【感想・ネタバレ】ドグラ・マグラ(下)のレビュー

あらすじ

昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉という宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。

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Posted by ブクログ

好奇心、ただそれだけの気持ちで読み続けた。読み続けられた。面白いから。最高だ。高揚するとはこれか!
読んでる途中、自分が夢を見た時、少しの間それを現実だと思い込んで、「あれ?あそこ難波やっけ?あの人とはいつ知り合ったっけ?」と、
全く知らん場所と人に対して、まるで自分の人生の一部だったと思わせた、夢と現実の境がなくなった事があって。
これは、私は本当に狂えたのか?!とテンション上がった自分になんか引いた。
これが厨二病ってやつなのかな。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

2025/5/20
圧倒的な情報量を提示することで、ある種ナンセンス文学的な氾濫空虚な感覚を与える。それにしても、下巻でも相変わらず文章表現のお上手なこと。脳髄とビフテキ等にみられる、文学的単語矛盾で強い印象を与えたと思えば、女の麻酔姿を神秘の国に生まれた貝の剥き身と表現する比喩のうまさ。作中で出てくる死語のアナグラムなど、夢野は「日本語」のセンスが卓越している印象。これが、いつまで経っても彼の作品が色褪せない衝撃を持ち合わせている理由。読者の浅学の自覚を強要してくる、支配的蠱惑に魅了される作品。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

空前絶後の幻魔怪奇探偵小説。
「…ブウウ―ンン――ンン…。」という時計の音で初まり、同じ音で終わる物語世界。徹頭徹尾己が誰か己の名前も分からぬ主人公(果たして彼は呉一郎なのか否か)。怪人めいた二人の大学教授。奇妙奇天烈雑多、絢爛たる様々なテクスト――『ドクラ・マグラ』の中の「ドグラ・マグラ」、精神医療現場の地獄を喝破した祭文語り、「脳髄は物を考える処にあらず」という超絶探偵小説と題する談話、系統発生を繰り返す個体発生の内に胎児の見る先祖から親に至るまでの歴史を繰り返す夢、世にも奇妙な遺書、遺書なのだか活動写真の描写なのだかなんとも奇天烈文体。心理遺伝という不可思議(本当にそんなこともあるかもしれぬと思わせられる)、殺人者の証言、精神鑑定者による荘重な文語体の報告書、古刹の縁起、事件関係者のさまざまな語り――そして現れる、自殺したはずのもう一人の怪教授。千年前に描かれたという死美人の絵巻物(しかし本当に千年前のものか?)。そして語られる二十年に及ぶ因縁ばなし。最後に見つかった絵巻物の真実(しかし真実か?)無限の入れ子構造の迷宮。一体何がどうなっているのやら、「私」は一体全体誰なのか、精神科学の学術実験にかけられたあわれな青年なのか否か、それとも第三者なのか。はたして二教授は本当に教授なのか狂人なのか、その語りが真実なのか、主人公への騙りなのか、そもそも語り手「私」の語りが理性的なものなのか狂者の妄想幻想なのか。「私」の発言(記録)は信用に価するのか。時間は円環しているのかそれとも無限の繰り返しなのか。疑い出すとキリがない。
何を読んだのか読めたのか分からない。だからこそ何度も読みたくなるのか。目眩く読書体験。恐るべし『ドグラマグラ』

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

オーディオブックだったので、上下まとめて聴きました。どこから下巻かわからなかったので、本の感想は上巻のコピーです。

日本三台奇書のひとつ。
名作なので、表紙をなんとかして欲しい。
長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。

ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ!
といった印象です。
しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。

前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。

この本が、50年近く前に書かれたなんて…。
本って素晴らしい。読書って素晴らしい。

以下、備忘録
呉一郎の目の光を押し返す。
死人の呼吸が聞こえるような静けさ
乾燥した喉に唾液を押しやったた。
魂から滴り落ちる、血と汗のにおいがわかる

探偵小説は、犯人と探偵の脳髄のスポーツ
脳髄は、謎のご本尊。巨大なタンパク質のスフィンクス。脳のために人体があるのか、人体のために脳があるのかわからない。人体の専制君主。

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2025年01月11日

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この本を繰り返し繰り返し走り読みたいと思う。
それと同時に、この本によって人生を棒に振ることになるのでは無いかと恐ろしくなる。

