小説 - 講談社作品一覧

非表示の作品があります

  • 異常の門
    -
    夢殿轉(ゆめどのうたた)──元公儀隠密「地の七」、実は29年前に誘拐された、琉球国中山王の嫡子・伊舎堂(いさどう)王子。将軍家息女・清姫を犯した疑いで、浜御殿の地下牢に幽閉されること2年。鮮やかな手口で脱出に成功した轉は、異国船の財宝をめぐる天皇帖・大奥帖争奪戦の真っ只中へ。スーパー・ヒーロー眠狂四郎を彷彿させる美剣士・轉を中心に繰り広げられる、凄絶な死闘と妖艶なエロチシズム。圧倒的迫力の伝奇ロマン巨編!
  • 何処へ(1)
    -
    東北A町の中学校へ、英語教師として、東京から赴任してきた伊能琢磨は、駅に降りた早々、おきゃんな芸者・才太郎の胃痙攣を看病させられた。地方文化の向上を志してきた知性の人・琢磨の心は動揺する……。映画化、テレビドラマ化もされた国民的作家・石坂洋次郎の代表作。全2巻。
  • 伊豆死刑台の吊り橋 赤かぶ検事シリーズ
    値引きあり
    -
    下着姿でぶらさがる男女の死体の謎とは!? ――伊豆城ガ崎にある海吊り橋で、柵からぶらさがる男女の死体が発見された。その4ヵ月前、同じ吊り橋の真下の磯で、若い男女の無理心中と思われる遺体が見つかっていて、加えて2人には巨額の保険金がかけられていた。赤かぶ検事は2つの事件の関連性に目をつけるが、その捜査中にも新たな殺人事件が……!?
  • 伊豆の朝凪 米沢着15時27分の死者
    3.0
    東京・武蔵小金井で、CD店経営の本橋昌弘が刺し殺された。死に際に残された「ふじ」という言葉、凶器のナイフに付着した指紋から、藤木隆次が容疑者に。実は二人には、和服の似合う謎の「山手婦人」をめぐって、遺恨があった。事件の鍵を握る彼女の正体とは? 浦上伸介が真犯人の時刻表トリックを解き明かす! 伊豆、東京、米沢を結ぶ殺人事件。鉄壁のアリバイを崩す本格ミステリー。
  • 和泉式部日記
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 弾正宮を喪い、人の世を「夢よりもはかなき」ものと観じ、頼りない式部の心に、四月(うづき)青葉の頃、弟宮帥(そち)宮との恋が始まる。「あやしかりける身のありさま」と嘆く身も、五月雨、七夕、紅葉やがて雪の頃と季節が移り、交わす心持も深まる。南院に迎えられるまで十ヵ月余の恋の哀歓を、贈答歌を骨子につづる。黒川家旧蔵の寛元本を底本に、「和泉式部日記は藤原俊成の作」とする川瀬一馬氏の校注になる「日記」。
  • 泉はかれず
    5.0
    一代で堀江酒造株式会社を築き、大阪の財界でも女傑でとおっている堀江ギンは、孫娘の晴子に早くも結婚の相手をみつけるのに、夢中だった。当の晴子は、まだ学生だから、将来の夢と考えている。しかし、堀江家は、代々、女が家を継いで発展してきたから、晴子にもいい養子を、というギンの持論で、ともかく、晴子は見合いをした。相手は、汽船会社の重役のぼんぼん。奇妙なことに、その青年よりも、ちょっと変わっていて口の悪い脇村のほうが、晴子には好ましく印象づけられた。そして、だましうちの見合いよりも、晴子に瓜二つの美しい弓子の登場が、彼女の心を強くゆさぶった……。
  • 出雲神話論
    3.0
    1巻3,762円 (税込)
    【担当編集ノート】三浦佑之さんといえば、大ベストセラー『口語訳 古事記』の著者にして現代古事記研究を牽引する人です。お嬢さんの三浦しをんさん曰く「コジオタ(古事記オタク)」。その三浦さんの主張の核心こそ「『記紀』の呪縛からの解放」です。簡単にいえば「多くの人は『古事記』と『日本書紀』を似たようなものと考えがちだが、それは大きなまちがい。ふたつの書物はまったく別の意図をもって編纂されたと考えるべきで、その証拠が出雲神話とよばれるものである」ということ。古事記は、上・中・下の3巻から成り、神々のことは上巻において大河小説のように語られます。そのなかで、出雲神話と呼ばれる部分はおおむね以下の部分です。1)アマテラスの弟スサノヲが高天の原を追放され、出雲の国の肥の河の上流にやってきて、コシノヤマタノヲロチを退治し、生贄になって喰われるはずのクシナダヒメ(櫛名田比売)を助けて結婚し、子孫が繁栄する話。2)スサノヲから数えると7代目にあたる子孫オホナムヂが傷ついたウサギを助けたり、命を狙う兄たちから逃れて根の堅州国に行くなどの試練と成長を語る冒険物語。3)オホナムヂがなぜかスサノヲの娘スセリビメと結ばれ、スサノヲからのさまざまな試練を克服し、最後には、スサノヲのもつ呪宝を奪いスセリビメを連れて地上にもどる話。4)逃げるオホナムヂに向かってスサノヲが「大国主」となって地上を支配しろと祝福し、オホナムヂは地上にもどって兄たちを追い払う。スサノヲのことば通りにオホクニヌシとなって地上の主として君臨する話。5)地上の王となったオホクニヌシと女たちをめぐる物語、および国作りを助ける神の話。オホクニヌシとその子孫たちの栄華。じつはこのほとんどが『古事記』のみにある記述であり、『日本書紀』の正伝(書紀の編者が、正統な伝えとして採用した本文)には存在しないのです。なぜ『古事記』にだけ出雲神話があるのか、またそれに続く、俗に「国譲り神話」と称される出雲の滅びの物語にはなにが隠されているのか? ここに徹底的に焦点を絞りながら『古事記』神話、ひいては古代における日本列島の姿を考えてみたいというのが、三浦さんのもくろみです。本書は三浦さんの古事記研究生活50年余の総決算ともいうべき一書です。広く江湖の諸子に問うしだいです。
  • 異セカイ系
    3.7
    第58回メフィスト賞受賞作。小説投稿サイトでトップ10にランクインしたおれは「死にたい」と思うことで、自分の書いた小説世界に入れることに気がついた。小説の通り黒騎士に愛する姫の母が殺され、大冒険の旅に……♪ってボケェ!! 作者(おれ)が姫(きみ)を不幸にし主人公(おれ)が救う自己満足。書き直さな! 現実でも異世界でも全員が幸せになる方法を探すんや! あれ、何これ。「作者への挑戦状」って……?
