あらすじ
昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉という宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。
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Posted by ブクログ
2024/12/12(木)
胎生学・反復説の学理オマージュに始まり、「時間」と言う人工的で絶対的概念へのアンチテーゼ。唯物医学への懐疑。不自然と倒錯の美学。これら夢野の属人的観念を、鷹揚で行動的な権威の象徴である正木博士という人物を媒介として、圧倒的な筆致により表出表現している。文学が衒学的であることの重要性を再確認できるし、これが1935年に書かれたとは、たとえ大正教養主義の文脈を考慮した上でも、にわかに信じがたいほど。現代でも衝撃を与えるほどの先進性に、真実は常に先見性を孕んでいることを確信。御退屈様。
Posted by ブクログ
奇書と名高いことや、あらすじに惹かれて読んだ。
若林教授のやけにかしこまって長ったらしい説明口調や、正木博士の何が真実で何が嘘か惑わせてくる様子全てがドグラ・マグラの複雑怪奇な世界観を作り上げている。
何を言っているか自分でも分からないし上手く言い表せられないが、私がドグラ・マグラを読んでいるはずなのに、主人公も物語の中でドグラ・マグラを読んでおり、主人公の置かれている境遇がまさにドグラ・マグラの世界そのものであることに肌が粟立った。
この物語の捉えがたさ、そのナンカイサ......。