読後「捕まえられた」と感じる程、脳は考察に縛られ、手はまた頁を捲り同じ音を繰り返し聞く。
話は単純だが、仕組みは複雑。

考察を読んで掴もうとすると、こちらの理論が崩れほどき直してキリがない。
精神が異常になるというより、精神を『ドグラ・マグラ』に捕えられる。

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2024年12月09日

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ネタバレ

解説にも書いてあるとおり全て理解するのは無理なんだろうなと思いました。
個人的な解釈として堂々巡りなのだと感じました。
ループもののように繋がっている冒頭と終わりのブーンという音や主人公の今起きている事を先月にもやっていたのではないか?という疑問。
若林先生が話しているドグラ・マグラを書いた大学生のこと。読み終わってからこの部分を再度読み、この本の事を本の中でも言及しているのだと気付きました。
伏線を探すために見返しているこれを書いている私自身。
本の中の1000年前と大正15年、主人公の把握できる今日と1か月前、読み始めと読み終わりでぐるぐる回って主人公も読んでいる私も一生理解出来ないし終わりがくるかもわからないのだとそういう作品なのだと感じました。
難しい部分も多くて読むのにとても時間がかかりましたが個人的にはとても面白くて好きな作品でした。いろんな解釈を漁ってみようと思います。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

大変疲れた結果、ものすごい振り回されたなと思ったのが正直なところ。
そういうことかと思った次の瞬間には全然そんなことなかったし、上巻もさることながら、下巻の半分まではとても読みにくくて苦労した。
葉巻の煙を掴もうと躍起になる。そんな作品でした。

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2024年09月25日

Posted by ブクログ

読んだ人の分だけ解釈が分かれそうな一冊ですね
一読してすぐの感想としては大いなる無限ループの物語…とでも言いましょうか
古文あり、漢文あり、論文ありととても一人の頭脳から生まれた物語とは思えませなんだ…夢野久作恐るべし
自分なりのしっかりとした考察がしたいですね
大きな宿題です
前提ができては崩され、崩されては作られて
繰り返しているうちに混乱しつつも結論に結びつくが、それは主人公の解釈に過ぎず―。
いや、凄い本だった

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2024年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「読むと精神に異常をきたす」という評判から読者を当事者として物語に没入させるような小説なのかと思っていましたが、そのような形式の本ではありませんでした。むしろ読者側は物語に引き込まれながらも、目まぐるしく展開していく文章に、数多の「?」を浮かべたまましがみつくことしかできないような本だったと感じます
作中に披露される知識の膨大なこと、それを書き表す表現力、何よりその文字数。人生を賭してこの作品を大成させた作者の執念が、重厚な説得力として迫ってきました。
人生の早い時期にこの本に出会えたのは幸運だったと思います。これから何度も何度も読み返したい一冊です。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

好きな本です。
長い迷路のような文章を読み進めて目が文字をなぞるだけになった時に、聞こえてきた台詞に全てひっくり返されました。以来何度も読み返してます。精神に異常はきたしてないです。

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2024年04月21日

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読み進めているうちはなぜこれが気が狂う本と称されてるいるかわからなかったが、読み終えて結局どういうことだったのか考えていくうちに合点がいった。この物語ではなにひとつ確かに起こったと断定できない。良くもこんな物語を生み出せたなと吃驚した。

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

「ドグラ・マグラ(上)」の方に感想を書きましたが、付け足すと、
スルメのように、何度も読み返して楽しめる作品です。
最初読み終えた時はポカ~ンとなり、
全体像が掴めてから再度読んでみると、じっくり理解したい部分が増えていき、本当に色々考えさせられる作品です。
発表当時どうだったかは分かりませんが、現代の感覚で読むと文体が不思議で興味をひかれる事間違い無しかと。
読んでいて楽しいです(^^)

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 たしかに読んでいて頭がちょっと狂ったかも。嘘か本当かわからないもっともらしい理論だが、ここまでなるほどと思わせればたいしたもん。
 時計の音で目覚めると自分には記憶がなく、精神病院に入れられていた、というオープニングから、実は精神異常になった自分が毎日目覚めてからの一日を延々と何度も繰り返しているのではないか、そしてそれを学者がじっと観察しているのではないかという結末までまさしく想像力・妄想力を極限まで刺激された。作中作が登場するメタ構造や、なにも書かれていない巻物を見ただけで呪われた先祖の行いを再現してしまうという設定、どちらが正しいのかわからない二人の医者、しかもそのうちの一人が自分の父親でなおかつ母親殺しの犯人だという、もうあきれるのを通り越して感嘆するしかない超絶的な小説。
 ただし、ラストは好みじゃない。もっと狂わせてほしかった。
 「黒死館殺人事件」と「虚無への供物」がこれに匹敵するって本当か?