  • 異世界の名探偵 1 首なし姫殺人事件 電子書籍特典付き
    3.6
    【電子書籍には特典として書き下ろしSSを収録】 元警察官でミステリーマニアだった「俺」は、探偵にあこがれて私立探偵となるが、くだらないもめごとに巻き込まれて死んでしまう。 こんなのは本当の俺じゃないんだ。 そう強く願ったことが幸いしたのか、「俺」は記憶を持ったまま異世界の住人として転生し、ヴァンと名乗る。 転生した先は、剣と魔法、そしてモンスターとダンジョンがそこにある、ファンタジーの世界。しかしヴァンは、持ち前の魔術の才能に前世からの知識や記憶を活かして、王都の名門校に入学する。 入学から3年。王女から表彰を受けるほど優秀な成績を収めたヴァンだったが、その表彰式のさ中、惨劇は起きた。不可解と言えばあまりに不可解なこの事件を解決できるものは誰もいなかった。ただ一人、前世ではミステリマニアで「真の探偵」を目指していたヴァンを除いて。剣と魔法の世界に突如として誕生した名探偵の推理がさえわたる「本格異世界ミステリ」、開幕。
  • 伊勢の闇から
    -
    1巻2,607円 (税込)
    社(やしろ)の杜(もり)深く、信仰の古層に、浮きつ沈みつ。女のさすらい。旅と古典でふちどる古代の神々……。碩学が挑んだ傑作評論。 「たけだけしく残酷な女神たち英雄たち、デメーテルやオデュッセウス、ヴァルキュリアやジークフリートの世界とは全くさま変り、刻薄な何物かの恣意に弄ばれて、よるべなくさまよう、われわれの英雄や巫女たちの、たどたどしい足どり。」(あとがきより)
  • 「伊勢物語」「土佐日記」を旅しよう 古典を歩く2
    -
    王朝びとの都への熱く深い思い。和歌が紡ぐ「歌物語」の典型の2つの古典を道づれに、日本の心を訪ねる! ――和歌が紡ぐ「うたものがたり」の典型、「なにしおはば……」の『伊勢物語』と「男もすなる日記……」の『土佐日記』。2つの古典に浮かび出る王朝びとたちの、「都」への熱く深い思い。けわしい山路や、海の路に、彼らの心をたどる。歌を道づれに、日本の心を訪ねよう。<古典の旅シリーズ『伊勢物語/土佐日記』改題作品>
  • イソップの首に鈴をつけろ
    5.0
    東大入試を突破したエリートの卵・今井章之は、郷里の熊本をあとにし、勇躍、東京へ向かうが、新幹線の車中で、謎の女と隣りあわせる。初対面のはずなのに、この女性は、いやに章之の個人的事情に詳しい。東大生といっても、そこは男の子。女に誘われるまま、若干の野心と期待を抱いて、名古屋で途中下車、ホテルへ向かうのだが、この昭和の三四郎を待ちうける運命は……。江戸川乱歩賞作家の青春ミステリー。
  • 異族
    NEW
    -
    空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。
  • 依存
    3.0
    カバーイラストはリトルサンダー氏の描きおろし!! 島田荘司選 第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作!  未婚の母として息子と二人で暮らしていた香奈枝は友人の紹介で、恭一と出会った。高校生の息子・真斗 にも気を遣ってくれる恭一とデートを重ねるたび、心が惹かれる香奈枝。やがてお腹に恭一との子が宿ったことがわかり二人はめでたく結婚する。これからは親子4人で幸せに暮らしていけると思っていた矢先、恭一が何者かに刺殺された。死の直前救急隊員に恭一は「知らない男に刺された」と言っていたが犯行声明から香奈枝は真斗が犯人ではないかと疑いを持つ……。 「達意の文体と、ミステリー畑には貴重な文芸センスの人間描写によって、上手な混乱を殺人のドラマに持ち込んだ、優れた作例である」(島田荘司氏の選評より) 【目次】 ・プロローグ ・第一章 守らなければならないもの ・第二章 早まるな! ・第三章 スクープ ・第四章 贖罪 ・エピローグ
  • 悪戯王子と猫の物語
    3.8
    一度しか読むことができない物語を旅する悪戯王子と猫。彼らが出逢う20の物語は、ときには優しくときには残酷、ロマンティックでしかもリアリスティック。無垢と頽廃を同時に内在する、ささきすばるのイラストと、詩的な森博嗣の文章とが呼応し、次々と展開するイメージ。観念の世界を揺蕩(たゆた)う大人のための絵本。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • いたずらにモテる刑事の捜査報告書
    3.8
    久保と日向は、警視庁捜査一課予備班に所属する先輩と後輩の若手捜査員である。「予備班」とは、本部と別行動を取ってその捜査方針が間違っていたときに時間の損失を回避するためのチームであり、久保と日向の2人で構成される。ただ注意点が一つ。日向は、彼をまともに目にした女性が失神してしまうほどの完璧な容姿の持ち主だった。そのメリットとデメリットの狭間で、久保は先輩としていつも懊悩していた。そんな予備班に出動命令が下った。両国の銭湯で殺人事件が発生。犯人はもちろん、凶器も見つからないという。今回の予備班の捜査方針とは……。
  • 悼みの海
    4.3
    東日本大震災発生時、仙台の職場にいた川島聡太は、ライフラインが寸断されているなか、両親の安否を確かめるため、沿岸の故郷へ向かう。 半世紀後の同地は巨大な防潮堤に阻まれ、小学三年生の呼人は生まれて一度も海を見たことがなかった。 時を超えて二人に訪れる真の復興と奇跡を描く、著者渾身の感動長編。 本書は宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズの1作。 (『潮の音、空の青、海の詩』改題)
  • イタリア歩けば…
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イラストと写真満載の路地裏めぐり! 駄犬・珍犬にご注意! 路地裏の犬の魅力、満載――「猫のなる木」をヴェネツィアで発見! 自分の目と足をアンテナに、イタリア中を歩いて出会った、どこか気になる物・モノ・者。カフェでの使用カップ調査、街のあちこちに生息する(?)動物を模した装飾品集めなど、観光ガイドではわからない、魅力たっぷり、路地裏めぐりの旅へ、豊富なイラストと写真でご案内します。
  • 「異端審問ラボ」シリーズ全3冊合本版
    -
    「異端審問ラボ」シリーズが合本版になって登場! 栄養科学研究所に配属された千鳥は、言語学研の鳶、考古学研の鶫とともに、研究室で起きた殺人未遂事件を偶然目撃してしまう。この一件を発端に次々と起こる――書庫の放火、連続通り魔事件に巻き込まれていく千鳥たちは「一冊の文献」と「植物の化石」を手に入れることに。三人は化石をめぐる実験をはじめるが……。
  • 異端審問ラボ 魔女の事件簿1
    3.6
    栄養科学研究所に配属された千鳥は、言語学研の鳶、考古学研の鶫とともに、研究室で起きた殺人未遂事件を偶然目撃してしまう。この一件を発端に次々と起こる――書庫の放火、連続通り魔事件に巻き込まれていく千鳥たちは「一冊の文献」と「植物の化石」を手に入れることに。三人は化石をめぐる実験をはじめるが……。「知」への好奇心が異端にふれ、禁断の扉が今ひらかれる!
  • 異端の夏
    3.0
    ベテラン刑事は許されない恋に落ちた! 夏の盛り、軽井沢の別荘地で、12歳の少年が消えた。東京の有名画廊の息子・雄介。わが子の不慮の死から妻と別れた過去をもつ刑事・辰巳は、事件を追いながら、雄介の母・康子に惹かれていく。一族内の確執、老舗画廊をめぐり錯綜する人間関係。剥がされていく人々の秘密に事件は……。傑作恋愛サスペンス。
  • 異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法!
