々あってとても楽しいwただまぁやっぱ長いっすよね、かったるい、...続きを読む飽きる飽きるwそれは仕方がないと思うw 私としては寧ろここより小説部分の方が逆に読み進めにくいなぁと感じたw 『たのしいプロパガンダ』って本があったけど…下手したらこういうノリなんだろうなと…怖くはなりました…w てか、解放治療って要は『シャッターアイランド』の世界だよねw あ-―-ア ところで…私は気が触れてません。 私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。ところで...ところで…ところで...スカラカ、チャカポコ、スチャラカ、チャカポコ…。
日本三台奇書のひとつ。 名作なので表紙を何とかして欲しい。 長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。 ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ! といった印象です。 しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みまし...続きを読むた。感じました。名作かと。 前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。 この本が、50年近く前に書かれたなんて…。 本って素晴らしい。読書って素晴らしい。 以下、備忘録 呉一郎の目の光を押し返す。 死人の呼吸が聞こえるような静けさ 乾燥した喉に唾液を押しやった。 魂から滴り落ちる、血と汗のにおいがわかる 探偵小説は、犯人と探偵の脳髄のスポーツ 脳髄は、謎のご本尊。巨大なタンパク質のスフィンクス。脳のために人体があるのか、人体のために脳があるのかわからない。人体の専制君主。
紙面をびっしり覆う言葉たち。 読むのに気力がいるものだから、ものすごく時間がかかってしまった。 下巻は毎日少しずつより一気に読み進めるのがいいかなと検討する程でした。
三大奇書でありアンチミステリーでもある本作は現実と虚構が交錯していく、もしくは現実そのものが虚構であり、読んでいたもの全てが現実の紛い物ではないか、と思わせる奇妙な感覚が終始纏わりついていた。下巻も早く読みたい。
初めての夢野久作・著の作品がコレ。 読書が苦手ながら一気に世界観に引き摺り込まれました。 元々イッキ読みは出来ない性格も相俟って、上巻だけでも読破は予想以上に根気のいるものでした。 が、それでも挫折しなかったのは、矢張り『夢野節』があったから。 『内容』を理解するには、二、三度繰り返し読まなけれ...続きを読むば難しいが、『文』としての吸収は容易に出来る…。 日本語のリズミカルさと狂気を前面に出し、その心地良さを何枚も剥げば、ようやく意味が4割分かる……みたいな不思議な感覚に酔い痴れた作品でした。 下巻は絶賛奮闘中なため、どうなるかがトテモ楽しみです。
「読んだら精神に異常をきたす」と評される日本文学の奇譚。夢野久作自身も「読者を狂わせる」ことを目的として書いている。 横溝正史エッセイの落合信彦の対談で「この本読んでいると気が変になりますよねー、はっはっは」みたいなことを話していた。「気が変になる」という言葉はこの二人の対談から広まった。 しかし私...続きを読むとしては、上巻の半分の精神科博士の論文が理解できなくて狂う余裕がなかった^^; 本書で気が変になるのは、この論文が理解できる頭の良い人(横溝正史くらいに)だけですね ^^; ※差別用語も本文のまま記載しています。 ※※※※わりとネタバレ気味ですのでご了承ください※※※※ === ………ブウウーーーンンンーーーンンン………。 蜜蜂の唸るような音が耳に入り、青年はウスウスと目を覚ます。青年には自分に関する記憶が全くなかった。ここはどこか、自分は誰か、なぜここにいるのか。 すると隣の部屋から少女の声が響いてきた。少女は青年を「おにいさま」と呼び、切々と訴えてくる。 おにいさま、私がおわかりになりませんか、婚約者のモヨ子です。結婚式前夜におにいさまに殺されましたが、こうして生き返ってきました。私のところに戻ってきてください。おにいさま、返事をしてください、返事を、へんじを……… やがて青年のもとに「九州帝国大学 精神科 若林鏡太郎(わかばやしきょうたろう)」と名乗る医師が現れる。若林博士は青年に、今日が大正15年11月20日でここは九州帝国大学精神科の第七号室だと伝える。 若林博士は、この精神科の前教授で一ヶ月前に自殺した正木敬之(まさきけいし)博士と共に精神病患者の研究をしていた。この正木教授はかなり奇妙奇天烈摩訶不思議な精神科論を講じていた。そしてこの青年が生まれるより前に、彼のような精神病患者が現れることを予言していたという。 若林博士は、青年の記憶回復のためといって、青年を医学部長室へ連れて行く。 そこには入院患者たちが書いた論文や創作物が並んでいた。 その中の一つは『ドグラ・マグラ』。 ………ブウウーーーンンンーーーンンン………。