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

面白かったです。
わかったようなわからないようなって感想よく見ていたけど、まさにそうなんだなと。
途中読みにくい文章があって、これを読み切れば他の本読むの苦じゃない気がするとすら思いました。
以下ネタバレで
まさか私がモヨ子のお腹の中の胎児だと思わないですよ。
呉一郎の…っていう正木博士の言葉で私は呉一郎でないことがわかりましたし、瓜二つでも納得であると言うのも伏線だったんですね。多分。
正木博士、強烈だったけど嫌いになれなかった。
人間味を捨てきれないように見えたのがまた良かったのかもしれない。
これも自分の考察なので、実際は全然違うかもしれませんが。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

一回、途中で挫折。気づいたら約4年経ってしまい、辛抱して最後まで読むことを決心し読み終えました!読み終わって、再度最初の方の、若林先生がドグラマグラの説明をしているページを再度読んで色々始めて繋がって「もう一度初めから読みたいかも!けどめんどくさい!けど読みたい!」と思いました(笑)
このドグラ・マグラな無限ループを読んでいる私って一体…!?などと考えたりできる不思議さがあります。さすが日本三大奇書!

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

奇怪

少なくとも一読では何も理解できない
すぐにコンガラカル

ただ夢野久作の頭のおかしさに絶句する

途中の論文を読むのには骨を折るが
もう一度読んだら違った発見がある
その勇気はないけど

怖い
現実と無関係には思えない

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

これまで読んだことのないような、精神が翻弄される奇書。
読者の脳の働きを試されているかのよう。
再度、映画(DVD)を観てみるつもり。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

上巻に続いて読みにくい部分が続くが博士との対面になってからは面白くなってきた。
それにしても腐りゆく美夫人の死体を描くとか発想が猟奇。それ以上に2人の博士の行いも非人道的ではある。けっきょく真犯人はどっちなのか低脳な小生には分かりかねるがそれも含めてが本書の魅力なのかもしれない。

ここからは本書の内容と関係ない話。
今(2023年11月現在)、表紙が『チ』を描いた人の特別仕様になっている。本書の本質をついたような素晴らしい表紙だと思う。というか元々ある女性の下半身が露出したような訳の分からん表紙からコチラに今後も替えて貰えんだろうか。普通に書店で買いにくいし人前で読みにくい。好きな人には申し訳ないけど。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

下巻はオール朗読+読書で。本書の入れ子構造によって、いったい何の話を読んでるんだっけ?という状態になる。再読ながら最後まで読んでもやっぱりよく分からなかったので、これまたYouTubeにて解説動画をいくつか見て、なんとなく内容を理解した。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読める時に一気に読んだ方がいい小説。
通勤時間で読み進めているため、内容が難解な分上下巻共にかなり時間かかりました。
結果的にまた同じ日を夢遊し繰り返すのだと思います。また、こうだったものが実は違くて、いややっぱり合ってて、こうでした。が繰り返されるため要点を絞りながら読んでいく必要があると思います。終始不思議な気分で、読んでいるこちらも夢の中にいる感覚でした。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

主人公が本当は教授であったとか、より衝撃的な結末が待っていると思ったら、最終的には、何が現実で何が記憶による幻想なのか分からずにループしてしまった。
前半の言葉遣いが難しく、読むのが大変だった分、元の話に戻ったら読みやすかった。
研究成果を報告してほしいと頼まれており、途中から報告書のような書き方になっていたが、結局ベットへと戻ってしまい、分かったような分からないような思いだった。
もう一度読んだらすっきりしそうだが、読み終えた人との議論を楽しもうと思う。
田口先生の勧め