    4.0
    医療現場の驚愕エピソード満載……レントゲン写真は自ら保存すべし。薬価のカラクリ。「善人医者」は恐ろしい――20年間にわたり、心臓外科の最前線に立ち続けるカリスマが、皮膚で感じた、医療現場のあるがままの混乱とカラクリ、そして希望を、ホンネで熱く吐露した。望ましいのはとにかく臆病な医者、高価な最先端医療機器は信用できるか、新薬は「新」たに儲かる「薬」、新しい手術方法の問題点……。目からウロコが落ちる医療エッセイ。
  • 一億分の一秒の侵入者
    -
    パソコン少年・園村雅春は、恐るべきプログラミングに熱中、ある計画の実行を決意する。そんな折、大手都市銀行の三洋銀行に、「闇の帝王」と名乗る者から、5億円を要求する脅迫メッセージが届く。姿なき銀行オンライン・ジャックとの息づまるような頭脳戦と、恐るべきコンピュータ犯罪を描く、長編推理小説。
  • 一路
    5.0
    人間の業とは、かくも深く重いものなのか? 愛欲に身を任せ、夫を裏切りつづけた加那子の背信の行為は、21年の歳月を経て、どんな報いを受けるのか? 過ちのすえ生み落とした娘は、次男・聡との〈近親相姦〉の責めを負ってみずからの命を断つことに……。愛欲の深淵にひそむ人間の宿業と救いを、豊饒な筆に描く、丹羽文学の真髄を示す長編傑作。読売文学賞受賞作品。
  • 一条さゆりの性
    3.0
    ほかの踊り子には真似のできない“演技”を彼女は見せた。舞台のはしにしゃがんだ彼女の花弁のあいだから、ひとすじの流れがするするとあふれ出す。照明の光をあびて、それは感動的な光景だった。……ストリッパー一条さゆりの性と生を、舞台と日常を、暖かいまなざしで共感こめて描く異色の傑作小説集。
  • 一条の光・天井から降る哀しい音
    4.5
    脳軟化症の妻は“私”を認識できない。――何度目かに「御主人ですよ」と言われたとき、「そうかもしれない」と低いが、はっきりした声でいった。――50年余連れ添った老夫婦の終焉間近い困窮の日常生活。その哀感極まり浄福感充ちる生命の闘いを簡明に描く所謂“命終三部作”ほか、読売文学賞受賞『一条の光』、平林賞『この世に招かれてきた客』など耕治人の清澄の頂点6篇。
  • 一族再会
    -
    早く死に別れた生母を思い求めることに始まり、一族のさまざまな生き方、在り方を、時代、社会、歴史とのかかわりにおいて捉え、言葉の、高い緊張の世界に、鮮やかに凝集した、江藤淳渾身の力作。深い感動を呼びおこす名篇。
  • 一日未亡人
    -
    月に一日だけ、仕事とも家庭とも縁を切って、のんびりしたい――この夫の提案を、妻は諒承したはずだったが、やがて疑惑がめばえ、それはしだいにふくれあがっていく。企業の最前線に立つ夫と平穏な家庭内にいる妻との人間関係を追求した表題作。ほかに、ビジネスマンの愛と欲望と挫折をミステリアスに描いた7編を収録。
  • 一日 夢の柵
    4.0
    日常の内奥にひそむ光と闇。――人々が暮らしてゆく、生々しい奇妙な現実。生きることの本質と豊穣。著者60代半ばから70代半ばにかけて書かれた短篇群、野間文芸賞受賞の12の人生の断片。「夢の柵」「影の家」「眼」「浅いつきあい」「電車の中で」「隣家」「丸の内」「記録」「一日」「危うい日」「久介の歳」「要蔵の夜」収録。
  • 一分ノ一(上)
    -
    敗戦後の一九XX年、米英中ソに分割統治された日本。ソ連占領下の北ニッポン山形管区米沢地区に暮らす地理学者・遠藤三郎の元を、密入国した西ニッポンの極道者が訪ねてくる。日本統一運動の志士に誘い込まれたサブーシャは、返事をする間もなく、雪の国境へと連れ出される。奇想天外な冒険小説、いざ開幕!
  • 一本の鉛
    -
    女ばかりが住むアパートの一室で、「デラ」のあかねが殺された。疑惑はあかねに思慕を寄せていた、学生・大田垣にかかる。彼の心証はすべてクロだった。だが、捜査の進展で意外な事実も浮かんでくる。事件を解く鍵は、1枚の宝くじと1本の鉛の新聞活字にあるというのだが……。どんでん返しの妙が冴える、鬼才の初期代表作。
  • 108

    108

    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    108ーーそれは煩悩の数。妻からの思いもかけない告白。脚本家・海馬五郎が挑む悪夢の決算!松尾スズキ自らが、監督・脚本・主演・小説に挑む、一大プロジェクト始動。映画『108~海馬五郎の復讐と冒険』2019年秋公開予定映画同名小説を先行発表!!苦悩と笑いの痛快長編!松尾スズキ&「大人計画」30周年記念作品。
  • 一万分の一ミリの殺人
    -
    致命率70パーセント、エイズよりも恐ろしいという、国際伝染病「エボラ出血熱」。その男性の真性患者が、東京で発見された。さらに、疑似患者も次々に出た。第一次感染者と思われる女は、行方不明。国立微生物医学研究所内部の人間による、ウイルス漏出説を探る新聞記者は、殺されてしまう。綿密な取材と完璧なデータに裏打ちされた、俊英の都会派ミステリー。国際伝染病パニックの元凶は、だれなのか? 首都にまき散らしたのは研究者か、赤毛の女か?
  • 一騎当千
    -
    昭和33年、日中貿易の中断で、北浜交易株式会社は東京支店を閉鎖。解雇され人生の岐路に立った社員の有志7人は団結し、退職金を資本に新会社を設立、脱サラどころか資本家として再出発した。だが、弱者につけいる世間のあくどい罠、そして怪人物・怪婦人の跳梁など、前途は多難である…。「わざわい転じて福」となるのか? 覇気、恋、人情、滋味横溢の脱サラ奮闘ストーリー。
  • 一休さんの道(上)
    -
    禅の道は、現実逃避の独善ではない。酒・狂歌・女を愛する禅僧・一休宗純は、南朝遺臣の反抗騒動や領民の一揆には命がけで周旋の労を取り、大地震、洪水、旱魃では難民救済に奔走し、実生活に根ざす禅修行を貫く。だが、一休の持論である禅僧の妻帯発言が、新たな紛糾の火種となる……。八方破れの修行で真の悟りを求める一休禅師が巻き起す、痛快人間ドラマ。円熟の筆が冴える著者の遺作の大長編。<上下巻>
  • 一休さんの門(上)
    -
    室町時代、臨済宗の風狂僧・一休宗純は後小松天皇の落胤ながら、富貴権門に近づかず、流浪の旅のうちに真の悟りを追い求める。貧しい庶民には慈愛と救いの手をさしのべ、足利幕府の圧政には得意の狂歌で立ちむかい、凶暴な無法者には力で懲らしめる痛快な修行生活。天衣無縫の自由人、一休禅師の生きざまをヒューマンな筆致で描く遺作長編。<上下巻>
  • 一揆論 情念の叛乱と回路
    -
    鮮烈な詩魂と曇りない批評精神で、独自の創造世界を築く、異才・松永伍一が、一揆を題材として、民衆の情念の暗部を探った好著。いわゆる一揆の研究書ではなく、詩人の鋭い直観で、新たに発掘された史料に新たな角度から光を当て、叛逆を志向する日本人の心的構造と土俗的エネルギーの原質を解明。人間の反逆の心の回路をさぐり、その肉声をみごとに捉えた、意欲の論考全4章――鋭い直観力で、新たに発掘された史料の裏面を照射し、民衆の情念の暗部と、日本人の土俗的エネルギーの核心・原点を浮き彫りにした、問題の書!
