あらすじ
《あかずの扉》の向こう側に――本格推理の宝物がある北澤大学新入生のぼく=二本松飛翔(かける)は、サークル《あかずの扉》研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー6人が、尖塔の屹立(きつりつ)する奇怪な洋館"流氷館"を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック! 本格推理魂あふれる第12回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫)
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これはいい。青春するミステリー好き学生にはたまらないのではないか。
ただ、読後かなり時間のたった今となっていくつかご都合主義的な要素が見えてきてしまったのが残念。
名探偵が気づかない要素とか。
それでもとても面白かった。
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開かずの扉研究会シリーズ
教師の遠峯からの依頼で流氷館に忍び込んだ名探偵・鳴海。野々原涼子、氷室涼香、李岡ちさと、名前の似た女子高生たちのイジメ。流氷館から消えた人々。もう一つの流氷館の秘密。
2009年10月17日再読
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私は素直な読者なので、こういうの大好き。
ただ、詰め込みすぎ感は否めない。あと、文章が読みづらい。同じ分量の他の本より、読むのにかなり時間がかかった。
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4+
否定的な予備知識が頭にあったのだが、いやいやいや意外と面白いじゃない。
青春だよ、青春。
【本当にあった本当にどうでもいい話】
(本書とは何の関わりもない個人的な思い出話なので、心の底から暇な方か、私の知人以外は読むことを禁ず)
本作には“飛島飛鳥(とびしま あすか)”という名の刑事が登場する。
姓と名の字面が非常に良く似ているのは一目瞭然であるが、これを目にして私は自分の身に起こった、遠い過去のことを思い出した。
“とびしま”とは山形県酒田市に属し、酒田港から北西39kmの沖合にある山形県唯一の有人島である(Wikipediaより)。
しかし山形に住んでいなかった私はその存在を全く知らなかった。
あの辺の島と言えば佐渡に粟島ぐらいの知識しかなかった。「なーんにもない、なんにもしない」というある意味大胆なキャッチコピーで観光TVCMも放送されていたのだが、それを実際に観たのは“とびしま”という存在を知ったもっとずっと後のことだ。
当時19歳だった私は、とある大学の入試に挑んでいた。
実技試験である。
配られた問題用紙には島らしきものが描かれた地図がデカデカと記載されていた。
既に曖昧となった記憶を辿れば、問題文は
「飛島からイメージしたものを描け」
だったか。
“とびしま”という存在すら知らなかった私は、それをアッサリと“あすか”と読み違えた(←間抜け)。
意味不明であった。
へ?
“あすか”って?
これが“あすか”?
飛鳥時代とかの飛鳥?
チャゲアスとかの飛鳥?(←アホ)
何?
島?
模様?
俺の知らない飛鳥??????
さあ困った。
何せ入試本番である。
頭を抱えているうちに時間はどんどん過ぎていく。
とにかく何か書かなければ。
しかし問題の意味がわからないのだから何も思い浮かばない。何度も問題文を読み直す。
“あすか”って何?
やはり意味が分からない。
焦る焦る気は焦る。
周りの受験生たちが何かを一心に描いている音がする。
気配で分かる。
嘘だろ?
俺だけか?
分かってないのは俺だけか?
この“あすか”ってのは常識なのか?
ならば皆が知ってる常識も知らない俺が受かるはずがないじゃないか!
ちくしょう!(心の声)
そうしてどれぐらい頭を抱えていたかは忘れてしまった。
10分か、20分か。
とにかく実技試験で貴重な手を動かす時間を大幅にロスしたことは事実だった。
しかし、白紙で提出するわけにもいかない。
こうなれば何でも良いから何か書かなきゃ。
ある種の開き直りで仕切り直し。
少し冷静になって一度問題用紙を裏返して深呼吸、“今から試験”のつもりで表に返した。
《問題文はよく読みましょう》
初心に返って一字一句凝視してみた。
あす・・・ん?
?・・・!
!!!!!!!!!
何この叙述トリック!(←勝手に読み間違えただけ)
頭の中で何かが弾けた。
その存在は知らなかったものの、ようやくそれが“とびしま”という島の地図だと認識した。
“とびしま”がどこのどんな島かも知らないのでイメージもクソもなく、依然として私にとってその問題が難問であることには違わなかったのだが、少なくとも意味不明な“あすか”ではないことが判明したことだけで軽い恍惚感を得た。
脳汁も出た。
あとは何かこじつけて描くだけだ。
考えてる時間はない。
そうだ、島の形に似ている何かを描こう。
短絡的だがどうせ何も思いつきはしない。
どの道、読み間違えた時点で俺の負けだ。
やるだけやるさ。
本当に時間もないので適当に、しかし全身全霊を込めて描いた。
細かいところは判然としなかったが妄想して描いた。
制限時間いっぱいまで描き込んだ。
アシカの絵を。
合格した。
その後しばらく私は山形で暮らすことになるのだが、飛島に行ったことはない。
紛らわしいことに、酒田市には“飛鳥”という地名もあることを知ったのは、“飛島”の観光CMを見た、更にずっと後のことである。
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600ページ越えの読み応えがある作品ではあるのだが、マンガのような登場人物や、軽めの文章のおかげで非常に読みやすい。
熊が首を捻ったり、地下室の壁に名前が書いてあったり、窓の外にユイがいなかったり...
