【感想・ネタバレ】ドグラ・マグラ(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

初めての夢野久作・著の作品がコレ。
読書が苦手ながら一気に世界観に引き摺り込まれました。
元々イッキ読みは出来ない性格も相俟って、上巻だけでも読破は予想以上に根気のいるものでした。

が、それでも挫折しなかったのは、矢張り『夢野節』があったから。

『内容』を理解するには、二、三度繰り返し読まなけれ...続きを読むば難しいが、『文』としての吸収は容易に出来る…。
日本語のリズミカルさと狂気を前面に出し、その心地良さを何枚も剥げば、ようやく意味が4割分かる……みたいな不思議な感覚に酔い痴れた作品でした。

下巻は絶賛奮闘中なため、どうなるかがトテモ楽しみです。

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Posted by ブクログ 2023年07月26日

「読んだら精神に異常をきたす」と評される日本文学の奇譚。夢野久作自身も「読者を狂わせる」ことを目的として書いている。
横溝正史エッセイの落合信彦の対談で「この本読んでいると気が変になりますよねー、はっはっは」みたいなことを話していた。「気が変になる」という言葉はこの二人の対談から広まったのかな。
...続きを読むかし私としては、上巻の半分の精神科博士の論文が理解できず^^; 本書で気が変になるのは、この論文が理解できる頭の良い人なんじゃなかろうか ^^;


※差別用語も本文のまま記載しています。
※※※※わりとネタバレ気味ですのでご了承ください※※※※

===
………ブウウーーーンンンーーーンンン………。
蜜蜂の唸るような音が耳に入り、青年はウスウスと目を覚ます。青年には自分に関する記憶が全くなかった。ここはどこか、自分は誰か、なぜここにいるのか。
すると隣の部屋から少女の声が響いてきた。少女は青年を「おにいさま」と呼び、切々と訴えてくる。
 おにいさま、私がおわかりになりませんか、婚約者のモヨ子です。結婚式前夜におにいさまに殺されましたが、こうして生き返ってきました。私のところに戻ってきてください。おにいさま、返事をしてください、返事を、へんじを………

やがて青年のもとに「九州帝国大学 精神科 若林鏡太郎(わかばやしきょうたろう)」と名乗る医師が現れる。若林博士は青年に、今日が大正15年11月20日でここは九州帝国大学精神科の第七号室だと伝える。
若林博士は、この精神科の前教授で一ヶ月前に自殺した正木敬之(まさきけいし)博士と共に精神病患者の研究をしていた。この正木教授はかなり奇妙奇天烈摩訶不思議な精神科論を講じていた。そしてこの青年が生まれるより前に、彼のような精神病患者が現れることを予言していたという。
若林博士は、青年の記憶回復のためといって、青年を医学部長室へ連れて行く。

そこには入院患者たちが書いた論文や創作物が並んでいた。
その中の一つは『ドグラ・マグラ』。
………ブウウーーーンンンーーーンンン………。という音を聞き目覚めた入院患者による「自分は若林博士と正木博士に実験体にさせられている」という体験記だった。

青年は、自殺した正木博士の遺した文章を読む。

『キチガイ地獄外道祭文』
正木博士は日本を遍歴しながら精神病者の扱いを訴えたという。その訴えは木魚を叩きながら阿呆陀羅経を唱えるというものだ。

ああアーああーアアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ…
  まかり出たるはキチガイ医師だよ、寄ってきなされ聞いてきなされ
  キチガイと言われて閉じ込め虐待されたる入院患者。これじゃあ地獄だよ
  そこでこの気楽な医師が、新案工夫のデッカイ精神病院、奇妙奇天烈珍妙無類の治療で患者を助けます
アアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ…


『球表面は狂人の一大解放治療場』
「この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない」という論文。

『脳髄は物を考えるところに非ず』
それじゃ何なんだいというと、脳髄とは物を考えていると脳髄に錯覚させる器官ってことなんだよ。
生物は大きく複雑になり、脳髄は細胞を独立させた。そう、細胞こそ人間の意思決定の器官なんだよ、きみ。