  • 一個 秋その他
    4.0
    野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。
  • 一週間のオリーブ
    5.0
    ●STORY:1987年春「あの」皇太子妃殿下のお妃候補に「17歳の久遠寺由布子が内定 !!」というニュースが流れた。でも当の本人は「ウソでしょ!?」の気分。超お嬢さま育ちの由布子は、それが「この上なく名誉」なことだと理解できるが「まだフツーの青春していない!!」戸惑いのほうが大きかった。由布子は、友人たちの協力を得て「1週間だけ」家族にナイショのひとり旅に出る。行先は、北海道。憧れのアーテイストのライブに足を運んだ由布子は、地元のイケてる大学生、惣領康則に恋をしてしまうが、名前も立場も偽りな上に、7日後には別れなければならない関係。カレに真実を告げる? それとも? ときめきながら悩む由布子が選んだ「自分の未来」は!? ●作品MEMO;昭和62(1987)年4月の花井愛子、講談社X文庫ティーンズハート第1作。X文庫では10代向けノベライズ作品を数点発表してきていたが“少女小説”へは初挑戦だった。ティーンズハートのブランド創刊は、同年の2月。2か月後れのデビューとなった花井愛子は、本業のコピーライター経験に基づいて、自作に限り、通常編集者が手がける装丁のクリエイティブディレクションやオビのコピーを自ら行なった。イラストレーションのかわちゆかりとは、すでに『少女フレンド』の原作者とマンガ家でタッグを組んでいた、いわば気心の知れた仲。当時10代女子の読者に絶大な人気だったかわちゆかりをカバーに登場させたことが、ヒットの最大要因と言っていい。 ●WELCOMEBACK:講談社X文庫ティーンズハート電子版では「WELCOMEBACK」をキーワードに昭和平成のヒット作品を順次収録、展開予定。その第1弾配信が、花井愛子の10作『1週間のオリーブ』『山田ババアに花束を』『またたびハウスSTORY』『ジュリエット宣言』『恋電話』『星の恋人たち』『10月のパイナップル』『恋曜日』『淡雪ロマンス』『銀色のボーイ』の同時配信。各作品への感想コメントや今後のラインアップ希望など大歓迎!! ぜひぜひお寄せください。 ●関連アイテム:『ときめきイチゴ時代〈ティーンズハートの1987-1997〉』『ムダな金はつかうな!』『ハナイ式ちょびっとダイエット〈50歳でもラクラクまにあう〉』
  • 一緒にお墓に入ろう
    3.7
    「一緒にお墓に入ろう」 そう誓って二人は結婚したはずなのに――? 「終活」をめぐって繰り広げられる、夫・妻・愛人の人間ドラマ!
  • 一心館の殺人剣
    -
    血なまぐさい風が吹く居合道場、一心館。完全な密室状態の中で、二つの白装束の惨殺死体が発見された。覚悟の自刃とみなされた事件の容疑者に浮び上がったのは、全日本剣道選手権優勝者。……何者かが仕組んだ罠か? 30年余の時空をこえていま甦る、怨念の復讐劇!! 江戸川乱歩賞受賞第一作の剣道長編推理。
  • 一寸先は光
    3.5
    1巻1,771円 (税込)
    派遣切りにあい、彼氏に去られ、住むところも失ったミサキは、人生のどん詰まりで友人の喜久江に助けられ、彼女が営む遺品整理屋で働いている。ある日、40代で孤独死した女性の部屋を整理しながら彼女の人生に思いをめぐらせる。夢を抱いて上京し、女一人で頑張ってきたのに、死んだら迷惑がられて、弔ってくれる人もいないなんて。ミサキは、彼女のために泣いてくれる人を探し始める。
  • 一般人名語録
    -
    日本全国の一般人が創った名言。これはホンの一例です…「単身不妊と書いたヤツがいる!」…言葉の力強さとスゴ味に驚きます! ――またまた日本全国1億2千万人が創った名言・箴言・格言・警句。すごいものです! 一般人が生みだす言葉の力強さと皮肉とスゴ味は。たとえば「今日も無事、小便できる幸福よ」……。本当にじっくり読んでみて下さい。何か痛快な気持ちになって、日本と自分の置かれた状況が見えてきませんか。どうぞ御愛読を。
  • 一方通行 夜明日出夫の事件簿
    -
    アリバイを見事に崩していく夜明の推理が光る! 妻が殺された時刻に、夫は夜明のタクシーの客だった。隠されたトリックを次々と暴き、元刑事のタクシー運転手が大活躍! ――東京から九州まで、何とタクシーで! そんなバカげたことをした男の妻が殺された。殺害時刻を考えれば、その男を乗せた運転手の夜明日出夫は、重要なアリバイ証言者となるはずだった。が、そこは、さすが切れ者の元刑事。事件の裏に隠されたトリックをひとつひとつ暴き、真犯人を見事、追いつめて行く!
  • いつかは恋を
    値引きあり
    3.0
    夫亡き後、ちいさな町工場を細々と営む久美子は57歳。心と躰に乾きを覚えながらも、邪心を振り払うがごとく健気に生きてきた。タクシー運転手の寺坂との出会いが久美子を揺さぶる。たやすくない人生を歩んできた男と女。その軌跡は重なってどこへ向かうのか。抑えた筆致の中に色気が漂う、おとなの恋物語。
  • いつか、ふたりは二匹
    値引きあり
    3.5
    猫になって事件を解決! 猫になったぼく。はじめての謎と冒険。 本格ミステリの名手が贈る、可愛いだけじゃないファンタジック・ミステリ! 眠りに就(つ)くと猫の身体に乗り移れるという、不思議な能力を持つ小学六年生のぼく。町で起きた女児襲撃事件の謎に、猫のジェニイの身体を借りて挑むことに。スリル満点、はじめての冒険の結末は――。 子どもが大人になるために大切なことを教えてくれる、あったかくて、少し切ないファンタジック・ミステリ。 ●執筆中、これまで出会い、そしてお別れしてきたひとたちや犬、そして猫のことを憶(おも)い出しました。作品の出来、不出来は別として、この『いつか、ふたりは二匹』は、わたしにとって生涯の宝物のような作品になりました。――西澤保彦(あとがき「わたしが子どもだったころ」より)
  • 逸脱刑事
    4.0
    東京大学卒業のノンキャリ警察官の無紋大介は、都内の弁天代署の生活安全課で 派手な事件とは無縁な日々を送っていた。弁天代署に、本庁から女性キャリアが出向してくる。 この女性キャリア桐谷杏華のファッションが警察官らしからぬ派手めなスタイルで 署内がざわつく。その騒ぎのさなか、管内で数年ぶりに殺人事件が発生する。 衆議院議員の秘書がホテルで刺殺され、一緒にチェックインした女性の行方が分からないという。 あるきっかけから、担当外の無紋と杏華が「逸脱」捜査をすることに。 それほど役に立つとは思えなかった、無紋のこだわり性格とひとつのスキルが、 事件の背景に隠された特秘犯にたどりつく!