伏線の仕込み方がとても巧い。
館の仕掛けも面白かったが、全体的に解決編が長い割に分かりにくいという感じだったので、もう少し分かりやすくまとめてくれると良かったかな。
続編も楽しみ。
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圧巻の600ページ超えですが、すごく読みやすいので肩が凝りません
新本格館ものであり、お約束ぎっしりの雰囲気しっかりでわくわくします
さまざまな伏線もどんどん回収され、収束するラストとキャラ立ちするメンバーが気に入って、続編シリーズ手に取りそうです
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新本格の見本のような作品。
クローズドサークルでの連続殺人、作中の至るところにある論理、安いラブコメ(笑)
犯行現場に無理があるのと、心理トリックに若干ムリを感じる。
ただ、雰囲気づくりと練られたストーリーが本書を面白くしている。
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”ドッペルゲンガー宮《あかずの扉》研究会流氷館へ”霧舎巧著 講談社文庫(2003/06発売)
(1999/07発売 講談社ノベルスの文庫版。解説:はやみねかおる)
・・・第12回メフィスト賞受賞作。北沢大学新入生のぼく=二本松翔は、サークル“あかずの扉”研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー六人が、尖塔の屹立する奇怪な洋館“流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック!(あらすじより)
・・・”館ものに詰め込める要素は全て詰め込みました!”というような作品。
トリックに次ぐトリック、どんでん返しの連続。
ペンネームの名付け親が島田荘司というのも納得の作品でした。
・・・自称名探偵・鳴海雄一郎のキャラクターが秀逸。
わたしを含め推理好き・マニアの面々が実際に事件に遭遇したら傍から見て彼のような滑稽さになるのでは?
(但し、最後の詰めが甘かったが鳴海の推理力・行動力は認められる。)
名探偵後動の能力を妬んだりせず、お互いがお互いを認め合う信頼関係が伺えるのも良かった。
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典型的な館ものミステリー。あかずの扉研究会の面々が可愛らしい(それなりにキャラ付けされてて)、大学生っていいなって思ったりして・・・ 謎解き、トリックも楽しめます。
Posted by ブクログ
「開かずの扉」研究会の一行が訪れた「流氷館」。ところが、そこにいるはずの招待客達は忽然と姿を消していた。第二の流氷館とも言うべき出入り不能の館に連れて来られた招待客を、姿なき殺人鬼が次々と襲う! 一つ二つ増えていく死体。最後の生存者が用意された縄に自ら首をかけた瞬間、遂に探偵が反撃に出る! 果たして、第二の流氷館はどこに存在するのか? 犯人の正体とは?
あまりにも有名な古典ミステリィを彷彿とさせる意欲作。ある作家の一作だけを以てその作風を訳知り顔で論じるのはいかがなもんかとも思いますが、全体に漂う雰囲気は純粋論理ではなくファジイロジックで、多分他の作品もこういう感じなのかな〜という感じ
フェアじゃない!という一抹の不満が残るのは事実ですが、作者の本格ミステリィに果敢に挑んでいく意気込みをヒシヒシと感じさせてくれる一点で、次作を期待できます。やっぱり本格はこれくらい現実味に乏しくてなんぼですね><
でも主要キャラが多すぎるかなー(・ω・)あと文章力も…←
Posted by ブクログ
あかずの扉研究会シリーズ。
後動悟と鳴海雄一郎、二人の探偵が活躍。互いがどう推理したのかを推理したり……その関係が好きですね。
何で分かっちゃう!?という感じで。
こちらは第一作ですが、二作目以降も面白いので是非。
Posted by ブクログ
北澤大学新入生のぼく=二本松翔は、サークル《あかずの扉》研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー六人が、尖塔の屹立する奇怪な洋館”流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック! 本格推理魂あふれる第十二回メフィスト賞受賞作。
匿名
長い
館モノ、クローズドサークルモノということで飛びつきましたが、
解決編の長いこと長いこと…
真相が二転三転四転五転して、もうええわ!と何度思ったか。
メインキャラたちのわちゃわちゃしたノリについて行けず、
ライトな文章の割にしんどかった。
キャラを好きになれるかどうかってかなり大事。
トリックも大掛かりすぎて、もはや魔法レベル。
予言キャラもなぁ…ミステリとしてアリなのか?