という音を聞き目覚めた入院患者による「自分は若林博士と正木博士に実験体にさせられている」という体験記だった。 青年は、自殺した正木博士の遺した文章を読む。 『キチガイ地獄外道祭文』 正木博士は日本を遍歴しながら精神病者の扱いを訴えたという。その訴えは木魚を叩きながら阿呆陀羅経を唱えるというものだ。 ああアーああーアアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ… まかり出たるはキチガイ医師だよ、寄ってきなされ聞いてきなされ キチガイと言われて閉じ込め虐待されたる入院患者。これじゃあ地獄だよ そこでこの気楽な医師が、新案工夫のデッカイ精神病院、奇妙奇天烈珍妙無類の治療で患者を助けます アアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ… 『球表面は狂人の一大解放治療場』 「この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない」という論文。 『脳髄は物を考えるところに非ず』 それじゃ何なんだいというと、脳髄とは物を考えていると脳髄に錯覚させる器官ってことなんだよ。 生物は大きく複雑になり、脳髄は細胞を独立させた。そう、細胞こそ人間の意思決定の器官なんだよ、きみ。 『胎児の夢』 胎児は母体にいる間に、今日に至るまでの地球の歴史を悪夢を見ている。それは力のぶつかり合いであり、生物の残虐性である。 胎児は自分の祖先の夢を見て細胞に記憶してこの世に生まれるのだ。こうして人間は先祖の「心理遺伝」を持っている。 『空前絶後の遺書』 ヤアヤア我こそはキチガイ博士としてその名を馳せたる正木敬之なり。明日の大正15年10月19日に自殺することにしたそのついで、古今無類の遺言書を残すことにした、さあ立ち会え立ち会え。 …という感じで、正木博士は呉一郎(くれいちろう)という青年について記す。2年前に母親を絞殺した容疑が掛かったが、若林博士がその容疑を晴らした。だがその2年後に従妹で婚約者の呉モヨ子を絞殺した。 だがモヨ子は仮死状態にあったのであり、若林博士が覚醒させ、第6号室に入院させたのだ。 == 遺言の途中で上巻終わり。 最初に青年が目覚めた病室の様子は、本当なのか幻影なのか判別しかねた。 正木博士の書き遺したものはそれぞれが口語体や舞台式などの形式で書かれて目まぐるしい。 医学部長室にある精神病患者の創作物や、終盤の「手術」はかなり気味が悪い…orz このように、精神病棟入院患者の目線の描写、文体を変えていく形式で、読者としてはついていくのに精一杯だったよ。
十年近く前に読んだ本書を再読。 漫画版を読んだ上で時系列に注意しながら読みました。 角川文庫版+YouTubeの朗読音声、と言う読み方なのでずが、この読み方だとキチガイ地獄外道祭文がリズム良くて良いです。 講談調の箇所も勢いが有ります。 ・病院での目覚め ・若林博士との出会い ・作中作としての...続きを読む『ドグラ・マグラ』 ・キチガイ地獄外道祭文 ・狂人の一大開放場 ・脳髄は物を考える所にあらず ・胎児の夢 ・正木博士の遺言状 まで。まだまだついていけてる状況です。
チャカポコで心折れそうになりましたが、とりあえず上巻読み切りました。 主人公は何者なのか。 思い出させようとしているのか、犯罪者に仕立て上げたいのか。 疑心暗鬼になりながら読むと、感情移入できて読みやすいかもです。 今はまだどちらの医者も信じられないでいます。 本と関係ないかもですが、表紙がどうして...続きを読むも好きじゃないです笑 あとチャカポコは斜め読みでいいらしいです。 木魚を愉快に叩いてるなーって思いながら読んだら割と読めました笑
上巻のみ、以前に読んだことがある。 日本三大奇書として有名な本書だが、最も流通している文庫本であるにも関わらず、卑猥な表紙が一向に改善されないのが残念である。 確かに怪しさはあるし奇書っぽさは出ているけれど、本編にこんな女が登場するわけでもないし、この表紙を隠さずして堂々と街中で読むのは憚られる。む...続きを読むしろ、シンプルな表紙で何の害も無さそうな本なのに、中身がスチャラカ、チャカポコの方が面白くて良いのに。 せめて精神病院の標本室にある絵の構図ならば、卑猥さがあっても納得できるのにな…と読みながら改めて思った。 やはりお気に入りは、キチガイ地獄外道祭文の皮肉っぷり。ちょっと長すぎるけど。 スチャラカ、チャカポコ。 チャチャラカ、チャカポコ。あーァ。 人は誰しもキチガイとは紙一重であり、むしろキチガイ呼ばわりする人間こそ自分が正しいと考えているだけのキチガイなのかもしれない。 そちら側が多数なのでキチガイ呼ばわりされた人間は精神病院に入れられるだけで、人は狂った生き物であり、何が正常で正しいといえよう。 すなわちこの地球表面上は、〜狂人の一大解放治療場になっているので、太陽はその院長、空気はその看護婦、土はその賄係に見立てられ得るのだ。p174
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