『胎児の夢』
胎児は母体にいる間に、今日に至るまでの地球の歴史を悪夢を見ている。それは力のぶつかり合いであり、生物の残虐性である。
胎児は自分の祖先の夢を見て細胞に記憶してこの世に生まれるのだ。こうして人間は先祖の「心理遺伝」を持っている。

『空前絶後の遺書』
ヤアヤア我こそはキチガイ博士としてその名を馳せたる正木敬之なり。明日の大正15年10月19日に自殺することにしたそのついで、古今無類の遺言書を残すことにした、さあ立ち会え立ち会え。

…という感じで、正木博士は呉一郎(くれいちろう)という青年について記す。2年前に母親を絞殺した容疑が掛かったが、若林博士がその容疑を晴らした。だがその2年後に従妹で婚約者の呉モヨ子を絞殺した。
だがモヨ子は仮死状態にあったのであり、若林博士が覚醒させ、第6号室に入院させたのだ。

==
遺言の途中で上巻終わり。

最初に青年が目覚めた病室の様子は、本当なのか幻影なのか判別しかねた。
正木博士の書き遺したものはそれぞれが口語体や舞台式などの形式で書かれて目まぐるしい。
医学部長室にある精神病患者の創作物や、終盤の「手術」はかなり気味が悪い…orz

このように、精神病棟入院患者の目線の描写、文体を変えていく形式で、読者としてはついていくのに精一杯だったよ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月01日

最初は難しすぎて頭が痛くなりましたが自分なりにまとめてみました。

人間の心理作用を先祖が治さないと子孫にそれが伝わってしまう。代を重ねるとその遺伝子が年々遺伝していきこれが酷くなってしまう。
これ2015年のホロコーストの子孫の記事と似てると思いました。著者は天才だと思いました。

夢遊病→熟睡状...続きを読む態に入り脳髄が熟睡している

背景が暗くなると潜在意識が光り始める。そして、睡眠に出遅れた細胞たちがその意志やらを遂行するために誤作動を起こす。
脳髄を通過してないから記憶ない

胎児の夢→人間の進化を見てるつまり遺伝子というものが形を成してそれをする過程を見ていることを言っているのだろう。
なぜ胎児は単細胞からわざわざ形成されるのか?
人間は外見を見ると他の霊長類と比べると綺麗に進化してきたが皮を剥がすと内臓やら下等動物の「お譲り」
人間の精神もそうだ。常識とか文化という化粧をしている。しかし皮をめくると生存競争があるのだ

動物心理の核心
無意味に生きて無意味に行動してるように見える
これは原生動物のようだ。刺激のあるものに集まってる
→人間は身体などの進化を単細胞etcから受けてるのではなく、精神(本能)と言われてるものまでそうだった
人間の進化は着飾ることなのかもしれない
人間とはつまり宇宙ってことだ。
偉大な内容を持つ細胞の仲介として脳髄がある
これは細胞1粒より素晴らしきものになるはずだか
なってない。それは細胞の仲介役である脳髄が完璧でないということになる

夢とは細胞の意識が脳髄に反映してるだけ
寝てる時胃腸が働いてる→苦しい辛い 悪夢へ
消化が終わると→楽になる 悪夢からの解放
夢というのは主人公細胞自身だけがわかる気分のこと
細胞の発育、分裂、増殖ち伴う細胞自身の意識内容の脳髄に対する反映

心理遺伝は先祖の遺伝を引き継いでレッテルを貼りながらどうにか隠してるのでそれが我慢できなくなった時に壊れる
著者は骨格で人格が決まるとも考えている。骨格を決めるのも細胞だからだ。

この本を読むと分かるのは、私たちは脳がすごいのではなく、細胞が凄いのだと分かりました。
細胞が宇宙のように分裂を繰り返す。
これは、人間の歴史の集結だと思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月21日

個人的考察(ネタバレ)