  • 五つの鍵の物語
    3.5
    とある場所にひっそりと佇む“五つの鍵の博物館”。収蔵されているのは、曰くありげな鍵が描かれた5枚の絵。見るものを選ぶその不思議な絵が語りはじめる――。幻のルイ16世の鍵を求めて訪れた館で出会う意外な鍵(『十七世の鍵』)。「眠り男が、やってくる。そのときまで保管されたし」。不思議な手紙と同封されていた銀色に光る小さな鍵(『眠りの鍵』)。ほか全5編の鍵をめぐる物語。
  • いつの空にも星が出ていた
    3.8
    うれしい日も、つらい日も、この声援と生きていく――。 本屋大賞受賞作家、40年の想いの結晶。 大洋ホエールズからDeNAベイスターズへ。 時を超えてつながる横浜ファンの熱い人生が胸を打つ感動作。 さえない高校教師。未来を探して揺らぐ十代のカップル。奇妙な同居生活を送る正反対の性格の青年たち。コックの父と少年野球に燃える息子。彼らをつなぐのは、ベイスターズを愛する熱烈な思いだった! 本屋大賞受賞作家が、横浜ファンたちの様々な人生を描き、何かに夢中になる全ての人に贈る感動の小説集。
  • いつの日か驢馬に乗って
    -
    父親を亡くしても、幼い頃からの笑顔は変わらず、中学生になると、兄を真似て新聞配達を始めた妹。あの早苗が、男を愛する年齢になった……。兄妹それぞれの愛の形を、いとおしむように切々と描いた表題作ほか、「充実した日々」「長い顔のボーイフレンド」「ラベンダーは男の香り」を収録する。青春の哀歓を描く、爽やかな小説世界。
  • いつのまにか晴れた空
    3.0
    ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編ほか、軽やかなもう一つの見延典子の世界。女子大生の就職難を描く力作など6編の短編小説集――就職先の決まらないくり子は、卒業後、大阪に勤務することになった久雄とのことで、岐路に立たされてしまった。女子大生の就職難という腹立たしい現実を背景にした、ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編など、単行本未収録作品「山菜おこわ」を含む6編を収録。軽やかな小説空間をひらく、もうひとつの見延典子の世界。
  • いつまでも昨日
    -
    北海道の新聞の片隅に載った「お悔み」記事。特別変わった点のないものだったが、なんと東京から反響があった。それもかつてお宮入りかといわれた殺人事件に関係があるらしい。その意外な真相は?(表題作)ありふれた日常生活にふと忍び込む謎を描いて冴える、名匠の秀作推理短編10編を収録。
  • いつも月夜とは限らない
    4.0
    銀行の倒産事件が世界経済に波紋を。事件を探るジャーナリストにおどしの言葉が……。根の深い国際問題が化粧を落とし、犯罪が全容を現す。闇の中から危険が迫る! ――欧州の1銀行が営業停止となり、世界の各地に恐慌をきたした。被害総額は3兆円。とりわけ預金者の大半が、アジア、アフリカ、中東、中南米の第三世界にまたがり、これらの国々では深刻な状況に陥った。事件を追うジャーナリストの前に謎の老人が現われ、背後に隠された事実を探ると、国際的犯罪の全容が明らかに。
  • イツロベ
    4.0
    私たちの世界が、壊れてゆく……! ――アフリカの小国にボランティアとして派遣された産婦人科医・間野祥一は、禁断の森に棲む謎の部族・ラウツカ族と出会い、超現実的な体験をする。九死に一生を得て帰国した間野だったが、身辺で次々と奇怪な出来事が起こり……。ホラー・SF・伝奇・ミステリー、あらゆるジャンルを超越した壮大な物語!!
  • 偽りと真実のあいまに
    -
    たみ子とのぶ子は、魅力的な結婚適齢期の姉妹である。よく似た顔立の2人だが、性質は対照的で、姉は引っこみ思案、妹は積極的でコケティッシュでさえある。ある日、のぶ子は、デパートの特売場で好意を感じている好青年・野崎正雄と出会い、急速に親しくなる。そこでのぶ子は、野崎とたみ子を結びつけるために、野崎の若い血潮を燃え上らせ「飢餓状態」に引き入れようと企んだが……。ユーモアと健康なエロティシズムで愛情の真実を描いた「偽りと真実のあいまに」の他、「ハシカのようなもの」「辛抱づよく生きたS氏の像」「私の犬はレオという」「猫」「老婆」を収録。
  • 偽りの人々
    3.0
    林真人は無差別通り魔事件で妻の亜矢子を失った。夫婦仲も冷め、家庭内別居中だったのだが、事件の取材で林は妻との仲を美談にした。その報道を見た職場の部下、友人や愛人、そして実は亜矢子の知り合いだったという通り魔事件の犯人は……。小さな嘘が周囲の人たちに影響し、次第に林は追い詰められていく。
  • いとしい恋人たち
    -
    幼い頃に父を亡くし、母の手一つで育てられた矢沢次枝は、恋人・勝田伸にプロポーズされたことを、母に言い出せなくて悩んでいた。依怙地な母は、娘の様子に恋人の存在を感じても、知らぬ振りをしている。伸はそんな状況のなかで、自分自身の勇気のなさに苛立ちつつ、次枝の態度に歯がゆさを覚える。次枝母娘と同じアパートに住む宮内咲子は、勤めのかたわら夜は学校へ通っているが、同級生の加治千太のやさしさを好意以上のものと感じながらも、伸に心ひかれるのだった。それぞれの思いを胸に秘めて、ひたむきに生きる恋人たちの姿と、人々の善意と哀歓を描く青春長編小説。
  • いとしのブリジット・ボルドー
    3.0
    歴史的絶品である1834年産の最高級ワイン「ブリジット・ボルドー」の発見にからむ顛末を描いた表題作。「ます女バンド」なる生理用具を考案・発売して大当りしたアイディア婦人・ます女の、痛快な生き方を描いた「烈婦! ます女自叙伝」。ほかに、「電波大泥棒」「王様の白切手」など、ユーモアとペーソスあふれる4編を収める。
  • 異動辞令は音楽隊!