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドグラ・マグラ下巻。上巻はよく分からなかったが、下巻に関しては少し推理小説じみた雰囲気を感じた。若林博士と正木博士の研究対立に巻き込まれたことがすべて夢だったのか現実だったのか判然としない不思議な印象を受けました。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

九州帝国大学医学部精神病科の七号室で記憶を失った主人公『私』が目覚めるところから物語がはじまる。

内容としては面白かったものの、とにかくものすごく読み難い。
まず上巻の後半半分から下巻の前半半分程を作中に登場する資料(論文、考察、インタビュー記事または映像の説明等)が延々と書かれている。
やっと資料部分を読み終え語り手が主人公の『私』に移ったら、今起きている出来事が『私』の精神病による妄想や幻覚なのか、夢なのか、現実におこっていることなのかわからなくなる…

以前から読んでみたかった作品なので読めて良かったけど、なかなか1回読んだだけでは理解が難しい作品だったので、再読したい。
次はオーディオブックで!!

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むと精神に異常をきたすドグラ・マグラという奇書が存在する、というのはだいぶ前から知ってたんだけど昔の本だし難しそうだな〜と思ってなかなか手を出せなかった。
満を持して挑戦してみたら意外と楽しめたし狂ったりはしてないです!笑
ただ、この本を読んでた3日間は精神がドグラ・マグラの世界に飛んでたというか。取り憑かれたように読んでしまう不思議な魅力があった。
主人公は結局呉一郎なん!?それとも違うん!?というこの作品最大のポイントは他の人の考察も読んでみたらいろんな捉え方があって面白かった。私は素直に「主人公は呉一郎で父である正木博士に巻物を見せられ狂ってしまい、一連の惨劇を起こした後記憶を失って博士が自殺する直前の出来事をループしている」って解釈したんだけど
何度も読んでたらまた違った見え方になるかも。全部が完全に解き明かされないからこそ「奇書」と言われているのかな。奥が深いよドグラ・マグラ。
チャカポコが苦手で読むの挫折した人もいるみたいだけどチャカポコチャカポコ楽しそうにずっとエグいこと言ってるの面白くて私は好き。

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2024年09月10日

Posted by ブクログ

上巻に比べて下巻は読みやすかったのが良かった。
上巻と同じような感じだったら多分途中でリタイアしてた、、、読み終わると精神に異常をきたす本なんて言われてるけど、めっちゃ元気です^-^
この本は記憶が薄れてきたらまた読み直したい。
読んでる時のメンタルとか状況次第で多分解釈とか変わってきそう。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

上巻よりは読みやすかったが理解できたかといえば…?
無限ループ?なにが現実でなにが夢なのか、自分自身さえも信じられなくなってくる。
とりあえずまたゆっくりと読み返してみたいと思う。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

若林博士の屍体弄りの描写がグロテスクで、下巻とはいえ、冒頭から飛ばしている笑

上巻より前半は読みやすいのだが、中盤から後半にかけては読みずらい。解説によれば、主人公が呉一郎か、呉一郎とモヨ子からできた胎児か、という説が強いらしい。終わり方からいくと、どうも時間の感覚が歪んでいるので胎児として夢を見ているのだと思うと納得できるし、解放場でも呉一郎らしき姿を目にした。私は胎児説。

正木博士と若林博士がタッグを組んで自分たちの精神病理学説を実証するために、呉家の人間が見ると気が狂う巻物を呉一郎に見せ、呉一郎で検証する。呉一郎にとって、正木博士は実は父だった。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

とりあえず上下に分ける必要があったのか謎。
上巻で飽きる人もいそう。
読みにくいし、理解が追いつかない。
精神面の事を描いてるので、夢に出てきてゾッとはしたが、別にそこまで精神に異常をきたすほどではない。
下巻になると、物語にも進展が出てきて、読めるようにはなるが、上巻がしんどかった。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

文字を一通り追ったうえで、わたしが楽しめる一線を超えていたと純粋に思いました。マルチバースやタイムリープに興味がなくなる感覚と似てるね。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

 巷間言われているほどのグロさもエロさもない。正木を通じて語られ続ける作者の世界観、生死観は理解の範疇である。

(内容紹介)
 昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉という宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。
 常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。

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2024年01月03日

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