書類を読む前=正木が自殺し、呉一郎が『ドグラ・マグラ』を書き上げた時点よりあとのある日における、「私」と若林のやりとり(若林は10月20日と同じ状況を再現することで「私」に暗示をかける精神科学の実験を行っている)

上巻52頁、理髪師「ちょうど丸一ヶ月前のことで…」
...続きを読む→理髪師は、一ヶ月前にも「私」の髪を切っており、離魂病により「私」が解放治療場で幻視した呉一郎の髪も、目覚めてからの「私」の髪と同様に「蓬蓬として」いる
→前回髪を切ったのは10月20日であり、若林がその日にとっさに言った「一ヶ月後」という言葉を「私」の潜在意識が記憶しており、それによって10月20日からちょうど一ヶ月後の11月20日に「私」が目覚めた=やりとりが行われているのは若林の言う通り11月20日?
あるいは、若林は「私」が冒頭のように記憶喪失の状態で目覚めるたびに同じ暗示を繰り返しているのかもしれない
(度々ループを思わせる描写あり。上巻54頁「博士の口ぶりによると、博士が私の頭の復旧を命じたのは、この理髪師ばかりではないように思える。もしそうとすれば私は、その前にも、そのまた以前にも…何遍も何遍もこんなことを繰り返したことがあるのかも知れない」)
記憶喪失者としての「私」の意識が目覚めていない期間、「私」はアンポンタン・ポカン君や『ドグラ・マグラ』を書いたときのように夢中遊行状態にある

書類を読んだ後=10月20日に「私」の身に起こった出来事を、若林の暗示により幻覚

ドグラ・マグラの内容=「胎児の夢」そのもの
巻頭歌も胎児に関するもの
→「胎児の夢」は作中における精神科学理論のなかでも一際重いウェイトが置かれているように思える
最も直接的な根拠となるのはは最後の数頁、「これが胎児の夢なんだ」云々
cf.上巻54頁「私は現在、ここで、こうして、頭をハイカラに刈られて、モミアゲから眉の上下を手入れしてもらっているような夢を見ているので、ホントウの私は…私の肉体はここにいるのではない。どこか非常に違った、飛んでもないところで、飛んでもない夢中遊行を…。」

「私」の正体=呉家の子孫の胎児
呉一郎の記憶を夢として追体験=夢の中で、呉一郎として彼の記憶をたどる
→呉一郎であり、呉一郎ではない
本文ラスト、呉一郎だけでなく正木や呉青秀といった自分の子孫たちの記憶も追体験
産まれる前から、自分が多くの人を殺すことになる運命を自覚=まさに「悪夢」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月29日

【あらすじ】「ぼく」は、独房じみた精神病棟の一室で目が覚めた。ぼくには過去のいっさいの記憶が無く、自分の名前すら分からない。しかし、なんでも、ぼくが記憶を取り戻せば、とんでもなく重要な怪事件の真実が明らかとなり、世界が驚嘆する実験が完成するのだと云う。三大奇書のうち一冊。

【感想】まだ上を読んだだ...続きを読むけ+下巻は60ページくらい読んだ時点の感想です。ネタバレ。

終始突飛な主張、かつ論文調の長文で読みにくい部分もある。冗長な繰り返しの表現もしばしば。しかし、それを上回る技巧性、面白さがある。
特に、このドグラ・マグラそのものが入れ子型になっている構図、前半から示唆される、(すべては、時計が鳴る数秒の間に「ぼく」が見た夢では無いのか)という疑念を踏まえて読むのが楽しい。ずっと狐につままれながら読む感じ。

謳い文句にあるような、精神に異常をきたす!といった感覚はない。
しかし作者・夢野は脳科学や進化学についての基礎知識を持ち合わせていて、そんな学術的事実の解説から始まった話題が段々と飛躍し、なるほど…と思うような例示を挙げながら、とんでもない主張に落ち着く。だから、読んでいるうちに、どこまでが本当かたまに分からなくなるような錯覚は覚える。読者を罠に掛けてやろうという気概を感じる点で、戸惑面喰(どぐらまぐら)を名乗るに相応しいと感じた。