    3.5
    三十年間犯罪捜査ひと筋、「足を使え」が口癖のゴリゴリ昭和気質の刑事・成瀬司は、世が令和になってもかまわず「刑事の勘」を頼りに法律スレスレの捜査を行い、コンプライアンスを無視した行動を続けた結果、パワハラの告発を受け捜査の最前線から、これまで存在すら知らなかった広報課警察音楽隊への異動を命ぜられる。 社会のため組織のため家族のためと一心不乱に働いてきたのに、気づけば組織からは時代遅れとはみ出してしまい、家族はバラバラ。異動先にも当然なじめず、人間関係にも、音楽隊の演奏にも、不協和音が鳴り響いてーー。 ロングヒットを記録した映画「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が、ミドルエイジの葛藤、生き様、そして音楽が繋ぐ絆を描く爽快なヒューマンドラマ。 内田英治監督最新作・映画『異動辞令は音楽隊!』、2022年8月全国公開予定。
  • イナイ×イナイ PEEKABOO
    3.8
    Xシリーズ、待望の開幕! 行方の知れない兄と、凄絶なまでに美しい双子、そして後妻。周囲から時間が消えたような屋敷に今、血腥い風が吹く。黒髪の佳人、佐竹千鶴は椙田探偵事務所を訪れて、こう切り出した。「私の兄を捜していただきたいのです」。双子の妹、千春とともに都心の広大な旧家に暮らすが、兄の鎮夫は母屋の地下牢に幽閉されているのだという。椙田の助手、小川と真鍋が調査に向かうが、謎は深まるばかり――。
  • 居なおり数学のすすめ
    4.0
    1巻660円 (税込)
    森一刀斎による、受験数学居なおり術の極意。数学となかよくなる秘訣は、まずさりげなくつきあい、つぎにチャンスをみて肉迫する。つまり、異性となかよくなるコツと同じ――といったアドバイスがいっぱい。受験術指南の佐保利(サボリ)流家元・森毅先生による、学生と教師のための受験数学攻略法を、ここに直伝する。
  • 田舎のモーツァルト 詩集
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 詩人、随筆家、翻訳家、また、クラシック音楽への造詣も深い著者は、山や自然を描いた詩や散文の秀品を多く残した。 本書は、詩集である。 田舎のモーツァルト 中学の音楽室でピアノが鳴っている。 生徒たちは、男も女も 両手を膝に、目をすえて、 きらめくような、流れるような、 音の造形に聴き入っている そとは秋晴れの安曇平、 青い常念と黄ばんだアカシア。 自然にも形成と傾聴のあるこの田舎で、 新任の若い女の先生が孜々として、 モーツァルトのみごとなロンドを弾いている。 【目次より】 冬の雅歌 不在 妻に ハインリッヒ・シュッツ 秋 霧と風の高原で 岩を研ぐ 春の葡萄山 モーツァルトの午後 出合い 歳月 田舎のモーツァルト ひとりの山 七月の地誌 回顧 車窓のフーガ 高処の春 あかがり 復活祭の高原 山中取材 野の仏 蝉 或る石に刻むとて 湖畔の朝 鴨 和田峠 馬籠峠 上越線にて 受胎告知 春興 桃咲く春 高地牧場 故園の歌 十年後 朝の門前で 草津白根 予感 飼育場風景 後記 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 忌名の如き贄るもの
    3.8
    忌名は、いわば生贄だと? 「この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん」 生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」の最中に起きた殺人事件に名(迷)探偵刀城言耶が挑む。 人気作家の小説家を、豪華声優による朗読で楽しませてくれるライブ配信「STORY × LIVE」。今作は人気声優、大原さやかさんに朗読していただいた書き下ろし短篇「忌名に纏わる話」をきっかけに生まれた物語です。朗読劇とはまったく違う、長篇ならではの展開を、文庫でもお楽しみください。
  • 戌神はなにを見たか
    4.0
    くぬぎ林の中でカメラマンが死体となっていた。手がかりは、外国人の顔を彫ったレリーフと胃中の風変わりな瓦せんべい。捜査の進行に伴い、日本の推理小説史に関係深い証拠品とわかり、それなりに容疑者も浮かんだが、その人物には鉄壁のアリバイ。推理小説ファン垂涎の設定で本格派の巨匠が書き下ろした長編ミステリー。
  • 犬と鴉
    3.2
    空から落とされた無数の黒い犬が戦争を終わらせた。悲しみによって空腹を満たすため、私は図書館に篭る父親の元へ通い続ける。歪んだ家族の呪われた絆を描く力作。(講談社文庫)
  • 犬婿入り
    3.9
    多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)
  • いのち
    3.3
    腰椎の圧迫骨折で入院し、さらに胆のうがんが見つかった。手術を即断し、秘書・モナに付き添われて寂庵に無事帰還したのは92歳のとき。頭に去来したのはなぜか98歳で亡くなった宇野千代さんや、岡本太郎氏とその秘書、そしてこれまで因縁の生じた男たちのことだった。分けても、日本を代表する女性作家となった河野多恵子氏と大庭みな子氏、二人との強固な結びつきは「作家の業」を浮かび上がらせ、死に際の別離はタイトルにふさわしい「生と死の様」を考えさせる。95歳にして最後の長編小説が結実。
  • いのちある限り ある脳神経外科医の記録
    -
    車に撥ねられ、頭部を強打するという、一瞬の事故。「死んだ方がましだ」と叫ぶ患者を励まし、献身的努力を傾けつづける医師と、絶望的な苦しみに耐えて生きつづけようとする一人の人間をめぐる、愛と悲しみの記録。生命の尊厳、安楽死への疑問、医療と社会とのひずみ、植物人間や後遺症の問題を考える。著者の執刀でかろうじて一命をとりとめた人とその家族との苦闘の日々を描く。増え続ける植物人間、医療のこころを訴える、感動の力作!
  • いのちがけ 加賀百万石の礎
    4.1
    前田利家の忠臣・村井長頼が命を懸けて貫いた武士の本分。 加賀藩の祖・前田利家が流浪した若きころから大名になった後まで付き従った、股肱の臣・村井長頼。桶狭間、長篠、賤ヶ岳、……名だたる戦場を駆け抜け、利家の危難を幾度も救う。主君の肩越しに見た、信長、秀吉、家康ら天下人の姿。命懸けでで忠義を貫き通し、百万石の礎を築いた男を端正な文体で魅せる傑作。 『高瀬庄左衛門御留書』で話題の著者、鮮烈デビュー作!
  • いのちとかたち 天際の借景
    -
    日本美の根源を求めて極めた、美論の成果。源氏物語や枕草子などの古典文学、肖像画・絵巻・茶・花などの伝統芸術、日本人の自然観・芸術観などについて、綜合的な思索を展開。古典、詩、文芸批評の果てに、著者が行きついたのは、日本美への源流であった。『いのちとかたち』は著者50年の文業の結論であり、日本文化研究の輝かしい達成であった。野間文芸賞受賞作品。
  • 命の遺伝子
    3.5
    ベルリンでの講演直後、天才遺伝子科学者トオル・アキツは何者かに攫われ、爆破事件で吹き飛ばされた男の手首を見せられた。四十代のものに見える手首の主は、生きていれば百歳を超えるナチス武装親衛隊の大佐だという。謎を解明するためブラジルの奥地へ向かったトオルの前に、ナチスの壮大な陰謀が姿を現す。