ノックスの十戒でしたっけ、あれからするとやや反則気味ではw
Posted by ブクログ
《あかずの扉》研究会でシリーズ化されているメフィスト受賞の第一作。
大学のサークル《あかずの扉》個性的なメンバー6人。帰省から帰らない女子高生を探しに行く彼女の祖父の館。そこで次々と起こる殺人事件。
たぶん面白いんだろうなあ。
本格ミステリーなんだろうなあ。
ポップでライトな文体と登場人物に振り回されて、どうも読み込めない。
ライトな感じかと思えば複雑で詰め込まれたマニア的トリック。
今回は、タイトル“ドッペルゲンガー”をどう扱うんだろうと期待を持ちすぎて、わかんなくなった。
どうも会話が軽い感じが苦手みたい。
Posted by ブクログ
キャラが凄く好き。
学生の頃に初めて読んだけど、内容は全く覚えてなくて、大人になってから読んだら…あれ?このトリックってダンガンロンパで…ってなりました。
大掛かりすぎるけど、それが小説の醍醐味。
二転三転するところも醍醐味。
犯人の思考回路は理解不能でした。
復讐って…弔い合戦って、なんだろ。
あんなんで彼女が救われるはずはないのに…。
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本格派。だいたい決着がついてからが長いのが本格派か。小仕掛け、大仕掛けが、前半、中盤、終盤に頻出。シンプルに犯罪を犯さない、犯人の心理が本格派ということなのね。この手の遅まきながら初めて読んだような気がする。
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閉じ込められた館で次々人が殺されていくシチュエーション
途中までは面白かったが、トリックがいまいち
館の仕掛けが凄いだけで驚くようなトリックは無し。
サークルの個性豊かなメンバー達は必要無い気がした。
平凡な推理力の二本松君と探偵役の後動さんか鳴海さん
がいれば、後は警察の方たちで十分話はできると思う。
今回の話の為に二人の探偵とゆう設定にしたような気がするけれど
シリーズものみたいなので、今後二人の探偵がどう活躍する
のか他の話も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
研究会のメンバーがこんな人数必要か…?と思ってしまった。女性達の性格が好感が持てない…特にユイ。トリックもちょっとだらだらしすぎでイメージしずらい。怪しい人が最後まで怪しいし、一捻りして欲しかったなぁ…
Posted by ブクログ
「最後の新本格作家」という呼び声の高い霧舎巧のデビュー作。
「あかずの扉」研究会シリーズ第一作です。
やっぱりデビュー作だけあって非常に荒削りな印象が強く、話とか会話もぽんぽん飛んでいって若干読みづらい印象も・・・
ただそれでも力強い文章力というか、そういうのは感じますね。このシリーズ、今後も読んでいってみたいと思います。
これの面白いところは、いわゆる「探偵役」が二人もいるところだと思いました。その二人が反目して・・というのでなく、お互いがお互いを思いやりながら事件を解決・・・というのはおもしろい作りですね。「推理小説フリーク」の主人公は予想通りのワトソン役ってのも笑えてよいです。
Posted by ブクログ
最近読んだ本でパターンがピンポーン!って出てきたのは、多分誰しも読んだ人なら納得する、霧舎巧さん。
<明るくライトに特異な設定そうしてトリックがキテレツ>パターン。
これはもう、メフィスト賞パターンそうして島田荘司センセイ熱烈歓迎パターン!
と、言ってもいいのではないでしょうか。(多分)
Posted by ブクログ
シリーズもののミステリーが読みたくて、探して読んでみました。
お気に入りキャラがいないせいか、(感情移入できず)読み進めるのがちょっと苦しかった。。。
でも、話はまずまず面白かった気がする。。。
あまりビックリするような展開はなかったかな。
Posted by ブクログ
何となく手に取った一冊(多分、作家の名前をどこかで見たからだろうな…)
ミステリィとしてはなかなか面白かったけど、気にくわなかったのが2点
"一人称"と"登場人物の台詞が探偵を意識しすぎ"
なんだかなー。。。(-"-)
これはシリーズの一作目らしいので、機会があれば他のも読もうかな程度で。
Posted by ブクログ
久しぶりに本格推理小説を読んだ。
前々から気になっていた霧舎巧の本を初読書。
久しぶりの活字に前半は調子が出なかったが、後半はすんなりと入ってきた。
小説から離れていたからなのだとは思うのだが、最初の読みにくさというか、「流れ」が出来るまでの辛さが特に初めて読む作家の作品にはある。抵抗感というのか、飲み下せずに残っている感覚があることが多い。
単純に先入観や期待感があるからなのだと思うのだけれど、時々そういうものが無い作品と出会うことがあるので、やはり好みの問題なのかと。
で、この作品については、サブタイトルの「流氷館」を見たときに「館モノ」=綾辻行人という方程式が先入観として浮かび上がった。読むのを後回しにしてきたのはこれがあるからなのかも知れない。といっても、すでに綾辻行人の「館シリーズ」は忘却の彼方なのだが^^;
内容的には上手いし面白いつくりの本格ミステリなのだが、枠に嵌りすぎている感じが拭えなかった。なんだか同人誌を読んでいるような感覚?を覚えた。デビュー作であることを考えればそんなものかなとも思うので、次作や他のシリーズも読んでみようか。
Posted by ブクログ
登場人物に結果だけが見える霊能力者とかいて、なんか某傍若無人な美青年探偵を思い出したり・・・ところどころ二番煎じな感が強いけどそこはデビュー作ということで・・・