ところで、何より、登場人物である気味の悪い法医学博士・若林鏡太郎が推しになって、読むのが楽しい。巨大で細長い図体(大正時代なのに六尺)でありながら、恭しく丁寧すぎる話し方なのがかわいい。見た目のことを「西洋の妖怪」とか言われてるし、研究対象の様子が急変したから車を飛ばして駆けつけただけで「その気味の悪いスバシコサ​──」とか言われててかわいそうなのが可愛い。下巻では様子が変わるので今後も鏡太郎の動向が楽しみ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月21日

今年1面白かった作品
ストーリーの絡まり方や展開が壮大なのに、最後に各々のストーリーがきちんとまとまってくる面白さ。
心理遺伝というテーマから、人は生まれる前から決まっていた定めに反抗できるのか?彼が悲しくも生まれ、そして彼の誕生が狂わせた人々を見ていると、呉一郎の行き場のなさ、どうしようもなさから...続きを読む虚しさが込み上げてくる作品だった。

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Posted by ブクログ 2022年10月31日

ハヤカワ・ミステリ276 のドグラマグラを読ませて頂いたので上と下巻の境目がわからない為序盤について喋りたい。

まず初め10ページ程で読み辛くリタイアも頭にある状態な程に夢野久作に着いて行くことが難しいものであった。ハヤカワ・ミステリの訳がなのかわからないが当時の漢字をそのまま引用している為、現代...続きを読むの小説を基本的に読んでいる私からすると難しい表現、漢字が多かったが、
その後は異様にスラスラと読む事が出来た。これが精神が可笑しくなる事なのか疑う程異様に頭に入る。私は此処で頭がイカれたかと思った。イカれてなかったと思いたいが。

何を言いたいかと言うと、真ん中とは言わないが20ページ迄読み進めて欲しい。私の様に序盤読み辛い人も直ぐに慣れて読み易くなる事があることだ。後別に病んだりもしないと思うが読んでいるはずなのに何も理解できない時があったので伝えておきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月12日

チャカポコチャカポコ。私は結構この本好きです。精神に異常をきたしたりは別にしないし伏線や考察を楽しむ普通のミステリーのように楽しめた。読み始めたら止まらないし結末も人によって違うのが面白い。ワタクシには絶対これやろ!というものがあるのですが、、

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月19日

再読したくて探したら行方不明に(T ^ T)
その為、再度購入σ^_^;

 日本ミステリ界の三大奇書。(『匣の中の失楽』も合わせて四大奇書と言われることもあります)
 読むと精神が崩壊する等々。

 私が目を覚ました時、記憶を失っていた。隣の部屋からは女性の声で『お兄様』と呼びかける声。
 ここは...続きを読むどこで、私は誰で、どうして、こんな場所に閉じ込められているのか……。
 そこから始まるのは奇書にふさわしい物語。

 初めて読んだときに思ったのが、ミステリの概念とは?

 記憶を失った私が閉じ込められているのは精神病院で隣にいるのは私の許嫁だというところから物語ははじまります。

 そこまではいいのですが、私の記憶を戻すために精神科医の若林博士から渡された小冊子である『キチガイ外道祭文』が読み返すたびに凄いなぁ。

 ここで繰り返される『オノマトペ』の効果とまるでお経のような文章を延々と読んでいくと、わけがわからなくなるのは当然とも思います。ですが、私はこの『オノマトペ』の使い方が強烈で好きなんですね。

 天才的な感覚で使われているこの『オノパトペ』、読んでいる方はそれに取り込まれていくような気がしてもおかしくはないと思うんですよね。

 そして、殺人事件に自分が本当に関わっているのか、隣にいるのは本当に己の許嫁であるモヨ子であるのか、正木博士は変死を遂げていながら、どうして自分を若林博士に託したのか等々。