  • いのちのパレード
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    万里は中3、バレー部のセッターだ。エースのセナから、とつぜん「妊娠した」と告白を受ける。セナは、黙って転校していった。市民病院で看護師として働いている万里の母、万里に思いを寄せる勇馬、仕事で忙殺される中で妊娠した勇馬の姉……、みんなの命の物語が並行して進んでいく。万里は修学旅行先の京都で買った土産の小箱を胸に、久しぶりにセナに会いに行く。そして……。
  • 命の森
    -
    東都学園大学部Jクラスに新入学した若者たちは、夢と希望にあふれていた。保守党政治家を父とする空手の名人・勝見明、元華族の娘で皇太子妃候補と騒がれたこともある美貌の冴子、日本復帰を叫ぶ沖繩青年・当麻、社長と呼ばれる謎の男・加納、なぜか彼の姿に脅える葉子、ラグビー部の乱暴者・片桐一派……。だが、明るく甘美であるはずの青年たちの、前途は困難である。当麻と冴子は許されぬ恋に苦しみ、勝見と葉子の燃えるような愛も、葉子の暗い秘密のゆえに、苛酷な運命の波に翻弄されていく……。短く華麗に花火のごとく生きて燃え尽きる若い命を、アクションドラマ・タッチで描いた青春長篇。
  • 祈る人
    -
    父の死後、暁子は母の勧めで見合いを重ねた。行きずりの旅人に似て、暁子の前にあらわれては去る男たち。その儚く淡い触れ合いだけが、思い出の淵に澱んでいく。暁子の育った家庭には、疎開先の叔父夫妻や友人の新婚生活に見られる、強い愛の絆がなかった。学者だった冷たい父と美しい母との間をへだてる厚い壁。異性と愛し合うことへの違和感を自覚した暁子の心は、千々に乱れる。そうした彼女の耳に、忌わしい出生の秘密を告げる男の声が聞こえてくるのだった。生きる証しを求めてさまよう若い女性の心理と新しい愛のモラルを、清冽な筆に描く傑作長編。
  • 居場所もなかった
    3.5
    気にいっていた住居を追い立てられて新しい部屋を捜すことになった独身女性作家の「私」。オートロック付きの部屋に固執する「私」と不動産屋との間には奇妙で不毛なやりとりが重なり、真剣になればなるほどズレが生じる。そのおかしみを描く怒りと涙の住い捜しの奮戦記。表題作に短編「背中の穴」を併録。(講談社文庫)
  • 畏怖する人間
    4.0
    その出発以来、同時代の「知」に、圧倒的な衝撃を与えつづけて来た著者の、秀れた光芒を放つ第一評論集。群像新人文学賞受賞作「意識と自然――漱石試論」をはじめとし、その後の『マルクスその可能性の中心』『日本近代文学の起源』『探究1』『探究2』など、柄谷行人のその後の力業を予告する、初期エッセイ群。
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー
    3.4
    歴史は変えられる――物語ならば。色とりどりの“if”の世界に飛び込む、珠玉のSFアンソロジー。 ★収録作品★ 石川宗生「うたう蜘蛛」 死ぬまで踊り続ける奇病が蔓延したイタリア。 頭を抱える総督の前に、「この流行り病を収束させてみせましょう」と嘯く錬金術師が現れる。テオフラトゥス・フォン・ホーエンハイムと名乗るその男が披露したのは、奇天烈な治療法だった。 宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」 一九六五年の日本。そこには「ピーガー」というSNSが存在した。  ベトナム戦争の取材で一時行方不明となった作家・開高健。帰国した彼を待ち受けていたのは、「ジコセキニン」という非難の嵐。世界初の炎上事件の謎を紐解いた先に待っていた真実とは。 斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」 和歌を“詠訳”する平安時代。 “詠語”ができないけれど詠む歌は一級品の歌人・式子内親王の前に現れた一人の女房によって、世界が一変する。 小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりしとめる)」 南北四里、丈百尺、厚さは二間。その江戸には巨大な石壁「大廓」が横たわっていた。 一体、その石壁は“何”から江戸を守っているのか――? 明暦三年一月。燃え上がるあの日の真実が紐解かれる。 伴名 練 「二〇〇〇一周目のジャンヌ」 一四三一年五月三十日、フランスの英雄ジャンヌ・ダルクは今まさに火刑に処されたーーはずだった。 しかし目を覚ますと、処刑の朝に時間が巻き戻る。彼女にもたらされた「奇跡」の正体と代償とは。 ★絶賛の声続々!★ 石川宗生「うたう蜘蛛」  読後きっとあなたも現実と虚構の間で踊ることになるだろう。 ――三宅香帆(書評家) 宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」  ifによる歴史改変ではなく、タイムラインを遡り、生き証人たちにSNSの闇と真実改変の仕組みをRT(回顧)させ、“真実”というif(畏怖)の匂いを解き放つ! ――小島秀夫(ゲームクリエイター) 斜線堂有紀「一一六二年のLovin’Life」 読むごとに打ちのめされる。斜線堂有紀には、底も果てもないのか。 ――池澤春菜(書評家) 小川一水「大江戸石廓突破仕留」 明朗時代劇と歴史改変SFの完璧なマリアージュ。 ――大森望(書評家) 伴名 練「二〇〇〇一周目のジャンヌ」 「あなたは神を信じますか」いやぼくがいるから神もいるんだが。 心から神を疑わない人間はいるのだろうか? ――でびでび・でびる(VTuber)
  • 井伏鱒二 弥次郎兵衛 ななかまど
    4.0
    日本の"親爺"木山捷平最晩年の飄々短篇集。常に市井の人として一貫し、独特の詩情溢れる飄々たる人生世界を描出した木山捷平最晩年の珠玉短篇。敬愛する井伏鱒二の秀抜な素描、若き太宰治の真摯な青春像。
  • 異物
    3.0
    1巻1,881円 (税込)
    自己存在を安穏と肯定できぬ者の焦燥と破壊。かつて住民の半数が朝鮮人だった町。そこで育った者と、新たに半島から移り住む者とのイントレランスな状況から「事件」は起こった。謎を追い疾走する傑作長編。
  • 異変助太刀記
    -
    下野国の家老と奥役の争いが引き起こした「異変助太刀記」、塚原卜伝の逸話「一の太刀」、赤穂藩主の世襲問題に端を発した仇討ち「乱闘・高野街道」、安南国へ旅をした船の乗組員の記「異説おらんだ文」、天正遣欧少年使節・中浦ジュリアンの生涯「美しい日本の少年」、美濃の蝮の奸計と出世「斎藤道三残虐譚」、浪士組結成以前の若き日々「清河八郎」。代表作「眠狂四郎」の連載開始と同時期に書かれた柴錬初期の鮮烈な時代小説集。
  • イベリアシリーズ合本版
    -
    1940年、内戦の痛手いまだ癒えぬスペインでは、フランコ殺害を企む一派が暗躍する。ジブラルタルを巡り、日英独の諜報戦が熾烈を極めるマドリードに現れた日系ペルー人の宝石商・北都昭平は、やがて激動する歴史の渦へと巻き込まれていく。『イベリアの雷鳴』『遠ざかる祖国』『燃える蜃気楼』『暗い国境線』『鎖された海峡』『暗殺者の森』『さらばスペインの日日』の7篇からなる、著者畢竟のエスピオナージ大作が遂に完結!
