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Posted by ブクログ
4+
否定的な予備知識が頭にあったのだが、いやいやいや意外と面白いじゃない。
青春だよ、青春。
【本当にあった本当にどうでもいい話】
(本書とは何の関わりもない個人的な思い出話なので、心の底から暇な方か、私の知人以外は読むことを禁ず)
本作には“飛島飛鳥(とびしま あすか)”という名の刑事が登場する。
姓と名の字面が非常に良く似ているのは一目瞭然であるが、これを目にして私は自分の身に起こった、遠い過去のことを思い出した。
“とびしま”とは山形県酒田市に属し、酒田港から北西39kmの沖合にある山形県唯一の有人島である(Wikipediaより)。
しかし山形に住んでいなかった私はその存在を全く知らなかった。
あの辺の島と言えば佐渡に粟島ぐらいの知識しかなかった。「なーんにもない、なんにもしない」というある意味大胆なキャッチコピーで観光TVCMも放送されていたのだが、それを実際に観たのは“とびしま”という存在を知ったもっとずっと後のことだ。
当時19歳だった私は、とある大学の入試に挑んでいた。
実技試験である。
配られた問題用紙には島らしきものが描かれた地図がデカデカと記載されていた。
既に曖昧となった記憶を辿れば、問題文は
「飛島からイメージしたものを描け」
だったか。
“とびしま”という存在すら知らなかった私は、それをアッサリと“あすか”と読み違えた(←間抜け)。
意味不明であった。
へ?
“あすか”って?
これが“あすか”?
飛鳥時代とかの飛鳥?
チャゲアスとかの飛鳥?(←アホ)
何?
島?
模様?
俺の知らない飛鳥??????
さあ困った。
何せ入試本番である。
頭を抱えているうちに時間はどんどん過ぎていく。
とにかく何か書かなければ。
しかし問題の意味がわからないのだから何も思い浮かばない。何度も問題文を読み直す。
“あすか”って何?
やはり意味が分からない。
焦る焦る気は焦る。
周りの受験生たちが何かを一心に描いている音がする。
気配で分かる。
嘘だろ?
俺だけか?
分かってないのは俺だけか?
この“あすか”ってのは常識なのか?
ならば皆が知ってる常識も知らない俺が受かるはずがないじゃないか!
ちくしょう!(心の声)
そうしてどれぐらい頭を抱えていたかは忘れてしまった。
10分か、20分か。
とにかく実技試験で貴重な手を動かす時間を大幅にロスしたことは事実だった。
しかし、白紙で提出するわけにもいかない。
こうなれば何でも良いから何か書かなきゃ。
ある種の開き直りで仕切り直し。
少し冷静になって一度問題用紙を裏返して深呼吸、“今から試験”のつもりで表に返した。
《問題文はよく読みましょう》
初心に返って一字一句凝視してみた。
あす・・・ん?
?・・・!
!!!!!!!!!
何この叙述トリック!(←勝手に読み間違えただけ)
頭の中で何かが弾けた。
その存在は知らなかったものの、ようやくそれが“とびしま”という島の地図だと認識した。
“とびしま”がどこのどんな島かも知らないのでイメージもクソもなく、依然として私にとってその問題が難問であることには違わなかったのだが、少なくとも意味不明な“あすか”ではないことが判明したことだけで軽い恍惚感を得た。
脳汁も出た。
あとは何かこじつけて描くだけだ。
考えてる時間はない。
そうだ、島の形に似ている何かを描こう。
短絡的だがどうせ何も思いつきはしない。
どの道、読み間違えた時点で俺の負けだ。
やるだけやるさ。
本当に時間もないので適当に、しかし全身全霊を込めて描いた。
細かいところは判然としなかったが妄想して描いた。
制限時間いっぱいまで描き込んだ。
アシカの絵を。
合格した。
その後しばらく私は山形で暮らすことになるのだが、飛島に行ったことはない。
紛らわしいことに、酒田市には“飛鳥”という地名もあることを知ったのは、“飛島”の観光CMを見た、更にずっと後のことである。
Posted by ブクログ
”ドッペルゲンガー宮《あかずの扉》研究会流氷館へ”霧舎巧著 講談社文庫(2003/06発売)
(1999/07発売 講談社ノベルスの文庫版。解説:はやみねかおる)
・・・第12回メフィスト賞受賞作。北沢大学新入生のぼく=二本松翔は、サークル“あかずの扉”研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー六人が、尖塔の屹立する奇怪な洋館“流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック!(あらすじより)
・・・”館ものに詰め込める要素は全て詰め込みました!”というような作品。
トリックに次ぐトリック、どんでん返しの連続。
ペンネームの名付け親が島田荘司というのも納得の作品でした。
・・・自称名探偵・鳴海雄一郎のキャラクターが秀逸。
わたしを含め推理好き・マニアの面々が実際に事件に遭遇したら傍から見て彼のような滑稽さになるのでは?
(但し、最後の詰めが甘かったが鳴海の推理力・行動力は認められる。)
名探偵後動の能力を妬んだりせず、お互いがお互いを認め合う信頼関係が伺えるのも良かった。
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