 何回か読んでますが、読み終えたときに答えが出なくてもいいのかもしれないのかもしれないということかもしれないです。

 これは『虚無への供物』を読んだときも思いましたし、『匣の中の失楽』もそうなのかもしれないなぁと思ったりもします。

 ほぼ同時期に読み始めた埴谷雄高さんの『死靈』は形而上文学と言われる作品ですが、『ドグラ・マグラ』と表裏一体の作品なのかもしれないなぁと思う時もあります。共に20代の時に出会ってますからね。手当たり次第に本を読み始めた時期で、そこからいろんな影響を受けていた時代です。(こちらはミステリではないですし、ドストエフスキーの影響を強く受けている埴谷さんらしい作品です。でもドストエフスキーとは私は相性が悪いんですよねぇ~)

 因みに『死靈』は当時出たばかりの村上春樹さんの『羊をめぐる冒険』と比較されている評論を読んで、読み始めました。未完になってしまいましたが。

 そんなことを思い出しながら再読を終えました。

 面白かった(*^^*)

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Posted by ブクログ 2021年09月22日

伏線回収が素晴らしく、読んでいる中で何度もどんでん返しを食らってとても面白かった。また、結末が明かされないだけに人によって様々な解釈が生まれ、その難解さと後味の悪さから何度も読み返したくなるという意味では「精神に異常をきたす」と謳ってあるのも頷ける。今までで読んだ本の中でもトップレベルに好きな作品だ...続きを読むった。

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Posted by ブクログ 2024年03月16日

ヨビノリさんの影響で衝動買いした奇書

「胎児の夢」
進化の過程を辿る胎児の夢、先祖の心理遺伝

「地球上に狂人でない者はない」
癖や性格などは自分をコントロールできない一種の例
狂人を見て笑う者は自分は例外だと思っている

途中の論文は読むのが苦痛に感じる部分も少々

内容は面白いし惹かれる

...続きを読む分も五十歩百歩である事を気付かずに人を笑う者を痛烈に批判する場面にちょっと笑った
(批判している本人も例外ではない)

クライマックスがヤバいらしく、下巻を読みたい


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Posted by ブクログ 2024年03月04日

男の目が覚めると、自分の過去に関する記憶が全て失われていました。
男は、九州大学の精神病科にいましたが、ある怪事件の目的は何か、犯人が誰かという真相を明らかにするため、医学教授若林博士が記憶を回復させようとしていました。

男は若林博士から絶世の美少女が許嫁と言われ、彼女のためにも記憶を喚び起こそう...続きを読むとしますが、全く思い出せず、自分が誰だかわからない恐ろしさや、精神病患者であるみじめさを感じます。

また、男は自分が偉人正木先生の実験『狂人解放治療』にかけられていると知らされます。
正木先生の研究内容について読んでいると、脳髄の機能や、精神病について考えると同時に、自分が何者か考えてしまいます。

「奇書」と言われているため身構えて読み始めましたが、ドキドキする面白い小説でした。探偵小説的でもあり、真相が気になります。

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Posted by ブクログ 2023年11月08日

読むと発狂するとされる本。
出だしは自分の記憶も分からないし隣から声が聞こえるというサスペンスで読み応えがある。
チャカポコ辺りから読んでいて理解が追いつかなくなってくる。個人的には同じ奇書とされる『黒死館殺人事件』よりは読み易いとは思う。

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Posted by ブクログ 2023年08月26日

25年ぶりに再読。なぜか夏に読むべき本なような気がして。チャカポコゾーンは下巻の頭のあたりだと勘違いしていたけれど、上巻の中盤だった。このあたりからさっぱり訳が分からなくなる。今回は、このあたりから、たまたま見つけた朗読動画を聴きながらの読書。朗読だと文字を目で追っていなくても話が進むし、ちょっとし...続きを読むたすきま時間や別のことをしている間にも読めることが分かったことが発見になりました。