  • 違法弁護
    値引きあり
    3.6
    横浜の巨大法律事務所の勤務弁護士・水島由里子は、女性初の経営弁護士の地位をめざし、貿易会社の法的危機管理を担当。しかし、クライアントの連中は古ぼけた倉庫の中に何を保管していたのか、まさかその秘密を守るために警察官を射殺したのか? 最高検も動いている!? このままでは弁護士生命まで絶たれてしまう……! 乱歩賞受賞後第一作。(講談社文庫)
  • 今からあなたを脅迫します 4冊合本版
    -
    「今から君を脅迫する」。きっかけは一本の動画。「脅迫屋」と名乗るふざけた覆面男は、元カレを人質に取った、命が惜しければ身代金を払えという。ちょっと待って、私、恋人なんていたことないんですけど……!? 誘拐事件から繋がる振り込め詐欺騒動に巻き込まれた私は、気づけばテロ事件の渦中へと追い込まれ――。人違いからはじまる、陽気で愉快な脅迫だらけの日々の幕が開く。
  • いまの音 むかしの音
    -
    1巻2,508円 (税込)
    卓抜な論理と感覚が、20世紀芸術の本質を明らかにする。幸福な音楽とは何か? 幸福な音とは何か? ――ピカソは、芸術とは何かをさがしまわることではなくて、何かに出会うことだといった。そうして出会った音が何か自分にとって特別なもの、特別な意味を持っているものと感じた時、その人は音楽家になるのである。決してその逆ではない。音楽についての情報を頭につめこんだ音楽家には、その出会いが困難なものになる。……昔の音をなつかしく思うのは事実である。私が音楽を選んだのはその音によってである。それがいま失われようとしているのは何故か。……私はただ昔をなつかしんでいるわけにはゆかないのである。
  • 今は幻 吉原のものがたり
    -
    高村光太郎がモナ・リザと仰いだ吉原の聖女大火前夜の廓に織りなされる、悲しくも粋な女たちのドラマを淡々とした筆致で描くノンフィクション――吉原遊廓にひときわ高くそびえる角海老楼の時計台。その下で働くことになった娘おふよの見たものは? 華やかなおいらんたちの悲しい素顔、高村光太郎や志賀直哉ら文学者との意外なドラマ……。桜花爛漫のある日、紅蓮の炎とともに最後の「江戸」のすべては灰燼に帰した、明治44年、吉原炎上。江戸情緒をはぐくんだ廓の最後のきらめきを描く。
  • いま日は海に
    -
    欺き利用するだけの男のために、その困窮した生活を援助し、空を飛びたいという男の捨てきれぬ夢を叶えさせようとする加陽子。長い長い歳月の後に、やっと男が自分を振りかえろうとしたとき、悲劇が起こる。報われることを望まず、ただひたむきに愛し尽すことに心身を捧げる純粋な愛の勁さと美しさを描いた名作。
  • 意味という病
    4.0
    日本のシェークスピア論のパラダイムを批判し、明晰な論理と思考の下に、新しい「マクベス」像を描く、柄谷行人の初期秀抜エッセイ「マクベス論」をはじめ、秀作『マルクスその可能性の中心』につながる、その明視力の圧倒的展開を収録。
  • イヤミス短篇集
    3.4
    小学生の頃のクラスメイトからかかってきた一本の電話。「覚えている?会おうって約束したこと」。その声から蘇る、憧れだった美少女の顔。それはノストラダムスが人類滅亡を予言した一九九九年七月の出来事だった(「一九九九年の同窓会」より)。他人の不幸は蜜の味。甘い六篇が詰まった著者初の短篇集。
  • イラク高校生からのメッセージ 日本の若い世代へ
    3.0
    「僕の人生どうなるの? 生きるの? 死ぬの? 戦争はいや! 平和に暮らしたい! 日本のみなさんは広島や長崎を忘れないから、この気持ち分かりますよね」――イラク戦争下で高校生が綴った切実な熱き訴え。バグダッドに滞在していた大学生の著者が、体験ルポを加えた、現地で託されたメッセージ!
  • 【イラストギャラリー付き】戯言シリーズ 全9冊合本版
    -
    エンターテインメントを一新した傑作「戯言シリーズ」が、初の電子合本版になって登場! イラストレーター・竹による、文庫版カバーイラスト計10点を掲載したイラストギャラリーを特別収録! 【収録作品】 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い   クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 ネコソギラジカル(上) 十三階段 ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種 ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い
  • 異類婚姻譚
    3.4
    子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。
  • 入れ換った血
    -
    保存されていた自分のへその緒の血液型鑑定をした医者が、おのれの過去の謎を追う。そしてつきとめた驚愕すべき血の運命の真相とは…(表題作)。旅の途中、一夜をともにした女の不思議な肌の秘密とは…(「棘|のある肌」)など、医学がかかわるミステリーの粋な6編。リアリティーと合理性に、ロマン性がみごとに加味された、佐野ミステリー短編集。
  • イロニアの大和
    -
    1巻2,607円 (税込)
    保田與重郎をめぐる大和文学紀行。――国のまほろば・大和の地に刻まれた、無垢なる魂の悲惨と栄光。悠久と無常の風土に、保田文学の根源をたどる、碩学の傑作評論。 「保田を読み始めた頃は旅を嫌っていた若者が、老境に入って、旅の経験もかなり積み重ねて来たその蓄積の上で、保田の大和を眺めた時どのように見えるか、そのことをたしかめようとしたのがこの本である。いうまでもなく現実にはその土地は行政区画としての奈良県であって、そこにひそむ遠い過去の追想は、所詮幻にすぎぬかもしれない。しかし幻にこそ土地の神髄があると考えれば、現実の相はかえって虚にすぎなくなるともいえる。実にして虚、このイロニーの上に保田の大和は浮んでいると見た所に表題を置くいわれがあった。」(後書より)
  • 色の階段
    値引きあり
    -
    猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。
  • 色判官絶句
    -
    舞台は中国、明の時代。港町の寧波(ニンポー)に都から色男の判官、柳禎之(りゅうていし)がやってきた。迎えうつのは海の荒くれどもを従え、港を牛耳る若き女傑、高悠環(こうゆうかん)。その美貌とはうらはらに、火竜娘(かりゅうじょう)と呼ばれるほど気性は激しい。そこへ彼女に好意を寄せる呉家の頭(かしら)、鷹訓(ようくん)もからんで……。恋と権力、冒険。痛快無比の中国ロマン。
  • 淫具屋半兵衛
    値引きあり
    3.0
    密貿易の謎を解け! 日本一の淫の求道者・半兵衛が、江戸を奔る! ――浅草寺裏手で商う仏壇仏具の浅深屋半兵衛は、じつは腕利きの淫具職人。武家の姫君から吉原の遊女、尼僧まで、あらゆる身分の女性がお得意様だ。そんな半兵衛に、大名の奥方が義妹の観月院を還俗させよとの密命が下る。その裏には、さる雄藩の醜聞が秘されていた。淫道の相方・美雪とともに、半兵衛が奔る!
  • インディヴィジュアル・プロジェクション
    -
    1巻385円 (税込)
    最後の一文字に驚愕する、知的スリルに満ちた現代文学の金字塔。渋谷で映写技師として働くオヌマは、かつてスパイ養成塾に在籍していた。オヌマの日記から伝えられる、プルトニウム爆弾を巡るヤクザとの攻防や、その撮影フィルムの存在……次第に気味悪く変調する日記は、一体何を明かすのか?
  • インド三国志
    3.5
    インド帝国はなぜ滅亡したのか? インドは「我が青春の一部」と語る著者が、東インド会社に屈した謎を描く――生き残る王子はたった一人。流血が王位継承の伝統であったムガル帝国に、東インド会社を尖兵としたイギリスの魔手が迫る。アヘン戦争、明治維新へと続く歴史の前哨戦として、300年を越えるムガル王朝滅亡のひき金をひいたのは誰か……。インドは「我が青春の一部」と語る著者が、熱き思いをこめて描く長編歴史小説。
  • インドの樹、ベンガルの大地
    5.0
    バニヤン・ツリーの木陰で休んだ、熱暑のひととき。祭りの日に友人と遊び、柔らかな陽がさす池で沐浴した日々……。ベンガル地方の風や樹、可憐な花の香りと姿が、今も記憶の中で息づく。暖かな人々との交流、樹や花との語らい。名著『インド花綴り』の著者が、美しい調べのごとく、あなたの渇いた心を潤す、インドの人と森の物語。安らぎと静寂のインドが、ここにある!
  • インド綿の服
    4.7
    「足柄山からこんにちは」――自然に囲まれて暮らす一家の様子を、長女はユーモアあふれる楽しい手紙で知らせてくれる。山の豊かな四季。そこで営まれる若さと活力に満ちた生活。その便りは“私たち”に大きな喜びを与えてくれる。表題作をはじめ「楽しき農婦」「足柄山の春」など、家族の愛の交流を描く足柄山シリーズ6篇。

最近チェックした本