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Posted by ブクログ 2023年08月15日

日本三大奇書の一角。
"精神に異常をきたす"なんておどろおどろしいことが書かれていたので、覚悟はしていたのですが、思ったよりは普通な内容。
ただ"チャカポコチャカポコ"や"キチガイ地獄外道祭文"などの独特過ぎる文体には軽く眩暈を覚えそうな....続きを読む..人によっては気が違いそうな世界観ではある(かの横溝正史が本書を読んだ際に気が狂って暴れたエピソードが実際あったりする)
途中の論文パートは読んでて目が滑りまくったけど、"胎児の夢"に関しては成程と納得させられそうな説得力があった(実際のところどうなんか知らんけど)
下巻でこの話をどう着地するのか期待。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月24日

~読み終えた後、謎が深まる一方~
冒頭、「ブウウーーーン」という独特な時計の音で目を覚ました主人公の「私」。今精神病棟の中にいるのですが、自分の過去をすっかり忘れているばかりでなく、名前も思い出せません。出だしから何やら不思議な現状です。その後、大学の教授である若林教授が言うには、私はある殺人事件に...続きを読む関与していると言われます。「私」の記憶を頼りに事件を解決していきたいとの事ですが、何にせよ「私」は記憶がありません。そうして、物語は始まっていくのです。私が特に面白いなと思ったポイントとして、この作品中の論理が実際にも提唱されていて、その論理と加えて作品を見ると時代の変化が分かる所です。作品中の脳髄論、胎児の夢は、正木教授の書いた論文の題名です。小説内の架空の理論ですが、実際に提唱されています。特に、胎児の夢というのは胎児は母の胎内で生物の進化という遠大なストーリーの夢を見ている、というものです。母親のお腹の中で、胎児が夢を見ているのではないかという仮説もしくは理論の事を指します。作品中の正木氏(「私」が尊敬している天才医学者であり、死んだはずなのに今存在してる) は、これは自分の遠大な計画の中間点であるとコメントをしている。わかると思いますが、かなりダウナーな内容の論文です。また、巻頭歌の意味に近づくために重要な部分だったりもします。
最後に、『ドグラマグラ』と検索をかけると、おかしくなる、厨二病作品、意味が分からないと検索に上げられるくらい、確かに内容として最後まで読んで簡潔にすっきりとはいかなかったです。ですが、それこそがこの作品の良さなのではないかと感じます。奇妙かつ、最後まで疑問が浮かぶこの作品ですが、途中で前半部分と重なる点などがリンクして面白かったりします。この作品は、昭和の作品ですが少し言い方や表現が今と異なっていて、何度か同じ部分を読み直してやっと理解する所もありました。また、教授の実験に参加しているシーンを読んでる時は、読んでいる人さえおかしくなり、一旦深呼吸などして改めて読むのを推奨します。

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Posted by ブクログ 2023年04月24日

発売当時に読みたかった作品。その当時の科学力,その当時の神秘性,その当時の倫理観に照らして読みたいから。

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Posted by ブクログ 2022年12月22日

読めば読むほどに訳がわからなくなってくる。
読んで理解することはできるのだが、理解したことがじつは間違いだとわかる。そうか、本当はこうだったのか……。
ところが、その本当がまたひっくり返って嘘になり、犯人だと思っていたのは被害者で、味方かと思えば敵であり、もう誰を信じて何を疑えばいいのか、頭の中がこ...続きを読むんがらがってくる。
ああでもなく、こうでもなく、またああでもあり、こうでもある。どれもが真実でありうるとともに、またどれもが虚構でもありうる。そんな果てしのない迷宮のような小説。

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

奇書として有名なドクラ・マグラの上巻。精神病、脳髄に関する話が軸に話が何重にも織りなされているような本。面白く惹かれる部分もあるが、確かによくわからない部分も多々あった。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

 巷間言われているほどのグロさもエロさもない。正木を通じて語られ続ける作者の世界観、生死観は理解の範疇である。

(内容紹介)
 昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉...続きを読むという宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。
 常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

胎児の夢は非常に興味深い話だった。
想像していたよりはずっとまともな話で続きが気になる。この夏は夢野久作に挑戦すると思って手に取った。下巻も頑張って読む。

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Posted by ブクログ 2023年06月10日

よくわかんないけどすごい不思議な感じ。
読むと気が狂うってのもわかる。
もう1回読む時はもっと色々なところに着目して読みたいな…

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Posted by ブクログ 2023年06月02日

読むと精神に異常をきたすという奇書。
最初以外はほとんど理解できずにおわった。
何ヶ月かけて読んだか分からないけど
文字を追うだけでも読めてよかったな。
さて下を読めば何かが分かるのか?

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Posted by ブクログ 2023年05月29日

何度もギブアップしそうになったけど、なんとか最後まで読み終わった。

途中までの感想は、「訳が分からない」。
最後の方になってきてようやく面白くなってきて一気に読んだが、何となくわかった気になっただけで結局よく分からなかった。

あちこちブログを検索して色んな人の考察を読んで、やっと少し理解出来た気...続きを読むがする。
色んな解釈が出来るので何度も読み返すのが良いんだろうけど、文章が難解すぎて読み返す気にはしばらくならないです…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月23日

物語の鍵を握るのは記憶喪失の青年か。
記憶を呼び覚ますキッカケになるだろう、と謎の博士が記した書類を渡される。
内容は『ある研究に着手するまでの経緯や理論、実験方法に関する記録』で、その奇妙さと難解さには戸惑う。
だけど興味深いと思える部分もある。
結末が全く想像できないので、下巻が楽しみ。

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Posted by ブクログ 2022年09月04日

文体が読みづらく内容も難解なので、一度に読む量や読む頻度がどんどん落ちていき、恥ずかしながら4ヶ月でやっと読破しました…!
昭和の文章で今は滅多に使わない単語や言い回しが多かったため辞書をひくことも多かったですが、まとまった日本語で、なるほどと思う言い回しも多々あり綺麗な言葉遣いを感じました。
話の...続きを読む内容については下巻を読んでから感想を述べたいと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月25日

2022/7/22ギブアップ

この時代から唯物文化を批判して精神文化の社会を作りたいという思想があったことに驚いた。
だけど心理遺伝とかいう理解しがたい思想を延々と聞かせられて、最初は全然気が狂ったりしないじゃんと思ってたけど、読み進めていくうちにジワジワストレスが溜まってあと2日で気が狂うんじゃ...続きを読むないかところまで来てしまった。

内容がグロいとかじゃなくて頭のおかしい思想を真剣に理解しようとするストレスが少しずつ溜まっていって、仕事中常にイライラするくらいには精神不安定になった。
読むのをやめた日から機嫌が良くなったから絶対この本のせい。
読むなら深く理解しようとせずに文字だけをサラッと読み流すくらいがいいと思う。

内容は興味深くて先が気になるんだけど、まとめて話せば数ページにしかならなそうな内容をくどくど喋り続けているのに耐えられなかった(泣)

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Posted by ブクログ 2022年03月31日

チャカポコ長かったり内容は面白いけど如何せん一つ一つが長い!と思ったけど、全体的に文章の音のリズムがすごく良いのでその気持ち良さを楽しめた。ところどころで進撃!?になった。
一生下巻がよめない

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Posted by ブクログ 2022年03月14日

日本探偵小説三大奇書の一つ

「死後の恋」、「瓶詰の地獄」、「少女地獄」と読んできて、いよいよもって夢野久作の代表作であり集大成である本書に手を出しました

後半までは奇天烈な雰囲気もありつつ精神病をテーマにしたサイエンス小説といった感じ
しかし、最後の方でいよいよ探偵小説の様相と犯罪臭が出てきた
...続きを読む
夢野久作曰く
「これを書くために生きてきた」
とのこと
その意味するものとは…

先が気になるので続けて下巻行ってきます!

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

オーディオブックで聞いたためか噂のチャカポコがいつまでも耳に残り続けた。
もう一回くらい読み返さないと頭の中が整理されない

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